女性に選ばれるマーケティングの法則

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478502396

作品紹介・あらすじ

一見マッチョなDIY(日曜大工)業界でも、すでに顧客の過半数が女性-会社でも家庭でも、消費の意思決定の大半は、女性が握っている!どうすれば女性消費者をとらえられるのか?「買う決断に至るまで」の思考と行動を徹底解剖、新しいアプローチを提唱する。

感想・レビュー・書評

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  • アメリカでは消費活動の約80%が女性が担っているという。
    多くの家庭で消費の決定権を女性が握っているほか、企業でも女性の購買担当者が増えているようだ。

    同じようなことが日本でも起こっている。
    女性の社会進出が進み、女性が管理職などにつくことは珍しくない。
    その結果、女性の経済力は飛躍的に上がり女性市場は拡大し続けている。

    いかにして女性顧客を手に入れるかは大きな課題となった。

    本書ではアプローチの手法として目に見えるアプローチと透明なアプローチがあると書かれている。

    目に見えるアプローチとは「女性」印を掲げるマーケティングということです。
    「女性向け」製品であることをはっきりと打ち出し、多くの競合製品と差別化することです。

    例をあげるなら、この手法で成功を収めているのが資生堂の「TSUBAKI」ではないでしょうか。
    もちろん男性でもシャンプーやコンディショナーな使用しますが
    TSUBAKIは明らかに女性をターゲットとした製品であったことは間違いありません。

    CMのイメージキャラクターや楽曲、柔らかい曲線を描いている丸み帯びたボトル容器など
    女性の目線を意識した多岐にわたるアプローチの仕方だと思います。

    もう一つ透明なアプローチとは「女性」を感じさせないマーケティングということです。
    あからさまに目に見える形で女性向けにアピールするのでないというのです。

    本書の中でノードストロームを例に挙げています。
    ノードストロームはアメリカ最大のチェーンデパートです。

    既製品のスーツを試着して、何となく身体に合わないと思ったことはないでしょうか。
    ラベルを見ると自分のサイズなのに…何故??
    ここでノードストロームなら店員がすぐに駆けつけてきて、スーツのあちこちがマチ針で留められると
    同じスーツを着た自分が見違えるほど格好よく、スリムで仕事のできる人間にみえてくる。
    ちょっと手を加えただけで、スーツが身体にぴったり合うようになったのだ。

    オーダーメードを買いにいったのではなく、
    既製品を買いにいったのにオーダーメードのように自分に合った製品を提供してくれる。
    このちょっとした「私だけの特別感」が女性の心を掴むのだろう。

    この巨大となりつつある女性市場で成功を収めるには、
    単に女性向けの商品を作って売るのではなく、売り方というのがとても大切なんだろう。

    男性はどちらかというと製品の機能性やデザイン性という
    モノにだけ価値を求めているところがあるのは否めないような。

    女性は、消費という一連のストーリーに価値を見出しているのかもしれません。

  • 201005/
    独立した女性向けマーケティング部門を新設するより、既存の業務目標に女性という切り口を取り入れるべき/マキタのインパクトドライバなど、手が小さく小柄な女性に合わせて開発(透明な手法)/ショールーム感覚:ホームデポなど/物語を利用して創造力をかきたてる/ちょっとしたおまけをつける/質問を引き出す:快適な環境で買物をしているときのほうが、たくさん質問する傾向がある/「生活改善」をブランドの背景的理念とする:女性消費者の多くは「この製品・サービスは私の生活を改善してくれるのだろうか」といぶかしんでいる/購入プロセスのどの段階にいるかを相手に尋ねる/関連するスキルを教える/メタ・マーケットの重要性:顧客は互いに関連するさまざまな活動の側から考えるのに対し、企業は製品側から考える傾向がある/20の質問リスト:【1】女性が自社製品を使用する動機は何か。これらの動機を利用して売上を伸ばすにはどうすればよいのか。女性自身は自社製品の購入理由をどう説明しているのか。【2】女性が競合製品から自社製品に切り替える理由は何か。他社製品を利用していた場合、最初に自社製品ではなくそちらを選んでいたのはなぜか。【3】自社製品がこれまで女性に拒否されてきた理由は何か。それらの再発を防ぐにはどうすればよいのか。【4】女性顧客を動機付ける根源的なニーズや欲求のうち、どれに訴えることができるのか。潜在的な欲求(ステータス・仕事の出来るイメージ・楽しみ・贅沢・変化のため・不安による変化願望など当人が認めたがらないもの)はどの程度の重要性を持つか。【5】女性の潜在意識に自社製品への否定的反応が見られるか。その反応を潜在意識レベルで解消するにはどうすればよいか。【6】自社の広告・パンフレット・セールス・プレゼン・デモンストレーション・展示・イベント・顧客サービス形式には、女性から否定的反応を引き出すようなメッセージが潜んでいるか。それはどうすれば変えられるか。【7】自社製品に対する見方を変えてもらえるような、説得力のあるメッセージがある場合、それをどのように紹介するべきか(誰が、どんなチャネルを通じて)。【8】競合製品の優位性を崩し、ルールを書き換え、優先順位を上げ、意思決定の基準を変え、競争関係を一変させ、自社製品を女性が思いつく唯一の製品にするには、どうすればよいか。【9】製品分野全般に対する一見些細な不満を、自社ブランドの最大の利点に変えるには、どうすればよいか。【10】どんな製品変更なら比較的低コストで簡単に実施でき、しかも顧客に極めて高い価値をもたらすことができるか。平凡な製品をどう強化すれば、ヒット商品に変えられるか。【11】既存のマーケティング素材では触れていないもので、女性顧客が聞けば喜ぶような優位性、特徴、利便性、企業情報はあるか。【12】女性顧客は何に興味や情熱を抱いているのか。どんな主張、言葉遣い、コンセプト、イメージ、挑戦が前向きな感情をかきたてるのか。【13】どんな根本的信条、価値観、姿勢、感情が、顧客や見込み顧客を自社製品に導くのか。【14】顧客や見込み顧客が尋ねることを避けている、あるいは恐れている質問は何か。こうした質問を取り上げずに、納得のいく答えを提供するには、どうすればよいか。【15】女性顧客はどのような期待を内に秘めているのか。その期待を自社が今後、実際に提供するものと近づけるには、どうすればよいのか。【16】競合他社の行動のうち、見習うべき、あるいは対抗手段をとるべき最も効果的な行動はどれか。競合他社の弱みは何か。【17】大規模な広告キャンペーンを行わずに自社製品への否定的な見方を変えるにはどうすればよいか。クチコミの影響力を手に入れるにはどうすればよいか。【18】クチコミは、新たな見込み顧客の意思決定にどのような好影響・悪影響を及ぼしているか。女性同士で自社製品について話すとき、どのような言葉が使われているか。また、彼女たちはどの特徴やご利益を強調しているか。【19】顧客満足を高めるための具体的な措置は何か。女性顧客が求めるとらえがたい微妙なものは何か。女性にとって本当に意味のあるサービス、応答時間、品質の改善点はあるか。【20】販売担当者自身、本当に自社製品にほれ込んでいるか。女性の見込み顧客は販売担当者の熱意不足に感づいているか。/

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