菜の花食堂のささやかな事件簿 きゅうりには絶好の日 (だいわ文庫)

著者 :
  • 大和書房
3.62
  • (9)
  • (46)
  • (35)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 302
レビュー : 43
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479306405

作品紹介・あらすじ

「このあたりでは評判らしいですよ。ちょっとしたヒントから真実を見抜く、日本のミス・マープルだって」グルメサイトには載っていない、だけどとっても美味しいと評判の菜の花食堂の料理教室で靖子先生が教えてくれるのは、ささやかな謎と悩みの答え、そしてやっぱり美味しいレシピ。いつも駐車場に停まっている赤い自転車の持ち主は誰?野外マルシェでご飯抜きのドライカレーが大人気になったのはなぜ?小さな料理教室を舞台に『書店ガール』の著者が描き出す、あたたかくてほろ苦い大人気日常ミステリー、第二弾!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 『書店ガール』でおなじみ(?)の碧野圭さんのライトミステリー。
    6編の短編集。

    下川辺靖子は東京の武蔵野で「菜の花食堂」を営んでいる。
    地元の野菜をふんだんに使ったランチが売り。
    もうひとつの人気は月に二回開催される料理教室。
    生徒たちから靖子先生と慕われている。

    館林優希は靖子先生が開いている料理教室の助手。
    といっても、靖子先生の好意でのこと。
    そこに至るまでにはちょっとした縁が…

    靖子先生の料理教室で起こるちょっとした事件。
    う~ん、事件とまではいかないちょっとした出来事。
    靖子先生が解決してみれば、それは全て”あたたかい謎”だったから。


    ■はちみつはささやく
    和泉香菜は婚約者が「菜の花食堂」の料理の大ファンという理由で、料理教室に通ってきていた。
    毎月熱心に通っていた加奈が突然料理教室に来なくなった。
    ついには料理教室を辞めると言い出した加奈。
    生徒たちがささやく様々な憶測。

    ■茄子は覚えている
    杉本春樹は料理教室ではたったひとりの男性。
    他の生徒たちからは、定年後悠々な生活を送り、趣味で料理を習いに来ているのでは?と思われていた。
    その春樹が「妻の茄子の揚げ浸し」をもう一で食べたいと願う。
    あれ?杉本さんって奥さんがいなかったの?離婚?死別?
    生徒たちは興味津々!

    ■ケーキに罪はない
    優希が靖子先生と出会えたのは、優希の身に降りかかった悲しい出来事があったから。
    派遣社員として働きながら、料理教室の助手をして、元気を取り戻しつつあった優希に再び悪夢がよみがえる。
    そこから救い出してくれたのは、やっぱり靖子先生だった。

    ■小豆は知っている
    村田佐知子は50代の女性。
    ベテラン主婦の彼女はまるでもうひとりの助手のような存在。
    助手の優希としては、時々、その存在がうっとおしくなる。
    ある料理教室の日、当日キャンセルの電話をかけてきた。
    気になった優希が村田の自宅を訪れたのだが…

    ■ごぼうは主張する
    料理教室に通って来る大澤小百合、前田桃子、八木千尋の三人組。
    優希には三人をママ友と思っていたが、その関係がなんとなくしっくりこないと感じていた。
    優希がその関係の真実を知った時、事件が起こる…

    ■チョコレートの願い
    靖子先生と出会ったことで優希の暮らしは一変した。
    暮らしだけでなく、生き方そのものが変わり、未来が開けてきた。
    優希は靖子先生を信頼し、大好きだが、靖子先生のことを何も知らないことに気付く。
    自分は必要とされているのだろうか…
    そんな不安が頭を持ち上げてきたとき、靖子先生自身に事件が起こる。
    ここは優希の出番です!

