女性と子どもの貧困~社会から孤立した人たちを追った~

著者 :
  • 大和書房
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本棚登録 : 81
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479392873

作品紹介・あらすじ

シングルマザー、ヤミ金、奨学金滞納、40歳風俗嬢、無戸籍問題、医療ネグレクト、虐待、DV、ホームレス高齢女性、ワーキングプア、ネットカフェ難民。誰でも「転落」する時代。

感想・レビュー・書評

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  • シングルマザーや非正規雇用といった世間に良く知られた理由だけでなく、様々なことが貧困につながることを痛感しました。
    今現在がそうでなくてもいつ陥ってもおかしくないし、それは男性でも女性でも変わらないことだろうけど、まだまだ女性の方が「稼いで養う、稼いで生活する」という意味ではしんどい状況下におかれていると感じました。

    また、この本を読んでいて「どこにどう頼ればいいかわからなかった」というケースが多いようにも思いました。
    「児相や役所を頼った結果うやむやになった」ではなく、そもそも術がわからなかった、自分が頼っていいのかわからなかったというケース。
    自治体やNPOさんがアナウンスを頑張っていらっしゃっても、当事者にまで届いていないことも多いのかと思うと(ただの読者だけれども)何ともいいがたい歯がゆさをおぼえました。

  • リアルな実録の数々。
    家庭環境に関わらず、どんな人でも今は簡単に貧困に陥るリスクがある。
    子どもを取り巻く貧困について目にした時、自分の子供の頃も、きっと口には出さないものの貧困であった家庭はあったはずだ、と思った。
    貧困は、目に見えないのだ。

  • 女性とこどもは同時に語らないわけにはいかない。
    シングルマザーの児の困窮はやはり進学率につながり、次の世代へ貧困としてつながっていく可能性がある。
    熊本のこうのとりのゆりかごの実態について、丁寧な文章で知ることができた。
    貧困、虐待へのつながりもやはり生じてくる。
    社会が弱者を支え、こどもを社会全体ではぐくむ仕組みが幾重にもなっている必要がある。細い細い蜘蛛の糸をたどっていくような安全策では、ぎりぎりの中で慎ましく生きている家庭を手前で救うことは困難だ。

  • ここに描かれている貧困は決して他人事ではない。自己責任の結果でもない。今自分がこの本の状況に陥っていないのは、自分の努力の成果だけではない。ただ運が良かっただけだ。子供の貧困は国の将来に直結している、改憲云々よりも、まずは政府はここに対応するべきではないのでしょうか。

  • 子供の貧困の話は胸が痛くなる。乳がんをきっかけに貧困に陥ったケースについては考えさせられた。たしかがんにかかった人(男女問わず)の仕事のケアについて最近結構問題となっていたはず。乳がんをきっかけに離職,そして貧困,という事例がかいてあったけれども,これは他人事ではない。自分もこう状況になったら…と思ったらかなり臨場感をもって読むことが出来ました。
    あと奨学金問題にも言及されていた。勉強になりました。

  • 自分の身の回りに「貧困」はあるだろうか?
    この本を読んでいると、身近に「貧困」はあるのだと思う。
    みんなちょっとしたことがきっかけで「貧困」に陥ったり、「自殺・心中」に追い詰められたりしている。

    この本や他の類書を読んで思うのだが、「貧困」に陥る人はよく似ている。まわりに助けを求めない、情報量が少ない、考えが浅いなどなど。その人を責めるのは簡単だが、そうではなく、どうやって社会全体で助けていくかが問題だと思う。けれども、なかなかこれという解決方法が浮かばないのが現状だ。

  • 格差社会と言われて久しいが、やはり弱いところにしわ寄せがくる。こんなに物があふれている中での飢餓。各地で救いの手が差し伸べられるようになってきてはいるが、貧困のスピードが加速しないことを念じるばかりだ。

  • 貧困というものは、そこにいない人には全く異世界の話で、想像もできないことなのだと思う。自己責任、怠けている奴ら、と遠く突き放す。でも、どうやらそんなこともなく、病気や失業、いつ自分にも何が起こるかわからない。全て、明日は我が身なのだ。知識があれば、冷静に考えられればいくらでも方法はあっても、追いつめられた人間は、そこに思い至らない。

    「住む場所がなければ死ぬしかない」と、町営住宅の立ち退きを迫られて中2の我が子を殺害したシングルマザーは、生前、我が子が貧しさからいじめにあったり自己否定しないようにと、皆と同じようにスマートフォンを持たせ、アイドルのファンクラブに入ることにも賛成した。
    子どもを育てるため、貧困から風俗へ手を出す母親も多い。赤ちゃんポストも、追いつめられた母親のセーフティネットなのだ。

    この本に出てくる多くのことが、親身になって話を聞いてくれる人がいる、一緒に考えてくれる人がいるだけで、大事にならないで済む気がしてならない。他人事ではない。無関心でいてはいけない。そういう、自分のことだけでなく人を気にかける優しい気持ちを持つように心がけることが、貧困の連鎖や孤独を少しでも減らすことにつながるのだと思った。

    胃が痛い。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:368.2//H54

  • 無関心層の私には、向き合う機会としてちょうどよい分量。リアルなルポを読み、もはや貧困の原因を絶やすのは無理と感じた。日本人は生きる能力か低下している、低い人たちに引っ張っられて平均値が下がっている、と。少し先をよみ準備(お金、勉強)しておく、ただそれだけのことを、「社会がどう変化するかわからない」「自分の責任じゃなく社会のせい」という発想で放棄。妊娠するのはとても個人的なことだと思ってるんだが、そうは思ってない人たちがそこそこいるのな、ということにも少なからずショックうけた。ここまできたら貧困の根を絶やすのは時間かかりすぎるし体力もたなさそう。
    そんな否定的な見方をしているから、貧困層に私財をだすことに抵抗ある。なぜ怠けた他人を助けなきゃいけない?社会保障の財源どこかわかっている?毎月の給与明細の税額にイラつくんですよ、私。そう思うチンケなやつだけど、わたしみたいな人が貧困層の役に立つとしたら、手元にある物資を気軽に回収する仕組みしかないと思う。資源ゴミのようなしくみで、月に何度か、衣類や日用品を所定の場所におけば回収してくれて、必要な人に分配するフロー。人手の費用、悪意の危険物管理など課題あるが、増税やボランティアより気軽に協力できる人は増えるよね。
    ・・・など、つたないながら自分ができそうなことを考えてみる、そういうキッカケにはなった。

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