シナリオ・プランニング 戦略的思考と意思決定

  • ダイヤモンド社 (1998年9月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784478490259

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シナリオ・プランニングの技術を学ぶことで、ビジネスやプロジェクトの成功に向けた具体的な方法が得られます。著者は、シェルでの経験を基に、シナリオ・プランナーの役割を明確にし、誰もがその資格を持つことを強...

感想・レビュー・書評

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  • シナリオ・プランニング
    戦略的思考と意思決定
    著:キース・ヴァン・デル・ハイデン
    訳:西村 行功
    監訳:グロービス
    出版社:ダイヤモンド社

    シェルがきたるべき、オイルショックを事前に予見し、そのための対応策を準備したことで有名になったのが、この、シナリオ・プランニングです。予測できるリスクへの答えが、シナリオ・プランニングなのです。

    整理していたら、出てきたので、読み直してみました

    仕事はいろいろな、輪っか、サイクルの組み合わせになっていることが語られます
    それを、ビジネスモデルのフィードバックプロセスといいます。それは、正もあれば、負もあります。

    ■利点

    シナリオ・プランニングの効能は、2つ
     1つは、意思決定の質が向上すること
     もう1つは、未来について、より考えるようになること、です

    ■前提

    シナリオ・プランニングの前提:システムダイナミクス

     学習ループ
     シングルループ
     ダブルループ
     組織学習

    ■ビジネスへの適用

    ビジネスモデル:複雑系、リスクマネジメント

     収益ポテンシャル
     コア・コンピタンス(中核となる、専門的能力)
     予測できるリスク
     複雑なビジネス
     アイスバーグ分析(知識を、事象・トレンド&パターン、構造の3つに分ける)

    ■シナリオ・プランニング

    キモは第3部の実践編です

    ①シナリオ・アジェンダを作成する
    ②ビジネスモデルを明確化する
    ③競合他社のビジネスモデルを分析し、自社のビジネスモデルと比較をする
    ④実際に、シナリオを作成する
    ⑤戦略オプションを設定する

    が大まかな流れです。

    ①シナリオ・アジェンダを作成する

     多くても、シナリオは5種までとすること
     アジェンダをつくるためのツール、SWOT
     強み、弱み、機会、脅威の4つにわけ、でてきたアイデアをグルーピングする
     個人へのインタビュー、分析をする
     組織と環境を分析する
     いつまでの未来を扱うか、時間軸をきめる

    ②ビジネスモデルを明確化する

     ステップ1:自社の競争優位を理解する
     ステップ2:独自性について考える
     ステップ3:影響ダイアグラムを作成する
     ステップ4:影響ダイアグラムを完成する
     ステップ5:明確なコンピタンスを抽出する
     ステップ6:影響ダイアグラムを清書する
     ステップ7:ビジネス・モデルを見直す
     ステップ8:要素を絞り込む
     ステップ9:戦略への影響を明らかにする

    ③競合他社のビジネスモデルを分析し、自社のビジネスモデルと比較をする

     ステップ1:議論を体系化する
          (顧客の特定、事業定義、競合相手の特定、
           コストドライバの分析、競合相手の反応、もっとも有力な競合相手の情報)
     ステップ2:競争の対象となる顧客を特定する
     ステップ3:事業の定義を吟味する
     ステップ4:競合相手を決定する
     ステップ5:競争優位にかかわるコストドライバーを分析する
     ステップ6:競合企業のこれまでの反応をまとめる
     ステップ7:もっとも有力な競合企業についての情報をまとめる

     ビジネスプラニングの5つのレベル
     ・戦略プランニング
     ・マスター・プランニング
     ・プロジェクト・プランニング
     ・予算計画
     ・評価とコントロール

    ④実際に、シナリオを作成する

     ステップ1:シナリオ・チームのメンバーを選ぶ
     ステップ2:有識者を探し出す
     ステップ3:シナリオ策定
     ステップ4:第1次データの分析
     ステップ5:変動要素の過去の動向分析
     ステップ6:変動要素を影響ダイヤグラムで表す
     ステップ7:分析の粒度、どこまで細かく分析するかを決める
     ステップ8:演繹的シナリオの構築
     ステップ9:機能的メソッドと、演繹的メソッドの比較
     ステップ10:逐次的シナリオの構築
     ステップ11:適切なメソッドの選択
     ステップ12:ストーリー・ラインの作成
     ステップ13:第1稿のテスト(定量化、登場人物テスト)
     ステップ14:特別なタイプのシナリオ

