だからテレビに嫌われる

  • 大和書房
3.57
  • (17)
  • (56)
  • (54)
  • (8)
  • (2)
本棚登録 : 351
感想 : 43
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479392170

作品紹介・あらすじ

テレビにとことん嫌われた二人が、すべて語り尽くした全11時間!完全再現。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 上杉隆と堀江貴文。かつてテレビでその姿を見ない日はないと言われてましたが今ではテレビにとことん嫌われ、「テレビはなぜこうなってしまったのか?」についてすべてを語り尽くした対談本です。

    僕は18歳まではものすごいテレビっ子で、大学に入って少したったのをきっかけにほとんどテレビを見ることがあって、せいぜいテレビを使うときはDVDを再生するための道具になって社会人になってから当時、自分の勤めている会社の上司に自分の部屋にテレビがないというと「信じられない」と唖然とされたことをこの本を読んで思い出してしまいました。

    現在、本当に見たい番組は年に数本もあればいいほうで、情報収集といえば、インターネットが4割、本が3割、新聞が1割、雑誌が1割。後はテレビと大きく優先順位が僕の中で後退しました。僕の中にあるテレビに関する長年の「違和感」をかつてテレビというものに出ずっぱりで、その姿を見ない日がなかった堀江貴文氏と、ジャーナリストの上杉隆氏が11時間にわたってとことん語りつくした内容を活字にしたものが本書だそうです。

    読んでいて、彼らが僕の中にある「違和感」を活字にして代弁してくれたことと、日頃僕たちが決してうかがい知ることのないテレビ業界の裏事情や「掟」を白日の下にさらしているという意味で、ものすごく貴重な記録だと思っています。

    目次を一部抜粋させていただきますと。
    ■ヒゲダンスを知らなかった堀江貴文
    ■昔のテレビ局には「余裕」があった
    ■将来、「テレビに出る」と思ってた
    ■人生に影響を与えたテレビ番組は?
    ■上杉隆が最初に出たのはバラエティ番組だった
    ■『きょうの出来事』ブチ切れ事件
    ■上杉隆・堀江貴文がテレビを降ろされた理由
    ■「女子アナと合コン、楽しいですよ」
    ■現場に行かないタレントキャスター
    ■鉄道事故は「免責」にすべき
    ■原発情報は隠されていたのか?
    ■東電の「蝉のションベン作戦」に失笑
    ■世にもおいしい放送利権
    ■ホリエモンの電波講座
    ■タクシー無線なんかいらないよね(笑)
    ■氏家さんは「頭がいい人」、ナベツネさんは「単にいい人」
    ■僕たちは原子力「容認派」
    ■孫さんが神になっている危険性
    ■映像メディアは時間の無駄!?
    ■リモコン利権
    ■テレビCMはなくなる
    ■衰退するテレビ局と「番組の弁当」......他

    という業界関係者には耳の痛くなるようなテーマがてんこ盛りで、僕が読んでいて面白かったのは堀江さんがテレビに出ずっぱりのころに
    「女子アナと合コンしませんか?」
    と誘われて、そこにいくと隠しカメラや録音マイクがセットされていて、後にその様子がすべて公開されていたり、ある女子アナが堀江氏が逮捕された後に彼のケータイに気遣うような電話をかけて、その会話の内容が無断で流されていたりとテレビ局側の「何でもあり」ぶりにはのけぞってしまいました。

    一方の上杉氏も放送禁止用語にまつわる話で、かつてNHKでは「教える側」だったのにとある番組で「記者クラブ制度」「官房機密費」「クロスオーナーシップ」という言葉に言及した際に問答無用で番組をおろされたり、またほかの件で自分が番組を降りざるを得ないような「圧力」を局側の人間からかけられることがあったという話など、そのどれもが衝撃的なものでした。

    「王様の耳はロバの耳」もしくは「王様は裸だ」ということをあまりにも露骨に言い過ぎると業界を追放されるんだなということと、彼らのような人間から語られる「テレビの裏側」の真実。こういうことを知らなければ「なぜテレビは面白くなくなったのか?」という疑問の答えはわからなかったと思っています。

  • テレビにしろ新聞にしろ、言ってること、書いてることすべて正しいとは限らないという前提で見ることが必要だ。しかし、福島原発事故の会見は東電も枝野さんも「なんか隠してる」ってのが見てとれたなぁ。上杉さんのいう情報リテラシーの感覚をオレも磨かないといけない。まずは昔からの部屋に帰ったらテレビをつけてダラダラ見る習慣をやめて、あらかじめチェックした見たい番組だけ見るようにし、もっと本を読む時間を増やすようにしよう。

  • 両者がテレビに出られなくなった訳(といってもホリエモンは割と出ていたと思うが)並びに現在のテレビというメディアの問題点を報道内容以外にも電波利権などに至るまで語っている。
    ホリエモンは流石に元IT企業の社長だけあって、技術的な知識もあることがわかる(細かいことに突っ込む人はいるだろうが)。

