名画と読むイエス・キリストの物語

  • 大和書房 (2012年8月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784479392323

みんなの感想まとめ

イエス・キリストの生涯を、美しい絵画と共に物語のように描いた一冊。著者は、絵画に込められた歴史や文化、人物の背景を掘り下げることで、作品の魅力を引き出しています。鑑賞する際に知識を持つことで、絵がより...

感想・レビュー・書評

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  • 『絵は、意味がわかればもっと面白くなるーその考えのもとに、これまで美術エッセーの本を何冊も出してきました。各国の歴史、政治、文化、風習、神話、民衆の深層心理、注文主の願望、画家の思惑など、絵にはぎっしり情報が詰まっており、その一端なりと知るだけでも、画面は生き生きと輝きを増すと思うからです』(p.210)

    何の知識も無いままに絵画に向き合うのも一興ではあるけど、著者が述べるように作品の情報を少しでも掴んだ状態で鑑賞すると、たしかにグンとクリアに見えてくる。

    直前に阿刀田高著「旧約聖書を知っていますか」「新約〜」を読んで知識をざあっと入れてからだったので、さらに頭に入ってきやすかったです。
    阿刀田氏のほうは聖書そのものをユーモアのあるエッセイで教えてくれ、今作は人間イエスについてを。
    神の子イエス、とはいえやはり人間としての肉体を持つイエスを、とりまく弟子やその他の人間を生々しくリアルに描いて魅せてくれます。

    『絵画を鑑賞するためのイエス・キリスト物語なのです』(p.214)

    と著者は言っていますが、筆致がドラマティックゆえ、素晴らしい名画が挿絵の役割になってしまっているという逆転現象が起きているのもまた面白い。


  • 名画の解説本、結構読みあさって飽きたけど、まあ買ってみるかと思って手にした。しかし、これは解説本ではなかった。キリストの一生を語ったお話本。幼稚園の時にもらったキリストの本より詳しく、巷のキリスト教の解説本より易しく、聖書より短い。

    キリストの話には普段から触れていたり、聖書も読んでいるが、だんだん局所的なことに注目がいくようになってしまい、全体を見失う。そんな時に読みたいのがこの本。一冊でキリストの生涯が分かり、それにまつわる有名な名画も隣に並んでいる。

    その名画についての解説はほとんどない。まるで挿絵のようになっていて、それはそれでとても良い。また、当時の文化や風俗についての記述があり、豆知識として頭に入れておくのには大変役に立つ。

    楽しい一冊に出会えた。キリスト教に触れておきたい人には役に立つ本。

  • 今まで数冊「キリスト教入門」の本を読んできたが、全く印象に残らず、結局理解ができないままでした。
    しかし、この本はイエスキリストの生涯がドラマティックに描かれており、やっと彼の生涯について知ることができたと思います。
    物語調でとても読みやすいので、教養として読むには最適だと思いました。

  • わかりやすくイエス・キリストの生涯を美しい絵画とともに物語のように(タイトルに物語とあるけど、物語と言うには少し説明文っぽいところもあるので)紹介している1冊……
    と思いきや終盤から結末は知っているとはいえ
    読むのが辛くなってしまった。
    それは、鞭打ちシーンが痛々しいからでも、
    磔刑シーンが酷いからでもなく
    人々の心の荒み、さもしさをとても強く感じるからだと思う。
    時代とはいえ、何かを信じられない、自分のことしか考えられない、
    娯楽がないことを転換し人に暴力をふるう、
    果ては人が死刑になることを望み、その執行までの過程をイベントごととして捉える残虐さ。
    聖書をすべて読んだことがないから分からないけれど、人は環境に流されやすく、
    愚かな生き物だと言われているように感じて物悲しくなる。
    とはいえ宗教も、美術も、本も、伝えてきたのは人の思いや力。
    一周すると、そんな人間の力こそ凄いのかもしれないと思ったのでした。
    怒られてしまうだろうか……。
    アルブレヒト・デューラーの絵が私は好きなようです。

