センス・オブ・ワンダーを探して ~生命のささやきに耳を澄ます~

  • 大和書房
4.02
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本棚登録 : 526
感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479392163

作品紹介・あらすじ

「生きている」とはどういうことか。かけがえのない子ども時代の出会いと感動に導かれ、いのちと世界の不思議に迫る極上の対話。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で見つけて。
    福岡先生をハカセと阿川さんが呼び、進められていく対談。すごくよかった。

    人間の人口増加が地球環境に負荷をかけているのは事実だけど、人間が突然地球上から消えたらそれはそれで地球のバランスが崩れる。こないだ80億突破のニュースを見た気がする。WHOが警笛を鳴らしていた。適切な人口ってどのくらいなんだろう。どうバランスが崩れるんだろう。

    「せいめいのれきし」読んでみたい。

    動的平衡。昔の偉人はよく肩書きが医者、哲学者、数学科で絵も描くみたいな人がいるもんな。寿命も長くなったし、実験や学習の効率も現代の方が上がったように思うのに、現代は縦割。幅が狭くなっているように見えるのは何でだろう。仕事だって、全然余暇時間が増える方向にはいかない。

    3つのクラが人間をダメにした。冷蔵庫、倉庫、金庫。

    子供のときに沢山のセンスオブワンダーのオーラを浴びておくこと

    2022.11.19

  • 阿川佐和子って、アタマがいいなぁと思う。
    福岡伸一の問題意識を うまく引き出している。
    生命を扱う研究をしながら、
    生命を殺さざるをえない矛盾。
    生の生物学ではなく 『死』の生物学であること。
    生命は機械論ではなく、動的平衡でとらえること。
    なぜか、イメージは クオリアに近づく。

    『センスオブワンダー』は、子供の時につくられる。
    知的好奇心をどう養うのか?

    1953年に 二重螺旋が概念化され、
    分子生物学の 源流となり、
    DNAを切り取ることができるようになった
    1980年前後に 遺伝子ハンターが始まる。
    新種を探す生物学の終焉を決定づけた。
    結局 世界を細かく分け始めた。

    ドリトル先生の 助手スタビンズくんに憧れる。
    私も僕も 〈英語〉では同じ。
    『私』は、現在形であり、『僕』は、過去形に。

    遺伝子で すべてが決まる訳ではない。
    『動的平衡』が、なぜ 受け入れられないか?

    率直に話して、率直に 応える。
    すぐれた ラリーである。

  • 2011年に書かれているが、過渡期の2020年にこの「動的平衡」に関する対談本を読めて良かった。

  • 生物学者福岡伸一ハカセとインタビューの名手阿川佐和子の対談。「センス・オブ・ワンダー」、「動的平衡」をキーワードに展開されます。
    ある分野に精通しているひとの話を聞くことは面白いです。しかも専門分野の専門的なことを一般の人々にもわかる言葉で語ってくれることの素敵さ。ここでもハカセの言葉は綺羅星の如く輝きながら我々の元に届きます。しかしその言葉はキラキラしているだけではなく、血肉をもった言葉として沁み入ってくるのです。それはもちろん阿川佐和子という聞き上手の人のフィルタを通すからより一層言葉すさの浸透率が高まるのでしょう。
    動的平衡の元では個々を分割して見ず、全体の流れを見る。しかしそのことは個々を軽んじることではなく、個々をしっかりと重んじることによってこそ全体が豊かになる。これは生物学に留まらず社会にも何にも全てに関わることなのでしょう。そう、それこそが動的平衡による世界なのでしょう。
    子どもの時に出逢った驚きや喜びは、その人の人格形成に大きく関わる。それを示すエピソードも素敵です。そのためには子どもの心を受け止める大人の存在が不可欠である。さて自分はそんな大人になっているのだろうか。そして自分はそんな経験を経たのだろうか。しかしいつでもセンス・オブ・ワンダーの恩恵は受けることができるでしょう。ちょうどこの本を読んで生まれた心の煌めきも、センス・オブ・ワンダーなのでしょう。

