禅僧が教える考えすぎない生き方

著者 :
  • 大和書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479393139

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  • アメリカで17年に渡り禅を指導している禅僧が説く禅のアレコレ。

    アメリカの人向けに解釈され直しているせいか、アプローチの仕方が他の人と違っていて、腑に落ちる表現もいくつかあった。

    個人的には、なるほど!と思う点が多く、とても良かった。

    本書の主眼は、個人が孤立した点として存在する「分離の様式」からすべての物が繋がりあっている「繋がりの様式」への転換を勧めているのかなと思う。

    以下、いいと思ったメモ

    ・地獄にだけは行きたくないと思っている人には、逆に地獄が現れる。

    ・『貪(pull)』
     今ある状態は好ましいけど、まだ何か足りず、その何かを欲しがること。
    ・『瞋 (push)』
     今の状態に何か気に入らないものがあり、腹が立つので、取り除きたいと思う。
    ・『痴(ignorance)』
     今起きていることに自覚がない。

    ・幸せなのが当たり前、普通の状態になるような生き方に育てていく

    ・回避したいもの、否認したいものがあるとパーティーが楽しめなくなる

    ・「死」をわからないままでそれを受け入れる

    ・生は生ぎり、死は死ぎり

    ・心配しなくても、必ずどうにかなるよという応援が諸行無常

    ・自己の向上とは、裏を返せば、自己満足の追求で、自分や他者との競争である。周りの人は脇役になってしまう

    ・主観の自由が否定されるところに、自然の道理に従うという主体の自由が成り立つ

    ・分離した自己防衛のバリアが自分を孤立させ、孤独感を生む。そして孤独感を忘れるために他人とつながると、共依存や馴れ合いになり、相手を搾取する

    ・分離した状態のときに、求めたものが満たされても、いずれまた孤独感と欠乏感がやってくる

    ・homeとは一人ひとりが安らかに、はっきりと現れる事ができる場所。そのhomeのようなものが欲しくて、人は外にhomeの代替を探してしまう

    ・「してはいけない」が「してもいい」へ
     「しなければいけない」が「しなくてもいい」へ

    ・自信とは自分の外側にあるものに寄りかかって「つくる」のでなく、自分で「いる」こと

    ・四摂法
    「布施」貪らずに、力を差し出すこと
    「愛護」温かな心遣いの言葉をかける事
    「利行」他人が利益を被ることを考え、実行する
    「同時」相手に好感し、寄り添う事

    ・「慈」与楽「悲」抜苦「喜」共に喜ぶ「捨」平静な心 ⇔ 「執着」「絶望」「嫉妬」「無関心」

    ・周りが喜んでくれるからでなく、私がやりたいからやる

    ・「苦しみ=痛み×抵抗」「幸せ=快感÷執着」

    ・BELLA (座禅中に見つけた煩悩との向き合い方)
    Be, Examine, Lessen , Let go , Appliciate

    ・RAIN (煩悩に限らず、知るということについて)
    Recognize, Allow, Investigate ,Non Identify

     DROP (主観でしか見れない無明)
    Delude, Resist , Oblivious , Persophication

  • 本を読んだだけで悟ること難しいと知った。ただし、人生について考える1つのやり方なんだろうと思う。簡単に答えに結びつくものではないけれども、1つの人生の途中で起こる些事を背負っていくための方法として捉えることとした。

  • 読むだけで、心の静けさを感じることができる。

  • 「どんな難問も、人生を学ぶワークにしていける」の項はすごく参考になった。が、他は難しすぎて理解できなかった。特に座禅に向けての部分は、座禅のやり方すらわからない私にはなんのことやらさっぱり…タイトルから期待した内容ではなかったような気がする。

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著者プロフィール

1954年愛媛県生まれ。東京大学大学院教育学研究科教育心理学専攻博士課程を中途退学し、
紫竹林安泰寺にて曹洞宗僧侶となる。1987年よりアメリカ合衆国マサチューセッツ州西部に
あるパイオニア・ヴァレー禅堂に住持として渡米、近隣の大学や仏教瞑想センターでも禅の
講義や坐禅指導を行なう。2005年に帰国。神奈川県三浦郡葉山町にて独自の実験的坐禅会を
主宰。2010年よりサンフランシスコにある曹洞宗国際センター所長として日本と海外を往還
している。


「2017年 『退歩のススメ 失われた身体観を取り戻す』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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