なぜ、メールは人を感情的にするのか: Eメールの心理学 (Life&BusinessSeries)

著者 :
  • ダイヤモンド社
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本棚登録 : 40
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478710449

作品紹介・あらすじ

来たメールの文面にムッとしたり、「そんなつもりじゃなかったのに…」と誤解されたりした経験はないだろうか。本書では、文字以外に手がかりのないメールというメディア-心理的な罠と、新しい可能性を探る。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルだけ見るとネット世界にありがちな攻撃性の増大、その背景にある没個性化についての書籍かと思われたが、実際はEメールを含むインターネットを通してのコミュニケーションを対人関係のあり方から分析したものであった。
    著者は現在の若者の対人関係について局面的対人関係と称し、団塊の世代よりも上のもの達にとっては当たり前であった全人的対人関係と区別する。そしてメールは前者の最たる例としながらも、一方で別の側面を持つともしている。
    メールによるやり取りは、関係性の形骸化、引きこもりのツール等といわれることもあるが、実際はそうではなく、むしろ対人関係を望む者ほどよく使うとのことであった。

    また豊富なメールカウンセリングの経験から、ある特定の人たちにはこの方法が非常にマッチしていることを導き出した。自らの問題をカウンセラーに読ませるために「書く」という作業は、考えの整理やカタルシス効果を生み、それだけでほぼ問題が解決した事例もあったそうだ。
    もちろんそれには文字という限られた情報から、クライエントの状態や問題点を的確に推論できるカウンセラー側の経験値が必要なのだが。
    前半後半ともに興味深い内容であった。しかしタイトルがよくない。
    上にも書いたが、これだとパッとみ社会心理学分野の本だと思ってしまう。実際は臨床分野の内容も含むので、その点もタイトルから推察できると更に多くの人に興味を抱かせるのではなかろうか。

  • 今から10年前に書かれた本。

    情報技術や社会情勢など現在とはメールを取り巻く環境は異なるが、利用する人の心理は納得することが多かった。

  •  教育カウンセリングをメールで行った経験のある著者の本。

     きちんとした統計から、「リアルでのコミュニケーションの多い人のほうがメールも活用する」として「メール=おたく」との世間の無理解を喝破するあたりは痛快。

     ただメル友=リアルで会うまでの過渡的な人間関係、との判断には異論のあるところ。

     かつてのペンパルも会えば云々との文章も、ペンパルのままリアルでの出会いを選ばなかった多数を考えればメル友=メル友も十分意味のある人間関係と思われるのに・・・

     「感情的」とのタイトルは、マイナスの(感情の)イメージを感じその戒めを得られればと思って読み進めたが、どちらかと言えば著者はより感情的に密になれる、との側面を強調している感がある。

     ま、それはそれでいいんだけどね^^;


    http://chatarow.seesaa.net/article/122421896.html

  • 「Eメール」今や私の生活には欠かせないものになった。メールはとかく一方的なものとなってしまい、受け取る側に気持ちの配慮を怠ってしまう事もしばしば。また出す相手によって文体を変える必要を常に痛感する。
    そんなメール様々な問題点を考える良書。
    また”第6章世代によって異なるメールの世界”は、メールの問題だけでなく私達が抱えている人間関係の推移も時代をおって解説されていて非常に興味深い。

  • メールで人を操作する方法。

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著者プロフィール

文京湯島高齢者在宅サービスセンター(湯島)、文京昭和高齢者在宅サービスセンター(駒込)センター長。「東京都高齢者福祉施設協議会」デイサービスセンター分会長。1983年社会福祉系大学卒業後、墨田区の特別養護施設に介護職として入職。85年同施設内の在宅サービスセンターへ転属、生活相談課長・介護課長として勤務。92年横浜市の特別養護併設型のデイサービスセンター副施設長。同時に大田区に新設される特別養護施設の在宅福祉部長として、事業の立ち上げに従事する。2001年より現職。

「2015年 『お年寄りに喜ばれる楽しいレクリエーション ベスト55』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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