まともバカ 目は脳の出店 (だいわ文庫)

  • 大和書房 (2006年9月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784479300465

みんなの感想まとめ

人間の脳の働きと都市生活の関係を深く探求した内容が特徴的で、難解なテーマをやさしく解説しています。著者は「まとも」と「バカ」の境界を考察し、現代人が抱える生老病死への錯覚を鋭く指摘。都市と自然、現実と...

感想・レビュー・書評

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  • 解剖学に精通している養老先生の本
    都心から田舎に引っ越したので、
    うんうん!とたくさん頷く部分が多かった。

    ・知るとは→今の時代の知るは、
    自分のそとにある知識をいかに検索するか?
    この知識は操作可能であり、
    都合のよいときに都合のよい解釈を使えばよいという認識

    ・「人のことがわかる」
    社会で生きる上で有利なスキルはこれである
    たくさんの言語を話せるひとは、
    それだけ人のことを理解するスキルがあるから
    重宝される

    ・情報化社会とは?
    予測して統御しようとする社会

    都市というのは、脳で作られた人工の場所。
    そこは徹底的に自然物を排除したい。
    しかし、身体は自然物である。
    だから、そこに化粧や整形をほどこす。

    建物のなかにある観葉植物や
    都市部の公園は人工的につくられている。
    そこにある植物は、人間により埋められたものであって、自然ではない。

    養老先生はどちらがよい悪いといっているのではなく、解釈をおしえてくれている。

    人間は本来自然なもので、
    無目的で生きているもの。
    しかし、人間は進化することで、
    できる限り予想可能なものを作り出した。

    おそらくそれは、人間がより生きやすかった、
    つまり生存しやすかったからだと思う。
    だから、人間にとって都合がよいもの、
    社会をつくりだし、多数を良しとしてきた歴史がある。

    しかし、私はそのような決められた世界が息苦しく感じる。だから、養老先生の本を読むことで、
    こういう考えでもよいのだと自分を肯定することができ、気持ちが楽になった

  • 解剖学の第一人者による講演録。難しい領域の話をやさしく語ってくれている。

    人間の脳が「まとも」と「バカ」の境界をつくっている。

    「都市」は、人間の脳が外に表現されたもの。
    「自然」は、意識的に頭でコントロールすることはできない。「生老病死」も。
    現代人の都市生活は、生老病死をあたかもコントロール可能であるかのように錯覚し、見ないようにしている。
       ↓
    アンバランスさ
       ↓
    頭は、自分の思い通りになるネットの仮想空間で満足させ、身体は、田舎暮らしで不自由させることで、バランスがとれるのではないかという提案

  • 相変わらずブレない軸、悪く言えばマンネリ。でも真理ってマンネリなもんだと思うので、それは別にいい。前までと似たようなことが書かれてるんだろうなー、と思いつつもつい手にしてしまう俺は、養老じいちゃんの愛のある慧眼が大好きなんである。人工と自然、都市と田舎、現実と仮想などの関係性を「ああすればこうなる」原理で串刺しにして対立や歴史的な流れをシンプルに説明してくれている。養老じいちゃんの本はどれでもいいけど、一冊読んでると「現代とは何か」を考えるヒントになる。

  • 最近、脳とコンピュータを巡る描写が増えている。確かに分かりやすい。
    そこで人間の脳とコンピューターの違いと今後の脳の使い方が示唆される。
    脳が現代社会を創ってる。極論だけど、そうですよね。
    構造の認識の仕方の5つ。機械論、機能論、個体発生、歴史性との遭遇、情報。

    脳の話から社会学までぶっ飛んで、非常に共感できる部分の多い本でした。

  • 「現実」は現実か?・・・といった内容を解剖学の分野からの切り口で話しているので、これまた面白い

  • 講演、講義録。惟脳論の一般向け敷衍。自然=身体と人工=脳の二元論なのだが、脳は身体の一部であるし、人工は自然を容認しないしで、話はややこしくなる。身体による自己表現の話、「手入れ」の話はとても興味深い。「ああすればこうなる」の予定調和的大団円は人間には無縁。人生は所詮無意味なのだ。何がどうなるか判らない無意味性の中でこそ、生きる値打ち、面白みがある。

  • 養老孟司のバカシリーズ。
    内容はバカの壁とかぶる部分が多いですが、解剖学者である著者の哲学が、脳科学とともに展開されます。
    脳の構造や遺伝子の情報など科学的な内容と、言語や意識などの感覚的な内容が複雑に絡み合い、人間は物事を考えていることがわかります。しかし、現代の情報化社会の中では、いびつな考え方になっていて、まともが遠のいています。
    この本を読み、ゆっくりと考える時間をとって、自分を改めて振り返ってみるとよいかもしれません。

  • 「バカの壁」で、話してもわからないって言う選択肢を世に示した時から、養老フリークでしたが、これはバカの壁よりも面白かった。
    養老先生の昆虫好きなとこもいいです。

  • 大体、養老先生はどの本でも同じことを言っているのですが、この本は講演集のような形をとっているので、さらに同じことの繰り返し。しかし、それだからこそ養老先生が本当に言いたいことが繰り返しよく伝わってきます。

    「ああすればこうなる」の世界に僕らは生きていて、でも自然はそうはいかない。だから、「ああすればこうなる」ように、自然を作り変えていく。徹底的に潰しにかかる。死は自然の出来事だから、それも徹底的に潰しにかかる。だから、みんな病院で死ぬ。死んだら急いで燃やしてしまう。

