超恋愛論

著者 :
  • 大和書房
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本棚登録 : 155
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479391104

作品紹介・あらすじ

恋情とは何か、結婚とは何か。愛が極まるとき、それはどこに到達するのか。男と女の理想的関係は幻想か。

感想・レビュー・書評

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  • 恋愛の本質と着地点、共同幻想に於ける理想の恋愛の在り方などについて掲げられている。論文ではあるが筆者のロマンチシズムが感じられて、その点とても良かった。自分の矮小な部分を外に発信して、且つそれが受け入れられるとこを承知しているひとにしか書けないもので、ズルくもあり、愛しくもある。

  • 吉本隆明なんて、ちょっとむずかしい・・・と思って読んでみたら、この本はとても読みやすくわかりやすく恋愛を語っています日本人は三角関係それも男二人と女性の関係が大好き漱石の小説でよく出てきますし、ノルウェーの森もそうでした。気楽にたのしく読むには適切な本ですそれに、この前作で「ひきこもれ」という本があるらしい。ひきこもりでも恋愛は当然ありうるしむしろひきこもりのほうがいい恋愛ができるのではないか、とおもいました。

  • 平たく言うと、「男と女が恋愛するのは簡単なことじゃないよ、でも、だからこそすばらしいんだよ」ってはなし。
    吉本氏は、自分の経験上(お姉さんを見て)、
    女性の方が細かい雑務などで、自分の時間を分断されがちだ、と考えているのがおもしろいと思った。
    そしてその考えがあったからこそ、娘さんたちを育てるときに、なるべく余計な雑務はしなくて済むように、たとえば自分でできることは彼女たちには頼まないようにして育てたという。
    女性にはひとりで長時間考える時間が必要で、そのこそが
    その女性がどんな人になるかを決めるから、と。

    娘さんであるばななさんの書くお話を見ていると
    たしかに彼女は彼女にしかない時間の流れの中で生きている感じがする。

    なんだかその感じに、にやりとするような、
    こころがふわっとあったかくなるような
    そんな気がした。

  • 中身は文庫でも・・・と思ってしまうかもしれない。
    でもこれを単行本で、十分な余白の中で読むことにきっと意味がある。

    はじめこそ吉本の恋愛観みたいなものを持ち出してくるけれど、
    徐々に文芸を通して、恋愛がいかに描かれてきたか、
    描かれうるか、という話によくも悪くも主題が移る。

    精神の双生児という言葉は、きらいじゃない。

  • 図書館!残り1冊明日の返却日まにあうかしら

    超 恋 愛 論

    すごいタイトルだけど退かないでほしい
    BRUTUSの特集で気になった吉本隆明さん
    初心者なので読みやすそうなやつ選びました

    気負って読んだわりに意外とあっさり読めた
    感情論ではなく
    文学などから日本人の恋愛とはなんぞやと書いてます

    最近流行の役立つテクニック的なうんちゃらかんちゃら
    ではなくはあ確かになるほどな-って感じ
    男性目線というのも新鮮

    しかし吉本さんって意外と情熱的な方なんだなあ
    他の本も読んでみたい

  • なるほどなぁ。
    女の人って分断された時間しか与えられてないって話。ホントにそうだな。と。
    育児にしても家事にしても、何かしながらしたいことしないといけないよね、女の人。まぁ女の人に限らずな場合もあるかもしれないけど、小さい頃からそういう教育をされがち。っていう著者の意見はなるほどだなぁ。と思ったりした。

    女の人にもぼーっとするでも、どんなんでも何かに熱中する時間って必要。というか意図的に与えるべき。と、この著者は娘が2人いるので、必ず何か夢中になってやってる時は、お使いでもなんでも著者がやったと言ってました。笑

    そういう男性が増えると、世の中の女性は大変嬉しいかぎりですね!!!!

  • もう一枚引っぺがすか。
    最近、文学読んでないな。

  • 恋愛論は半分は納得できて、半分はそうでもないという感じ。西欧との比較みたいなところは、あんまりしっくり来なかったかなぁ・・・。でも一冊の本として見た時に語り口がソフトで良い!最後の一瞬出てくる文学論も良かった!

  • 吉本隆明の恋愛論。
    2004年の出版当時にすかさず読んだのだけど、ひょんなことから再読。
    覚えていたことといえば、
    「女性の人生を束縛するもとになるのはまとまった時間が作れないこと。だから、自分は娘がなにかを集中してやっているときに、家の用事を言いつけたりして、時間を分断させないように、それだけは気をつけた。」ってところ。
    あとはぜんぶ忘れてた・・・。
    今回は、婚姻届の意味、とか興味深く読んだ。ちょっと大きい話だったけど。

    恋愛についての話、ふむふむとおもしろい。
    でもこれ恋愛論っていうより、恋愛文学論だよねえ。
    知らないことばかりだからおもしろかったーー
    純文学、もっと読んでればもっと楽しめたと思うけど、十分おもしろかった。

    吉本隆明ってある時期からうんとやさしい分かりやすい本を出すようになったなあ、
    歳をとって丸くなったというか、下りてきてくれたのかな、と長らく思ってたけど、
    「たぶん病気で書けなくなってからは、しゃべった言葉を本にしてるからでしょ。」と、
    彼に言われて、なるほど。。そうだったのね。。ほんとかどうか分からんけど。
    それでも、私でも読める本が何冊も生まれたのは、うれしくてしあわせなことだ。

    具体的に役に立つものではあんまりないけど、隆明の本は好きだ。
    なんでこんなに信頼できるんだろう。
    昔から大好きな、ばななのお父さんだからかな?
    とくにこの本は、自分のダメなところも見せてて人間味があった。

    あと、終わり方が好きだった。
    恋愛文学に対する隆明の強い思いが、しみじみ伝わってきて。

    いつか、これぞ吉本隆明の真骨頂、っていう難しい本も、読めたらいいなあ。

  • I was made to consider the social side of a love problem for the first time.

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著者プロフィール

1924年、東京・月島生まれ。詩人、文芸批評家、思想家。東京工業大学工学部電気化学科卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動をつづける。日本の戦後思想に大きな影響を与え「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。著書多数。2012年3月16日逝去。

「2023年 『吉本隆明全集33 1999-2001』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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