マッキンゼー プライシング

  • ダイヤモンド社
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478502389

感想・レビュー・書評

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  • プライシングの究極の目的は利益の最大化であり、最適価格の設定と価格変動の抑制は単なる区切りにすぎない。
    市場が変化すれば、商品の提供価値も変わる。
    ユニクロは自らのコスト構造を明らかにすることで、高い質を維持しながら、その価格で提供でき、しかも自社に利益を残せるということを消費者、流通といったあらゆるステークホルダーに正確に説明するこtに成功している。それによって、ブランド力の低下を防ぎながら低価格での価値提供を実現した。

  • 突飛な事は書いていない。
    安易な値下げは業界の価格破壊を起こす事を強調。

  • 値下げ、えいやで決める、既存商品に合わせる、といったありがちな価格設定をどう見直していけばよいかの本質的な点を学ぶのには良い本。
    売上、コストなどそれぞれ1%の金額変動で会社にもたらす影響範囲がどれだけ異なるかはなるほどなと思った。
    すぐ実践で使える訳ではなく、本質を理解した上で、自社の課題を分析しないとなと思わせるが、じゃあ何から手をつければよいか、どのような分析手段が有効か、といった、実践的な内容はほとんど書かれていないので、戦略集みたいなのを求めている人には合わない。
    プライシングマネジメントを行う上で、ベースとなる考え方を勉強できる本なので、プライシングについてよく分かっていない人はまず読んでみるとよい。

  • 価格戦略(対マーケット、対競合)を考えるにあたって、ヒントがたくさん散りばめられてる良本!

    <静的な購買要因>
    ・顧客の購買決定要因の優先順位を知ることが成功の秘訣
    ・定量化できない(信頼性、親切さ、使い勝手など)も定量化指標と同じくらい重要
    ・社内の勝手な思い込みは御法度。顧客調査をせよ

    <動的な購買要因>
    ・新たな価値を提供する際はその価値分だけ価格も上げれば、競合シェアは変わらないので上げた価格分だけ儲かる。一方、少ししか価格を上げず割安提供すれば一時的にシェアアップするが他社もその価格に追随すればシェアは元通りとなり、結局少し上げた価格分しか儲からない。(逆に自社が割高なら、適正な費用対効果ラインまで下げる必要がある)
    ・値下げだけで対抗してくる場合は、同価格で性能改善し続けることが費用対効果維持になり、競合優位性を築ける

    ・競合が先手を打った時、営業の声だけで焦らないべき。
    その競合以外も追随してマーケット自体が動くのか?yesなら対策する。
    競合の顧客範囲が広がり、かつ、自社顧客なら、対策する。他社顧客なら静観。
    対策内容は、商品(効果、訴求、価格)、チャネルにどれくらい大きく手を入れる必要があるかを判断する。

    ・景気や、需要/供給、逼迫度などによって、顧客ニーズの優先順位は変わる。需要が高いとスピード重視だったり、供給が高いと質重視だったり。なので、同じ顧客でも場面に応じてニーズに対応するべし。

    ・固定費、変動費が一定の場合、価格を1%上げると全て利益転換するため、利益は1%以上上がる。価格1%の威力を甘く見てはいけない。

    ・価格の上げ方として、
    └不当に大幅値引きしてる顧客の価格を他社同等まで引き上げる
    └利益毀損レベルや生産性的に赤字レベルであれば、価格引き上げや、場合によっては取引停止も考える
    └他社より高く払ってくれてる顧客は自社を気に入ってくれてるので、積極的に拡販する
    └値引きに厳しいルールを設ける

    ・販促方法として、棚での値引き(=全体に対する値引き)より店内チラシに割引クーポンを付けるなど、価格感度の高い顧客のみに適用される方法を取れば、不要な値引きをせずに済む

    ・適切なプライシングのためには、現状を基準とした「上乗せ」ではなく、「潜在価値の最大化」を考えるべき。誤って割安価格で市場に導入してしまうと、もの凄い潜在利益を失うことになる。
    また、「他ブランドより安いから買って」では顧客は納得しない。論理的・感情的な納得性がないと、逆に不信感を買うだけ。

