ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義

  • 大和書房 (2023年12月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784479394204

作品紹介・あらすじ

【緊急出版!ガザを知るための「まず、ここから」の一冊】

2023年10月7日、ガザ地区のハマース主導のパレスチナ戦闘員による、
イスラエルへの攻撃に端を発し、
イスラエルによるガザ地区への攻撃が激化しました。

長年パレスチナ問題に取り組んできた、
パレスチナ問題と現代アラブ文学を専門とする著者が、
平易な語り口、そして強靭な言葉の力によって
さまざまな疑問、その本質を明らかにします。

今起きていることは何か?
パレスチナ問題の根本は何なのか?
イスラエルはどのようにして作られた国?
シオニズムとは?
ガザは、どんな地域か?
ハマースとは、どのような組織なのか?
いま、私たちができることは何なのか?

単なる解説にはとどまらない、
「これから私たちが何を学び、何をすべきか」
その足掛かりとなる、
いま、まず手に取りたい一冊です。

■目次■

■第1部 ガザとは何か
4つの要点/イスラエルによるジェノサイド/繰り返されるガザへの攻撃/イスラエルの情報戦/ガザとは何か/イスラエルはどう建国されたか/シオニズムの誕生/シオニズムは人気がなかった/なぜパレスチナだったのか/パレスチナの分割案/パレスチナを襲った民族浄化「ナクバ」/イスラエル国内での動き/ガザはどれほど人口過密か/ハマースの誕生/オスロ合意からの7年間/民主的選挙で勝利したハマース/抵抗権の行使としての攻撃/「封鎖」とはどういうことか/ガザで起きていること/生きながらの死/帰還の大行進/ガザで増加する自殺/「国際法を適用してくれるだけでいい」

■第2部 ガザ、人間の恥としての
今、目の前で起きている/何度も繰り返されてきた/忘却の集積の果てに/不均衡な攻撃/平和的デモへの攻撃/恥知らずの忘却/巨大な実験場/ガザの動物園/世界は何もしない/言葉とヒューマニティ/「憎しみの連鎖」で語ってはいけない/西岸で起きていること/10月7日の攻撃が意味するもの/明らかになってきた事実/問うべきは「イスラエルとは何か」/シオニズムとパレスチナ分割案/イスラエルのアパルトヘイト/人道問題ではなく、政治的問題

■質疑応答
ガザに対して、今私たちができることは?/無関心な人にはどう働きかければいい?/パレスチナ問題をどう学んでいけばいい?/アメリカはなぜイスラエルを支援し続けるのか?/BDS運動とは何?

■付録
もっと知るためのガイド(書籍、映画・ドキュメンタリー、ニュース・情報サイト)
パレスチナ問題 関連年表


本書は、10月20日京都大学、10月23日早稲田大学で開催された緊急セミナーに加筆修正を加えたものです。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

パレスチナ問題を深く理解するための一冊であり、特にガザの現状や歴史的背景を平易に解説しています。著者は、イスラエルとハマースについての誤解を解き、シオニズムの成り立ちやパレスチナの苦境を明らかにします...

感想・レビュー・書評

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  • 2023年10月7日に始まった戦争は、**ハマースを中心とするパレスチナ武装勢力がイスラエル南部に大規模な攻撃を仕掛けたこと**を発端とする、極めて深刻な軍事衝突です。
    この日はユダヤ教の祝日「シムハット・トーラー」にあたり、イスラエルにとっては「黒い土曜日」とも呼ばれる歴史的惨劇となりました。

    そして私にとっても忘れられない誕生日となりました。

    きっとこの日を境にイスラエルとパレスチナの問題に興味を持つようになった気がします。
    私自身がイスラエルによる攻撃を止められる訳ではありませんし、その為に何か具体的なアクションを起こしている訳でもない…
    ただ、それでも今までは全くと言っていいほどに無関心だった問題に対し、自分なりに知りたいという欲求は出てきました。

    これからも、せめて知ることに対しては臆病にならず、自分なりに理解する事は続けていきたい。

    本書は「ガザに地下鉄が走る日」(岡真理)を読み終えた時から読みたいと思っていた1冊です。

    重い腰を上げ、図書館で予約をしたのは知之介さんに背中を押していただいたから。
    知之介さん、ありがとうございました┏○

    攻撃の概要
    - ハマースは「アル・アクサの洪水作戦」と名付けた攻撃を開始
    - 約4,300発以上のロケット弾をイスラエルに向けて発射
    - パラグライダーや車両を使ってイスラエル南部に侵入し、21の自治体で市民を殺害
    - レイム音楽祭では少なくとも364人が死亡する大虐殺が発生
    - 約250人のイスラエル人が人質としてガザ地区に連れ去られた。

    イスラエルの対応
    - ネタニヤフ首相は「戦争状態」を宣言
    - ガザ地区への空爆と地上侵攻を開始
    - イスラエル軍は報復として数千人のパレスチナ人を殺害し、ガザのインフラを壊滅的に破壊

    国際社会の反応
    - 欧米諸国はハマースの攻撃を「テロ」と非難
    - 一方で、アラブ諸国や一部の国際機関は、イスラエルの占領政策が根本原因だと指摘
    - 日本政府は双方に自制を求める声明を発表

    この戦争は、**イスラエル史上最も血なまぐさい日**とされ、ホロコースト以来最大のユダヤ人犠牲者数とも言われています。
    同時に、ガザ地区では数万人規模の死傷者が出ており、国際法違反や戦争犯罪の疑いが強く指摘されています。

    この出来事をどう受け止めるかは、歴史・人道・政治の視点から深く考える必要がある!

