孤独と不安のレッスン (だいわ文庫)

著者 :
  • 大和書房
3.99
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本棚登録 : 1916
感想 : 176
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479303251

作品紹介・あらすじ

「ニセモノの孤独」を知る、「根拠がない」から始めよう、つらくなったら、誰かに何かをあげる、あなたを支えるものを作る―人気演出家が綴る「ひとり」を生きるための練習帳。

感想・レビュー・書評

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  • 組織を抜ける覚悟をしてから、再来年になったとき確実に孤独と不安になるだろうと思い手に取りました

    1番の発見は、「他人」と「他者」の違いについて
    他人については、何言われても気にしないでいられるけど、他者との関わりは深いのでプラスもマイナスも大きくなる

    子供にも伝えているのは、自分の居場所を一つにしないこと
    学校がダメなら、習い事の友達がいる
    日本が合わないなら海外に逃げる

    とにかく死なないようにという鴻上さんのメッセージが、孤独と不安でいっぱいになっている人に届きますように

  • 良い本です。

    出先で読んでいたのですが、いろいろ想うことがあり
    、泣けてきて困りました。

    誰しもかかえる『孤独』と『不安』
    それらと上手に付き合うために、『孤独』や『不安』の正体をひもとき、「ひとり」でちゃんと生きられるように。死なないように。これからの人生のために。

    最近話題の『ともだち幻想』とこの本をセットで、中高生ぐらいから読んでみてほしい。

  • 人はいくつになっても、孤独や不安から解放されることはない。大切なことは、それらと向き合い、ともに楽しんで生きること。そのためのレッスンとして、一人暮らしのすすめ、発想の転換のヒントなどが書かれている。

    "本当の孤独"を知れば"1人はみじめ"という発想はなくなる、今の自分となりたい自分を比較して凹まない、など、ちょっと弱っているときに読みたくなる内容が多い。
    特に学生さんにオススメしたい。

  •  孤独かっ。
    孤独って日常に楽しい人が側にいて、ハッピーhappyって過ごしていたら孤独感なんて浸る事なく過ごせたのかもしれない。こんな文章も書くこともなく過ごしていたに違いない。
     本を読んだりして、自分と向き合う時が自分の孤独感の深淵を覗き込むことができる。ずっとのぞいていると怖さがなくなっていく。慣れっこになってくる。人と話していて自分と違うもの感じた時、理解と肯定感が決定的に喪失してしまった瞬間、たまらない孤独感を感じる。
     孤独。いいじゃないか。人は結局、誰とも心底は理解はしあうことなく通り過ぎていくんだと思う。理解しあってると錯覚や思い込みをしているにすぎない。誰よりも大好きで信用できる自分と向き合う
    時間こそがいちばん好きだな。本を読んで、なんかの文章書いて、好きな音楽きいてりゃ生きていける。
     孤独に強くなろってことをこの本は書いている。そんな気がするのだ。

  • 他者との付き合い方。周りが「こうだ、ああだ」は疲れます。同調圧にも疲れた方にうってつけ。群れるとか同調圧が嫌いな私はいたるところで頷けるところあったけど、丁寧に書かれていて、大変勉強になりました。「他者」「他人」の違い、だれかに何かをあげる、とか、孤独の種類とか、なかなかすっと入っていけました。孤独と不安の問題ですが、人間の本質やら、行動心理、いろいろ見えてきます。対人関係のも、何もかも突き詰めてゆくと不安なのなのかな。いろんな方に読んで欲しいものです。

  • もっと若い頃、一人になるのが怖かったのは、この本に書いてある通り一人でいることは惨めであるという呪いをかけていたからというのにしっくりきた。年齢を重ねて本当に心が落ち着く友人ができ、自分の趣味をある程度自分で選びながらできるようになって、その呪いはほぼ完全にとけた。けど、中学生の自分に読ませてあげたかったな。

    また、何もすることがないような何もないところに一人である程度時間を過ごしたとき、突然自分の心の奥底のやりたいことやりたくないことが思い浮かんでくると書いてあり、なんだか分かるような気がした。
    一人で何を考えようとも決めずにぼーっと外を見ていると急に考えが湧き出てきて溢れそうな時がある。
    本当の孤独と付き合える人生でありたい。

  • 孤独であるとき、不安になったとき、どうやって心を落ち着かせていこうか?という一冊。
    もちろん著者の経験に依っているので、どこまで参考になるの?という側面はあるも、誠実な内容だと思った。
    解決策のあるトラブルは必ずしも悪ではないけど、不安にばかりなるのは悪。