    碧野圭さんの『書店ガール』シリーズも大好きですが、この本も良いです!
    普通の暮らしの中で起こる小さな出来事。
    その出来事の中心にいる当事者たちは混乱の中にいるのだから、自分たちで解決しようとしたら悪い方向に向かってしまう。
    そんなとき、靖子先生のような人がいたら、みんながハッピーになれるのに。

    ゆったりあったかな気持ちで読める本でした。
    これはシリーズ化されるかな…

  • 「菜の花食堂のささやかな事件簿」シリーズ2冊め。
    食堂のオーナーさんが日常に潜む謎を鮮やかにときます。

    「菜の花食堂」は東京郊外の住宅街にある小さなお店。
    地元の野菜をたっぷり使ったランチが評判です。
    オーナーの靖子先生は、定休日に月2回、お料理教室も開いています。
    ひょんなことから助手となった優希は、毎回楽しみに通っていました。
    若い優希は主人公というより語り手ですね。

    いつも駐車場に停まっている赤い自転車の謎。
    近所で催された野外マルシェに出店したところ、ご飯も抜きのカレーだけが売れ始めた理由は?
    ウドの料理法を教えてほしいと頼まれて考えたレシピが他で発表されて‥?
    犯罪事件というほどじゃないかもしれないけれど、たしかにこれはちょっと問題よね!というケースばかり。

    野菜の基本的な扱いからちょっと変わった味付けまで、毎日の食事にすぐ作れるメニューを教えてくれる靖子先生。
    おだやかで優しく、知恵の宝庫みたい。
    優希が慕うのもわかります。
    1冊目では弱々しかった優希も、揺れながら少しずつ成長してくのでしょう。

    靖子先生の内心は語られませんが~
    最後のエピソードでは、靖子先生自身の問題がちょっと出てくるのが、お約束?
    教室にも変化があるかもしれませんね。
    続きも楽しみです☆

  • 地元の野菜をふんだんに使ったランチが評判の『菜の花食堂』
    オーナーの下河辺靖子先生は、定休日を利用して、月二回、料理教室を開いている。
    小さな相談事を解決するうち、なんだか先生は名探偵とうわさされるようになって…
    シリーズ第2弾。

    自転車事故、転売、転載と、読者も遭遇するかもしれない問題を扱って、美味しく夢のある作品であるが、現実的でもある。
    そして、子供には、小さな頃から段階を追って、多少厳しくてもきちんと理解させていかなくてはならない事柄がある、と実感した。

    今回もまた、先生のプライベートと急展開にびっくり!

    『きゅうりには絶好の日』
    料理教室の生徒・瀬川桃子さん、ママさんバレーで鍛えた元気な40代。
    赤い自転車が気になって仕方がない、と靖子先生に相談する。
    近所のおばあさんが猛スピードの自転車と接触しそうになり、よけた瞬間に転倒して怪我をしたというのだ。

    『ズッキーニは思い出す』
    物心つかない頃にいなくなった母親が、昔してくれたこと、遠くでしてくれたこと。
    切なくて温かい家族のお話。

    『カレーは訴える』
    菜の花食堂は、近所の神社で年一回行われる大きな「野川マルシェ」に出店することになった。
    ドライカレーとミニサラダのセット、プリンを売る。
    地域に根を下ろしている、と幸せな気分になる優希。
    しかし、カレーだけでご飯はいらないという女子高生、タッパーにカレーだけ10人前入れて!という主婦など、謎の買い方が…
    マルシェは初めてだけど、こんな買い方もあるの?

    『偽りのウド』
    料理教室の生徒・大倉あおいさんの家は大きな農家。
    ウドを栽培しているが、高級食材と敬遠せず、もっと食べてほしいと、料理教室のテーマにリクエストする。
    教室は大好評で、生徒さんたちはだいぶウドに対する意識が変わったようだ。
    しかし、大好評のそのレシピが…

    『ピクルスの絆』
    和泉香奈さんが突然、「先生の弟子にしてください!」と言ってきた。
    先生は、お給料も払えないし、この先そんなに事業を大きくするつもりもないし…と迷う。
    12月、定例とは別にちょっと変わった趣向の料理教室を開くことになった。
    料理をイベントとして楽しむパーティーのようなもの。
    参加者の小島さんという男性は、先生に謎解きを持ちかける。

  • 日常の謎を解きほぐす。う~ん お草さんを思い出す。ワニ日よりも思い出した。

  • #2。靖子先生が1人で切り盛りする菜の花食堂で月2回開かれる料理教室の助手をする優希。教室にきた瀬川さんが「表の赤い自転車」の所有者を聞き、教室後にあざやかな謎解きをする靖子先生に相談をするー【きゅうりには絶好の日】他4扁