    (´ρ`*)コホン
    では、本書の内容を踏まえて。

    イスラエルによるガザへの軍事攻撃は、もはや「戦争」と呼ぶにはあまりに一方的で、非人道的な暴力の連鎖である。
    国連人権高等弁務官事務所は、イスラエル軍がガザの配給所付近で民間人に対して食料を「兵器化」し、400人以上を殺害したと報告している。

    このような行為は、国際法に照らしても明確な戦争犯罪であり、イスラエル軍法務総監自身が調査を命じる事態にまで発展している。

    この惨状を前にして、国際社会は何をしているのか。
    アメリカはイスラエルへの軍事支援を継続し、選挙ではイスラエル系ロビー団体の資金が候補者の命運を左右するほどの影響力を持つ。
    イスラエルに対する国連決議に棄権する姿勢は、もはや「中立」ではなく「黙認」である。
    日本も例外ではない。2023年にはイスラエルと「包括的パートナーシップ」を結び、経済・技術・安全保障の分野で協力を深めると発表した。
    このような外交姿勢は、ガザでの人道危機を前にして、倫理的に許されるものなのか。

    イスラエルの歴史を振り返れば、この国の成立そのものが複雑な政治的背景と暴力の連鎖の中にある。
    1948年の建国は、ユダヤ人にとっては悲願の達成であったが、同時にパレスチナ人にとっては「ナクバ(大惨事)」であり、70万人以上が故郷を追われた。
    その後もイスラエルは中東戦争を繰り返し、1967年の第三次中東戦争ではガザ地区を含む広大な領土を占領した。
    国際社会はこの占領を違法としながらも、実効支配は続き、ガザは封鎖され、住民は「生きる権利」すら奪われている。

    イスラエルは自国の安全保障を理由に、ガザへの空爆を正当化する。
    しかし、病院や学校、避難所までもが標的となり、子どもたちが命を落としている現実を前にして、「安全保障」という言葉は空虚に響く。
    国際刑事裁判所(ICC)は、ネタニヤフ首相に対して戦争犯罪の容疑で逮捕状を請求しました。
    それでもアメリカはICCを非難し、日本は沈黙を続ける。

    このような国際政治の欺瞞に対して、私たちは声を上げなければならない。
    イスラエルの歴史を学ぶことは、ユダヤ人の苦難と迫害の記憶を理解することでもある。
    しかし、その記憶が新たな迫害の正当化に使われるならば、それは歴史の冒涜である。
    ガザの子どもたちが飢え、爆撃に怯えながら眠る世界を、私たちは容認してはならない。

    日本の政治家がイスラエルとのパートナーシップを結ぶならば、その前にガザの現実を直視し、国際法と人道の原則に基づいた外交を展開すべき。
    戦争犯罪を非難することは、政治的立場ではなく、人間としての最低限の倫理だと思う。

    イスラエルの歴史は、迫害と抵抗、建国と戦争の繰り返し。
    その中で、平和を希求する声も確かに存在した。
    しかし、今のイスラエル政府が進める政策は、平和とは程遠く、暴力による支配と排除の論理。

    この問題を何とかしなければならない。

    それは、ガザの人々のためだけではなく、私たち自身の人間性を守るためでもある。


    <あらすじ>
    『ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義』は、2023年10月に京都大学と早稲田大学で行われた緊急セミナーをもとに書籍化されたもので、イスラエルによるガザ攻撃を受けて編まれた一冊です。

    本書は、ガザ地区の現状を理解するための「入口」として、歴史的背景から現在の人道危機までを網羅的に解説しています。

    第1部:ガザとは何か
    - **イスラエルによるジェノサイド**と繰り返される攻撃
    - **イスラエル建国の経緯**とシオニズムの誕生
    - **パレスチナ分割案とナクバ(民族浄化)**
    - ガザの人口過密とハマースの誕生
    - **封鎖されたガザ**での生活:停電、汚染水、失業、栄養失調
    - **抵抗権としての攻撃**と国際法の視点

    第2部:ガザ、人間の恥としての
    - **忘却と情報戦**による国際社会の沈黙
    - ガザを「巨大な実験場」とするイスラエルの戦略
    - **言葉とヒューマニティ**の回復を訴える
    - 「憎しみの連鎖」で語ってはいけないという警告
    - 問われるべきは「イスラエルとは何か」

    質疑応答・付録
    - 私たちに何ができるか?
    - 無関心な人への働きかけ方
    - BDS運動とは何か?
    - 学びのためのガイド(書籍・映画・情報サイト)

    この本は、報道では見えづらいガザの実態を明らかにし、「中立という不正義」に対する批判を含みながら、読者に思考と行動を促す構成になっています。

    もっと深く知りたい場合は、[大和書房の公式紹介ページ]や、[クリスチャントゥデイの書評]も参考になりますよ。興味があれば、オーディオブック版も配信されています。


    本の概要
    斎藤幸平さん推薦「『この問題は難しい』は沈黙の言い訳にはもはやならない。本書以降、沈黙は加担である」
    永井玲衣さん推薦「すさまじい本だ。とてもわかりやすいので、何から学べばと立ち尽くしている人に読んでほしい」


    【反響続々!】
    書評「朝日新聞」三牧聖子氏評「惨劇の真因を歴史的文脈で解く」(2024/2/10)
    書評「東京新聞」いとうせいこう氏評「政治思想による執拗な暴力」(2024/2/25)
    著者インタビュー『週刊文春』「著者は語る」(2024/3/14号)
    著者インタビュー「AERA」「ガザ・パレスチナ問題を受け緊急出版された一冊」(2024/2/24)
    ほか書評・紹介多数

    【緊急出版!】パレスチナ問題は決して〝難しく〟ない。
    歴史的文脈と問題の本質がわかる「まず、ここから」の一冊】

    ■目次■


    ■第1部 ガザとは何か
    4つの要点/イスラエルによるジェノサイド/繰り返されるガザへの攻撃/イスラエルの情報戦/ガザとは何か/イスラエルはどう建国されたか/シオニズムの誕生/シオニズムは人気がなかった/なぜパレスチナだったのか/パレスチナの分割案/パレスチナを襲った民族浄化「ナクバ」/イスラエル国内での動き/ガザはどれほど人口過密か/ハマースの誕生/オスロ合意からの7年間/民主的選挙で勝利したハマース/抵抗権の行使としての攻撃/「封鎖」とはどういうことか/ガザで起きていること/生きながらの死/帰還の大行進/ガザで増加する自殺/「国際法を適用してくれるだけでいい」


