国産旅客機MRJ飛翔

著者 :
  • 大和書房
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479391753

作品紹介・あらすじ

三菱重工、富士重工、トヨタ、オールジャパンが大空に挑む。日の丸ジェット最後の挑戦。

感想・レビュー・書評

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  • 三菱重工が進めてきた国産ジェット旅客機「MRJ」がいよいよ離陸する。空に挑むラストチャンスとされるプロジェクトの全貌に迫る!(出版社HPより)

    ◆◇工学分館の所蔵はこちら→
    https://opac.library.tohoku.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=TT21736742

  • 航空機一機に300万部品。
    ボーイングは自社組立を断念。家電のEMSのような会社に委託。
    航空機産業はハイリスク、ハイリターンの事業。
    ボーイングは営業利益率10%強。

    三菱重工のMRJ
     Pratt & Whitney社製GTF(Geared Turbo Fan)エンジンによる低燃費と低騒音化。
     カーボン強化樹脂製主翼。・・・今年、難易度と合理化のためアルミ製に変更。
     空力を追求しかつ、居住性の良い機体。
     マツダ車のシートベンダーのデルタ工業製の
     3次元ネットを使用したスリムシートによる快適性向上。
     リベットではなく、自動車に採用され始めた摩擦攪拌接合による固定強度改善と軽量化。
     これらにより、他社より20%の低燃費。

     世界一の自動車産業や電子機器産業の考えを航空機産業に取り込む。
     中京(小牧、豊田、名古屋)エリアをその拠点に。

    ホンダのホンダジェット
     自動車メーカーの考えで航空機を作る。
     機体もエンジンも自社製。それだけでも他に類を見ない。
     タービン翼の素材とコーティングに先端技術を用い、信頼性が高い。
     それを非常識な発想で、世界で初めて主翼の上にステイで固定し、空気抵抗を軽減。
     エンジンを胴体取り付けの際に必要な補強が不要で室内が広がる。
     胴体はCFRP製で軽量化かつ機内空間も広げた快適な居住性。
     他社より30%の低燃費。最高速度は他社より10%増し。
     表面の仕上げも自動車並みの基準で傷やムラの検査を行う。

    中国ARJ
     DC-9の焼き直しと言われているが、
     中国国内市場だけでも採算が取れる優位性があり、価格の安さで国外も狙っている。
     エンジンはGE製。
     機体組立も中国となり、日本の先を行くことになる。

  • YS-11以来の国産旅客機計画は夢を感じる。
    MRJばかりの内容かな、と思ったらホンダジェットやボーイング・エアバス・ボンバルディア・エンブラエルについても、かなりのページが割かれていた。
    こういう内容の好き嫌いによってこの本の評価は分かれてしまうと思うが、夢を感じるMRJについて書かれている本書はおもしろかった。

  • 「日本が航空機つくる、ホンダに三菱苦悩の姿、いつかは」

  • 航空機の分野は100席以上の分野はボーイングとエアバスが、それ以下のリージョナル・ジェットの分野もボンバルディアとエンブラエルの二社が独占している。三菱のMRJはYS11以来の国産中型旅客機として、この市場に割って入ることになる。航空機というのは国のステータスや国威発揚のためにも必要なものだと思う。開発費が巨額だといわれており、B787の開発費は一兆円、MRJでは2000億弱かかるというが、日本の大企業であれば屋台骨が傾くというほどのものでもないのでは。実際、ホンダはもう数人乗りの小型ジェットの分野に進出しているし、MRJについてもトヨタの参加がささやかれているようだ。「ローンチにあたっては国の支援がマストです」といった、ルー大柴みたいな表現が多いが、一般にはなじみのない航空機分野についてまとまっている。・技術的にもボーイングの生産においては日本の生産分担比率が上昇しており、90年代のB777では21%だったものが今回のB787では35%で、ボーイングと同じ比率になっているという。・中国やロシアも中型機の開発を行っており、戦闘機の技術を応用できることと国内市場が大きいことが日本に比べて有利な点らしい。ある程度の発注が見込めないと採算に乗りにくい分野のため、国土が狭く、国内エアラインからの大量発注が期待できないMRJはちょっと厳しいらしい

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著者プロフィール

前間 孝則(まえま・たかのり)
ノンフィクション作家。1946年生まれ。石川島播磨重工の航空宇宙事業本部技術開発事業部でジェットエンジンの設計に20余年従事。退職後、日本の近現代の産業・技術・文化史の執筆に取り組む。主な著書に『技術者たちの敗戦』『悲劇の発動機「誉」』『戦艦大和誕生』『日本のピアノ100年』(岩野裕一との共著)『満州航空の全貌』(いずれも草思社)、『YS-11』『マン・マシンの昭和伝説』(いずれも講談社)、『弾丸列車』(実業之日本社)、『新幹線を航空機に変えた男たち』『日本の名機をつくったサムライたち』(いずれもさくら舎)、『飛翔への挑戦』『ホンダジェット』(いずれも新潮社)など。

「2020年 『文庫 富嶽 下 幻の超大型米本土爆撃機』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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