ふくしま式 難関校に合格する子の「国語読解力」

著者 :
  • 大和書房
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479392187

感想・レビュー・書評

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  • 同僚が強くお気に入りの様子だったので貸してもらった一冊。

    僕の専門とは違うけれど
    「国語力」「読解力」という抽象的な表現を
    キチンと具体的な要素に分けて定義してから話を展開してくれるので非常に読みやすい。

    まぁ受験生はもちろんなんだけど
    【なんとなく文章は読めるし、国語のテストもなんとなくできていた。】
    【文章を読んでもどこに着目していいか解らない。】
    【要するに?と聞かれると困ってしまう。】
    【同じ話を聞いてもいつも自分だけピントがズレている気がする。】
    【子どもや友人が文章が読めなくて困っているけど、どう教えていいか解らない。】


    そんな人にお勧め。


    ~~~~~

    読解力とは

    「言いかえる力」(同等関係:具体⇔抽象)
    「比べる力」(対比関係)
    「たどる力」(因果関係:原因⇔結果)

    の3つの要素で構成されているとし
    簡単な例にそってそのイメージを掴ませてくれる。

    その後それぞれの力をつけるためにすべきトレーニングを紹介し
    最後に複合的な問題や
    「試験での得点」を目的とした実践的なトレーニングを紹介してある。


    まぁそりゃ文章も読めないようでは
    話も聞けないし、言葉が不自由なんだから思考も不自由になるわけで

    それを何となく出来る人はいいんだけど
    何となく出来ない人ってトテモ多いと思うのです。

    自分と誰かが関わる時
    自分とコドモが関わる時
    自分にもしこどもができた時
    自分の語彙や
    自分との会話を通して言語を学ぶ彼らが

    言葉が不自由で思考が不自由になったらトテモ責任を感じると思うのです。
    そうなる前に何となくさらっと読んでおいて損はない一冊。


    「この人と話をするだけで何か賢くなった気がするわ―」
    って思える人って僕の周りにもいるのだけど

    この本読みながらそう言う人って話がうまいんだけど
    その「うまさ」ってこっちにも思考の余地を与えてくれてたり
    考えさせられたりする【内容】と【形式】なんだーと認識出来る事ができた。

    僕もそうなりたい。

  • [江東区図書館]

    この本で勧められていることを実行できる状況ではないのが悲しいけれど、読んでいてなかなかに興味深い本だった。

    とりあえず初級的な対応とともに一旦方法論を述べ、その後更に極めたいときは、の補足のようにほぼ同じジャンルを二度書きされてるので、読み物としては理解が深まるしいいかもしれないが、その対応をまとめたり字面を読み進める際には参考箇所が何か所が示されるので、ページが飛んでやや読みづらいかも。

    同著者が発刊している「国語読解[完全攻略]22の鉄則 (高校受験[必携]ハンドブック)」は本書で出てきたノウハウが箇条書き的にまとまっているのかと期待されるので、そっちも読んでみたい。

    ちょうど塾で漢字の出来なさと語句の少なさについて指摘され、授業では心情語について学んでいるところなので、心情語は特にマイナスものを意識して、更に和語的な表現を意識して推して(勉強させ)ていきたい。

    また文中で作文ノートを推奨されていたが、ちょうど作文が出題される適性検査系の問題を解かせた際に経緯を一つにまとめておくため、原稿用紙を貼り合わせて作ろうかと思っていたところだったので、なんだ、ノートが出版されているのか、そうだよな(笑)と思い探してみたら各社で200字ノートは売り出されていた!近隣店の138円のものとか、ネットのコクヨのもの98円とか、どれか一冊手元に用意しておこう。

    ■P.19
    読解には論理的思考が必要。同等関係(言い換える力)、対比関係(比べる力)、因果関係(辿る力)の三つが主な能力。

    ■P.74
    文章を「どのくらいのかたまり(長さ)」で読んでいるのは、「書き」の体力測定をするといい。下記の例文に対して2回音読してから書かせた場合に例文を参照する回数で分かる。
    <例>「海の中や宇宙空間には、未知の世界が果てしなく広がっている。」
    5年児で、0回…SS、1回…S、2回…A、4回以内…B、5回以上…C