    ■第2部 ガザ、人間の恥としての
    今、目の前で起きている/何度も繰り返されてきた/忘却の集積の果てに/不均衡な攻撃/平和的デモへの攻撃/恥知らずの忘却/巨大な実験場/ガザの動物園/世界は何もしない/言葉とヒューマニティ/「憎しみの連鎖」で語ってはいけない/西岸で起きていること/10月7日の攻撃が意味するもの/明らかになってきた事実/問うべきは「イスラエルとは何か」/シオニズムとパレスチナ分割案/イスラエルのアパルトヘイト/人道問題ではなく、政治的問題


    ■質疑応答
    ガザに対して、今私たちができることは?/無関心な人にはどう働きかければいい?/パレスチナ問題をどう学んでいけばいい?/アメリカはなぜイスラエルを支援し続けるのか?/BDS運動とは何?
    ■付録
    もっと知るためのガイド(書籍、映画・ドキュメンタリー、ニュース・情報サイト)
    パレスチナ問題 関連年表
    本書は、10月20日京都大学、10月23日早稲田大学で開催された緊急セミナーに加筆修正を加えたものです。


    著者について
    岡真理(おか・まり)
    早稲田大学文学学術院教授、京都大学名誉教授。1960年生まれ。東京外国語大学アラビア語学科卒、同大学大学院修士課程修了。在学時代、パレスチナ人作家ガッサーン・ カナファーニーの小説を通してパレスチナ問題、アラブ文学と出会う。エジプト・カイロ大学に留学、在モロッコ日本国大使館専門調査員、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を経て現職。専門は現代アラブ文学、パレスチナ問題。著書に『棗椰子の木陰で 第三世界フェミニズムと文学の力』(青土社、初版2006年、新装版2022年刊)、『アラブ 祈りとしての文学』(みすず書房、初版2008年、新装版2015年刊)、『ガザに地下鉄が走る日』(みすず書房、2018年)ほか。

  • パレスチナ問題について、とても理解しやすかった。
    ハマスについて、イスラエルについて、誤解していたな…
    もちろん、イスラエルにはイスラエルの言い分があるのだろうが、パレスチナ側の知識が全くなかったことに初めて気づいた。
    せめて国際法は適用させようよ。アメリカが阻むのはなぜ、、?と思ったが最後に言及されていた。
    イスラエルを支持するアメリカ内のユダヤ人が資産などを持っているから、国内の選挙戦のために支持しているのか…
    世界中の多くの人がこの問題に関心を持ち、国際法の適用を望めばかわるのかな…
    その上で南アフリカにかつて行われていたようなBDSは確かに有用なのかもしれない。


    イスラム原理主義についても以前読んだ『宗教対立がわかると世界史がかわる』で読んだが、パレスチナとイスラエルの争いに関しては、イスラム原理主義が由来でテロが起きている訳ではないことが多いとわかった。

  • 中立であることが加担することにつながる。
    知らないということが人を傷つけることにつながることがある。
    自分に届いている情報を無批判にうのみにすることの怖さを感じた。
    パレスチナ問題に対する上べだけの断片的な知識でログアウトすることが毎日繰り返されていた。
    この問題だけではなく、世界で起きている非人道的問題に対して。
    きっとそれは対岸の火事で自分にとっては遠い国の出来事だと思っていたから。
    ブクログを通してこの本を知って、この本を読んで、著者の訴えをひしひしと感じた。
    シオニズムが人気なかったこと。
    ガザの農業も漁業もイスラエルによって衰退させられ経済的基盤が崩れ、そして水質汚染がすすみ、病気が蔓延している。電気も制限されているから、病気を治せない。それが「世界最大の野外監獄」という封鎖の実態。
    ジェノサイドが今も進行している。
    歴史をきちんと学び、ガザとは何か、パレスチナとは何か、イスラエルとは何かをしっかりと捉えないで目を閉じ続けてはいけない。
    日本政府がどんな立場をとっているのかその根拠も少し見えてきた。

    • くにちゃんさん
      マイケルさん、先ほどはコメントありがとうございました!

      歴史をしっかり学ぶことの重要性を、私も痛感しています。
      マイケルさん、先ほどはコメントありがとうございました!