    普段ネットで色々な情報を得ている人には新鮮味が薄いかもしれない。だが、テレビしか見ていない人であればテレビの見方がちょっと変わるかもしれない。

  • 堀江貴文さん、上杉隆さんの対談本。彼らがテレビに出なくなった要因を知ることができる。
    堀江さんは電波利権、上杉さんは記者クラブ問題からテレビ業界における諸問題を追求。

  • ボーダホォンがなぜ電波がわるいのか?なぜテレビがつまらないかわかる本でした。何となく感じていたが、テレビ、新聞の善は誘導されている。

  • どこでもあるだけど、既得権益をひたすら追求する例としてテレビ業界について主に対談した内容をまとめた本。
    内容はほとんど「そうだろうな」と共感できる。特に福島原発に関する記載に関しては数十年後に結果がわかるが、きっと悲惨な結果になっているだろう。しかし、その時責任をとれる国になっているようには思えない。。。

  • ・最近のテレビがつまらないのは、右へならえの情報しか流さないから。多様な意見などなく、少しでもテレビ局の意図するものと異なる意見が出るとバッシングの憂き目にあう。何故そんなことになるかというと、スポンサーの顔色をうかがっているから。今回の原発自己の件で、東電批判がテレビ局(や新聞)からあがらないのは、東電が大切なスポンサー様だから。

    ・本来のメディアは多様な意見があるべき。諸外国は皆そうだが、日本はひとつの意見しか許されない。ひとつのテレビ局のみならず、全体的に同じ価値観を持とうとしている。「世界のテレビは(中略)、世の中には、アンチもあれば親もあるということを見せている。これがまさに現代のテレビに求められる総合的な役割なのに、日本だけは価値観を1つにしようと時代に逆行している。」

    ・既存の放送だけでなく、もっとニコニコ動画とかYouTubeとか動画サイトの放送をお茶の間に流せるようにすればいいのにというのは面白そうなので同意。
    ・リモコンのチャンネルボタンが12個しかない=それだけ価値が上がってしまうというのはなるほどーとオモタ。そんなもんなくしてしまえば、これまでの枠組みに捕らわれない放送ができるのに。

    ・原発事故から日が経っていないためか、原発に関する話題も多かった。
    「原子力=危ない」「原子力=安全」という二元論を成り立たせている社会が不健全で危ない。二元論だけでなく中間もあっていいというのは、武田徹氏も同じ意見言っていたなーということを思い出した。

  • 多様性を容認しない日本という国の象徴がテレビだったと思う。

    ブラウン管テレビに比べ液晶テレビは存在感が薄い。
    かつては部屋の中心に鎮座していたテレビが壁面になったようにテレビの存在感も薄くなると思う。

  • 【ノート】
    ・しばらく図書館になかったが、入った。札幌ではそれなりに人気があるらしく、かなり待った。
    ・政党を作ると宣言したら親からのお金は無税になるとは初めて知った。鳩山家も安倍家もやってるとは。しかも実際には出馬しなくても全然オッケーなんだって。
    ・最大の利権は電波であり、突き詰めると、それを体現しているのはリモコンとはさすが卓見ですな。
    ・「東電は結局私企業だからまだ分かるが、メディアが自分たちの利権ばっかりというのはダメ」という上杉さんに対して「メディアだって結局私企業だから期待してない」というホリエモン。

  • テレビに嫌われている 上杉隆と
    ライブドア事件以降でれなくなった堀江貴文が、
    テレビに何故嫌われるのかを語りながら、
    テレビの問題を語っている。

    テレビがおもしろくない理由は?
    ネットの急速な発展で、多様な意見が溢れ出した。
    テレビのもっている言論統制、放送禁止用語、多様な視点の欠如。
    もっと大きなことは 電波利権 が存在していることだ。

    既存利権や既存勢力に対して挑戦する堀江貴文。
    タブーに斬り込み、記者クラブ制に反対する上杉隆。
    二人が語ることで、見えて来ることもあるが
    なぜか、おじさん談義になっていて、
    すこし与太話かな。
    もう少し、論点を明確にしたほうがいいね。

全43件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1972年、福岡県生まれ。実業家。ロケットエンジンの開発や、スマホアプリのプロデュース、また予防医療普及協会理事として予防医療を啓蒙するなど、幅広い分野で活動中。会員制サロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」では、1,500名近い会員とともに多彩なプロジェクトを展開。『ゼロ』(ダイヤモンド社)、『多動力』(幻冬舎)、『時間革命』(朝日新聞出版)、『最大化の超習慣』(徳間書店)など著書多数。

「2023年 『(仮)2035 10年後のニッポン ホリエモンの未来予測大全』 で使われていた紹介文から引用しています。」

堀江貴文の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×