自宅で湿地帯ビオトープ! 生物多様性を守る水辺づくり

  • 大和書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479394044

作品紹介・あらすじ

生き物が集まり、自然を遊んで学べるビオトープづくりを、誰でも、鉢植えひとつから始められる!湿地帯生物の観察と研究を専門とし、生物多様性の有識者として絶大な支持を集めるオイカワ丸氏と『映像研には手を出すな!』の作者で自身も自宅ビオトープの実践者でもある大童澄瞳氏による、過去に類をみない「実用的ビオトープ本」であり「硬派エンタメ系生物多様性教本」が、ここに誕生。

感想・レビュー・書評

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  • 大童澄瞳がビオトープ作りの解説本でイラスト担当、図解やミニマンガも執筆 - コミックナタリー
    https://natalie.mu/comic/news/521867

    自宅で湿地帯ビオトープ! - 株式会社 大和書房 生活実用書を中心に発行。
    https://www.daiwashobo.co.jp/book/b618603.html

  • 湿地帯ビオトープを家庭で手軽に作るための指南書。オイカワ丸先生(中島先生)と大童澄瞳先生の渾身のビオトープを拝見できるほか、簡単なQ &A、外来種、国内外来種などに関する注意点などビオトープを作る上で重要な事が網羅できるようになっている。我が家も最近ビオトープに着手したのだが、観賞用の側面が大きくエコトーン重視のビオトープに憧れている。簡素な作りでも、生きものが自然とやってくる様子は楽しい。楽しみがずっと続く、というのは実にそのとおりだと本を読みながら大きく頷くことばかりだった。

  • ずっとビオトープを立ち上げてみたかったので、これを機にチャレンジ中です。なるべく在来の環境に近づけたかったので、ありがたい情報満載です。

  • ○つくりたい!つくれそう!という気持ちに
    ○一方で、入れる動植物には気をつけなくては。あまりお店での購入は避けた方が良さげな気がする

    ●はじめに
    湿地帯ビオトープには動植物がやってきます
    その往来が庭と外側との境界線を曖昧にします
    時とともにうつろうビオトープの楽しみに終わりはありません

    序章 はじめの知識
    ビオトープはドイツ語biotop 、ギリシア語でイノチノある場所を示す
    人工・自然を問わない
    本書は、湿地帯、生物多様性、外来種、エコトーンがキーワード

    湿地帯ビオトープが目指すもの
    ←氾濫原湿地の再現
    ←生物多様性の保全
     ①生態系 ②種 ③遺伝子
    ←外来種の拡散に寄与しない
     地域固有の遺伝的多様性もある
    ※コラム 外来種の基礎知識
     「明らかな害のあるもの」
     「そうでないもの」
     「よくわからないもの」
     環境省
     入れない・捨てない・拡げない
     外来種、侵略的な外来種、特定外来生物

    エコトーンなくして語れない
     移行帯のこと
     2つの異なる環境が少しずつ変化しながら接する場所
    ※コラム エコトーンと生物の生活史
     ①水中とエコトーンを利用する生物
     ②陸上とエコトーンを利用する生物
     ③水中とエコトーンと陸上を利用する生物
     ④エコトーンのみを利用する生物

    庭先から地球を見渡そう
     生物多様性の価値
     ①供給サービス
     ②文化的サービス
     ③調整サービス
     ④基盤サービス
     氾濫原湿地と二次元的自然環境
     ←失われた氾濫原湿地を二次元的自然環境が代替する
     他の湿地帯ビオトープの機能
     「洪水時抑制能力」

    1章 作ってみよう
    方針決めと材料集め
     「はじめから動植物を入れたい?」
      A 何も入れない湿地帯ビオトープ
       ←長く維持していると思わぬ湿地帯生物が現れる
     「付近の川や池に動植物が流出しやすい構造?」
      B 動植物が流出しにくい湿地帯ビオトープ
      …雨水などが溢れたらどんな経路を通ってどこに流れ込むかチェックしておく
      …「侵略的な外来種」「移動能力の高い種」
        ←要注意
      C 動植物が流出しやすい湿地帯ビオトープ
      …地域に生息・生育する種と遺伝子レベルで同じものにするべき
      …水系を意識する
      …動植物は1~2世代で自力で移動できるだけ範囲
    ※コラム 湿地帯生物の移動能力
     分類群ごとに移動能力が異なる

    野外で材料を集めるには?
     行政の担当部局へ
     動物の採集「漁業調整規則」
     植物や土石の採取「河川法」

    実際のつくり方
     A防水シートを使った湿地帯ビオトープ
     Bコンテナを埋めてつくる湿地帯ビオトープ
     Cコンテナを使った湿地帯ビオトープ
     D 小型の睡蓮鉢を使った湿地帯ビオトープ