      歴史をしっかり学ぶことの重要性を、私も痛感しています。
      2025/03/04
    • まいけるさん
      ありがとうございます。
      歴史や背景があって事件や戦争が起こるんですね。
      流れてくる一方的な情報だけで判断することは
      危険だと思いました。
      パ...
      ありがとうございます。
      歴史や背景があって事件や戦争が起こるんですね。
      流れてくる一方的な情報だけで判断することは
      危険だと思いました。
      パレスチナ側から見ると全然違う風景が見えました。
      2025/03/04
  •  1年前の10月頃だったと思うが、京都市役所前で、「ガザの人々の解放を!」というようなデモを見た。その時、私の感想は本当に本当に失礼だったのだが、「どうしてそんな遠い国の問題についてここでデモしてるのだろう」だった。日本の国の中の問題や外国にしても例えばウクライナのことについてなら報道でよく知っているつもりだった。でも中東のことというと物理的な距離だけではなく、心の距離が遠いのだ。
     そして、更に更に申し訳なかったのだが、イスラエルやパレスチナやイラン、イラク辺りのこととなると、私が物心ついた頃から「いつも戦争している」「血の気が多い民族なのかもしれない」「よく分からないが、多分どっちも悪いのだろう」と実は思っていた。
     「無関心」が招いたことだったと思う。だけど、この本を読んで私のような日本人は実は政治、報道によってそういうふうに意識が向けられるように仕組まれていたと分かった。
     皆さんは、第二次世界大戦中にナチスよって行われたユダヤ人に対する「ホロコースト」についてはご存知だと思う。ヒットラーの「アーリア人至上主義」による民族浄化作戦のためにドイツやポーランド在住のユダヤ人が強制収容所に送られ、虐殺されたあの事件。
     そして、その後、生き残ったヨーロッパのユダヤ人たちはどうなったか?行く宛、帰るあてがなくなり難民となった25万人のユダヤ人をどうしたら良いかという問題を解決するために国際連合が多数決で下した決議が「パレスチナを分轄し、そこにヨーロッパのユダヤ人の国を作る」だったのだ。
    何故、昔からパレスチナ人が暮らしていた土地にユダヤ人の国を作るという発想になったのか。それには19世紀にヨーロッパで生まれた「ユダヤ人によるユダヤ人のための国家を聖地エルサレムに作る」という「シオニズム」という思想があった。どこにいても信仰を変えても「ユダヤ人の血を引いている」というだけで差別されるから、自分たちの国を作るしかないという発想だった。しかし、この「シオニズム」は実はユダヤ人の中でも人気がなかった。敬虔なユダヤ教徒にとってはどの国でもマイノリティで様々な試練に会うのは神が与えた試練であり、その試練を甘受しながらユダヤ教徒として神の教えに従って生きていれば、いつか神はメシア(救世主)を使わして自分達をパレスチナに帰してくれるというのがユダヤ教の教義であり、神がメシアを使わしてもいないのに自分達の手で帝国の軍事力を利用して、神が与えた試練に終止符を打つというのはユダヤ教自体の否定であると考えていた。
     このようにシオニズムには人気がなく、この「パレスチナ分轄案」が出た時にも「ユダヤ人難民問題をホロコーストと関係のないパレスチナ人に代償を支払わせるのは国連憲章違反である」とアドホック委員会で結論が出たにも関わらず、国連総会でアメリカとソ連の多数派工作によって可決されてしまった。
     そして、分轄されたパレスチナの「ユダヤ人」の部分の住人の40パーセントがパレスチナ人だった。このことについてイスラエルの初代首相は「たとえユダヤ国家が出来たとしてもユダヤ人の人口が六割では安定的かつ強力なユダヤ国家にならない」と言った。つまり「民族浄化」を教唆したのである。そして、国連総会がパレスチナ分轄を決議した1947年11月から、パレスチナ各地でイスラエルによるパレスチナ人に対する集団虐殺が行われ、この虐殺から逃れるために逃げ、国境を越えてしまった者は、75年経ち、孫、曾孫の代になっても故郷に帰れない。
     ガザ地区には国連の難民キャンプがあり、非常に人口過密な状態になった。
     2006年、パレスチナで民主的な選挙が行われ、ハマース政権が誕生したが、アメリカの画策でクーデターが起き、しかしハマースが勝利した。アメリカが仕掛けた内戦でパレスチナは分裂し、アメリカやイスラエルが「テロ組織」とみなす(実は違う)ハマースを政権与党に選んだパレスチナに対する懲罰として、ガザに対する完全封鎖が始まった。それは、人間の出入域、物資の搬入、搬出、全てはイスラエルが管理するというものだった。
     集団懲罰は国際法違反であり、ハマースというのは報道とは裏腹に占領された祖国の解放を目指す民族解放の運動組織であり、占領軍のイスラエル軍に対し、国際法上認められている「抵抗権」を行使しているのである。イスラエルやアメリカは都合の悪い報道はせず、あたかもハマースが血に飢えたテロリストのように報道し、日本も本当のことを「報じない」ことにより、アメリカ、イスラエルに加担しているのである。
     封鎖されたガザはどうなっているか。基幹産業は漁業だが、イスラエルにより漁師たちは殺されたり、連行されたりするので、沖合に漁に出ることは出来ない。農産物もガザの外に出荷することが出来ない。汚水処理施設が稼働していないので、生活排水が未浄化のまま海に流され、水道水も飲料水として不適だが、生きるためには飲まざるを得ない。食べるものもなく、住民の八割が国際機関の人道援助に依存しているが、良質なタンパク質でカロリーを賄うことができないので、配給される安い小麦粉や油や砂糖を大量に摂取することによってなんとか生命維持のためのカロリーを賄っている。そしてそのことは糖尿病などの生活習慣病を招く。電気も一日数時間しか供給されないので、人工透析などの医療を行うこともできない。まとまった雨が降ると燃料不足のため排水ポンプも稼働しないので、すぐに洪水になる。ガザの人々は「生きながらの死」の状態である。
     そして、さらにイスラエル軍はこの「封鎖」した、ガザにミサイルや白リン弾など最新兵器を使って空から海から陸から何度も攻撃を行ってきた。攻撃するターゲットの規模と全く釣り合いの取れない、原爆こそ使わなくも広島の原爆に相当する大量殺戮を行ってきた。このような不均衡な攻撃は国際法違反である。
     「完全封鎖」したガザのパレスチナ人に対し大量虐殺を行うのは、第二次世界大戦時にガス室に閉じ込めたユダヤ人をナチスが集団虐殺したホロコーストと同じ原理であり、その時「虐められた」ユダヤ人は矛先を関係のないパレスチナ人に向けて、75年にも渡ってジェノサイドを行っているのである。
     アメリカや国際連合もパレスチナの難民に毛布や食糧を送っているけれども、政治的な問題は解決しないどころか、イスラエルに武器を送ったりするなどしてイスラエルを後押ししている。そして、日本も「真実を報じない」ことによって、アメリカやイスラエルに加担しているのである。
     この本を読んで、何も知ろうとしなかった自分を恥じると共に、「報道」というものが信じられなくなった。よく難民の映像が放送され「救いの手を」などといったキャンペーンまで、本当の問題から目を逸らさせるための策略ではないかという気がしてきた。
    そしてもう一つ。
    報道されるように「ハマース=テロ組織」などではないのと同じく、「ユダヤ人=イスラエル」ではない。他人の土地を「占領」して、勝手に自分達の国を作ることは決して「ユダヤ人」共通の悲願などではなかった。良識のあるユダヤ人が世界には多くいる。
    パレスチナとイスラエルの問題は宗教の問題ではなく、政治の問題であり、その「政治」には第三者の国の利害が深く関わっているのだ。
    報道を信じてはいけない。本は読まなければならない。