    ・値決めの際、大幅な低価格をつけると、破滅的な価格戦争になる。その場合、競合は提供価値の改善では即応できないため、値下げで対抗せざるをえないから。
    逆に、高めの基準価格に設定すれば、シェアよりも利益重視の姿勢を示せて、競合が様子見に回るため、価格競争にならずに済む。
    ただし、自社がシェアを拡大すれば、当然競合は失うシェアを最小限に抑えるため/市場に新規参入するため、価格を引き下げてくる。その結果、価格には下押し圧力がかかり続け、価格の維持や上昇は難しくなる。ここで、顧客ニーズの主因が価格か価値かを見極めることは必須といえる。

    浸透価格戦略として、安価で早期のシェア獲得を目指すと、利益が犠牲になったり価格競争を引き起こしたりする。
    なので、一般的には高めの価格で設定し、業界全体のプライシングを保つほうがよい。
    ただし、価格競争で勝てる可能性があるパターンも存在する。(商品価値が高く、価格重視の市場で、価格感応度が高い未開拓市場や、もし価格競争になってもコストが価格よりも速く下げられるケースや、競合が高コスト体質だったり価格自由度が低くて出し抜けるケースなど)

    ・価格を変えることは、ターゲット顧客セグや満たすべきニーズが変わる(変化後価格への新規参入)ということ。それに合わせて、販促、コミュニケーション、メッセージも一貫性のあるものに再設計しないといけない。
    └プライシングの目的の明確化
    └検討のモレをなくし、浸透を徹底する
    └周到な準備、試験、分析、コンティンジェンシープランの準備
    └モニタリングの徹底
    └トップマネジメントのコミット確保(業績インパクトが大きい、かつ、並大抵の働きかけでは一貫性を持った動きはできないため)

  • プライシングのポイントは?

    →プライシングは、競合の価格、顧客のスイッチ率、カスタマーバリュー、サービス提供コスト
    スタティックだけでなく、ダイナミックな影響まで考える
    カスタマーバリューとは認知便益から認知価格をひいたもの
    顧客が購買決定にあたって重視する商品属性を理解しその優先順位を知る
    新しいプライシングプロセスは
    1.市場環境に基づいて分類
    2.過去の価格分類をプロット
    3.価格格差を減らす
    最適なプライスバンド決定には、価格設定や販促による消費拡大余地とブランド力が重要
    オプションサービスを料金に上乗せするメニュープライシングを導入によりサービス提供コストに即して顧客に請求できる

  • 大企業向け。
    論文としては価値があるのかもしれないが、自分のような個人規模の価格設定の際には参考にならなかった。

  • プライシングにまつわる分析手法やケースがのってる本。

  • 2009/8図書館で予約

  • 商品説明
    〜抜粋〜
    出版社/著者からの内容紹介
    本書は、世界各国のマッキンゼー・アンド・カンパニーのマーケティングのエキスパートたちが、日頃のコンサルティング活動の経験と自主的な研究の成果に基づいて「プライシング」の基本的な考え方や具体的な手法を示した論文をまとめたものです。

  • 未読。

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著者プロフィール

山梨 広一(ヤマナシ ヒロカズ)
1954年東京生まれ。東京大学経済学部卒業。スタンフォード大学経営大学院(経営学修士)修了。富士写真フイルムを経て、90年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。95年からパートナー、2003年からシニアパートナー。小売業、消費財メーカーおよびその他業界の企業の戦略構築や組織変革、マーケティング、オペレーション改革など、マッキンゼー日本支社において最も豊富なコンサルティング経験を有する。2010年から2014年まで、東京大学工学部大学院TMI(技術経営戦略学専攻)で「企業戦略論」の講座を指導。2014年、マッキンゼー退社後、イオン株式会社執行役を経て顧問。2016年から株式会社LIXILグループ取締役、東京都顧問、マッキンゼーシニアアドバイザー。著書に『プロヴォカティブ・シンキング 面白がる思考』、『シンプルな戦略 戦い方のレベルを上げる実践アプローチ』(以上、東洋経済新報社)、『マッキンゼーで25年にわたって膨大な仕事をしてわかった いい努力』(ダイヤモンド社)、『3原則 働き方を自分らしくデザインする』(SBクリエイティブ)などがある。

「2017年 『必ずできる。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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