マーケティングは消費者に勝てるか

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478502587

感想・レビュー・書評

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  • 1.マーケティングの手法だけではなく、理論的なことも学びたいと思い購入しました。

    2. 消費者の95%は無意識に商品を選択しているのですが、企業側が何か行動をすると消費者は反応します。その反応の元となっているのは口コミ(情報のカスケード)です。成功例で言えばハリーポッター、失敗例で言えばコカコーラで、情報が回った時点で良い悪いが決まってしまいます。
    このように本書では、「情報のカスケード」をキーワードとし、マーケティングはどこまで研究がすすんでいるのか、そもそもマーケティングが必要なのかというところからマーケティングについて述べている一冊です。

    3.マーケティングが万能ではないが、どう対応していくのかを深い思考を経て述べられていたので、楽しく読ませてもらいました。
    個人的な意見では、マーケティングは消費者の無意識までは予測できないのではないかと思いました。なぜならば、消費者がアンケートなどの調査で述べる結果と現実は異なることが多いからです。調査が大切なのは勿論ですが、常に疑いの目を持つことが大切なのだと思いました。

  • この本は おもしろい。
    マーケティングの本って 事例が多く載っているが、
    表面的で、深まりが ないのだね。
    しかし、著者は じつに 考察を重ね
    マーケティングって 本当に どんな意味があるのか?
    ということを 客観視しようとしている。

    マーケティングの本は 自らの本さえ マーケティングしていない所に
    面白みがあるが、この著者は ちゃんとマーケティングをして、
    題名を「マーケティングは消費者に勝てるのか」と問いかけている。
    そこから、ステキだね。

    『マケーティング調査は 消費者のことを教えてくれない。』
    1985年 コカコーラのニューコークの失敗 
    400万ドルをかけたマーケティング調査。
    アサヒビールの ドライの マーケティング 5000人調査。
    アサヒビールの成功は 偶然の賜物だったのでしょうか。
    ニューコークの大きな問題は、「情報カスケード」だった。

    消費者のことを理解できているのか?
    消費者の行動を予測できるようになっているのか?
    消費者は消費者のことを知っているのか?

    コトラーのマーケティングは 時代遅れだ。
    ダイナミックに動く 消費者にそった 動的な対応です。

    『欲望ではなく好奇心だけで動く』
    マーケティングは戦いである。競合他社との戦いではありません。
    お客様である消費者の戦いです。
    マーケティング調査は 本音をとらえていない。真の心をとらえていない。
    しかし、真の心をとらえることができるのか?

    ユニクロのフリース、バンダイのたまごっち。さらにはフラフープ。だっこちゃん。
    それに共通しているのは 人間の本性である『飽き』
    が、ブームをはやめに 収束させた。
    これも、ある意味では 情報カスケードが起こっている。

    表題の 『マーケティングは消費者に勝てるか』
    という言葉が、最後の方に すこしばかり変更してある。
    『マーケティングが消費者の心を勝ち取ろうとするならば』と。
    『勝てる』と『勝ち取る』では、
    全く、違ったニュアンスに 差し替えてあるのに、残念。

    ただ、様々な考察は 非常におもしろかった。
    だと言って、コトラーの間違いを十分に指摘しているようには
    思えなかった。同じ穴のムジナに見えた。

  • コトラーの次世代のポストモダンマーケティングについて万遍なく説明してくれており、若干多めに噛み砕いてる感じなので専門家からすればどうかわからないけど、概念だけでもさらっときたい自分のような立場の人間からすると大変良い本だった。文書も大変読みやすいのでオススメ。

    これまで読んできたマーケティング系の本で取り扱ってた内容がだいたい触れられてるので、復習がてらの良いタイミングで読んだ気がする。逆にここから始めても良かったかも。

    ここまでイロイロと読んできた感想としてはマーケティングもビジネス戦略も等しくアジャイル的な志向に向かってるなぁ、と。とりあえずやってみて実際の反応を見て修正するてきな。

    本書でも触れられてるようにいずれ揺り返しは来るんだろうけど、それもまたおもしろいなぁ。

    大変満足したので、この著者が関わった他の本も読んでみよう。

  • マーケティングの限界を鋭く指摘している。
    限界を指摘するだけでなく、どう対応していくかまでにもきちんと言及している。マーケティングの役割を考えさせられた。

  • 一般に大局的かつ軽々しく語られがちな「マーケティング」について、過去の事例、具体的な商品や産業を持ち出して、非常にわかりやすく説明してくれる名著。マーケターになりたいひともにリサーチャーになりたいひとにもオススメです。「マーケティングの神話」とテイストは似てます(こちらはリサーチ寄り)。

  • 39冊目。
    消費者の効用関数は動的だから、その形状を探り当てる作業は大変である。しかし、大変であるがゆえにおもしろく、やりがいもあるのだろう。コカ・コーラやアサヒビールなど実際にあった著名なマーケティング事例がたくさん載っていて、読み物としても楽しい本である。

  • 示唆に富む本だったように思う。もう一度じっくり読み返してみるべきかと思っている。マーケティングリサーチではつかみきれなくなっている消費者。その心理をどうつかむべきなのか。リサーチャーという立場で、今後どういう仕事を目指していくか、改めて考えてみたい。

  • 著者は、ポスト・モダンマーケティングの訳者。マーケター一読の価値ありです。

  • 比較的難解だが良書。タイトルで掲げているテーマに、きちんと答えているか?

  • シュルツの『統合マーケティング』を読んだ直後に購入。シュルツが消費者Responseの正確さを前提にしているのに対して、こちらは「いいかげんな消費者」にFocusしていて、ある意味アンチテーゼ的な位置づけで読めた。
    ただし「消費者理解は難しい」だけの表面的な議論で終わるのではなく、科学的な根拠や企業の実例を元にマーケティングの検証を行っており非常に興味深い。

    ?消費者調査にも流行があり、また「いいかげんな」消費者の行動を予測するには限界があり、調査結果は絶対的なものではない。
    ?日本企業の伝統的な「直感n頼る」「質的な」調査スタイル(POSデータや流通チャネルからの情報の細かなフォロー、市場に出す商品の反応を見ながら少しずつ改良してくetc.)は、客観性に問題があるものの、実際に成果が上がっている。
    ?市場が飽和してくると、「競合との差別化」ありきの製品開発に移るため、従来の「静的なセグメント」を前提にした需要予測はWorkしなくなる。

    その他「情報カスケード」「閾値」「Cue」など、マーケターとして知っているべき重要な概念が多く出てくる。

    *科学的な情報収集、分析は引き続き重要で、短期的な予測はより精度を増していくだろう。しかし「飽きっぽい」消費者を惹きつける魅力的な商品づくりも同時に必要」という結論には激しく同意。

  • 思わずそうなの?って箇所が
    たくさん。
    人の行動と脳の動きの話は、
    一読の価値アリ。

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著者プロフィール

ウィトン・アクトン代表
国際基督教大学卒業、上智大学国際部大学院MBA。エスティ・ローダー社マーケティング・マネジャー、タイム・インクのダイレクト・マーケティング本部長などを経て現職。早稲田大学商学学術院客員教授、立命館大学教授を歴任、現在は、トッパンフォームズ社外取締役、セブン&アイ・ホールディングス社外監査役を兼任。

「2018年 『経済の不都合な話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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