    • Macomi55さん
      まいけるさん
      コメントありがとうございます。
      本当にこの本を読んで、心が苦しくなりました。
      ホロコーストのユダヤ人犠牲者や今のウクライナ人状...
      まいけるさん
      コメントありがとうございます。
      本当にこの本を読んで、心が苦しくなりました。
      ホロコーストのユダヤ人犠牲者や今のウクライナ人状況のついては教育を受け、報道を知って悲しみや怒りを覚えるのにそれと同等かそれ以上の仕打ちを受け続けているパレスチナ人のことは故意に何も知らさせていなかったとは。
      何となく日本ではアメリカ=正義みたいな感じになっていますが、国家としてはかなりとんでもない国だと思いました(一人一人の人は良い人も悪い人もいますが)。
      世界各地の戦争の始まり方、終わり方が第三者の大国にかなり操られていると分かってきました。ウクライナについてもロシアとウクライナだけの問題ではないですね。
      自分に何が出来るかは分からず、本当は逃げていたいですが、せめて知らないままでいるより勉強したほうが良いですね。
      2025/02/28
    • まいけるさん
      Macomi55さん、読みましたよ。
      ユダヤ教徒のシオニズムについての捉え方
      パレスチナの人々が味わっている苦難などなど
      知らなかったことば...
      Macomi55さん、読みましたよ。
      ユダヤ教徒のシオニズムについての捉え方
      パレスチナの人々が味わっている苦難などなど
      知らなかったことばかりでした。
      池上彰さんの解説を聞いたり読んだりしても
      こんな現状はわかりませんでした。
      大国及びその傘下にいる国が報道していることは
      偏りが大きいことを再認識しました。
      本で知った情報をSNSで広めることも
      できることのひとつですよね。
      ありがとうございます。

      2025/03/05
    • Macomi55さん
      まいけるさん
      早速読んでくださってありがとうございます。
      正直、今は感想をブクログで広げることくらいしか出来ないですが、読んで下さったまいけ...
      まいけるさん
      早速読んでくださってありがとうございます。
      正直、今は感想をブクログで広げることくらいしか出来ないですが、読んで下さったまいけるさんの感想を読んだ方がまた読んでくだされば、ゆっくりと拡散していきますよね^ ^世の中、フェイクニュースはすぐに拡散しますが、ちゃんと調べて執筆された本の内容はゆっくりでも確実に人々に浸透していけるものだと思います。
      2025/03/05
  • ニュースでチラッとも見ることがなく
    今まで知らなかったことが恥ずかしい。
    宇多丸分室で聞いて初めて知った。
    ちゃんと知って行動してる人がこんなにたくさんいるのがすごい。
    今と地続きだから、この本を読んで終わりではないのが辛い。
    岡真理さんや他にもたくさんの人たちがYouTubeや色んな媒体で発信しているのを追いかけたい。

  • イスラエル建国からガザの悲劇は続いている。
    これを読むといかにイスラエルがパレスチナに蛮行な行為を行なっているかがわかる。
    これに無関心な日本人も痛烈に批判している。

    ハマスが紳士的というのは少し疑問❓に思うが、
    中東に関心を持つきっかけになる本だと思う。

    ちなみにこれはYouTube でフリーアナの宇垣美里さんの紹介で手に取った一冊。

  • マンガ「ミステリと言う勿れ」の中で
    整くんが言ってました。
    “真実は人の数だけあるんですよ。でも事実はひとつです。”って。
    わたしはこの本を読んでその言葉を強く思った。

    ニュースで流れるその国の出来事を額面通り受け取り
    事実だと認識していたけど、
    もしかして違ってたのかも。
    歪められた真実のうちの一つだったのかも、と思うと
    ちまたで流れる報道や、うわさの類いまで、
    いったいそれをどこまで信じていいんだろう?と憤ってしまう。

    知識のないわたしにとって
    ガザとは、パレスチナとは、イスラエルとは?
    そしてそれよりもっと昔に起きた歴史の中の事実まで、いろいろ知ることができたのは良かった。

    ここで知ることのできたことはまだまだほんの一部で
    語られていないこともきっとたくさんあるんだと思う。
    だからこっちが悪でこっちが正義!とはまだ言い切れないし、事実に辿り着くには時間がかかるだろう。
    でも、これからも興味を持ったことに対して
    「知りたい!」と思う気持ちを大事にして、世の中を見ていきたいと思う。

  • 本書と『中学生から知りたい パレスチナのこと』(岡真理・小山哲・藤原辰史 著)をたまたま同時に図書館から借りてきているのだが、なぜこの2冊にたどり着いたのかが、自分のことなのに不明である。

    ブクログレビューを拝見して読みたくなったパターンではなさそう(なぜなら、あとからレビューを見渡してみて、そこに自分がいいねを押しているフォローしている方のレビューが、どちらの本にも無かったからだ)。

    ということは、ブクログからお薦めされたのかな?
    わからん。
    ただ、「知りたい」という気持ちがあったから借りたことだけは間違いない。

    20年近く前にも、「パレスチナ問題って何なのかわからない」から、ただの主婦なのに調べてA4用紙4枚にまとめたものがあり、今もそれを見ている。
    本書では、この自分のレポートの内容が完全否定された形だ。
    (もっともイスラエルによるガザ地区の隔離は17年前からなのだが)
    20年前の私にわからなかったことが、本書ではだいぶ勉強になったとは思う。

