- 本 ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784479394310
作品紹介・あらすじ
こんなへんてこりんでおもしろい職業ってないかも!
現役書店員さんが、さまざまな悩みを抱えてやってくるお客様に、
ぴったりの本をすすめまくる、
笑いあり涙ありの本屋エッセイ!
今からすぐ本屋さんに行きたくなります!
例えば こんなリクエスト…
・プロポーズするとき指輪と一緒に本を贈りたい
・入院中の本を読まない妻に本をプレゼントしたい
・ワンオペ育児がつらすぎて…
・歴史マニアの彼と旅行に行くことになったが私は歴史に詳しくない
・留学する息子に本を贈りたい
・夫に料理をしてもらうには?
・ワンオペ育児がつらすぎて…
・猫好きな友達に贈る本は?
・ビブリオバトルで「サスペンス」がテーマなら?
・疲れすぎて本も読めなくなったら…
感想・レビュー・書評
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本を通して見えてくるヒューマンドラマの数々。現役の女性書店員が綴る、お客様との交流の記録です。
◇
8年前のことです。夫の転勤のため、勤めていた会社を辞めて石川県で新しく生活を始めることになった私。空いた時間を趣味の読書に費やせると喜んだものの、やがて日々に物足りなさを感じるように。
そんなある日、ふと立ち寄った書店併設のカフェ。座った席の目の前に、スタッフ募集のポスターが。天の導きと思った私はすぐ書店の文具売り場で履歴書を買って記入し、外のスピード写真ボックスで撮った証明写真を貼ってポストに投函したのでした。
数日後に担当者から連絡があり面接に出向いたところ、意外な話を切り出されました。
私が応募したのはカフェでしたが、書店スタッフとして採用したいとのこと。どうやら履歴書に「本好き」と書いたことで書店採用となったようです。
こうして、私の書店員としての日々が始まったのでした。(「はじめに」) ※全59話。
* * * * *
カフェから書店へ配置転換しての採用を、躊躇うことなくあっさり受け入れる主人公。大丈夫かなと思いつつ本編を読みはじめました。
いや驚きました。大型書店で見かける「自分、バイトっすから……」感まるだしのタイプではなく、熟練の図書館司書のような知識と見識をお持ちではありませんか!?
小説やエッセイはもちろん、絵本や漫画に至るまで精通されている森田さん。お客様の要望にきちんと応える姿はまさにプロフェッショナル。小説の中でよく登場するプロ書店員さんって本当にいらっしゃるのですね。
さてこの作品は、その森田さんが雑誌に連載されていた書店員としてのエピソードを5年分まとめたものです。短い話ばかりなのですが、印象深いものが多く満足度が高いエッセイでした。
例えば、第1話「タイトルの謎を解き明かすのだ」のようにうろ覚えの不正確なタイトルで本探しを依頼してくる客や、第2話「プロポーズの答え合わせ」のように ( ここ1番での ) オススメの本を尋ねてくる客への対応を描いた話。
この手の話がいちばん多かったのですが、書店員ならではの苦労と喜びがリアルに伝わってきて、とても楽しく読めました。
また、第16話「ダイエットは青いワンピースのために」や、第36話「美容室での、出来事」、第47話「好きなものが家を圧迫するんです」などのように奇縁を描いたものの他、第25話「書店員とやさしいお弁当」や第32話「疲れると、本も読めなくなるんです」などのように客の悩み相談の相手になる話は、人生の妙が感じられて興味深かったです。
ひょんなことから書店員としての人生が始まった森田さんですが、現在でも転勤族の夫が赴任する先々で書店員としてお勤めになっているそうです。いつか自分の住む町にも来てくださるかもと期待してしまいますね。
カリスマ書店員というよりは、親しみやすい ( 路上で人からやたら道を聞かれるほど話しかけやすい雰囲気をお持ちだとか ) よろず相談員のような森田さん。
その丸顔メガネの円満な笑顔にお会いできる日を夢見ています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者は森田めぐみさん。ダンナさんの転勤によって訪れた地で、書店併設のカフェのスタッフ募集に申し込み、なぜか書店で採用! まいっかと前向きな森田さん、引越しを繰り返す先々で書店員を勤めているそう。そんな森田さんの「書店での出会いエピソード+おすすめ本」です。
『書店員は見た!』って、まさか「書店で客がもたらす騒動・醜聞等を見聞きし、他の店員や客の前で洗いざらいぶちまけて去って行く‥」の? いやいやいや、それは市原悦子だって! 家政婦だって!
小説、エッセイ、児童書、絵本、コミック、実用書など、驚くべき知識量。なおかつニーズに最適な一冊を処方箋の如く即座に提供するなんて、まるで"カリスマ・本のソムリエ"です。書店員の仕事は、森田さんにとって天職だった?と思えます。
ただですねー、私なんぞは店員と客がおすすめ本について会話している場面は、お目にかかったことさえありません。そもそも、これだけ積極的に客に関わろうとする店員さんいます?
