新版 考える技術・書く技術 問題解決力を伸ばすピラミッド原則

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478490273

感想・レビュー・書評

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  • ビジネスは、顧客の関心を喚起し、信頼を獲得、その結果としての契約を勝ち取り、顧客と長期関係の維持を目指す。

    一連の業務遂行において、多くの文書、プレゼンテーション資料を作成し伝達しているはずである。

    その中で、論理的ではない、具体的ではないなど叱責を受けた経験も多いだろう。また部下育成のためにどのように論理的な文書手法をもって指導すれば良いのだろうかと悩ませている人も多いはずである。

    本書はそんな悩みを解決してくれる一助になる。

    本書はグロービス「ロジカル・ライティング」コース同様に、
    ・論理的な妥当性
    ・説得力ある表現力
    ・相手の立場の理解
    をコンセプトにデザインされている。

    私にとって、特に役に立ったのは「自分の考えを練り上げる」訓練になることであった。
    内容はコンサルタントの基本スキルレベルまで達しているため、一般ビジネスパーソンにとって理解するのは骨が折れるかもしれない。
    しかし一読する価値がある良書である。

  • ピラミッドストラクチャーに関してより詳しく学びたく購入。
    以下を実践していきたい。

    ◎OPQ分析で読み手の関心・疑問に向かう
    ・O(読み手の目的)、P(目的に対する問題)、Q(読み手から自分への要望)を、レール(売上増加等、トピックのこと)にそって書く
    →Qへの回答が、ピラミッドストラクチャーにおける主メッセージとなる

    ・読み手目線を得るために、以下を意識する
    →「読み手はこれをじっくり読む時間があるのか?」「読み手は今何に関心があるのか?」を問い続ける
    →読み手とコミュニケーションを取り、本音を把握しておく

    ◎ピラミッドストラクチャーを作る
    ・「グループ化〜要約メッセージ」「要約メッセージ〜グループ要素に分解」の双方から組む
    →前者では「So What?」が役に立つ

    ・要約メッセージが一般論にならぬようにする
    →要約メッセージとは、グループ化の根拠(各メッセージに共通する特性)を示したもの

    ・ピラミッド内全ての要素で以下を意識する
    →仮でも良いので、主メッセージとキーライン(根拠部分)を早く決め、トップダウンで作る
    →名詞表現、体言止めは禁止する
    →ごまかし言葉(見直し、再構築、適切な等)を禁止する
    →1センテンス&1メッセージにする(思考整理がゴール、本番文書を書こうとしない!)
    →接続詞「し、り、て、が(and評価)」を禁止する
    → 要約メッセージ〜グループ要素は1対1にならない(グループ要素は2つ以上存在する)(同じ内容で1対1の場合は上部に結合する)

    ・ピラミッドのロジック精度を以下で確かめる
    →要約メッセージ〜グループ要素に「繋ぎ言葉(なぜならば、たとえば、具体的には)」を適用する
    →同じ繋ぎ言葉で通れば、グループ要素間の整合性も取れている
    →ピラミッドを上から下に音読する

    ◎ピラミッドストラクチャーで文書を作る 
    ・目次は「はじめに(OPQを参考にする)〜要約(主メッセージ)〜各キーライン」で書く
    →いい目次は見た瞬間にピラミッドが浮かぶ

    ・1段落1メッセージを意識する
    →段落間のメッセージの違いを明示する
    →文頭は一文字空けても空けなくても良い

    ・ロジカル接続詞を使う
    →〜する時に、〜である一方、〜の結果、〜するためには、もし〜ならば
    →米国ライティングではandが禁止されている

    ◎ピラミッドストラクチャーを訓練する
    ・「感謝の言葉にPDF」を徹底する
    →感謝の言葉を1〜2行で冒頭に書く
    →P(主メッセージ)D(Pの判断根拠、内容説明、具体案)F(今後のアクション)

    ・1日1回ピラミッド×4ヶ月を行う
    →メールの中で中身のあるものを1つ選ぶ
    →ピラミッドは簡単に(主メッセージ&キーラインのみ、等)
    →読み手の名前とOPQを書き留める
    →10分以内で終わらせる