    ただちょっと疑問もある。
    本書によると、【ガザ地区のインフラが酷い状態(飲み水が汚染されている、汚水は海に垂れ流し、1日の大半が停電、地区外との物流・人流が無い、病院に薬品が無い)と強調されている。
    昨年からの状況ではなく、この17年間ずっと、もっと言ったら1948年からずっと】ということらしい。
    また、本書は講演会をまとめたものなので、ヨルダン川西岸地区出身の方とガザ出身の方(たぶんどちらも女性)のスピーチも載っているのだが、何故パレスチナを出られ今日本で暮らしているのか彼女達の背景がわからない。
    お二人とも現地の大学に通えていた。
    Googleマップでガザ地区を見てみると、もちろん昨年以来の爆撃よりも前のデータなのだろうが、大学もモスクも街並も綺麗だ。
    それに、パレスチナの人達はスマホを持っている。
    だから、【 】の部分しか書いていない本書を読んでも、それはそれでどこまで信じていいのかわからなくなるのだ。

    同時に借りてきていた『中学生から知りたい パレスチナのこと』も、全く認識していなかったのだが、本書と同じ岡真理氏によるものだった。
    そちらも同時に少しだけ読み始めたが、「はじめに」があまりにも難しい。
    本書の方を読んでだいぶ理解できた頭で読んでも導入部としては難しく感じるので、中学生に読んで欲しいなら、「はじめに」はもっと平易な言葉にしないとなと思う。
    そして私は、この後そちらの書籍を読み進めることができるかどうかわからない。
    もっとわかりやすい書籍を求む。

    追記 結局『中学生から知りたい パレスチナのこと』の方は50ページまで読んでギブアップし、図書館に返却。ブクログにも登録しない。
    とにかく文章が難しいし、岡真理氏の持論に賛同できない部分もあるから。

    更に追記 本書だけで終わらせず、『ガザからの報告』(土井敏邦著)を読んで本当に良かった。


  • 子どもに「ガザって何?」「ハマスって何?」と聞かれたら恥ずかしいことに答えられる自信がなく本書を手に取りました。
    私自身のためにも読んでよかったです。テレビやウェブから一方的に流されるニュースでは知りえない事実が多くありました。そして、それらのニュースを見聞きして得た認識には誤りがあることも分かりました。

    多くのメディアで繰り返し使われる「暴力の連鎖」「憎しみの連鎖」という言葉に私もすっかり惑わされて、ニュースを見て胸を痛めることはあっても頭のどこかで他人事だと思ってしまっていたと思います。情けなく、恐ろしいことです。

    この本が出版されたのは2年近く前ですが、残念ながら2025年の夏も何ら解決の兆しは見えていません。
    つい先日、ガザ地区で生後五か月の赤ちゃんが餓死したというニュースがありました。イスラエルが今年10月7日をパレスチナ人の退避期限とし地上侵攻を本格化させる方針であることが発表されました。

    この本を読むと、これらのニュースが意味する理不尽さ・不可解さがよく分かります。すると、では何故アメリカはイスラエルを支援するのだろうかという疑問が生じます。その理由を調べていくとまた次々と疑問が現れてくることとなります。読み進めながら、スマホのAIに数多くの質問をしました。経緯は省きますが第二次世界大戦での日本についても調べました。
    全てが繋がっているのは岡さんの仰る通り、これが政治問題だからです。これまで、そして今日本がパレスチナ問題にどう対応しているのか、その主導は誰がしているのか、それについて国民として支持するのかどうか。
    そのためには私たちはもっとよく知らなくてはいけないのだと思います。

    一方で岡さんはパレスチナ視点に立っている方なので、相対する視点を持った方の考えも読む必要があると現時点では考えています。

    最後に最も印象に残った箇所を以下に抜粋します。
    「もちろん、今生きていくためにはそうした人道支援は不可欠です。でも、封鎖や占領という政治的問題に取り組まずに、パレスチナ人が違法な占領や封鎖のもとでなんとか死なずに生きていけるように人道支援をするというのは、それは封鎖や占領と共犯することです」

  • こちらでの評価が高かったので手に取りました。最近あまりニュースで見なくなったけど、今どうなってるんだろう?と気になったので。

    そして、今起きているひどい現実にショックを受けました。現地で起きていること、もちろんそれ自身も酷い状況なのですが、それが隠されて、ないものにされようとしている状況。わたしもその1人です。申し訳ない思いです。

    そもそも今までイスラエルという国の成り立ちからちゃんと理解してませんでした。第二次大戦のホロコーストのツケを最も関係のないパレスチナの人たちが負わされているというだけでも酷いのに、何十年も封鎖下で明日の命も保証のない民族浄化の下で生きている状況。巻末にも書いてありますが自分になにができるか考えてみたいと思います。

    この本の評価は星とかつけていいものなのか悩ましいところでしたが、星が多いことで1人でも多くの人に目に留めてもらえたらと付けさせてもらいました。

  • 分かりやすかった。読んで良かった一冊。ただこの本に書かれていることも真実かもしれないしそうじゃいかもしれないので、色んな本をもっと読んでみたくなった。その上で自分には何ができるか考えたい。

  • 現代アラブ文学、パレスチナ問題の研究者である著者が、2023年10月27日、ハマ―ス主導のガザのパレスチナ人戦闘員による越境奇襲攻撃に対するイスラエルの攻撃を受け、パレスチナの現状とそれを伝えるメディアの偏りに危機を感じ行った緊急講義。
    第1部は京都市民有志の呼びかけで行われた学習会、第2部は早稲田大学他の学生有志によるセミナーの内容である。
    本書は早稲田大学でのセミナー後わずか40日間でまとめられたそうだ。一刻も早く伝えなければ、という関係者の意志を感じる。
    第1部と第2部は基本的には同じ内容だが、第1部では、京都在住の二人のパレスチナ人のスピーチ、第2部では参加者との質疑応答が最後に掲載されている。