    ⑤戦略オプションを設定する

     シナリオ・プランニングのプロセスにそって、意思決定をするのかを検討する
     
     ステップ1:戦略的な方向性を見出す
     ステップ2:事業のポートフォリオを開発する
     ステップ3:組織能力を見直し
     ステップ4:戦略オプションを作成する
      すぐに利用できる機会⇒ポートフォリオ・オプション、
      ビジネス・モデルを進化させるための機会⇒組織能力オプション
     ステップ5:戦略オプションの評価基準を考える
     ステップ6:戦略オプションをテストする
     ステップ7:戦略を統合する

    目次

    日本語版への序文

    第1部 背景編

     第1章 シェルの5つの発見
     第2章 経営戦略論の3学派

    第2部 基礎編

     第3章 ビジネス・モデルを効果的に機能させる
     第4章 不確実性に対処する
     第5章 シナリオとビジネス・モデルの適合を図る
     第6章 組織におけるシナリオ・プランニング

    第3部 実践編

     第7章 シナリオ・アジェンダを設定する
     第8章 ビジネス・モデルを議論する
     第9章 競合ポジション分析
     第10章 シナリオを策定する
     第11章 戦略オプションを表出させる

    第4部 制度編

     第12章 変化のマネジメント
     第13章 プランニング・プロセス
     第14章 戦略的対話の手引き

    監訳者あとがき
    訳者あとがき

    ISBN:9784478490259
    判型:A5
    ページ数:328ページ
    定価:2800円(本体)
    1998年09月10日初版発行

  • ”ずいぶん前に購入して流し読みしたまま放置していた一冊。研修をきっかけに再読。これを機にシナリオ・プランニングをやってみよう。

    <読書メモ>
    ・「プロセス志向学派」の考え方は、「事業の成功は法則化できない。したがって、成功するためには、事業に関与している人びとが独自に発想する必要がある」という前提から始まる。(p30)
    ・学習ループはデビッド・コルブによって開発された統合学習モデルである。(p32)
     - 具体的な経験(Start)
     - 観察と内省(認識)
     - 抽象概念と仮説の形成(思考)
     - 新しい状況下での仮説のテスト(行動)
    ★シナリオ・プランニングはいくつもの重要な方法で学習プラセスに貢献している。(p46-47)
     【個人レベル】
      ・認知ツールとして
      ・認識ツールとして
      ・認識したことを振り返るツールとして
     【グループ・レベル】
      ・共通言語を提供するツールとして
      ・対話促進のツールとして
      ・メンタル・モデルを整合するツールとして
    ・X建設のビジネス・モデル(p68)
    ・図16:アメリカの石油深鉱事業に関するシナリオ(p98)
     #今こそ、こういう複数シナリオをつくってみるべきでは・
    ★予測とシナリオの違い(p100-101)
     予測は、確率論的評価に基づく専門家の意見であることに変わりはない。一方、シナリオは、体系的な因果関係に基づいて未来を概念的に描いたものである。
     (中略)
     シナリオ・プランナーはマネジメントチームの関心領域を知ろうとする。製品の需要もここに含まれるかもしれないが、彼らの関心領域はもっと根本的な問題へと移っていく。(略)事業を取り巻く環境について、シナリオ・プランナーは専門家よりも幅広い視野を持っている。したがってプランニング活動の視野は、かなり拡大される。
    ★メンタル・モデルとのつながり(p116-117)
     組織が認識力を身につけるには、どのような物語が効果的だろうか。シナリオ・プランナーは作家と同様に、既知のことと新しいこととのバランスに注意しなければならない。
     ・組織の大多数のメンバーに信じてもらうには、組織が現在持っているメンタル・モデルで理解できる要素が、シナリオに十分織り込まれていなければならない。
     ・同時にシナリオには、特に組織のビジョンと関連した部分で、斬新さと驚きの要素も必要である。
    ・シナリオ構築プロセス(第3部 実践編のテーマ)
     ・主要テーマ(アジェンダ)を決める
     ・自分たちの組織の特性(ビジネス・モデル)を明らかにする
     ・競合他社のビジネス・モデルを分析し、自社のものと比較する
     ・シナリオを作成する
      - 帰納的方法(段階的アプローチ)
      - 演繹的方法(全体的枠組みからストーリーを作成)
      - 逐次的方法(慣れていない組織に有効)
     ・戦略オプションを考える
    ・「モン・フルール」シナリオ
     帰納的シナリオの一例。南アフリカの政治的指導者グループのプロジェクトについて、アダム・カハニが記したものである。(p208)
     - オストリッチ
     - レイム・ダック
     - イカロス
     - フラミンゴ
    ・行動プランニング(p258)
     1.現状を明らかにする
     2.どのような未来が望ましいか明らかにする
     3.現状と望ましい未来との間のギャップを明らかにする
     4.未来へ移行するための詳細なプランをたてる
    ・インフォーマルな場で「学ぶ」ことのほうがより重要である。インフォーマルな場での学びとは、戦略に関する議論や対話のことを指し、組織のあらゆる階層で日常的に行われている。(p290)”