1話3ページ程度で、それが59話×紹介本2冊ずつあります。1話が短く次々と(雑誌連載の書籍化なので当然か)‥、こんなに即時対応は無理上とか、こんなに頻繁に会話する(あ、でも5年分か)? などと思ってしまいました。ごめんなさい、こんな方いたらいいな、という願望の裏返しです!
でも森田さん、エピソードの中で明かしていらっしゃいますが、自らお客様に話しかけてしまう性格(だからお客さんからも話しかけられるんでしょうね)で、周り(店員)からも「ニュータイプ店員」「アパレル店員のよう」といわれているそう。
これだけ他の方へ本を紹介できて感謝されようものなら、私だったら天にも駆け上る気分でしょう。
その時の気分に合う本探し、未知の本を知るきっかけとして、読書の幅を広げたい方にピッタリな一冊と思えました。-
全く同感です! 我が意を得たり٩( ᐛ )و
俯瞰するのが楽しいんです! 本との出会いと
発見を求めているんです!
まぁ、「何かお探しで...全く同感です! 我が意を得たり٩( ᐛ )و
俯瞰するのが楽しいんです! 本との出会いと
発見を求めているんです!
まぁ、「何かお探しですか?:はもちろん、
「いらっしゃいませ〜」以外、言われたことありませんが‥2024/07/18 -
こんにちは
初めてコメントさせて頂きます。
感想読んで、ワクワクというか楽しませてもらいました。
私も本屋さんでお客様に声をかけている書店員...こんにちは
初めてコメントさせて頂きます。
感想読んで、ワクワクというか楽しませてもらいました。
私も本屋さんでお客様に声をかけている書店員さんお見かけしたことないですし、声をかけられた経験もないです。
私もこの本読んで、紹介されていた本を図書館で借りたり古本屋さんや本屋さんで購入して読み始めてます。幅が広がりそうです。2024/07/18 -
スノこさん、こんばんは♪
コメントありがとうございます!
独立系書店が注目されてますが、書店だけでなく
店員さんも個性が問われる時代でしょ...スノこさん、こんばんは♪
コメントありがとうございます!
独立系書店が注目されてますが、書店だけでなく
店員さんも個性が問われる時代でしょうか?
いやいや、"自分らしさ"が一番ですね。
スノこさんのコメント、著者はきっと泣いて
喜んでるでしょう(^^)2024/07/18
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もしも…近くの本屋さんに、森田めぐみさんのような方がいたら??本屋さんに行くのがとっても楽しくなりそうです。そして森田めぐみさんのような方を雇用できる本屋さんはいいですよねぇ~!
私が書店に行くときは、この作家さんのこの作品を買いたいって行くので…書店員さんとの交流もありません。でも、この作品が面白いから是非読んでみてとか、すすめられたらとっても嬉しくなると思います。ブクログでもそうですよね!でも、こんな書店員さんいるんだぁ~!と思ってしまいました。どこに行ったら会えるんだろう??
森田めぐみさんがお客さんにおすすめした本も、沢山掲載されています。私がこれまでに読んできた本も何冊かありましたし、興味をひかれた本もありました!が、あえてチェックしませんでした。というのは、これ以上読みたい本を増やすと私の積読が減らせないと思ったからです(汗)。そのうち、偶然森田めぐみさんがお客さんにすすめた本を読むかもしれない…そのくらいに、しておくのがいいのかもと、私的には感じました。-
ぴこさん
ぴこさんこそ、書店員さんになってくれませんか??
そしたら、買いに行きますよぉ~(*^^)v
あ、でも遠いかもだから
ネッ...ぴこさん
ぴこさんこそ、書店員さんになってくれませんか??
そしたら、買いに行きますよぉ~(*^^)v
あ、でも遠いかもだから
ネットでも買えるようにしてほしいです!2025/03/13 -
2025/03/13
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Super8さん、
あらら…そうでした(^-^;
こっちには魅力的な書店がないので、
リアル、ネットで買うことも多いので…
遠くても...Super8さん、
あらら…そうでした(^-^;
こっちには魅力的な書店がないので、
リアル、ネットで買うことも多いので…
遠くても行きたくなるような書店、あるといいなぁ~と思いますね!2025/03/13
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本書では書店員さんがお客様との短いエピソードとともに100冊程度の本を紹介している。
楽しく読了したが…紹介された本がとにかく読みたくなった。
20冊程度に厳選したが、さすがにすべての購入は難しく、書店と図書館に振り分けるつもり。
その作業もまた楽しみ! -
書店員の森田さんの本屋さんでの小さなドラマ。
日々、たくさんの人が本を買いにやってくる。
こういう本を探しているんだけど…と。
タイトルや著者名がわかればすぐに探して対応できるが、ざっくりとした感じだとわかりにくくて難しいだろう。
だけど森田さんは、お客さんと会話しながら的確な判断でお望みのものを薦めるのが凄い。
こんな感じのお客さんがやって来て、こんな話をしたらコレだと思う本を2冊ほど差し出す。
そしてその後も満足したお客さんはリピーターとなる。
話の内容だけで目当てのものを瞬時に思い浮かべて差し出すことができるのは相当な量を読んでいなければできないはず…だと思う。
知識も豊富でいろんなジャンルを把握できているのに驚く。
全59話の会話のなかで選ぶ本がほぼ2冊。
私がおすすめした本として簡潔に紹介文があるが、読みたい!と思わせる文章なのも凄すぎて、読んでいる本であってももう一度読みたくなるほど。
この本を読むと付箋がいっぱいになり、どうしようと思う。
積読本もあるのに…。
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レビューを拝読し、読みたくなった作品。
レビューを拝読したのは結構前なんですけど、読むのを躊躇っていたんですよね。
なぜなら、読みたい本リストも積読も、爆発的に増えてしまいそうだから…( ˊᵕˋ ;)
今年に入って少しずつリストの本を読めているので、このタイミングで手に取った。
現役の書店員である著者が、様々な悩みを抱えて来店するお客さまにぴったりの本をおすすめする、書店エッセイ。
1話3ページほどのお話が59話掲載されている。
コミカルな文体でとても読みやすいし、隙間時間に読むのにもおすすめ。
お客さまの様々な悩みに、まるで自分のことのように考え、 寄り添い、笑い、時には涙し、おすすめ本を選書する森田さん。好きだぁ。
そして、おすすめ本のジャンルの幅の広いこと!