    なるほど。養老先生のボヤキのように見えて、実はとても僕らの脳の中をぐちゃぐちゃにかきまぜてくれる中身です。

    養老先生に対しては好きな人嫌いな人の落差が激しいと思うけれど、この人の言っていることは今、とても大事なことだと思います。

    だって、子どもは自然だから。その自然を徹底的に都市が潰していくから。そうならないようにはどうするか。そういう示唆を与えてくれる一冊。

  • 今まで読んだ養老先生の本の中で一番好き!これは必須かもしれません。
    考える力、脳のこと、とても参考になります。

  • 私には難しすぎた。眠い。

  • p.2006/9/19

  • 養老孟司先生の話はいつ読んでも気づきがある。
    解剖学、ヒトの身体から禅の世界に繋がる.イマココだな。
    だからこそ、先生がお元気なうちに、ぜひ講演で直接お話を伺いたい。
    身体が自然で、意識は人工。
    科学は身体を真似している。
    脳化社会の究極の形がメタバース。
    メメントモリは、諸行無常。

  • 「バカの壁」で知られる養老孟司著。

    背表紙には「ものの見方・考え方がウソのように変わる本!」とありますが、必ずしもそうではなく。

    簡単に言うなら、「人工的世界で生きる現代人から見た世界と、養老先生の考える世界の違い」といったところでしょうか。

    我々「都市化」した社会に住んでいる人間の特徴を捉え、その認知の歪みを捉えたあと、でも本来生きていくってこういうことですよね、予測できないことの方が多いですよね、と諭していくような論調。

    個人的には「バカの壁」よりも「んんっ!?」とならずに読めて読後感も良かったです。

    養老先生の言うところによると、私は恐らく「首から上」の人間であり、「言語の人」なのだと思います。そして「都市化」に伴って「効率化」した結果、子どもや障害者、高齢者にとって暮らしにくい社会になってしまっているのだなぁ、と思いました。

    ずっと就活のときに「化粧をしない女性はダメ」と言われていたことが「なぜだめなのか」と心にひっかかっていましたが、「都市化された社会」の中では自然=ダメなこととして認識されているからなんだなと理解し、(同調できないですが)腑に落ちた思いでした。

    余談ですが、日本の芸能を会得していく経過を知るのに良いと紹介されていた「日本の弓術」(オイゲン・ヘリゲル著)も読んでみたくなりました。

  • 著者の講演やエッセイなどを集めた本で、『脳と自然と日本』(2002年、白日社)と『手入れ文化と日本』(2002年、白日社)を再編集したものとなっています。

    ベスト・セラーとなった『バカの壁』(2003年、新潮新書)とおなじく、著者の年来の主張である「脳と身体」あるいは「都市と自然」という対立軸をめぐって、さまざまな具体例を織り込みながらわかりやすい議論が展開されています。

    ユーモアを感じさせる語り口で、読者の興味を引くエピソードから余人の思いもかけない結論をみちびく著者の議論の運び方がスリリングで、おもしろく読みました。ただ、基本的な著者の考え方は、『バカの壁』など他の著作と変わりがなく、新鮮味に欠けるように感じられたのも事実です。

  • 若かりし頃の養老先生の講演は、滅法面白かった。これはもう日本の話芸といってもいいくらいである。頭がよすぎて内容はよくわからないのだが、言いたいことはなんとなくわかってしまうから不思議だった。『バカの壁』が売れて以降の先生は、おそらく読者のレベルに話を合わせようとして、面白さのレベルまで落としてしまっている。この本と、同時に刊行された『自分は死なないと思っている人は ヒトへ』が、養老節が面白かった最後の本だろう。題名はバカの壁に便乗した、どうせ気の利かない編集者が付けたものだろうが、内容は折り紙付きである。

  • 養老先生の文体がとてもすきです

  • 都市化って妙に納得できる。
    中途半端な田舎育ちだけど、それを否定してなかった自分は正しかったのだろう。

  • 文武両道とはなにか?を多様な切り口で語る。

    文=脳=文化表現=意識的表現=都市
    武=体=身体表現=無意識的表現=自然

    明治以降の急速な近代化、特に都市化は「こうあったら良いのに」という考えを元に脳=アタマのなかを具現化してできあがったもの。そこに暮らす我々はもちろんのこと、その過程においてもまた、カラダの果たす役割はどんどん薄く。

    そうして在る現在、そこで語られる「マトモ」は果たしてマトモなのか?

    文武両道な、アタマとカラダを両方適切に扱えるバランス感覚が好ましいと考える。
    その為には長い「修行」を経て「道」を歩み「型」を身につける、日本の昔ながらのスタイルが有効かと考える。

    アタマでっかちな自分を省みる良い材料になる。

    最後にあった「覚悟という言葉がなくなり、その代わりに危機管理という概念が生まれた」という話も面白かった。人間の中の都市〉自然がよく現れているという解釈。

  • 社会は人がつくった人工的なもの・計画されたものになっている。
    それ以外のものは排除された、排除されたものは生と死。
    人がそれらに触れる機会が現代では排除された。

    この先どうなるか分からない、でも何かしないと行けない。
    その気持ちが覚悟。

    何も決まっていない未来こそが財産なんです。

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著者プロフィール

養老 孟司(ようろう・たけし):1937年神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学名誉教授。医学博士(解剖学)。『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。『バカの壁』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。同書は450万部を超えるベストセラー。対談、共著、講演録を含め、著書は200冊近い。近著に『養老先生、病院へ行く』『養老先生、再び病院へ行く』(中川恵一共著、エクスナレッジ)『〈自分〉を知りたい君たちへ 読書の壁』(毎日新聞出版)、『ものがわかるということ』(祥伝社)など。

「2023年 『ヒトの幸福とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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