  • ・「成功を相手に議論することは難しい」

    ・アルプス山中での軍事機動演習に、ハンガリーの小部隊が派遣されることになった。若い中尉は、雪が降り始めた氷の平原へと偵察隊を送り出した。雪は2日間降り続き、偵察隊は戻ってこなかった。若い中尉は、部下たちを死の演習へ送り出してしまったのではないかと思い悩んだ。しかし、3日目に偵察隊は戻ってきた。彼らはどこにいたのだろうか。どのようにして帰路を発見したのだろうか。
    「ええ」と、偵察隊の1人が言った。「私たちは道に迷ったと思い、死を覚悟しました。そのとき、ある隊員がポケットの中に地図が入っているのを見つけたのです。私たちは落ち着きを取り戻しました。テントを張って野営し、雪嵐に耐え、それから地図を手掛かりに進むべき方角を探しました。そうしていま、ここにたどり着きました。」
    中尉が地図をよく見てみると、驚いたことに、それはピレネー山脈の地図だった。

    ・きっかけとなる「7つの質問」。
    最初の3つは、「予言者に3つまで質問できるなら何を質問しますか?」というジャブ。その後、「あなたが予言者だったとして、もっとも理想的な未来が来ると仮定したら何と答えるか?」と発展させる。

    その後、
    ①この組織において過去に起こった重大事件の中で、その良し悪しにかかわらず、未来への重要な教訓として記憶にとどめておくべき事件は何だと思いますか?(組織の現在のメンタルモデルを探る)

    ②長期的な影響力を持つ、重大な決定事項の中で、今後2、3ヶ月のうちに決めなければならないものはなんですか?

    ③今、あなたが組織内外で感じている主な制約のうち、仕事の目標を完遂するうえで制約となっていることは何ですか?

    ④もしあなたが別の部署に異動したり、退職したりしたとき、職場で一緒に仕事をした仲間に何を残したいですか?何によってあなたのことを覚えておいてもらいたいですか?(インタビュイーの価値観を探る)

    ・どのような戦略プロジェクトであれ、突き詰めて言えば、その目的は組織とビジネス環境の統一性を考えることである。

  • おもろい。
    実際にしたプロジェクトを終えた後にこういうの読むとためになる。

  • 原題はそのものずばり"Scenarios"。ロイヤル・ダッチ・シェルでシナリオ・プランニングに関わっていた著者によるシナリオ・プランニングの解説書です。

    シナリオ・プランニングにおけるシナリオ・プランナーの立場からの実践的技術を解説しています。著者は、職業的プランナーだけではなく、組織のメンバーの誰もがシナリオ・プランナーとなる資格があるとしています。

    訳書でもあり、少し固めですが、シナリオ・プランニングの全体を見るにはいい本なのかもしれません。

  • シナリオ:「未来のビジネス環境がどうなるかを、物語の形で体系的に表したもの」
    シナリオ・プランニング:「未来のビジネス環境を予測し、それぞれのシナリオに描かれた未来が起こる確率を算出することで、事業を管理すること」もしくは、「シナリオを作成し、そのシナリオを使って戦略を立てること(2つのプロセス)」
    シナリオは、複数策定
    第1段階では、現在の事業の仕組みが未来も通用するかどうかを考える。第2段階では、その検証結果を元に、どのような戦略を立てるかを考える。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB10034773