  • キリストの誕生から弟子との関係性、そして磔刑、復活までを、それらを描いた名画とともに説明する。

    知らないようでやっぱり知らなかったことがいっぱい。知ってると絵画を見る視点が違ってくるよなとつくづく。
    ユダって、キリストが磔刑される前に首つり自殺してたなんて知らなかった。。。義父はユダヤのヘロデ・アンティパスであるサロメ。洗礼者ヨハネの首を求めた人だったなんて。

    人間でありながら神に近い存在とされたキリストも弱い人だったんだなとか、弟子たちはもっと弱い人だったんだなって。

  • 55.やっぱり中野京子先生の本は面白いなぁ♪何となく知っているイエス・キリストの話が、迫力ある感じでまとめらていて、預言するところなんて、何回もドキッとしてしまいました。今までキリスト教画を見るとき、アトリビュートについては知っているものもいくつかあったけど、で、その人はなんなのかは奥深く知って無かったので、本当にこれからは更に名画を楽しめそう^^中野先生の本はいつも思うなー読んで良かった、勉強になったって♪要所要所にある挿絵も、物語を知れば知るほど楽しくて見入ってしまいました☆

  • おお!ついにきたか!という感じです。けれどいつものように斬新な切り口と意表を突くような語り口ではなく、イエスの人間として神としての、壮絶な人生を丁寧に語っています。ですがやはりこの本でも、中野さんの冴え渡る心情描写が随所で鮮明に生きています。私はキリストのことは本当に『受胎告知』と漫画の『聖☆お兄さん』ぐらいの知識しかないので(笑、この本を読んで、自分の中のちまちましか知識が全て繋がりました。
    そうか、イエスは人間にして、神だったんだ……!この先に待ち受けている運命を、独りで受け入れなければならない恐怖と絶望は、一体どれほどだっただろう。
    あー面白い!

  • 美術鑑賞のためのお勉強。
    見ようとしなければ、知ろうとしなければ、見れども見えず、知ることもない。

  • 旅行等で教会に行った際にキリストに関する絵画を見たときに、キリストに関してなんとなくしか知らず、キリストの人生、生い立ちを知りたいと思い、この本を読みました。

    宗教本ではなく、絵画を元に、キリストの生い立ちが書かれています。
    難しくなく、分かりやすく書かれており、またキリストが神の子でありながらも凄く人間味があり、キリストに思いを馳せながら読むことが出来ました。
    また、人間の弱さ、愚かさ、罪深さ、そしてそれを愛し許すことの尊さを痛感しました。この本を読みながら自分はどうかと、向き合うこともできました。

    絵画が描かれた背景を知ることで、より絵画鑑賞の面白味がグンと増すため、今後、宗教画をより面白く見ることが出来そうです。

  • 2024.10.04〜10.06
    奥さんの友達が住むさいたまへの道中、滞在中に完読。
    クリスチャンである両親の元、キリスト教は子供の頃から身近なものであったため、本書の"ストーリー"は聞き及びの多いものであったが、
    それと同時に知らず、またそのために興味深いものでもあった。

    色々と解釈が別れるイエス・キリストの物語だが、生きた時代や地域の学びにもなるとともに、その後の影響力の凄まじさを想像するに、出会えて良かったと思える本であった。

  • 人間イエスの物語が大半を占め、絵画が挿絵の様にその情景を深める一助になっています。
    人間の愚かさや罪の深さをキリスト教徒で無くても痛感します。
    史説を並べる物とは全く異なり、“物語”としてとても楽しめます。

  • キリスト教の知識がないけど、理解したい人に!
    イエスがなぜ罪を背負って磔刑とならねばならなかったか、イエスの愛とは?が理解しやすい。
    ※「キリスト教入門」岩波ジュニア新書
     も合わせて読むとおすすめ。
    (キリスト教の成り立ちとか変遷)
    どちらも分かりやすい文体です。

  • キリスト教についての知識が皆無な私にとって、ストーリー仕立てで読みやすくとにかく面白かった。

  • 人物と流れが簡潔に分かった。物語的で面白いなと思った。

  • 最も美しいイエス像と言われるベラスケスの『キリストの磔刑』。本当に素晴らしい!!
    マリアの受胎告知からキリストの磔刑、復活まで、知ればますます絵画が面白くなる。

  • 中野京子さんの書籍はどれも面白いですが、こちらはイエス・キリストの生涯(誕生から復活まで)が切り口となっている

  • 中野京子さんに興味を持って読みました。ベストセラーの怖い絵今更だけど読む前に、クリスチャンである私はこちらの方が先に読みたかったので。聖書を客観的に分析して描かれていて読みやすかったです。絵画の説明も一言あって。日本とイスラエルの環境の差や、キリスト教を冷静に見ているところは勉強になりました。でも絵画は本当に面白い。著者によると、西洋絵画にキリスト教は切り離せないとのことでこの本を書いたとのこと。教養が身につくような感じがします。読書ともうひとつの趣味、美術鑑賞がより楽しめると思いました。

  • なんとなくしか知らなかったイエスキリストの物語が、時代背景や、当時の人物の心理、生活、苦しみなどをまざまざと知ることができた。こんなに生々しい物語だからこそ、数多くの名画が描かれたのも理解できたような気がした。
    想像以上に、古代ローマ時代のユダヤ人の生活が苦しく、飢えや病気、死が至るところにあり、一般市民は教育や娯楽の機会もものすごく限られていたところに、イエスの登場がどれほど衝撃的だったか、少しばかり理解したというか、絵画の力も相まって、体得したかんじがある。美術館にいって、いろいろな時代のイエス・キリストに纏わる絵画を見てみたくなった。より理解が深まるし、当時の人々に思いを馳せることができるだろう。

  • 絵画は挿し絵的に使われてる。

  • 中野京子さんの本9冊目。今回は図書館で一番に借りることができました♪

    この本は彼女の「怖い絵シリーズ」のように絵画中心に解説するものではなく、イエスの話を進め、絵画は挿絵程度に入っています。
    彼女が参考にした遠藤周作「イエスの生涯」のようにほとんど文だけより、理解しやすかったです。
    もっとも私が「イエスの生涯」を読んだのはずいぶん前で、その後歴史の本をいろいろ読んできたからかもしれませんが。

    私は子供のころ日曜学校に行ったりミッションスクールに通ったりしたのに全然クリスチャンにならなくてずっと不思議でしたが、中野京子さんもこれだけ調べて見事な本を仕上げていながら、「わたしはクリスチャンではありません」と言われているので、やっぱりそんなものかなと改めて思いました。

    表紙の絵は私の好きなベラスケスの作品です。「最も美しいキリスト像」といわれているそうです。プラド美術館にあります。見に行きたいです。

    西洋絵画を見る際にキリスト教を知っていれば楽しめるし、そのためにはこの本は最適だと思います。

    http://nagisa20080402.blog27.fc2.com/blog-entry-340.html

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著者プロフィール

早稲田大学、明治大学、洗足学園大学で非常勤講師。専攻は19世紀ドイツ文学、オペラ、バロック美術。日本ペンクラブ会員。著書に『情熱の女流「昆虫画家」——メーリアン』(講談社)、『恋に死す』(清流出版社)、『かくも罪深きオペラ』『紙幣は語る』(洋泉社)、『オペラで楽しむ名作文学』(さえら書房)など。訳書に『巨匠のデッサンシリーズ——ゴヤ』(岩崎美術社)、『訴えてやる!——ドイツ隣人間訴訟戦争』(未来社)など。

「2003年 『オペラの18世紀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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