- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784479392743
感想・レビュー・書評
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思春期から独身時代を関東で過ごした。結婚とともに四国の片田舎で生活していると、標準語なだけで都会人扱いされるが、実は渋谷の雑踏で途方にくれたり、新宿のホームで行き先表示に視線だけ走らせて迷わないようただひたすらに目的地を目指す田舎者なんだと心で毒づく。著者は自分は何者なんだと彷徨う感が半端ない。分かるんだけど、力抜けよとも思う。
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連載で読むのが、私にとってベストだったんだろうと思う。
少しずつ、時間をあけて。
単行本で一気に読むのは、密度の濃い闇に口元を覆われていくような苦しさがあった。
でも言語化の上手さは見事なので、明瞭になっていくすっきり感もある。
「谷間の百合」は、ディカプリオ版の映画ギャツビーで、色とりどりのシャツを投げる場面と重なる。
それ↑と「タクシー」と「殻」が心に残った。
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東京に生きてないのに、雨宮さんのみた景色を見ていないのに、自分のことかと思って苦しくて、スッキリした。
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文章が心地よい。地元の嫌悪感と東京生活の愛憎、自己肯定感の低さと強い刺激で壊されたい気持ちが瑞々しく書かれていてとっても好き。文章が好き。
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この人が今この国にいたら何を書いただろう。
こんなこと思っても何にもならないが。
●数年が経ち、いつのまにか、私の唇の上の虫が当たった場所には小さなほくろができている。いつできたのかわからない。昔はなかった。/その小さな点をじっと見ていると、いつかこの点から、世界がぐるっと裏返ってしまうのではないか、と思う。あのときのように、楽しい気分やこれからの希望に満ちあふれた、きらきらした空気が一瞬にして消え失せて、暗闇が口を開けて自分を呑み込み、まるで夢から覚めたあとみたいな、ただの何もない自分が残るんじゃないか。 -
九州で過ごした年月を、東京で過ごした年月が越えてゆく-。地方出身者すべての胸を打つ、著者初の私小説エッセイ。大和書房のホームページに連載した「東京」に書き下ろしを加え再編集。
なんとなく分かるような気持ち。 -
初読
なるほどなぁ。夜の東京だ。
わかるところとわからないところと。
それはもう叶わない事だけど、その先の彼女を見たかったなぁ
現実を、ぬけぬけと、鈍感に愛する彼女を。
故郷を憎みながら甘えて頼っている、
美しい装身具は女をみじめさから救うってわかるなぁ -
故郷を恨みながらも頼るというの、わかりすぎる。
愛したいけどどこか恨めしい。
なんだろうね。田舎出身だと自然の良さよりも
何もないという意味ではないつまらなさが
コンプレックスになる。
それをそのせいにしてしまう自分のことも嫌に思ったり。 -
呼吸が難しくなる街東京で生きながら、この文章に呼吸を助けてもらっているような感覚を覚えた 雨宮さんが亡くなっている事実に実感がわかない。
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普通 よくある いいんじゃない もう一度は読まないけど かる〜〜い感じ そうねぇ東京を生きるね