- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784479320685
作品紹介・あらすじ
『活版印刷三日月堂』著者が心を込めて描く、
癒しと再生の予感に満ちた感動の人気シリーズ、第4弾!
『活版印刷三日月堂』などのヒットシリーズを手掛ける著者が、出会い、言葉、繋がること、喪失と再生、成熟をテーマに描く、「言葉の園のお菓子番」シリーズ4巻。
亡き祖母が通っていた連句会・ひとつばたごに出合い、その縁から再び書店員としてブックカフェで働きはじめて一年弱。本と人を繋げるイベントの企画や連句大会への参加を通して、主人公・一葉は初めてのことや不安なことに向き合い、ゆっくりと、確実に、ひとつひとつを乗り越えていく。
そんななか、連句会のメンバーから、主宰・航人の過去と関わるある人物の情報がもたらされ──。
人と人が深くつながることが難しくなりつつある昨今、穏やかで深いつながりをもたらす「連句」という場を舞台に、職を失ったもと書店員の20代後半の女性主人公が、自分に何ができるのか、何がやりたいのかを問いながら、さまざまな人と出会い、その縁に導かれながら未来へ進んでいく姿が共感を呼び、勇気をもらえるストーリー。
温かな読み味にほろりとさせる描写が溶け込んだ、優しく穏やで前向きな物語6話で構成された連作集。
変化しながら前へ進み、後ろには戻らない連句のルールとシンクロするように、迷いながら進む道の先は新しい出来事や出会いへと繋がり、過去の痛みはいつしか豊かな可能性へと変わっていく。
温かな共感と勇気が胸に満ちる感動の人気シリーズ、待望の最新巻!
感想・レビュー・書評
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シリーズ第4弾。
亡くなった祖母が書き残したお菓子のメモをもとに、祖母の代わりにお菓子を届けるつもりでひとつばたごにやってきて、なぜか連句を巻くことになり、気づけばそれからもう二年通い続けている一葉。
連句とは…から始まり、読むたびに少しはわかり始めてきて、だけどシリーズ化するたびに一から学ぶことも多く、新たな発見もあり毎回違った感覚になる。
短歌すらまともに作れないのに連句だともっと敷居が高くて、だれかの句に付けるというのも、雰囲気を壊さないだろうか、とか不自然にならないだろうか、とか考えてしまう。
だが、さすがにこの物語を読んでいると楽しさも響き合ってるという感覚もあって、同じように参加者の一人となっているのが不思議である。
言葉が連れ立ってやってくる…ということ。
それこそが連句の醍醐味なんだろうなぁと感じた。
今回は、「おもいで糸巻き堂」で、航人さんの別れた奥さんが小説を書いていたことに触れていたが、自分もこの小説の中に惹き込まれていくようで…これがとても印象深く残った。
そこから続く「抜けない棘」も連句の大会のピリッとしたなかにもワクワク感やドキドキ感などが伝わってきて、そして静かに佇む2人…航人さんと森原さん(鹿島千草)の前へ進むであろう未来が見えたようでほっとした。
毎回のお菓子も楽しめるひとつだが、今回はちょっと変わった「棗バター」に興味を感じた。
ぜひ食べてみたいと思う。
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シリーズ第4作。毎年この時期に新作が読めるのが嬉しい。1年離れていても、すっとその世界観に浸ることができる。大手書店の職を失い実家に戻ったのち、祖母の遺したメモがきっかけで連句会に参加することになった一葉。当初は初心者だったが、本作でもうすっかり慣れ、連句会の中でも確固たる居場所も出来上がっていた。上野桜木のブックカフェで働きつつ、関連イベントや、月次の連句会への参加、お菓子の調達など、連句を中心に充実した毎日を過ごしている様子がよく伝わってきた。本作では主人公一葉というより、連句会のとあるメンバーの過去についてが取り上げられていた。連句を通じたメンバーたちのゆるく心地よいつながり、お互いを思いやる雰囲気にも癒された。他の連句会も登場し、まだまだ話が続く終わり方だった。
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少しずつ連句についてわかってきたような気がする
連句の会に参加するのも楽しいかもしれない
新しい人との出会いも
そして、持っていくお菓子も気になる
今度買ってきてみよう
装丁が可愛くて惹かれて買った本
でも楽しくて4冊目まで読了してしまった
次は3月からかな
発句は春だよね -
心はいつでも生まれ変わることができる。本当だったら、嬉しい。大切な人との別れ、死別でない別れに、明確な理由がある場合は少ないと思う。大小様々な理由が綯交ぜになったときに、別れる。ほぐすことが難しくなった糸をもとに戻すにはどうすれば良いか。断ち切る?見ないふりをする?
ほぐれた箇所を見つめ直して、着実に辿っていくか?正解はない。 -
シリーズ4作目は、主人公が周囲の人たちの内面に触れることで紡がれるストーリー。故にぐっと連句の世界と繋がり、今まで以上に「皆で句を詠む」ことの良さが描かれていて、とてもとても良かった。
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趣味っていいな。
同じことを好きな、色んな世代の人が集まって、お菓子を食べながら談笑したり…
私も何か、そんなものを見つけれたらいいな。 -
シリーズ第4巻。
ひとりでは作れない、誰かと巻くからこそのおもしろさや気づきがある連句というものを通して、いろいろな事に出会う様子が描かれています。
毎回登場するお菓子が楽しみで、描写の美味しそうなこと!
あぁ、亥の子餠食べたい。
サブタイトルの「復活祭の卵」はどういうことだろう?と思っていたのですが…
読んでみると、あのひとが痛みや悲しみ、後悔はありつつも、前向きに進む、そんな未来を感じる巻でした。