  • 福岡伸一氏の著作がここまで人を惹きつけるのは、丁寧な生命現象の解説に挟まれる文に、深い感傷があるからだと思っていた。
    その感傷のわけは、著書を読んでいればなんとなくわかる。
    しかしこの本では、よりダイレクトにそれが語られていた。しかも最後の方に。
    研究者として比較的成功してきた福岡伸一氏が言う、“私はドリトル先生になりたいと憧れたけど、なれなかった。”という台詞は、彼の書く文章が漂わせる感傷の正体である気が、私はした。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「深い感傷があるからだ」
      人間の思い上がった考えを憂いているのでしょう。。。
      福岡伸一の、ゆっくり噛んで含めるように話す姿が、とっても好感が...
      「深い感傷があるからだ」
      人間の思い上がった考えを憂いているのでしょう。。。
      福岡伸一の、ゆっくり噛んで含めるように話す姿が、とっても好感が持てるのでした、、、
      2013/08/17
    • 花かんざしさん
      >人間の思い上がった考えを憂いているのでしょう。。。

      そうなんでしょうね。そうして、生物学の研究ですら人間が思い上がりの一部という…。
      福...
      >人間の思い上がった考えを憂いているのでしょう。。。

      そうなんでしょうね。そうして、生物学の研究ですら人間が思い上がりの一部という…。
      福岡先生の本を読むと、人間であることにやるせなくなることも多いですが、この感慨深さは嫌いじゃないです。
      2013/08/28
  • 人の生活もウィルスから見たら養鶏の環境と似ていると言ったり、生物の歴史から見たら人間の生きている期間は僅かでいつか終わるだろうといった考え、他にも優勢な理論は人間の欲望に深く関係しているといった考察など、なるほどなぁーと考えさせられるものでした。面白いです。考え方で人生豊かになるなと思いました。

  • センス・オブ・ワンダーを探して
    2022年9月11日読了

    生物学者の福岡伸一と作家の阿川佐和子の対談。
    何度か共演されたことがあるようで、お二人のゆるくて自然な対談が心地よい。

    話の主題は生物学のこと、お二人の子供時代のこと、現代社会が抱える矛盾…と多岐に渡る。
    これらのトピックはそれぞれが独立しているわけではなく、対談の中でゆるく繋がっている。

    特に、医療や研究がより専門化し、身体というものが部分の集合とみなされている点が気になった。本書でも提示されていたが、それで本当によいのだろうか。「死」を考える上でも大切な定義であり、私たちがもっと話し合わなくてはならない問題と感じた。

    本書を通して、生物学に限らず(広く研究に限らず)全体を俯瞰しバランスを取ること、分断していたものを繋げること、この2つの重要性が主張されていた。

  • 福岡伸一は「現代では昆虫の新種なんてほとんど発見されないし、」などととんちんかんなことを言っているが、本当に昆虫好きなのだろうか。自身が否定している視野狭窄に陥った専門家の姿そのものなのだが。阿川佐和子の受け答えも、話をあまり理解できていないようで適当な相づちばかり。
    一番非道かったのは、「血液型性格診断を鵜呑みにしているようでは生命の問題は語れない」と言う福岡に対する、阿川の「結構あったっていると思うけどな。ハカセは何型でしたっけ?」という受け答えを福岡が無視したところ(P222-223)。センス・オブ・ワンダーを失っていないと福岡がべた褒めしていた阿川が、実は疑似科学を信じる(センス・オブ・ワンダーを失った)一般人と同じだったという展開は皮肉以外の何物でもない。

  • センス・オブ・ワンダーの混乱本と認識。

    機が熟せば、読んでみたい。
    忘れないために本棚に入れた。

  • #2592-106-354

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著者プロフィール

福岡伸一 (ふくおか・しんいち)
生物学者。1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授などを経て、青山学院大学教授。2013年4月よりロックフェラー大学客員教授としてNYに赴任。サントリー学芸賞を受賞し、ベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)、『動的平衡』(木楽舎)ほか、「生命とは何か」をわかりやすく解説した著書多数。ほかに『できそこないの男たち』(光文社新書)、『生命と食』(岩波ブックレット)、『フェルメール 光の王国』(木楽舎)、『せいめいのはなし』(新潮社)、『ルリボシカミキリの青 福岡ハカセができるまで』(文藝春秋)、『福岡ハカセの本棚』(メディアファクトリー)、『生命の逆襲』(朝日新聞出版)など。

「2019年 『フェルメール 隠された次元』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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