人は100Wで生きられる ~だいず先生の自家発電「30W生活」~

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  • 大和書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479392224

感想・レビュー・書評

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  • 1000年持続可能な社会を提唱する物理学者の提案するキーワード「100wで生きる生活」。電力のことだけでなく、自然農、里山の活用など、ヒントが満載。スマートグリッドになるのは「街」ではなく「人」自身である。本当にそう思う。気づいている人がこんなにたくさんいるのに、なかなか変われない世の中。できることから始めなくては。

  •  まず、この本は題が良くない。題を読むとまるで懐古主義のように感じてしまう。この本の幹は節電と電気以外のエネルギーを利用すれば、100Wでも生活できますよ、というところ。
     電気を仲介させない熱エネルギーを有効活用することで電力消費を減らすことができるという話。
     ただ、この本に限らず思うことは夏場の暑さの問題。100Wで生活するには当然エアコンは使えない。都市で生活する上ではこれは外せないだろうと思う。冬の寒さは代替のエネルギーでどうにかなるが、夏の暑さはどうにもならないのが現実。ここの解決策を示した本にはまだ出会ってない。
     「1000年持続可能な社会」というキーワードはとても良いです。

  • チェック項目11箇所。たった100ワット、リビングの証明一つ分で一体どんな生活ができるのかについては、私たちが挑戦している30ワット生活を含め本文で詳しくお伝えすることにしよう。エネルギーをどう使うかは、生き方の問題である、本書では、「30ワット生活」の研究によって見えてきた、新しい豊かさや楽しさのある暮らしのあり方を紹介しながら、根底的に問われている私たちの社会の今後のあり方を考えていきたい。百姓は山に木を植える、その木が育って伐採されるのは、孫の時代である、将来の世代が安らかに暮らせるようにと配慮するのは、当たり前のことだった、その暮らしは、1960年代にほぼ消滅した、化学肥料が普及し、耕運機が牛の代わりを務めることになったため、人々は、春の田起こし、夏の草刈り、秋の落ち葉かきという重労働から解放された。スイッチを押せば、何でもできる、停電などまずない、お茶を飲みたければ、ポットにはいつも熱いお湯が沸いていて、トイレに座ってさえ、心地よく暖かい、エネルギーでみて、これだけ豊かな日本社会は、世界の中でとびぬけた存在だ、しかし、これだけエネルギーの豊かな社会なのに、私たちは、なぜこうも安心感、充実感、夢と希望に欠けているのだろうか。例えば1ギガワットの電力出力を持つ原子炉はほぼ100%の出力で連続運転する、一方、1ギガワットの出力の太陽光発電設備は昼間しか発電せず、その設備利用率はよくて30%である、したがって電力を同じ量だけ作るには、太陽光発電は原子力発電の3倍の設備容量、すなわち3ギガワットの設備が必要だ。すぐに原発は止められる、エネルギーシフトは3段階で考えるべきだ、第1段階は、すぐに原子力発電所を止めて、その分、これまで止まっていた火力発電所を動かす、日本の電力会社が持っている火力と水力の発電設備は、原子力がなくても電力需要のピークをまかなうのに十分なものである、第2段階では、都市と農山村でエネルギーの棲み分けを考える必要がある、現実問題として、自然エネルギーだけでは現在の都市の機能をまかなうことができない、都市は、天然ガス(都市ガス)によるコジェネレーション(電気と熱の同時供給)でやっていく、農山村では、集落単位のエネルギー自給をめざす、第3段階では、都市も自然エネルギーにシフトして、社会全体で自然エネルギー100%をめざす、「1000年持続可能」、つまり1000年先でもやっていられるエネルギー利用の社会である。日本政府が電気自動車の普及を盛んに言いはじめたのと、原子力業界が「原子力ルネッサンス」と称して、新型の原子炉の開発と普及を勧めるべくキャンペーンをはじめたのは軌を一にしている、人口減少や経済空洞化とともに、電力需要が下向きになりはじめた電力会社にとっても、電気自動車の普及は福音である。

  • 個人が100wで生きていくためのノウハウが書かれているのかと思ったけどそうではなく、そういう取り組みをしている人がいるよと書かれている本で、後半は原発への疑問点が書かれております。この国でどうやって原子力が推進されていったのかが分かりやすく書かれてました

  • 【入手前のコメント】2012/11/25
    100wで生きるというのがどういうことなのか、いまいち分からなかったので、読んでみた。小型の水力発電機から得られる電力を使い、1時間あたり100wの電力しか使わないとのことだった。そこに含まれるのが、(たしか)冷蔵庫はあり、テレビは無し、PCとモデムはあり、というのが、現代的(?)だなぁと思った。