    自分のことを考えるのをやめれば空気は読めるよ、というのは良い言葉かもしれない。
    読んだときの心理状況次第で、感想は変わるでしょう。すごくなにか楽になったわけではないけれど、印象的な言葉はいくつかあったから、また開けるようにしておこうと思います。

  • 後ろ向きの不安と前向きの不安,ニセモノの孤独と本当の孤独を対比し,人としての成長をもたらす後者に触れる・曝される環境や心構えを持つようにすることを勧めている.生きていく以上不安や孤独は絶えないものであり,そういった状況の中で,ありたい自分像だけを膨張させて,ただ前進しないまま悩み続けたり,依存関係やインターネット上の関係,新興宗教といった手っ取り早い解消にすがりつこうとしたりするのではなく,自分個人として今何ができるのか,今何をしたいと思っているのか,徹底して向き合うことが必要であるとする.ただそればかりではなく,不安や予想される悪い結果への可能性は所与のものとして割り切って考え,ひとまずやってみるという態度をとることも必要と説いている.今の私の場合は状況だけで見ると比較的孤独な状態ではあるが,ここでいう本物の孤独下にあるかはやや微妙だなと思った.ただ,どちらかというと考えるために一人になるよりは,まずやってみるという方に進んだほうが,少なくとも今の自分にとっては適切に思えた.

  •  学校で、大人が「友だちを大切に」とか「一人はみんなのためにみんなは一人のために」とかいうとき、その生徒一人一人のために言ってる言葉なんかじゃなくて、クラスとしてのまとまりを作ることで、管理しやすくするためじゃん、と感じることが多い。
     いつも一人でいることより、いつも誰かと一緒にいることしかできないほうが、ずっと苦しい。
     一人でいることのしなやかな強さと、背中合わせの孤独を知っている人が、それを言語化してくれてる本。
     一人でリラックスできる自分でいたいと思っていて、それでも張り付いた不安にまとわりつかれるときに、つっかえ棒になってくれるような本。

    • ロニコさん
      中学の国語の教科書に、読書の世界を広げる本として紹介されています。どんな本なのだろうかと思っていたので、参考になりました。
      中学の国語の教科書に、読書の世界を広げる本として紹介されています。どんな本なのだろうかと思っていたので、参考になりました。
      2018/05/19
    • nohohon08739さん
      コメントをありがとうございます。中学生の何倍も生きてる私にも響く本でした。中学生のころの自分にも、10年後の自分にも、きっとそれぞれ異なる響...
      コメントをありがとうございます。中学生の何倍も生きてる私にも響く本でした。中学生のころの自分にも、10年後の自分にも、きっとそれぞれ異なる響きかたをするんじゃないかなと思います。コップの水の量で響きが異なるみたいに。
      この本が必要かもと思う人の手の届くところに、この本を置けたらいいなと思います。
      2018/05/21
  •  社会人になりたての頃の手帳を開いたら、この本から抜き出したフレーズがいっぱい書いてあったので、懐かしくなり再読した。
     中途半端に壊れた世間、本物の孤独と前向きな不安を共にして、死なないように。
     運悪く配属先の先輩に頭のおかしい人がいて、毎日職場イジメを受けていた頃だった。難癖をつけては怒鳴り散らしたり、周りがみんなお前の悪口を言っているぞ、俺は専務と通じてるんだぞ、とか言っていた。地獄の日々は1年弱続いたのち、先輩が異動、休職して終わった。今思えば専務と通じているわけがなかった。
     この本のおかげで死なずに済んだ、自分を責めずに周りに助けを求めることが出来た。鴻上さんは私の命の恩人なのだ。
     あらためて読み返すと私の心の深いところに拠り所になっていることを感じた。今進行中の悩みと向き合う勇気が持てた。

     でも私も歳を取ったので、「喧嘩はとことんやりあうべきです」という指南には「ほどほどにしとこうよ」って思うようになってしまいました^_^過ぎた言葉で失った友情、信頼、心地いい居場所を思い出しつつ、、、

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著者プロフィール

著者等紹介
鴻上尚史[コウカミショウジ]
1958年8月2日生まれ。愛媛県新居浜市出身。早稲田大学法学部卒業。劇作家・演出家・エッセイスト・小説家

「2023年 『ヘルメットをかぶった君に会いたい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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