    著者が主張するのは、イスラエルがパレスチナに対して行っている行為は「ジェノサイド(大量殺戮)」である、ということである。過剰な人口密度の状態で封鎖され、生活に必要なものの供給を絶たれ、外に出ようとすると銃撃され、内にいても爆撃を受けて殺される。
    明らかな国際法違反であるにもかかわらず、国際法を適用してほしいという声は無視され続けてきた。現状を報道しようとしない日本を含むメディアは、ジェノサイドに加担しているのと同じ、と著者は強く主張する。

    「憎しみの連鎖」という言葉の危うさに関しても考えさせられた。メディアでよく使われる言葉だが、これには、どっちもどっち、というニュアンスが含まれる。しかし、この問題の根源を知ると、そんな言葉は使えないはずだ、と著者はいう。この言葉を使うのは、この問題の歴史的経緯を知らないか、知っているけれども隠したいのかのどちらかだ、と。

    イスラエルの建国は、ユダヤ人に対するヨーロッパのレイシズムによって居所をなくした離散ユダヤ人たちが自分たちの国を希求したという背景がある。しかし、パレスチナ人が住む地を奪い、社会を破壊し、封鎖したシオニストたちの行動もまた、白人至上主義のレイシズムに基づくものだ、と著者は言う。
    私たちは、この問題に対して、対岸の火事だと知らんふりをしてはいけない。この問題に向き合い、政府に対して主張しないと、いつ自分たちも当事者になるかわからないのだから。

  • ニュースなどでは知れない、歴史的文脈的を踏まえた経過と現状を教わった読書時間でした。

    ただ、このパレスチナとイスラエルの問題を自分が知っても役に立てることがない気がして暗い気持ちにもなった。ガザや西岸地区を思うと苦しくなる。

    そしてこの地域で起こっていることは日本も無関係ではない事実を知りショックでした。

    いままで、なんとなく目についたらニュースを追うだけであった問題でしたが、これからはもっと真剣に見れるようになったと思う。

    平和的に、早急に解決されることを切に願う。

  • 緊急出版!『ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義』発売(12/24) | 株式会社 大和書房のプレスリリース
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000565.000033602.html

    絶望のガザ:インタビュー「イスラエルはアパルトヘイト国家」岡真理・早稲田大学文学学術院教授、京都大学名誉教授 | 週刊エコノミスト Online(有料記事2023年11月13日)
    https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20231128/se1/00m/020/039000c

    「沈黙は虐殺の共犯」岡真理さん ガザ爆撃、京都市内ではデモも [京都府]:朝日新聞デジタル(2023年11月14日)
    https://www.asahi.com/articles/ASRCC5W42RBWPLZB00R.html

    ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義 - 株式会社 大和書房 生活実用書を中心に発行。
    https://www.daiwashobo.co.jp/book/b10040675.html

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ◆政治思想による執拗な暴力[評]いとうせいこう(作家)
      <書評>『ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義』岡真理 著:東京新聞 TOK...
      ◆政治思想による執拗な暴力[評]いとうせいこう(作家)
      <書評>『ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義』岡真理 著:東京新聞 TOKYO Web
      https://www.tokyo-np.co.jp/article/311175?rct=shohyo
      2024/02/26
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      『ガザとは何か~パレスチナを知るための緊急講義』(岡真理著/大和書房) | マガジン9
      https://maga9.jp/240417-2/
      『ガザとは何か~パレスチナを知るための緊急講義』(岡真理著/大和書房) | マガジン9
      https://maga9.jp/240417-2/
      2024/04/17
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      【書評】岡真理著『ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義』 : 書籍 : クリスチャントゥデイ(2024年7月2日)
      https://...
      【書評】岡真理著『ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義』 : 書籍 : クリスチャントゥデイ(2024年7月2日)
      https://www.christiantoday.co.jp/articles/33780/20240702/what-is-gaza.htm
      2024/10/26
  • 冒頭から、ジェノサイド、アパルトヘイト、戦争犯罪、国際法違反などの言葉に衝撃を受けました。

    遠くの国で起こっている民族間対立なのかなと漠然と思っていた問題が、実はとても根が深い政治的問題だったことに、驚きを隠せません。

    イスラエルはどのように建国され、どのような国なのか。パレスチナ人が難民となったのは何故か。現在パレスチナ人が置かれている状況とは。分かりやすく、とても強い言葉で語られています。

    ジェノサイドを見過ごすことは、次のジェノサイドを生み出す。私たちにできることは、事実を知ることから始まるのかもしれません。無知、無関心、忘却、思い込み。それらと対峙することが求められているような気がします。

  • ガザの現状とイスラエルの攻撃、ガザの人道的危機、ハマースとガザの政治状況やガザの水質汚染、健康問題、経済崩壊、失業率など。

    イスラエルは、パレスチナに対してありとあらゆる暴力を、自分たちがユダヤ人であること、ホロコーストの犠牲者であることをもって正当化して、「反ユダヤ主義」だと主張している。イスラエルは1948年から75年間、パレスチナの土地を奪い入植し続けている。

