カッシーノ!

著者 :
  • ダイヤモンド社
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本棚登録 : 76
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478941935

感想・レビュー・書評

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  • はじめ、タイトルの意味が分かりませんでしたが、「カジノのことだよ」と教えられて、少しがっかり。特にカジノに興味がないからです。
    でも本の装丁は上品だし、まあ読んでみようかなと、開いてみました。

    著者は浅田次郎。以前『地下鉄に乗って』を読んだことがありますが、特別好きな作家というわけではありませんでした。
    →『地下鉄に乗って』レビュー
    http://booklog.jp/users/lilyca/archives/1/4062645971

    読み始めると、前回の作品とは比べ物にならない熱を帯びた文章に驚きます。
    今回は文学ではなくエッセイなので、より著者を身近に考えられますが、それにしても浅田氏がいかにカジノを愛し、夢中であるかが、よくわかります。

    はじめは、モナコの伯爵夫人の話から。
    ホテルのレストランのテーブルで相席となった彼女は、亡き夫がグラン・カジノで大豪遊したために、そのお礼にと、終身オテル・ド・パリの部屋で暮らせて、食事代がただだといいます。
    カジノにまつわる、夢のような話が語られて、つかみはオッケー。読みだす前の億劫さはどこへやら、先が気になってたまりません。

    小説家であれば旅の紀行記となるところですが、徹底してカジノ行脚のみ。名所観光も文化鑑賞もなしに、とにかくひたすらカジノからカジノへと渡り歩いているその様子は、まさにカジノ巡礼者です。
    彼は「バクチ以外の観光は不純なものとして一切これを排除する」という誓いを建てたのだとか。つまりは賭博に関してストイックなほどに真面目なんですね。
    なんだかよくわからなくなってきます。

    これは『週刊ダイアモンド』に掲載された連続エッセイ。「日本人オヤジたちよ、もっと遊んで幸せになろう」と励ます目的だといいながら、自分が心から楽しんでいる様子が伝わってきます。

    たいそう負けて、ボロボロになる時もありますが、ものすごく当たった時には「日本から収税されるおそれがあるから」と、具体的な金額は明かしません。慣れています。手練です。

    博打好きは血筋で、祖父も父親も競馬好きだったとのこと。
    (そういえば、上賀茂神社の神馬は彼の持ち馬だったなあ)と思い出しました。
    この話を聞いた時には「神馬が競馬の馬だったとは」「馬主は作家の浅田次郎氏だとは」と、かなり驚いたものでした。

    高校の時にこっそりでかけた競輪場で、親子三代が鉢合わせをしたというエピソードには笑いました。

    "私の小説の愛読者、及び出版各社の文芸編集者たちは、「世界カジノ紀行」なるこの企画にさぞかしブーイングを送っているであろうが、天国の祖父と父が喝采していることだけは確かである。"

    取材は半分お忍びだったようですが、旅先で原稿を滞納している小説の担当者につかまったエピソードもまたおもしろいものでした。

    ハシゴ酒ならぬハシゴカジノを繰り返す彼。
    とにかくほんとうに嬉しいという気持ちが文章からにじみ出ており、活き活きしています。

    「私は時々小説を書くギャンブラーさ」と言い、「私は、誰になんといわれようが半世紀の放蕩人生を顧みて、恥ずるところはない」と豪語する彼。
    ここまで徹底した人はなかなかいないでしょう。頼もしさを感じます。

    もはやカジノがいいとか悪いとかは関係なくなり、人が情熱を持って巡る旅のおもしろさをふんだんに味わえました。

    この一冊のみかと思いきや、『週刊ダイアモンド』で、まだアフリカのカジノの旅を継続中だとのこと。(現在はもう終了していると思いますが)
    こちらも読んでみたくなりました。

  • 自分には関心のない話。訪問先だけ自分の感想と重ねられたけれど。

  • タイムイズライフ

  • 浅田次郎のヨーロッパカジノ漫遊記(笑)

    本人は「たまに小説を書くギャンブラー」と仰っていますが、やっぱり「ギャンブルもやる小説家」なんじゃないですかね?

    文章が上手いです。モナコの老貴婦人との件などは、創作なのか、本当なのか?

    とは言え、著者が無類のギャンブル好きであることはよくわかります。って言うか、立派なハイローラーですよね?

  • 2013/06/16 【古】 105円

  • カジノ旅行記
    勝った負けたはあまりなく、ヨーロッパのカジノを紹介しながら
    文化の違い、人の生き方の違いについて
    作者の思いが綴られる。

    日本人は遊ばなすぎる。
    遊び方を知らない。

    遊び方がへたくそなのでしょうか?

    つまり働き方もへたなのかもしれません。

    一度の人生なので後悔のない時間を使いたいです。

    「考えればわかる!真理はひとつだ!」

  • 浅田次郎の生き方=遊び方の一端がおおっぴらに披露されちゃっている。

  • 浅田次郎氏による紀行エッセイ。
    しかも世界のカジノを巡ってやるぜ!
    というなんとも男気溢れる内容。

    非日常と非常識の世界。
    その中で問う。
    世界最高水準の労働時間を誇る日本人オヤジが、つかのま職場を離れ、
    野に出て遊ぶことは罪悪か…と。

    僕はダンジネス否、と叫びたい。
    まあただですら遊びほうけてはいるが、
    やはり、自分の生活からドライブやツーリングを奪ったら何も残らない。

    『幸福な人生とは、つまるところ死の床に臨んで悔悟せぬ人生のことであろう』

  • 初版本

  • 浅田次郎の奔放さがいかんなく発揮されてる。
    しかし運が強いね。ケチくさいところも人間味溢れていい感じ。見た目ヤクザだからねw

    遊べよ、日本人!

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著者プロフィール

浅田 次郎(あさだ じろう)
1951年、東京都出身。
1995年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、1997年『鉄道員』で直木三十五賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、2006年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞と司馬遼太郎賞、2008年『中原の虹』で吉川英治文学賞を、2010年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞、2016年『帰郷』で第43回大佛次郎賞それぞれ受賞。2015年には紫綬褒章も授与されている。
2018年現在、日本ペンクラブ会長、直木賞、柴田錬三郎賞、山本周五郎賞の選考委員を務める。

浅田次郎の作品

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