センス・オブ・ワンダーを探して ~生命のささやきに耳を澄ます~

  • 大和書房
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本棚登録 : 427
レビュー : 61
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479392163

作品紹介・あらすじ

「生きている」とはどういうことか。かけがえのない子ども時代の出会いと感動に導かれ、いのちと世界の不思議に迫る極上の対話。

感想・レビュー・書評

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  • 生物学者福岡伸一ハカセとインタビューの名手阿川佐和子の対談。「センス・オブ・ワンダー」、「動的平衡」をキーワードに展開されます。
    ある分野に精通しているひとの話を聞くことは面白いです。しかも専門分野の専門的なことを一般の人々にもわかる言葉で語ってくれることの素敵さ。ここでもハカセの言葉は綺羅星の如く輝きながら我々の元に届きます。しかしその言葉はキラキラしているだけではなく、血肉をもった言葉として沁み入ってくるのです。それはもちろん阿川佐和子という聞き上手の人のフィルタを通すからより一層言葉すさの浸透率が高まるのでしょう。
    動的平衡の元では個々を分割して見ず、全体の流れを見る。しかしそのことは個々を軽んじることではなく、個々をしっかりと重んじることによってこそ全体が豊かになる。これは生物学に留まらず社会にも何にも全てに関わることなのでしょう。そう、それこそが動的平衡による世界なのでしょう。
    子どもの時に出逢った驚きや喜びは、その人の人格形成に大きく関わる。それを示すエピソードも素敵です。そのためには子どもの心を受け止める大人の存在が不可欠である。さて自分はそんな大人になっているのだろうか。そして自分はそんな経験を経たのだろうか。しかしいつでもセンス・オブ・ワンダーの恩恵は受けることができるでしょう。ちょうどこの本を読んで生まれた心の煌めきも、センス・オブ・ワンダーなのでしょう。

  • 福岡伸一氏の著作がここまで人を惹きつけるのは、丁寧な生命現象の解説に挟まれる文に、深い感傷があるからだと思っていた。
    その感傷のわけは、著書を読んでいればなんとなくわかる。
    しかしこの本では、よりダイレクトにそれが語られていた。しかも最後の方に。
    研究者として比較的成功してきた福岡伸一氏が言う、“私はドリトル先生になりたいと憧れたけど、なれなかった。”という台詞は、彼の書く文章が漂わせる感傷の正体である気が、私はした。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「深い感傷があるからだ」
      人間の思い上がった考えを憂いているのでしょう。。。
      福岡伸一の、ゆっくり噛んで含めるように話す姿が、とっても好感が...
      「深い感傷があるからだ」
      人間の思い上がった考えを憂いているのでしょう。。。
      福岡伸一の、ゆっくり噛んで含めるように話す姿が、とっても好感が持てるのでした、、、
      2013/08/17
    • 花かんざしさん
      >人間の思い上がった考えを憂いているのでしょう。。。

      そうなんでしょうね。そうして、生物学の研究ですら人間が思い上がりの一部という…。
      福...
      >人間の思い上がった考えを憂いているのでしょう。。。

      そうなんでしょうね。そうして、生物学の研究ですら人間が思い上がりの一部という…。
      福岡先生の本を読むと、人間であることにやるせなくなることも多いですが、この感慨深さは嫌いじゃないです。
      2013/08/28
  • それがマイノリティーとして社会に迎合されなくても感動するものを大切にしよう。子供時代に触れた自然や事象に対する感覚は健忘を迎えても忘れることはない。少し曇ってきたかもしれぬが時折磨いてみてはどうだろうか、と対談の二人の言葉から学ぶ。そうだよ、あの時何を考えていたのか、思い起こすだけでも元気が出る。

  • 子どもたちよ。子ども時代をしっかりとたのしんでください。おとなになってから、老人になってから、あなたを支えてくれるのは子ども時代の『あなた』です。

    相手が誰であろうとも、それが自分よりはるかに若い子どもでも、王さまでも大臣でも、あるいは犬でも虫でも花でもマウスでも、椅子でもボールでも、敬意を払って同等に、会話できる大人でありたい。




    息子を育てるうえでの教育理念をしっかりと持とうと思って、レイチェル・カーソンの『センスオブワンダー』と一緒に読んだ。
    遺伝子の話や、生き物の進化の話。おやおや、期待していた内容からどんどん話が離れていくような?と途中まで感じたが、辿り着いたのは求めていた答えだった。
    私はセンスオブワンダーを失ってしまった大人だ。私は息子に、生涯消えることのないセンスオブワンダーを与える魔法をかけられるだろうか。

    普段読まないジャンルなので、今回読んでよかった。読みたい本もどっさり増えた。
    とりあえずドリトル先生と『せいめいのれきし』『ちいさいおうち』は読む。

  • 生命のささやき・・・それを生物学的に学者の先生が解説しています。とても分かりやすかったし、阿川さんとの掛け合いが面白かったです。

  • やはりこのお二人が、お二人とも好きです。そしてお二人の掛け合いがとても好きです。この企画がどのように持ち上がったのかは分かりません。企画した人がいるなら、その段階にはあったかもしれないあざとさが、阿川さんのツッコミによって物の見事に破綻している。食い下がってくれることで、ハカセのもう1つ奥の扉が開いて、先生の単独での美しい解説では分かり得なかった言葉が手に入る。感謝

    ハカセが分子生物学を一旦置いて、どこに向かわれようとするのか、素敵なお姉ちゃんの存在を借りて、素で語られているように思える場面、とても良かったです。

  • 動的平衡の心地よさをしっかり味わった。

  • レイチェルカーソンの「センス・オブ・ワンダー」がかなりいい本だったので、その流れで阿川さんも好きだし読んでみた。感情に訴えかける本というよりは、巻末にもあるように、まさに大人のセンス・オブ・ワンダー。動的平衡という考え方が広がらない理由を資本主義に当てはめる辺りこの福岡さん、異端だなと思う。福岡さんと阿川さんの読書量がなかなかすごい。この二人の本はもっと読んでみたい。感覚的に今、読んだ方がいい作者かなと思う。

  • 阿川佐和子って、アタマがいいなぁと思う。
    福岡伸一の問題意識を うまく引き出している。
    生命を扱う研究をしながら、
    生命を殺さざるをえない矛盾。
    生の生物学ではなく 『死』の生物学であること。
    生命は機械論ではなく、動的平衡でとらえること。
    なぜか、イメージは クオリアに近づく。

    『センスオブワンダー』は、子供の時につくられる。
    知的好奇心をどう養うのか?

    1953年に 二重螺旋が概念化され、
    分子生物学の 源流となり、
    DNAを切り取ることができるようになった
    1980年前後に 遺伝子ハンターが始まる。
    新種を探す生物学の終焉を決定づけた。
    結局 世界を細かく分け始めた。

    ドリトル先生の 助手スタビンズくんに憧れる。
    私も僕も 〈英語〉では同じ。
    『私』は、現在形であり、『僕』は、過去形に。

    遺伝子で すべてが決まる訳ではない。
    『動的平衡』が、なぜ 受け入れられないか?

    率直に話して、率直に 応える。
    すぐれた ラリーである。

  • 小川糸さん

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著者プロフィール

青山学院大学 理工学部 教授

「2019年 『マッキー生化学 問題の解き方 第6版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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