マリリン・モンローの言葉~世界一セクシーな彼女の魅力の秘密 (だいわ文庫)

著者 :
  • 大和書房
4.29
  • (19)
  • (8)
  • (7)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 272
感想 : 18
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479306375

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • マリリン・モンロー、世紀のセックスシンボルと言われた女性。

    彼女の姿、生き方は、とかく、人々の耳目を集めやすい。
    過酷な少女時代を生き抜き、自力で女優になり、数々の映画できらびやかな活躍をし、有名人との3度の結婚と離婚を経験、最後はベッドの上で電話の受話器を握りしめながら亡くなった。その死の真相は今もって謎とされている。

    昨年は没後60年で、彼女の人生を描いた映画が配信された。
    私は観ていないが、否定の声も多かったらしい。
    私はNHKのドキュメンタリーで彼女の言葉の断片を知り、心を捕われた。

    「頭の弱いブロンド女」という、ある種の男性が望む姿を演じつづけたマリリンだが、その実、とても賢く、向上心に溢れていて、神経質に見えるほど繊細な心を持っていた。
    子供のころから劣等感に苛まれ、いつも本を読んでいて、女優になってから大学に通ったことも、アクターズスタジオに学んだこともあったという。

    確固とした考えから、マイノリティに理解を示し、友人も多かった。
    あの時代に珍しかっただろう。

    一方で、虚言癖のようなものもあり、何が本当で何が嘘か分からないことも喋ったのだそうだ。

    マリリンの魅力として、この本の著者は「人々の保護本能をかきたてること」と書かれているが、私もかきたてられてしまった。

    でも、「保護本能」というのは、「支配したい」といった欲と密接に組み合わさっているような気がする。

    異性からの支配や、社会(映画業界)からの支配、過去からの支配から、必死に逃げようと頑張っていたのかもしれない。

    そんなマリリンだから、多くの人に届く言葉が残っているのでしょう。

    セックスシンボルを演じつづけ、かわいそうな女の子からも脱却しようともがいた軌跡の言葉。

    重いです。

    「どうか私を冗談あつかいしないで」マリリン・モンロー

  • 読んでて泣きたくなるくらい、切なくなるくらいの
    マリリンの想いがすごく伝わってくる。
    読んでよかった。マリリンという人を少しでも知れて本当に良かった。

  • マリリンの名曲をうっとりと聴きながら感想をしたためる。

    前に同著者の「ココ・シャネルの言葉」を読んだことがある。
    その中にマリリンがシャネルの香水を使ったエピソードがあり、それがきっかけでこちらの本も手に取った。

    読む前までのマリリンに関して無知な私のイメージは、


    「思いつく限りのセクシーと妖艶さと女としての大成功を収めた有名女優。富も名声も何もかも手に入れたさぞかし順風満帆で恵まれた生活を送っているんだろう。」


    …と思っていたが、読み終わった時に最初のイメージとはかなりかけ離れていて、改めて私はうわべしか知らなかったのだとショックすらあった。
    とてつもなくせつなさといとおしさを感じてしまった。

    それはきっと私が劣等感の塊で、常に生きづらさを感じているから故、マリリンの“劣等感”には共感もあった。
    こんな大スターでも劣等感というものを持ち合わせているんだ。むしろ劣等感に満ちていた。からこそ、必死に努力するマリリン。
    常に自分の内面を見つめて必死に生きた美しい人。


    「どうか私を冗談あつかいしないで。」


    この一言だけで、彼女の悲しみが痛いほど伝わる。




  • 傷つきやすい人特有の危うさ、悲しみ、生きづらさのようなものを承知の上で、それでもまるごと受け入れてきたマリリンモンローの生き方が好き。私も「信じない不幸より信じる不幸を」選びたい。



    --------

    ほとんどの人が彼女の力になりたいと考えていた。その非力さこそ彼女の最大の力だった。

    --------

    「傷つきやすいのだからもっと違う生き方をすべきだ」と周囲から言われても、それでもマリリンは奇跡を、愛を、信じ続けました。信じない不幸より信じる不幸を選んだとも言えます。

    --------

    韓国での慰問コンサートにて、氷点下の中薄いドレスにヒールで歌ったことを振り返って
    「あのときくらい、自分がスターなんだって思ったことはなかった。舞台の上から観客を眺めて、私に微笑を向ける人がこんなにいるってことが、とても素晴らしかったのよ。生まれてはじめて何も怖くなくなかったの。ただひたすら幸せだったわ。」

