マーケティングは「嘘」を語れ!: 顧客の心をつかむストーリーテリングの極意
- ダイヤモンド社 (2006年2月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478502648
感想・レビュー・書評
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All marketers are liars
・ 消費者が必要なものをすべて手に入れているとすれば、「ウォンツ」の対象以外には買うべきものは無い。彼らが欲しいものを買う理由は、「それを買うことで得られる気分」なのである。
・ 物語が成功するのは、その物語が実際に製品・サービスを改善する場合である。 ex. リーデルのグラス
・ 成長したければ、話題となるにふさわしいものを作れ。ごまかしではなく、宣伝ではなく、モノを作れ。アイデアが優れていれば、それは広まって行く。
・ 世間の人々は、物語を語って欲しいと望んでいる。物語は、彼らが購入する製品・サービスの一部である。多くの場合、人々が買おうという気になるのは物語なのである。
・ 科学の飛躍的進歩と合理化思考の時代に、実際に私たちを動かしているのが迷信や宗教、派手な物語であるというのは皮肉な話だ。皮肉ではあるが、意外ではない。私たち人間は、生まれてこのかた、素早く判断を下すように、迷信を信じ、物語に耳を傾けることで覚えた嘘を自分自身に語るように訓練されているのである。
・ 最も優れた物語とは、消費者の世界観に含まれる願いをかなえることを約束するものだと記憶願いたい。そうした物語は、たとえば次のようなものを提供する。
・ 近道
・ 奇跡
・ 金銭的利益
・ 社会的成功
・ 安全性
・ エゴの満足
・ 愉快さ
・ 喜び
・ 帰属意識
・ 消費者は、皆それぞれ異なっている。しかし究極的には、皆が同じ結果を望んでいる。昇進、人気、健康、財産、賢明さである。また彼らは、嬉しい驚きや誠実な賞賛を求めている。「成功を収める物語は、マーケターが最も強調する可能性の高い要素を提示しない」例えば、非常に高い品質、他社より少し安い価格、この状況で入手可能な最善の選択、お得な価格で入手できるそれなりのコモディティ、利便性、感じのいいスタッフ、上質のカタログ、不良品質の低さ、業界標準の保証内容…こうした属性はどれも物語には値しない。こうした特徴については消費者が自分自身に物語を語ろうとしないだろうし、友達に伝えるほどの常識破りだとは思えないのも確かだからだ。
・ 困ったことに、消費者が他の誰かの物語を信じてしまった場合、その消費者に乗り換えようと説得することは、「自分は間違っていた」と認めるよう説得するのと同じことになってしまう。そして、人は自分が間違っていたことを認めるのを嫌がるものだ。ライバルが同じ物語で優位に立っている場合、「別の」物語を語らなければならない。そして、消費者が今信じている物語よりも、こちらの物語のほうが重要だと説得するのである。ライバルがスピードならこちらは価格で勝負する。
・ 「私たちは寿司が好きだ」という一つの世界観を共有する均質なグループに「マサ」はコミュニティの一部分だけに対して物語を語った。「寿司好き」という世界観に加えて、「豪華さ」や「世界最高」を軸にした物語を聞きたがる人々に対して、物語を語ったのである。
・ 大切なのは、私たちがどのような種類の物語に耳を傾けるかという点なのだ。 -
最近はビジネス関係の本に興味がもてませんでした。
しかし、先輩に読むように言われ、あまり気が進まないものの読んでみました。
嘘を語れ。
とはいうものの消費者を騙せ。という意味ではございません。
嘘は消費者が消費者自身につくんだそうです。
食べる前に、旨いと思い込んでいるからそれは旨い。
そして、自分が自分を「これは旨い」と説得した場合、それを人はなかなか覆せない。
たとえ、自分が信じ込んだ物語に矛盾点があろうと、自分が信じた場合その要素を見逃す。
という、人間の心理に語りかける物語を生み出すことがマーケティングなのだといった感じ。
外国人の文章って同じことを頭から最後までずっと言うんだよね…。
僕の場合は「旨いもん」に対して、自分で自分に思い込ませる傾向はあるかな。 -
ストーリーテラーの方法を会得する最高の教科書。顧客が信じたいと思う物語を語れば、きっと顧客は集まってくる。「ストーリーテラーが世界を回している」って誰かが言ってましたね。まさにその通りです。
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この本は
マーケティングは
消費者の目を惹き
自分のものとして取り入れる物語を語れ。
と説いているのだが
タイトルの付け方がうまい。
つい、買ってしまった。
当然本当に「嘘」を語れ!
とは言ってはいない。
セス・ゴーディンは
「パーミション・マーケティング」とか
「紫の牛を売れ!」とか
ビジネス書で
ベストセラーをとばしているが
なるほど読んでる最中は
ふむふむと感じさせるところが多い。
本書は好意的に捉えれば
色々な事例をもとに
簡潔に語り構成されている。
反面まあ、その分
こま切れが多く
読後にあまり残るものがないが
ちょっとしたヒントは得られるかも。
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「嘘」というドキッとする単語に目を惹かれるが、中身は、非常に質が高い。マーケティングの教科書として好適。
「世界観」「枠組み」という単語がマーケティングのキーワードとなり、
いかに自分の伝えたい情報を、削除されずに、伝えたい相手に届けるか?
ということが主題になる(と自分では理解している)
マーケティングに関する考え方が変わった一冊。