  • しっかり読むのは大変な一冊。

    逆に言えば、エッセンスだけでも役に立つ一冊でもあります。


    書くこと
    考えること
    問題解決
    表現

    にピラミッド構造が使える。


    その方法について学べます。
    とても詳細な解説となっています。


    実際は、上記4つは繋がっています。
    そのつながりも参考になりますね。


    また、演繹的な理由づけ(ーーーはーーーである理由は三つある。一つ目は・・・・という感じの文章)について、著者が消極的なことも印象に残りました。

    理由は中身がなく、退屈だからだそうです。

    では、演繹的な理由づけではない、帰納法的理由づけとはどんなものなのか。


    ぜひ参考にされてみてください。


  • 導入部の「状況(Situation)→複雑化(Complication)→疑問(Question)→答え(Answer)」という流れは説得的な文章を書く上で有用なフレームワークだと感じた。

    たとえなどが全体的に難解であり、ワークブックなどで反復練習しないことには技術は身につかないと感じた。

  • 書くことは読み手が知らないことをつたえること

    結論ファーストで書くそれを後段でファクトベースで説明する。

    ピリオドを恐れない

    1ページャーの例

    1.背景
    2.課題点
    3.対策
    4.ゴール


    6ページャー
    1.サービスの定義と概要
    2.予算見通し
    3.スケジュール(黒字化するまでの目安など)
    4.販売価格
    5.想定顧客数
    6.チーム編成
    7.うまくいかなかった場合のバックアッププラン
    8.財務情報
    9.ROI(投資対効果)

    プレスリリースに盛り込む内容

    1.ヘッドライン
    2.サブヘッドライン
    3.商品概要・利点
    4.解決する問題
    5.解決方法
    6.責任者の声
    7.どれくらい簡単か
    8.お客様の声
    9.まとめ、補足

  • 思いを伝えることは難しい。

    大学では文学部ではありましたが、レポートでの文章の構成等はめちゃくちゃだったし教わった覚えすらありません。世に出ても、上司に報告するとき、喋りつつ「俺はいま一体なにを喋っているんだ?」と感じつつ報告することも一度ならずともありました(走りながら考えることの良くない例)。

    ましてや、海外で働くことになり、従業員がお互い外国語として英語でコニュニケーションをする環境にある昨今、思いを伝えるということにこれまで以上に意識的になりました。それでもすれ違いというのは往々にして発生します。

    どうすればより自分の思いがより伝わるのかという命題は、ここ数年来の個人的テーマでありますが、問題であることを意識しつつも、放置してきた問題でありました。

    ・・・
    その中で読み通した本書は自問への回答になり得る良書でありました。
    本書を読み、フォーミュラを練習すればきっと文章がうまくなると思います。内容的に非常に示唆に富み、素晴らしかったと言えます。実際、様々なテクニック、実践的な内容が満載でありました。

    ・・・
    まず挙げたいのが、分かりやすい文章を構成するためのトップダウン的カスケード(いわゆる「ピラミッド構造」)、その中での一般化、複雑化、問い、答えという四つの論理的連結、また、箇条書きについても種類ごとにまとめたり粒度を整える、演繹と帰納という2タイプの論理手順、等々テクニックが書き手目線で詳述されていたことです。

    恥ずかしながら、ビジネス文章ですと、結論をトップに持ってきて、その後理由(や方策)を大事な順に挙げ、最後にリキャップ、というこの程度のショボ文章しか作ってきませんでした。しかし、ボディの部分の理由・方策を種類や粒度で揃えるという指摘は目から鱗。読めばいちいち当然なのですが、指摘されないと気づかないようなポイントでありました。