    後半は自然エネルギーへのシフトに付いての話。原発をなしにするにしても減らすにしても、消費電力を減らさないとね。

    どうでもいいかもしれないけれど、タイトルにある「だいず先生」という名前の由来は中身を読んでも分からなかった。

  • タイトルの通り、人間はエネルギーを使い過ぎの生活形態になっているのではないか、という提起。

    それは確かに当てはまる、「脱原発」というのは他の発電方法への切り替えではなくて、本来省エネルギーによって実現されるべきだと思っている。

    とはいえ、この本に関していえば、取りとめのない話が羅列的に述べられている面が強く、言いたいことはわかるけども、具体的な行動案を提起している訳でも無い様な感じが今一つ。

  • ・タイトルから、今の暮らし(100W以上の生活スタイル)を叱られるのかとおもったら、全然そんなことはなかった。

    ・寧ろ優しい文体だし、不意に怖い話が出るわけでなく安心。

    ・何度も読もうと個人的におもう。途中、大きな森の小さな家(児童文学)を思い出した。

    ・これからの豊かさの一つを提示してくれたんじゃないかな?

    ・難しいことや、不透明になりつつある話題を、柔らかく噛み砕いて
    丁寧に教えてくれるようにかんじました。

    ・表紙が好きw 電球+茶インク(ぼかし)

    ・脱原発と自然エネルギーへのシフトは可能かという点の答えが
    好みで探していたありかたを見つけられたという感覚で受け入れられた。

    ・風力発電は、現在は住宅街でも使える小型もあるとおもうけれど・・・
    ただ、風力発電はもっと暗黒時代も公表すべきだとおもう。
    ニュースやドキュメンタリーで発電部品を全て海外からまるっと輸入してたと知ったときはびっくりした。自分が知らなかった、ただそれだけなんですが。でも、そんなに大々的には公表されてなかった、ような?
    途中でデメリットに気がつきつつ、なのにぱかぱか立てちゃった実態も
    最初知ったときはショッキングでした。

    ・科学や哲学の資料本というより、なんだか長く歩いた1人の人の物語ぽくも感じた。もちろん、そんな風には書いてないんですが。
    経済が発展する過程で(高度成長・バブル)、農村から都市へ出て(出されて)。
    その時代の価値観に必死になって生きた青年・壮年期。
    定年退職をする年、世の中は不景気長期氷河期・少子高齢化の只中。
    子供世代に視点も入り、退職した親の苦悩、これから社会に入る子供の苦難。成長期と成熟期での仕事や生活の有り方の違いに
    揺さぶられつつ、でもゆっりと歩むようなそんな光景が見えた。

    ・林業と山里のシステムとしての再開というか
    木材バイオマスについても分かりやすい

    (読書途中)

  • いきなり質問です。
    1ヶ月あたり自宅で何ワットの電気を使っているかご存知ですか?

    「当たり前だのクラッカー」と言える方はさすがです。
    これからも電気使用量に関心を持ち続けていただければ、きっといいことがあるでしょう。

    「電気料金は気にするけど、電気消費量は知らない」という方。
    「電気ご使用量のお知らせ」が毎月投函されているので、ぜひ一度じっくりご確認されることをおすすめします。
    今の生活にこれだけの電力を使用しているんだとイメージできるようになります。

    さて、本題。
    本書の著者は、エネルギー地産地消をすすめる名古屋大学の高野先生。

    高野先生は『エネルギー問題は生き方(哲学)の問題だ』と喝破し、平均100ワットの電気があれば普通の暮らしができると力説します。
    (※平均100ワット⇒72キロワット時/月、一般家庭の約1/4の電気使用量)

    先生は100Wに満たない小型らせん水車を農業用水に設置し、わずか30ワットの生活にもチャレンジ。
    小型冷蔵庫・洗濯機・ノートパソコン・手作りLED照明(9部屋分)などを持ち込んだ生活では、特に困るほどの不足がなかったことも判明。

    私たちは知らず知らずに電気を使いすぎていたのですね。
    我が身を振り返ってもムダが多いと反省しきりです。

    もちろん先生は自然エネルギー推進派。
    しかし単純に自然エネルギーに代替するだけでは不十分。
    真っ先に取り組むべきは『省エネ』、エネルギー効率を上げて電気消費量を抑えることが最優先事項です。
    照明のLED化、太陽熱温水器の活用、建物の断熱性を高めたり地中熱の活用などなど、できることはたくさんあります。

    本書では最後の1章を原子力問題にあてています。
    『原子力を卒業しよう』というメッセージ、1000年持続可能な社会を模索する高野先生の願いです。

    【Radix事務局:成田】

  •  自然エネルギーに関して、太陽光と風力は最も使いにくいエネルギーとして、まずは省エネ、熱を大量に捨ててつくる電気エネルギーで、改めて熱を作るのは大変無駄であるという指摘、小水力や木質バイオマスの活用など、山間地に適した自然エネルギーを薦めていることなど、うなずける点が多い本。30W生活の話は、自分たちが田舎暮らしを始めた当初の志を思い出させてくれる。

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