なぜ高くても買ってしまうのか 売れる贅沢品は「4つの感情スペース」を満たす

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478502259

作品紹介・あらすじ

「BMWに乗って100円ショップへ行く」。こんなアンバランスな行動が珍しくなくなってきた。多くの消費者が高くても買う場合とできるだけ安く買う場合を使い分けている。そして自分の気に入った商品には喜んでお金を払うのだ。もはや「値段を下げれば売上げ数が増える」というマーケティングの常識が通用しなくなってきた。アメリカ消費者の10年以上にわたる調査から、消費行動の「新しい現実」が浮き彫りになる。

感想・レビュー・書評

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  • 「ニューラグジュアリー」、「ベネフィットの階段」、「『自分を大切にする』『人とのつながり』『探求』『独特のスタイル』」、「可処分時間」、「実証できる優越性と満足感を与える違い」、『ビジョン』『翻訳』『実行』

  • 価格ではないところで選んでもらうには何が必要か、どの例も納得感があって参考になった。
    残念ながらあまり目新しさを感じなかったのは、出版から16年も経っているからなのか、それとも目新しさを感じないほどに自分や周囲の消費傾向や嗜好を言い当てているからなのか…。

  • ビジネスを学ぶにあたって一番最初に興味をもったのはマーケティング(~2004大学時代の本@202012棚卸)

  • どうもタイトルが内容を正しく表していないような気がするけど、「ちょっと贅沢」な商品にビジネスチャンスあり、と説く本。

    それをこの本では「ニューラグジュアリー」と表現する。例えばワインとかクルマとか、下着とかゴルフクラブとかシステムキッチンとか、自分の趣味に合った分野になら少々高いカネでも惜しみなく払う。その代わり関心が薄い分野のことは質素で全然かまわない、という消費行動が(アメリカで)増えている。

    そのニーズに合わせて、「ワンランク上」くらいの価格帯の製品やサービスを提供して成功しているビジネスとそのコツを紹介する。富豪があつらえるような最高級品でこそないが、品質やストーリーをしっかり作り込んである商品ということである。

    結論だけ言うと、大変面白い本だった。

    それは内容そのものも去りながら、ビジネスの成功物語が痛快でテンポよいせいか、または訳しているのが著者たちの身内(同じコンサルティング企業所属の日本人)で、内容をよく把握して書いているせいかも知れない。

    実際、日本人としては巻末の訳者解説がもっとも参考になる。

    日本でも同様の変化は起こっているが、「中流」が多いことや、少子高齢化社会であること、100均に代表されるように「デフレ」の一方で趣味のものにつぎ込む資金があること、などがアメリカの事情とは少々異なる・・・などの分析である。

    一点豪華主義というか個人内の二極化というかは既に言われているし、思い当たるフシもある。そういうニーズに対して、趣味人の鋭いめがねにかなう、これまでのマス・マーチャンダイジングで見過ごされて来た商品やサービスを探してみるとよい、とチェックリストつきで教えてくれるのが、この本なのである。

  • 客はニーズや欲求、願望や夢ならいくらでも語れる。だからそれを実現可能なアイデアや商品、解決策を提供することが大事。

  • 売れる贅沢品の4つの感情スペース
    1.自分を大切にする
    2.人とのつながり
    3.探求する
    4.独特のスタイル

    これらの揃っている買い物には気をつけよう。

  • ■ ニューラグジュアリー

    A.消費者が、値段が高くても手に入れようとするワンランク上の商品・サービスを、「ニューラグジュアリー」と呼ぶ。超高級品や従来型のラグジュアリー商品との違いは、消費者が特別な思い入れを抱いている、という点である。

    B.消費者がニューラグジュアリー商品を購入する動機は、「自分を大切にする」「人とのつながり」「探究」「独特のスタイル」という4 つの感情から生じている。

    C.ニューラグジュアリー商品を生み出すには、次の3 段階で消費者の心をとらえる必要がある。
    1.デザイン面かテクノロジー面、またその両面で技術的な差異があること。
    2.技術的な差異が実際に性能の向上に役立っていること。
    3.技術面と性能面でのベネフィット、ブランド価値や企業理念などの要因を組み合わせて、消費者に思い入れを抱かせること。

    D.これまで経済学では「価格が高くなるほど販売量は少なくなる」といわれていた。だが、ニューラグジュアリー商品は
    そうした常識を覆し、従来型のラグジュアリー商品に比べ、はるかに大量に売れている。

    E.この現象は「平均的な消費者の消滅」「平均的な商品・企業の終焉」を意味している。これから先は、中途半端なポジ
    ションでは生き残れなくなるということだ。

  • ニューラグジュアリー商品の購買傾向が高まっている。
    これは、女性の高学歴化による共働き家庭の増加、晩婚化による資金力のある若者の増加といった消費者の変化により、需要が従来と異なってきていることにある。
    少し高くても、生活が楽になったり、自尊心が満たされたりすることにお金が使われるようになっている。
    これらも、グローバル化でいろいろな国から原材料を調達できるようになったりなど、世界情勢も変化してきているからだと考えるが。。。
    最後の章のコンサルティングの手法はアイデアから形にするためのプロセスが書かれており、大変参考になった。

  • 現在は消費行動の2局化が起きている。高くても買う場合とできるだけ安く買う場合を使い分けている。今、話題のTPPは後者であるが、日本の技術があれば、高くて高品質な製品と安くてそれなりの製品が作り分けられるではないか?と思ってしまう。でも作る側は大変なんだろなぁ・・・

  • 一言で言うならば
    「ポルシェに乗って100円ショップに行く消費者って何?」
    という問いに答える一冊。

    実際のニューラグジュアリーの商品の事例を複数解説してくれており、うなずけることが多い。

    特に印象に残った記述:
    ニューラグジュアリーを購入する動機と該当商品
    →突出型消費である
     4つの感情スペースのいずれか、複数を満たす消費。

    1.自分を大切にする
     パーソナルケア商品や寝具・リフレッシュできる家電商品など

    2.人とのつながり
     洋服、ランジェリー、宝飾、美容、高級ワインやディナー、時間節約型の家電商品など

    3.探求
     旅行、スポーツ用品、コンピュータなど

    4.独特のスタイル
     ファッション、腕時計、自動車、外食など

    この4つの感情のうち2つ以上を満たせれば大きな成功と利益がもたらされる。

    ・・・ということらしい。
    ただの「物欲」なんてものはどこにも見当たらないことに注意。
    また「安いから」なーんて理由ももちろんありえない。
    結局答えは消費者の頭の中にある。これは「ザグを探せ」にも共通する。

    最後の章、もしそういうビジネスをするのなら?というところで
    ・あなたはその商品を愛し、使い、それを育てることに人生を使えるか
    という問いかけが出てくる。
    これはポール・ホーケンの「ビジネスを育てる」にも繋がっていることだ。
    自分が価値を信じるから、全力を出し、そしてさらに自分も成長できる。
    そういうものでビジネスをする意識は、当たり前のようで忘れがちになる。特に給与で暮らすサラリーマンは。自分と商品(サービス)の関係の本質を見失ってしまいやすい。自戒をこめて。

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