    ・・・
    また、内容は分かりやすいし、ほうほう、なるほど、と頷きながら読み進めることができました。

    その分かりやすさの要因は、説明が丁寧でロジカルであるからだと思います。例えば箇条書きのブレットをカテゴリや類似項目ごとにまとめたり、粒度を整えるという点でも、時間のないクライアント(乃至上司)に最短の時間で最良の理解を得てもらうためだ、という説明。日頃義務的にメールを打つことの多い私は反省しきりでありました。

    ちなみに、実際試しに本書読中に試しに幾つかテクニックを使って文章をつくると、ものの見事に固い文章になりました笑 というか自分の論理の飛躍にが幾つも見つかるようになりました。当然の事ながら、テクニックの習得には練習・推敲を繰り返すことが絶対的に必要になります。

    ・・・
    さて、いくつか残念だった点。

    まず、MECEの確認法がなかった点はちょっと残念です。MECEの概念は作中で使用されており、これに沿って因果の樹形図を作ることで問題点の洗い出しやひいてはこれらの文章化に役立てるテクニックが語られておりました。しかし、MECEを担保する方策についてはどこにも書いておらず、実はMECEを勉強したくて本書に出会った私は若干悔しい思いを致しました。

    また、これはどうでもよいことですが、H・D・ソローの文章を例文として出していたのですが「英国の作家」という枕詞を使われていました。これはちょっと残念でした。ソローは米国出身ですよね。まあ、些末な過誤は本書の本源的な価値を損なうものではありませんが。

    ・・・
    ということでビジネス文章の書き方、考え方についての本でした。
    ためになるしよくわかるテクニックが多く、実際試しに使うと自分の駄目さ加減がかなりわかるようになりました(文章作るのが時間かかって仕方がない泣)。

    本書を読了し、感覚的な振り返りを脱し、意図をもって構造に沿って振り返ることで、私だけでなくほかの読者さんの文章もよりシンプルでロジカルに、そして伝わりやすものになる、と信じております。

  • コンサル推奨
    ・バーバラ・ミント HBS⇒マッキンゼー

    【書く技術】

    ■なぜピラミッドか
    相手が理解しやすい

    ■演繹法より帰納法がベター
    演繹法はたいていの場合帰納法に変形できる


    状況⇒複雑化⇒疑問⇒答え
    の順


    【考える技術】
    ■行動の結果を述べる


    1より説得力のあるメッセージを提示する
    2もっとプロフェッショナルな見栄えにする
    3もっと短時間で提示する

    【問題解決の技術】
    問題定義⇒分析構造化⇒分析実施・解決策⇒ピラミッド化

    【表現の技術】

    ・演繹法
    ルール→ケース→結果

    ・帰納法
    ケース→結果→ルール

    ・不明推測法
    結果→ルール→ケース

    ・チャールズ・ダーウィン
    観察の結果を役立てようとするなら
    ある見方にはっきり指示するものか
    反対するもの
    でなければならない。

  • インプットとアウトプットの両方を改善してくれる思考法の良書。

    読み手が自然に理解出来る文章を書くために必要な考え方を知れる。
    常に論理の飛躍がないかを検証しつつも、内容の重複を防いで密度の濃い文章を提供する。

    社会人は勿論、論文を書く上で大学生の僕でも重宝している。

  • 論理的に書くこと、考えることについて、ハーバードビジネススクール卒業後マッキンゼーに入社した著書による解説本

    一言で言うと難しい

    和訳がよくないのな、文章そのものなのか、一般人は一回では理解できず、何度か読んでそういうことか!となる

  • 仕事上、必要に駆られて再度精読。

    その必要性とは、まさに監修者あとがきに書いてあるように、
    ・みんなが書き手、話し手の意図を把握しているかが疑問
    ・自分の考えを練り上げるという義務を果たし、読み手、聞き手に伝えられているか
    であり、この難しさを日々痛感するため。

    以前読んだ時には、翻訳のせいか読みにくい、頭に入ってこないと思ってた。
    ただ、実務を行い、自分で考えを練る段階に入ると、
    本書の適切さ、バイブルと言われる所以がわかる気がします。

    まぁ何度も読む必要、価値がある本。

    ただ訳はもっとどうにかできる気がするが…。

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