トヨタ生産方式――脱規模の経営をめざして

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  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478460016

感想・レビュー・書評

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  • ザ・ゴールと同じようなことを言っているが、元祖はこちらか。ジャスト・イン・タイムの発想とそれを実現した数々の努力と手法はもちろん、時代は進歩しても根本的なことは変わらないのだとつくづく思う。

  • 元トヨタ自動車工業(株)副社長、大野耐一(おおのたいいち)氏の著作。1978年が初版だが、手元の本は2003年の79刷。 長らく売れ続けているのだろう。 コンピュータ化に関しては、(今の視点だと)多少先入観があるように思うが、現在のトヨタの生産システムを構築したのが大野氏であることがよくわかります。

  • トヨタ生産方式について知ることができた。
    必要なところだけ読めばいいと思う

  • カンバン、ジャストインタイム、5 whys…そういったトヨタ生産方式のエッセンスについては平易に解説された書籍が数多発刊されている。
    しかし大野耐一氏の情熱がこめられ、血の通った文章で綴られる本書はいつか読むべき一冊。社内でいかに変化を伝播させていくか、という奮闘記は泥臭く、同じようにチェンジエージェントとして変革を目論む向きの背中を押してくれる。
    文中に何度もオイルショックが出てきたり、「スーパーマーケット」というものを特殊なものとしてあつかっていたりと時代を感じさせる部分は多々ある。であるがゆえに古びない本質が浮かび上がってきている。

  • ジャストインタイムと自働化、のためのカンバンとなぜ5回。ニーズ起点のロジスティック戦略。

  • アメリカとの生産性の差(8~9倍)を埋めるための必死の改革。低成長時代にいかに利益を出すか。無駄の徹底的な排除。正確さと信頼性に支えられる効率。

    「なぜを5回繰り返す」の原典
    なぜを繰り返すことで,因果関係や暗黙の前提に気づく⇒科学的態度

    付録の用語事典には「5W1Hを自らに問え!」と表現。なぜだけではない。内省を繰り返す。1度内省するだけでは不足する。

    現象について問い続けることで真因が見えてくる⇒研究も似ているなぁ

  • ・ジャストインタイムとは...
    最終工程のみ計画を立てる
    カンバンで必要量だけ生産を要請する
    ムリムダムラを省く
    少品種大量生産でなく、多品種大量生産を実現した。
    会社の自律神経を整備するという感覚.

    ・人員を割く,ということについて
    0.1人は1人
    作り過ぎの無駄をなくす!高性能な機械で大量に作ることが、生産性が高いわけではない。
    省人化→少人化
    ・原価について
    原価低減には、必要数をきちんと作れるものが必要
    可動率と稼働率
    可動率は100%が理想。稼働率は、そうは言えない。必要生産量だけ稼働するのが理想。

    ・まとめ
    トヨタ式生産工程は、ムダを徹底的に排除し、原価低減を実現するものであり、低成長期、高成長期に関わらず企業活動に有効なものである。

  • 時代を経ても全く色褪せない
    トヨタ生産方式のバイブル

    非常に簡潔かつ明晰な記述でスッと頭に
    入ってきました。

    良き羅針盤との出会いに感謝です。
    日々の実践と反省によって血肉としたいです。

  • トヨタ生産方式には二本の柱があり、
    それは、「ジャスト・イン・タイム」と、「自働化」である。等々が、書かれている。
    ただ、そういった言葉よりも、
    物事を考え抜き、自分の考えとして消化した人の言葉の深み、本質的な考えを知るいい本に出会えたと感じた。

    というのも、本書が書かれたのが、今から40以上前であり、
    また引き合いに出されているフォード社の繁栄については90年ほど前。
    ただ、その中身を見ていくと、全く古さの感じない、内容ばかりが書かれている。
    本質的とは何か、に立ち返る時に振り返りたい一冊。

  • 冒頭がオイルショックに関しての話題であり、さすが40年前の本だと思ったが、その内容は現在にも通じる、噂通りの名著であった。
    トヨタの有名なJIT(ジャスト・イン・タイム)、かんばん、なぜを5回繰り返す、といった有名な方式を体系化させた著者なだけに、言葉が重い。
    前半は前述のトヨタの生産方式の内容と、それがいかに優れているか、という点が語られる。そして後半は経営視点で、この方式について語っている。
    著者は入社数年で世界大恐慌、のちの大戦を経験している。
    現在の日本の歴史は「戦前」と「戦後」で区切られてしまっているが、著者は、まさにその時代を横断している。このことは非常に意味が深いように思える。高度成長に対して、疑問を持っているということが、JITを生み出した。それが、副題にある「脱規模」の経営である。大量生産ではなく多種少量を実現しながら競争に打ち勝つにはどうすればよいか。
    松下幸之助の著書を読んでも感じるが、この時代における経営者は「日本をどうしていくか」を常に考え、そして「現場を誰よりも知り」、ドラスティックに信念を持ってやり遂げる強みがある。著者、大野氏はJITを体系化させるには、20年の歳月をかけたのだ。
    TOCと読み比べても面白い

    ●メモ
    ・トヨタ生産方式の基本思想は徹底したムダの排除
    ・ものごとをひっくり返してみる。すると新しい発想が生まれる
    ・日本人は「臭いものにふたをする」傾向にある。問題を可視化しなければ改善はされない。そのため、異常があればすぐにラインを止めるようにした
    ・目標があると、人間は行動が活発化する
     当時の目標は『アメリカに追いつけ』であった
     (戦後の時点でアメリカの生産性は日本の8、9倍)
    ・ニーズとは待っていて生まれない。つかみ取るもの
     自分自身を追い込む必要がある
    ・生産の現場では「データ」も重要だが、「事実」を重視している。原因の突き止め方が不十分であると、対策もピント外れになる
    ・時間は行動の影。遅いのは、ほとんどの場合、動作、手順が違うことによって生じる。「三日で一人前にせよ」→そのためには手順、動作は標準化していなければならない
    ・大量の情報が経済的、か。不用品は無駄なように情報も過多になると混乱をもたらす
    ・計画は変わる。ものごとを決めた通りになにがなんでも動かすのは計画経済(社会主義)である
    ・生産現場にとって重要なのは作業手順を色々変えて、人間の働きが流れの上に反映できるようなレイアウトを考えること
    ・生産性が高い=スピードが速い、は誤りである
    スピードをあげても稼働率、寿命、必要工数などを考えて判断がいる
    ・「治療」よりも「防止」である
    ・買い替え前提ではなく、十分な保全をまずは考える
    ・高度成長時代に売上10%あげるのではなく、5%にして、肝心の利益をあげる。それにより自己資金で設備を増やす、借金を返す。それが経営にとって望ましい環境に身を置くことである
    ・トヨタは織機技術を外国企業に売り、その後、アメリカを視察して車社会になると考えて、資金をその研究に投じた
    ・フォード一世の先見性
    物の無駄、人間の無駄。物質は管理者の手中になってこそ、初めて値打ちが出てくる
    標準とは現場の人間が作り出すもの。そして、それは企業トップの概念としなければならない
    標準は諸刃。標準に満足しては人間の能力は鈍くなる
    産業の終点は人が頭脳を必要としない、自働かされた社会ではない。産業は世界をよくし、それを安価に実現し、人間を生存の苦役から解放すること

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