    ◆人が死なない日常の謎解き。なれど「他人のものを盗む」話にはざわりとする。靖子先生そういや前回フランスまで行ってたよ、あぁ、前作も読み返したいな。ウドなんて料理したことないよ。セロリとピクルスいれたドライカレー、今度作ってみよう。

    教室に初めて参加した20代の主婦、牧麻美さんは父子家庭で子供の頃自分でご飯を作っていたという。子供の頃母親の代わりにお弁当を作ってくれていた叔母の話をしたー【ズッキーニは思い出す】…先生、綺麗な手でネイルしてる50代がほとんど炊事しない、てのは無理やりだと思いますがねぇ…(笑)

    ◆近くの神社の野川マルシェに参加することになった菜の花食堂。ミニサラダとドライカレーのセット、プリンを販売するが、何故か「カレーのみ」を買うお客が急増しー【カレーは訴える】ホント、悪気無かったろうけど食品の販売にはもう少し考えてもらわないと。

    ◆教室の生徒でウド農家の大倉さんに誘われウド室を見学した靖子先生と優希。教室でウド尽くしのメニューを作った翌日に…【偽りのウド】確かに著作権はないけれども…。

    ◆貸切で料理教室をやって欲しいという、ほとんど料理のできない5人がやって来た。料理終わりに先生は謎解きをお願いされ、翌週水曜日にやってきたその人への先生の回答はー【ピクルスの絆】良い御縁でよかった。次は工房もできてるかしら。

  • シリーズ2巻目。
    自分の精神状態にも影響されるのだろうけど、こちらの方がより面白く感じた。
    短編集(全5作)だが、"ズッキーニは思い出す"では泣かされた。歳のせいか涙もろい。でも、たまに泣くのは気持ちが良い。
    最終作の書下ろしでは、前巻同様に主人公の出自に深くかかわる内容だった。"そう来たかー!"という展開に、気持ち良く読了する。
    著者の作品は、臨場感を感じながらも抵抗感なくするすると読める。多分、未だ最終巻ではないだろうと思うので、次を楽しみに待ちます!

  • 今回も、ほんわか優しい靖子先生が、ゆったりと謎を解いてくれる。
    お料理もおいしそう。
    こういうお料理教室なら、行ってみたい。
    それにしても、靖子先生の出自にはびっくり。あれが、いい方向に進むことを期待。
    前回の最後のあれの結末がなかなか語られなくて、ちょっとじりじりしましたが(笑)
    続きはあるのかなー。

  • コージーミステリ×料理という私の好きな組み合わせ。人の悪意とかがさりげなく後味悪くなく描かれている。料理もとっても美味しそう^ ^


  • 骨董品店や珈琲店を舞台にした日常のちょっとした事件の謎解き話に最近はまっていましたが、本書は街中の食堂版といったところでしょうか。しかもその食堂で行なっている料理教室が舞台。
    最近、料理にはまっている私は、料理の作り方なども出てくるので興味津々で引き込まれました。
    事件の謎解きと美味しい料理を連想するだけでワクワクしてきます。お腹も空いてきます。
    早く次回作読みたい。 そう思わせる一冊でした。

  • 出てくるお料理がおいしそうで、先生のキャラクターが魅力的で好きなシリーズになりました。
    シリーズ2冊目。
    日常ミステリもシビアなものもあるけれど、読んでいて面白かった。
    料理教室も今後は展開があるのかな?
    先生の謎も徐々にあきらかになってきて気になります。

全43件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

碧野 圭(あおの けい)
1959年愛知県名古屋市出身。東京学芸大学教育学部卒業後、アニメ誌ライターやライトノベル編集者を経て、2006年、『辞めない理由』で作家デビュー。
代表作に、2015年に渡辺麻友主演でテレビドラマ化された「書店ガール」シリーズ、「銀盤のトレース」シリーズがある。

菜の花食堂のささやかな事件簿 きゅうりには絶好の日 (だいわ文庫)のその他の作品

碧野圭の作品

菜の花食堂のささやかな事件簿 きゅうりには絶好の日 (だいわ文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする