名画と読むイエス・キリストの物語

著者 :
  • 大和書房
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本棚登録 : 342
感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479392323

作品紹介・あらすじ

ドラマティックなイエス・キリストの物語画は、独創的な表現に満ちた傑作・名作のオンパレード。イエスのおおまかな生涯を知った上で西洋名画を楽しみたい-そう願う人のための、これは手引書である。

感想・レビュー・書評

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  • 名画の解説本、結構読みあさって飽きたけど、まあ買ってみるかと思って手にした。しかし、これは解説本ではなかった。キリストの一生を語ったお話本。幼稚園の時にもらったキリストの本より詳しく、巷のキリスト教の解説本より易しく、聖書より短い。

    キリストの話には普段から触れていたり、聖書も読んでいるが、だんだん局所的なことに注目がいくようになってしまい、全体を見失う。そんな時に読みたいのがこの本。一冊でキリストの生涯が分かり、それにまつわる有名な名画も隣に並んでいる。

    その名画についての解説はほとんどない。まるで挿絵のようになっていて、それはそれでとても良い。また、当時の文化や風俗についての記述があり、豆知識として頭に入れておくのには大変役に立つ。

    楽しい一冊に出会えた。キリスト教に触れておきたい人には役に立つ本。

  • 今まで数冊「キリスト教入門」の本を読んできたが、全く印象に残らず、結局理解ができないままでした。
    しかし、この本はイエスキリストの生涯がドラマティックに描かれており、やっと彼の生涯について知ることができたと思います。
    物語調でとても読みやすいので、教養として読むには最適だと思いました。

  • わかりやすくイエス・キリストの生涯を美しい絵画とともに物語のように(タイトルに物語とあるけど、物語と言うには少し説明文っぽいところもあるので)紹介している1冊……
    と思いきや終盤から結末は知っているとはいえ
    読むのが辛くなってしまった。
    それは、鞭打ちシーンが痛々しいからでも、
    磔刑シーンが酷いからでもなく
    人々の心の荒み、さもしさをとても強く感じるからだと思う。
    時代とはいえ、何かを信じられない、自分のことしか考えられない、
    娯楽がないことを転換し人に暴力をふるう、
    果ては人が死刑になることを望み、その執行までの過程をイベントごととして捉える残虐さ。
    聖書をすべて読んだことがないから分からないけれど、人は環境に流されやすく、
    愚かな生き物だと言われているように感じて物悲しくなる。
    とはいえ宗教も、美術も、本も、伝えてきたのは人の思いや力。
    一周すると、そんな人間の力こそ凄いのかもしれないと思ったのでした。
    怒られてしまうだろうか……。
    アルブレヒト・デューラーの絵が私は好きなようです。

  • 55.やっぱり中野京子先生の本は面白いなぁ♪何となく知っているイエス・キリストの話が、迫力ある感じでまとめらていて、預言するところなんて、何回もドキッとしてしまいました。今までキリスト教画を見るとき、アトリビュートについては知っているものもいくつかあったけど、で、その人はなんなのかは奥深く知って無かったので、本当にこれからは更に名画を楽しめそう^^中野先生の本はいつも思うなー読んで良かった、勉強になったって♪要所要所にある挿絵も、物語を知れば知るほど楽しくて見入ってしまいました☆

  • おお!ついにきたか!という感じです。けれどいつものように斬新な切り口と意表を突くような語り口ではなく、イエスの人間として神としての、壮絶な人生を丁寧に語っています。ですがやはりこの本でも、中野さんの冴え渡る心情描写が随所で鮮明に生きています。私はキリストのことは本当に『受胎告知』と漫画の『聖☆お兄さん』ぐらいの知識しかないので(笑、この本を読んで、自分の中のちまちましか知識が全て繋がりました。
    そうか、イエスは人間にして、神だったんだ……!この先に待ち受けている運命を、独りで受け入れなければならない恐怖と絶望は、一体どれほどだっただろう。
    あー面白い!

  • すごくよかった!!!
    「中野節が見られず残念」という書評を見たが、あまりドラマチックに盛り上げすぎず、静かに、ていねいに、キリストの生涯を書いているのがとてもよかった。キリストの生涯もその時代背景も壮絶で、淡々と語っていても十分ドラマチックだ!

    本書は宗教の本ではありません。そしてわたしはクリスチャンではありません。ではいったいなぜイエスの生涯を物語るのか。と問われれば、それは絵画鑑賞のためです。イエス・キリストのおおまかな生涯を知った上で静養名画を楽しみたいーそう願う人のための手引書です。絵は、意味がわかればもっと面白くなるー各国の歴史、政治、文化、風習、神話、民衆の深層心理、注文主の願望、画家の思惑など、絵にはぎっしり情報が詰まって庵、そ一端なりと知るだけでも、画面は生き生きと輝きを増すと思うからです。」あとがきより

  • 人間イエスの物語が大半を占め、絵画が挿絵の様にその情景を深める一助になっています。
    人間の愚かさや罪の深さをキリスト教徒で無くても痛感します。
    史説を並べる物とは全く異なり、“物語”としてとても楽しめます。

  • キリスト教の知識がないけど、理解したい人に!
    イエスがなぜ罪を背負って磔刑とならねばならなかったか、イエスの愛とは?が理解しやすい。
    ※「キリスト教入門」岩波ジュニア新書
     も合わせて読むとおすすめ。
    (キリスト教の成り立ちとか変遷)
    どちらも分かりやすい文体です。

  • キリスト教についての知識が皆無な私にとって、ストーリー仕立てで読みやすくとにかく面白かった。

  • 人物と流れが簡潔に分かった。物語的で面白いなと思った。

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著者プロフィール

早稲田大学、明治大学、洗足学園大学で非常勤講師。専攻は19世紀ドイツ文学、オペラ、バロック美術。日本ペンクラブ会員。著書に『情熱の女流「昆虫画家」——メーリアン』(講談社)、『恋に死す』(清流出版社)、『かくも罪深きオペラ』『紙幣は語る』(洋泉社)、『オペラで楽しむ名作文学』(さえら書房)など。訳書に『巨匠のデッサンシリーズ——ゴヤ』(岩崎美術社)、『訴えてやる!——ドイツ隣人間訴訟戦争』(未来社)など。

「2003年 『オペラの18世紀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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