    ガザに関連する様々な問題がレクチャーされていて、この本、一冊でパレスチナの理解を深めることができると言ってもいい。

  • 多くの方が読まれいて、真実が知りたく図書館にて。

    読み始めて、まず数年前に見た、
    映像の世紀バタフライエフェクト、古来パレスチナは、アラブ人とユダヤ人が共存して暮らす場所だった。そこに対立の火種を持ち込んだのは、イギリスだった。情報将校ロレンスは、第一次世界大戦中にオスマン帝国に潜入、アラブ民族独立をあおり、オスマン帝国打倒をもちかけた。しかし一方でイギリスはユダヤ人にも同じ約束をしていた。百年前のひとりの英雄の裏切りから始まる、憎しみの連鎖の物語。
    思い出した。100年前の出来事が今も〜と、当時ショックだったのと無知だったのとで複雑な気持ちになった。
    今のパレスチナ問題は、これとは違うと思いますが、真実を知らなければと思いました。
    こちらの書を読んで自分は、どのくらい理解出来ているのか?ですが、もっと知らなければと感じました。

  • 岡真理さんの「ガザとは何か 〜パレスチナを知るための緊急講義」を読みました。

    2023年10月7日に、ハマスがイスラエルに奇襲を仕掛けた。そして、イスラエルは「テロ組織」である「ハマス」を掃討するために、という名目で、現在(2025.07)までガザへの攻撃を続けている。

    この本は、2023年の10月20日に大学で行われた緊急講義をもとに作成された本、とのこと。


    この戦闘が始まったとき、びっくりしました。え、どういうこと?と。私には、ハマスのしたこと、イスラエルのしていること、どちらも意味がわからなかった。なので、それを知るために、と、池上彰さんの書籍や、YouTubeでの解説や、ニュース番組や、ジョー・サッコさんの「パレスチナ」などを読んで、なんとなくの輪郭を掴んだ、と思っていました。

    けれど、この本を読んで、私が、わかった、と思っていたことも、全体のほんの一部であること、そもそも私たちが「ニュース番組」で見聞きする情報にかなりのバイアスがかかっていること、人道問題だと言われているけれど、本当は「政治」の話なんだということ、いろいろな気づきを得ることができました。

    第二次世界大戦の後、ヨーロッパの国々とアメリカは、ユダヤ人達の国を作ることに決めた。そこにはアラブ人達が住んでいるのに。

    ユダヤ人は「帰還」が許されるのに、アラブ人(パレスチナ人)は自分の家・土地への「帰還」は許されない。パレスチナ人達が家を追われたナクバ(大災厄)が起こった年に採択された世界人権宣言では、人はすべて「自国に帰る権利を有する」と謳われているのに。

    ガザの封鎖は、国際法違反であり、アパルトヘイトなのに、世界は動かない。占領下にあるものたちが、占領からの解放のために,占領軍に対して武力を行使することは国際法上正当な抵抗権の行使なのに、なぜか「テロ」と報道されている。

    「ハマスとは何か」(テロ集団なのか?)と問われがちだが、むしろ問うべきは「イスラエルとは何か?」なのではないか。

    イスラエルがパレスチナに対して行っていることが、国際法違反でありアパルトヘイトであることは、みんなうすうすわかっている。けれど、なぜか世界は動かない。イスラエルの力、ユダヤ人の力への配慮?選挙に勝つため?アメリカの軍事力の傘のしたにいるからアメリカには逆らえない?そうして、見て見ぬふりをしているんだ、私たちは…。

    「忘却が、次の虐殺を準備する」

    気がついても、小さい力では何もできない。政治に流される。そして、いつの間にか、別のニュースに目移りする。そうやって世界が忘れている間に、虐殺は次の段階に進んでいく…。

    どうすれば…。

    少しでも、多くの人に読んでほしい、と思える本でした。

    あぁ、どうすれば…。

  • 昨年からイスラエルが行っているガザ地域への攻撃に端を発して、昨年行われたガザ地域とはどういう経緯で生まれたものなのか?そもそもイスラエル国ができてたから、イスラエルとパレスチナの間で起きている紛争とはどういうものなのか?について行われた緊急講義をまとめたもの。

    日本においては、イスラエルが第二次大戦においてホロコーストの犠牲となったユダヤ人のために建国された国である事、断片的にしか報道されない事、イスラエルの巧みなプロパガンダによって、さもイスラエル国が正当性があったり、他の国同士の対立において使われる「憎しみの連鎖」の様に、きっかけはあるものの双方の度重なる報復合戦のために今となってはどちらに非があると言い切れないものという印象を受けがちだが、それとは根本的に異なるという事を示している。
    パレスチナという地をイスラエル国とするのは国連によって決められた事であるが、それ以来イスラエルは国際法を無視して不当に国土を拡張するだけでなく、ユダヤ人至上主義を貫いて、パレスチナの人々を迫害し、民族浄化遠目指したジェノサイドを、行っているとしている。
    パレスチナ側が国際法に違反して一般人を犠牲にしたケースもあるものの、そもそも不当な占領、人種迫害に対して抵抗する権利は認められており、日本においてはその観点を欠いたまま報道される事が多いために、真実が伝わっていない。


    この本自体は講演をまとめているので、非常にわかりやすく説明されていて、読みやすい。一方で自分の無知を思い知らされるので、読んでいて辛い。
    しかし、末尾の講演で行われたQAの中で、岡真理氏も自分も最初はここで語っているパレスチナの事を何も知らなかった、しかしこれを知って、それが植民地主義と深く関連していて、色々わかってくる様になった。少しずつ学んで知っていけばいいのだと、答えている。
    まさにそんな一歩となる本だった。

  • テレビで報道される情報が偏ったものであると知ることができた。世界で起きていることを適切に知るためには、多角的な視点で起こっている事象を捉えることが大事だなと。自分には関係ないと目を逸らすのではなく、興味を持ち調べるってことを少しずつでもいいから始めてみたいと感じた。

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著者プロフィール

岡 真理(オカ マリ)
東京外国語大学大学院外国語学研究科修士課程修了。現代アラブ文学、第三世界フェミニズム思想専攻。現在、早稲田大学文学学術院教授。著書:『アラブ、祈りとしての文学』、『ガザに地下鉄が走る日』ほか。

「2024年 『イスラームにおける女性とジェンダー〈増補版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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