    ■P.82
    名詞化、述語変換能力を鍛えるべき。
    <名詞化> 深いところ→深み、親しく→親しみ、明るいところ→明るみ、高いところ→高みなど。
    <述語変換> 「草原の真ん中に木が立っている」
    →(~な木)「草原の真ん中に立っている木」
    →(~な草原)「真ん中に木が立っている草原」
    →(~真ん中)「木が立っている草原の真ん中」

    ■P.120
    読解には三本の柱がある。
    ①「どういうことですか」…比喩⇔具体例の対比を意識して、どちらを問われているのか理解し、語句ごとに変換して答える。例えば、「虹を捕まえるとは」と聞かれたら、比喩⇒具体を気還れているので、「虹」「捕まえる」のそれぞれを「消えやすいもの」「心に留める」など置き換えて答えること。
    「Aとは、Bであり、Cであるということ。(P.152)」

    ②「どう違うのですか」…比較すべき複数の物事について、それらについての"対比項目"を全て揃えて漏らさず書く。例えば、〇と△について答える時は、「〇の〇1は~で、〇2は~で、それに対し△の△1は~で、△2は~だ。」という感じ。
    「〇は〇1という点ではAだが、〇2という点ではBである。(P.152)」

    ③「なぜですか」…通常の接続語に加え、文末表現などの準接続語表現?に気を配る。例えば、理由を聞かれれば「~だからだ。~のだ。」などの説明・言い切り表現があれば、その文章が答えを示している。
    「〇はAであり、それによってBだから。(P.152)」

    ■P.132
    気持ちを答える場合の型式は、「事実(出来事)」+「心情」。更に問題で問われるのは、大体マイナス心情(P.197)

    ■P.204
    和語が苦手だったりするが、その場合、関連することばをあつめる。「~やか」の例としては、細やか、さわやか、など。

  • 読む前は国語読解問題の解き方が多数収録されている本かと思ったが、読んでみると日常生活の中で子供に国語力を身につけさせるノウハウが詰まっている本であった。

    いろいろ参考になることがそれなりにある本であった。

  • 読解問題を解くための考え方や、論理的思考力の鍛え方がよくわかる。
    今まで、何となくの感覚でやっていたことを実感した。

  • 読解とは?
    今まで知らなかったことがたくさんでした。
    僕は昔から国語が苦手です。なぜなら、選択肢がどれも同じに見えたり、書いてあることが抽象的だったりして、いつも感覚でやってました。
    これを読んで、そういうことなのかとわかるとなんかすっきり。
    もっと早く出会っていれば、苦労せずに済んだのかな(笑)
    確かに国語の授業は、読んだこととテストがつながっていない感じもあります。テストという評価に合わせると、こういう型になるんだなーと思う本でした。
    これは今までなかった視点で、面白かったです。国語の授業したくなってきました笑

  • 各項目は大変参考になり、良い方法であると理解できた。ただし、これらの方法は、習慣化もしくは多くの演習が必要であると思うので、時間もしくは適切な指導者無しには実現しにくいのではないかとも感じた。
    塾なし自宅指導の拙宅においては、時間はないものの、欲張らずにテーマを絞ってコツコツと取り入れていきたいと思う。

  • 参考になりました

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著者プロフィール

株式会社横浜国語研究所・代表取締役
1972年、横浜市生まれ。早稲田大学第二文学部を経て、創価大学教育学部(通信教育部)児童教育学科卒業。日本リメディアル教育学会会員。日本言語技術教育学会会員。日本テスト学会会員。公立小学校教師を経て、2006年、ふくしま国語塾※を創設(※JR横須賀線 東戸塚駅・徒歩2分)。
著書として、『「本当の国語力」が驚くほど伸びる本』『ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集〔小学生版〕』『ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集〔小学生版ベーシック〕』『ふくしま式「本当の語彙力」が身につく問題集〔小学生版〕』『国語読解[完全攻略]22の鉄則(高校受験[必携]ハンドブック)』(以上、大和出版)、『論理的思考力を鍛える超シンプルトレーニング』(明治図書)などがある。

「2020年 『男女御三家・難関校 中学入試国語を読み解く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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