    ビオトープの周辺設備
     雨水浸透桝、雨水タンク

    つくった後の維持管理
     手を入れ続けることが重要
    ※コラム 希少種を守る役割
     個人で維持しているビオトープが希少種の貴重な系統保存場所になっている

    Q&A
    ・ネットでミジンコを買ってもいい?など
    ※健全なビオトープだと蚊は湧かない
    ※引っ越しなどでビオトープのめんどうが見れなくなったときは…

    2章 すばらしきビオトープ探訪
    ○どこも素晴らしい。うらやましい。憧れる。
    ○公園に行くとき、ビオトープの観察をしようと思った。野生の湿地帯も見学ツアーしたい。
    ☆どれも世界に1つだけ!

    3章 湿地帯ビオトープの生き物図鑑
    ※コラム ビオトープ最強の捕食者
    ※コラム ケシタカビロアメンボを探せ!
    ※コラム ボウフラハンター・ハイイロゲンゴロウ
    ※コラム 湿地帯ビオトープをつくると現れる!?
     ←鳥!カナヘビ!
    水まわりのいきものがかり(無脊椎動物)の見分け方
     ←チャート
    ※コラム 湿地帯ビオトープに来たらすごい!
     ←シュレーゲルアオガエル…きてほしい
    入れる前に確認!
     特定外来生物と飼育・栽培要注意な外来種

    制度をもっと理解するためのおすすめ図鑑集

  • 北九州市響灘ビオトープ、海を埋め立てて造成した廃棄物処分場に自然と水がたまって多数の生物が生息するようになり、当初の予定を変更して生物のための公園に整備したっていうのがびっくり。北九州市すげぇ。うちのベランダに作れたらいいけど、以前カメをタライで飼ってたからその延長線でできそうな気もするけど、むむむ。

  • 読みやすい。写真も豊富。子どもと実際にビオトープを作ってみた。気軽に試そうという気になれました。

  • 湿地帯、要は水と土と中間部があるビオトープの作り方が載っている本。
    序盤はなぜビオトープが必要なのか、生物多様性とは、と少しお固い基礎知識の解説。
    それからビオトープの作り方や、実際のビオトープの実例が豊富な写真とともに紹介されている。
    後半にはビオトープに来る生き物や、ビオトープに入れてはいけない特定外来種に特化した図鑑もあり、盛りだくさんの内容。

  • 自宅でビオトープなんて出来るの?と興味本位で読んでみた。想像していたものよりは本格的な湿地帯で、すぐ実践してみたい!とはならなかったが(やりたくても庭がない)、生物多様性の保全がどれほど重要かということを知った。
    あと、一番気になっていたボウフラがわいて蚊が大量発生しないのか?という疑問についても記載されていて、なるほどと思った。
    澄んだ清流みたいな美しい景色ばかりに目がいっていたが、ため池や渓流の淀みには生き物がたくさんすんでいたんだな。

  • 自宅に水辺を作ろう!というオイカワ丸氏による啓蒙実用書。ちょっとマジメ寄りか。大童さんのイラストやマンガがもうちょっとあっても良かった気がする。それはそれとして、やれるものならやりたいけど賃貸アパートでは難しい。土地が欲しい。そういえば子供の頃、庭に池が欲しかった。

    読みながら生物多様性がどうこういう話とは別の、自宅ビオトープの価値を考えていた。世の中どんどん悪くなっていく気がする。世の中にも、年を取る自分にも未来に期待できない。ITなんてこれ以上発展してどうなるというのか?しかし自宅ビオトープには未来がある。新しい植物が生えてくるかもしれない。ヤゴがやってくるかもしれない。カエルが産卵しに来るかもしれない。自宅ビオトープにはそういう、身近でささやかで、予測できない明るい未来がある。

    子供の頃、庭に鳥の餌台をつくって餌をやっていた。今なら「野生動物に餌をあげることの是非」を考えてしまうが、おもしろかった。どんな鳥が来るかわからないし、見たことない鳥が来たりした。あの時、庭には未来があった。それと似た未来を感じる。

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著者プロフィール

福岡県保健環境研究所 専門研究員。博士(農学)。1977年、静岡県生まれ(東京都育ち)。専門は淡水魚・水生昆虫の生態学と分類学。生き物の観察会や講演会の講師もしばしば行う。インターネット上では「オイカワ丸」として活動中

「2023年 『自宅で湿地帯ビオトープ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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