    --------

    「ひとりひとりに声をかけて、家族のことや故郷のことについて聞いていた。ものすごく寒かったのに、いつまでも帰ろうとしなかった。マリリンはすごい女優だ。何千人もの兵士に、自分たちのことを心から気にかけてくれる人だと感じさせたんだから。」

    --------

    どうか私を冗談あつかいしないで。この言葉からにじみ出る悲しみ。
    たくさんの本を読み、教養を身につけ、豊かな人間になろうとしていたけれど、「知性、教養とは無縁のセックスシンボル」として「冗談あつかい」され続けたマリリンの、これが最後の悲痛な願いでした。ここには、どんなに「冗談あつかい」されても、真実に近い自分を分かってもらおうと、諦めることのなかった、ひとりの女性の真摯な姿があります。

  • マリリンの人生を思うと、読んでいて泣けて仕方がなかった。華やかな女優人生の裏で悲しみと孤独いっぱいだったマリリン。その死は謎に包まれているが、あまり死者の墓を掘り起こすような真似はやめて、そっと眠らせてあげてほしい。あと、この本を読みマリリンの歌に興味を持ちApple musicで曲を聴いてみたがマリリン歌がめちゃくちゃうまい。椎名林檎さんもマリリンから影響受けたのではないかなーという歌唱法だった。

  • 個人的にマリリンの人生、筆者に感情移入できなかったのは、マリリンの性格、価値観がわたし自身とは異なるからなのかなと感じた。

    複雑な人生の中に、芯を持っててカッコ良い。

  • 言葉シリーズで一番気に入った一冊。

    男勝りな部分が多い私と対極に立つであろうマリリンの考えや人生観に触れられた。

    女性らしい女性には同性からの嫉妬が付き物。
    それは彼女(マリリンだけではない女らしい女姓)たちにどこか羨ましさを感じているからだと思う。

    隣の芝生は青い。隣の花は赤い。
    このようなことわざからも人は他人を羨ましがるのが常。そのような中で、理解まではできなくとも知るということがまず大切なのではないかと思った。

    世紀のセックスシンボル、マリリンでも自分に自信があるわけじゃなかったんだ。とハッとさせられた。
    また、その自信のなさまでもが男たちを魅了してやまなかったという皮肉...。。。

    うーん、考えさせられる。。

  • 彼女はただカワイイだけの人ではない
    努力家で一生懸命で
    可憐さの裏に隠した強さが私を魅了する

  • マリリン・モンローは過酷な過去を歩んで生きてきたんだと知った。マリリンだから許される部分あるよこれ。

  • マジで人に言ったら自分何様やねん、だけどマリリンの実はネガティブでちょっと自信なくて、それを補うように向上心が強い(あとよく遅刻する)感じが自分の考え方と似ててマリリンが好きになった
    マリリンみたいにそれでも自分を持って、嫌味を言ってくる人までジョークで返すくらい成長できたらいいな


    ⭐︎
    質問することを恐れないで、はっきりと聞いてくれれば答えるから。(婚約相手の子供へ)
    自分が正しいと思うならやってみたらいいんじゃない?私なんかにモラルの定義を求めないで。(奪略結婚を冷やかす記者へ)
    3人と結婚30代で死ぬ。2人目の夫は、星の王子さまを引用した愛のメッセージへ、これどういう意味?と聞くほどバカ。服を脱ぎ散らかしながら歩くマリリンを怒るほど綺麗好き

全18件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

山口路子(やまぐちみちこ)
1966年5月2日生まれ。作家。美術エッセイ、小説など著書多数。近年では、ひとり出版社ブルーモーメントから「生き方シリーズ」の刊行が始まる。また、大和書房より刊行の言葉シリーズ(『オードリー・ヘップバーンの言葉』『マリリン・モンローの言葉』『ココ・シャネルの言葉』『ジェーン・バーキンの言葉』『マドンナの言葉』『カトリーヌ・ドヌーヴの言葉』『サガンの言葉』など)が好評、『逃避の名言集』も話題となり版を重ねている。近著は『大人の美学 245の視点』『ピカソの言葉』『彼女たちの20代』。著者累計60万部を超える。

「2024年 『私を救った言葉たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山口路子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×