    戦略策定を「専門家」に任せるな。合理主義、進化論、プロセス志向を統合したユニークな戦略論。あなたをシナリオ・プランナー=ストラテジストに変える実践的教科書。 (生命融合科学分野 大塚正人先生推薦)

  • シナリオプランニングは、経営方針にも、個人の進むべき方針の決定にも、どちらにも必要。
    でもやっていないところが多そうだと感じた。

    未来は不確実なため、複数のシナリオを作成したのち、どのシナリオにも耐えうる確実なプロジェクトを選択する。
    結果、意思決定の質が向上する。

    シングルループ学習は、以前からの価値観や規範を守り、そこから逸脱する場合に修正するという学習。
    ダブルループ学習は、環境から得られた情報を処理するプロセス。必要に応じて価値観や規範を修正する。

    つまり、目の前の仕事をできる限り効率的に行おうとするのは正しい選択ではあるが、新しい価値観を生み出すのにはつながらない。

    きっかけとなる「7つの質問」は覚えておく。
    最初の3つは、予言者に3つまで質問できるなら何を質問しますか?
    4番目、この組織において過去に起こった重大事件の中で、その良し悪しにかかわらず、未来への重要な教訓として記憶にとどめておくべき事件は何だと思いますか?
    5番目、今後2、3ヶ月のうちに決めなければならないものはなんですか?
    6番目、仕事の目標を完遂するうえで制約となっていることは何ですか?
    7番目、あなたが退職したとき、職場で一緒に仕事をした仲間に何によってあなたのことを覚えておいてもらいたいですか?

    環境適応理論(contingency strategy theory)
    偏狭な心理状態(one-track mind)
    早期の警告(early warning)
    未来の記憶(memories of the future)
    時間枠(horizon year)
    投資回収期間(pay-out time)
    正味現在価値(Net Present Value)
    健全性の要素(hygiene factors)

  • 予めいくつかのシナリオを用意しておき、すべてのシナリオに対応できる取り組みを考えるべきというもの。
    安全に物事を考えたい行政向きの考え方だと思った。
    シナリオをどう立てるかの細かい方法論が書かれている。

  • 意義、効果、進め方がだいたいわかった。組織の既存のメンタルモデルに配慮しながら新たな視点を付与する、組織の戦略思考の統合、合意形成、全体を見据えたオプションの選択。シナリオを作る際は評価しない、なぜそれが起こるのか?次に何が起こるのか?しか質問してはいけない。

  • Scenario Planning ― strategic thinking and decision making

  • 今月の課題図書。ノーコメント!

  • 課題解決のためのストーリー作りに役立てようと思って読んだ。
    残念ながら読む前後で評者は変わっていない、相変わらずの頭でっかち。。
    書いてあることが活かせてないよう泣

  • やや解説が冗長だが、シェルを始めとする実例の話は面白い。エネルギー問題等、現代は不確実性の高いテーマがたくさんあるので、シナリオプランニングの考え方はいろんな場面で参考になるはず。

  • シナリオプランニングとは何かを知る為に一気に読んだ。ただ新しい商品やサービスを考えるためだけのツールではなく、企業活動を継続していくための理論的かつ合理的に将来を考えるツールということを知った。この一冊だけでなく、これからも機会を見つけ、シナリオプランニングの果たす役割、そしてもたらされる効果を学んでいきたい。きっと大きな成果につながる第一歩だと思う。

  • ゼロペース発想と意思決定について学ぶ

  • これも受講している研修の課題図書。とても読みづらい。『機会と脅威に関する新しい認識も対話を通して初めて、組織のものとすることができる。戦略的対話を効果的なものとするためには、互いに無関係のように思われる広範囲の考え方や視点を取り込む。そしてその中から、各人が「そうだ」と頷けるような世界観についての共通認識が形成される。共同行動が組織としての新たな経験や伝説の強化につながるような結果を出せるのは、対話により組織への「刷り込み」がなされるからである』というような文章がずらずらと続く。意味は分からなくないけど、こういう文章が300ページも続くような本を集中力をきらさずに読むことは出来ない。読み手のことを考えない、こういう本は嫌いである。

  • 良書と評判

  • 2005.8.28-500

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