小説、絵本、エッセイ、漫画、詩集、短歌集、新書、ノンフィクションなどなど。
もちろん、内容もちゃんとお客さまにお話されている。
こんなにたくさんの本の情報が頭の中に入っていて、的確におすすめできるなんて…書店員さんってすごすぎる。
私も森田さんと、本のお話をしてみたいなぁ。
合間の「書店員あるある」も、ほっこりしたイラストで好きだった。
書店員というお仕事に少しだけ詳しくなれたような気がする。
自分と似たような悩みを持つお客さまには共感したし、それに対する森田さんの言葉に励ましてもらえた。
本書を読み終えた後、WEBマガジン「だいわlog.」で連載をされていることを知り、最新まで一気に読みました!
そちらもよかったー。
ジャンル問わず読みたい本がめちゃくちゃ増えたので、ゆっくり読んでいきたい。
✎︎____________
娘よ、いつか君も知るかもしれないが、母親って世界一涙もろい生き物なんだぜ。(p.33)
年下イケメンとの恋愛漫画は、現実を忘れさせてくれるファンタジーだからね(p.156)
年を取っていても今日がいちばん若いんだから、新しく始めてもいいのよね(p.169)
節約=我慢ではなく、生活を楽しむための土台だと思えば良いのかもしれません。(p.184)
けんかするってことはいいことですよ(p.217)
ネットでポチればすぐにポストに本が届く時代ですが、それでも書店にはいつだって予期せぬ特別な出合いが待っていますよね。(p.221) -
書店ものを連続で読んでみた。
とにかく筆者の人柄の良さが滲み出ていて、どのエピソードも自然とニコニコしながら読んでしまった。
お客さんやへの寄り添い方も絶妙な距離感で、是非お友達になりたいタイプ。
それにしても皆さん書店に行ったら、こんなに書店員さんに話しかけるものなんだろうか?
私は一度も話しかけたことないし、話しかけている人を見たこともない気がする。
こんな風におすすめ本を教えてもらえるなら、話しかけてみようかなと思ってみたり…
こちらの本でも気になるおすすめ本が、たくさん載っていたので、読んでみよう♪ -
週に1度から2度は本屋さんに足を運ぶ大の本屋好きの私。そんな私は専業主婦。そして本屋で働きたいと言う意欲でいつもメラメラ!しかしながら本屋さんは人気なものでいつも求人がかかっていないのであった…。
そんな私にまた本屋で働きたい欲を燃やしてくれたのがこの一冊。本屋でのドラマにそんな質問あるの?!と驚きつつも、いいなあと指を咥えて読み進めた。とてもライトで読みやすく、ますます本屋が好きになる一冊。読みたい本も見つかるはず!もっと小説に絞ってオススメがあったら嬉しかったなあ… -
こんな風に気軽に声をかけてくださる書店員さんがいる本屋さん、いいですね。読み進めていくと、本を求める人の様々な思いと、的確な本を勧める書店員さんのすごさがわかりました。
私の家から一番近い本屋さんは、この春からセルフレジが導入されて、寂しくなりました。カバーも、かけたい人は自分でかけるんです。だから買いたい本があるときには、ついついポチっと指先だけで、本を買うことが増えました。
おすすめの本に、何冊か読みたい本があったし、本のことを気軽に聞ける広い本屋さんに、少し足を伸ばしてみようかなと思いました。広い本屋さんに行くと、わくわくして、自分の視野まで広がった気になる感覚を、久しぶりに味わいたいと思いました。そこで、著者のような書店員さんに出会えたら、もっと楽しいだろうな、と思いました。-
フリージアさん、こんばんは。カバーを自分でかけるのはたしかに寂しいかも。広い本屋さんはちょっとワクワクしますよね。ワクワクが昂じてふだん覗か...フリージアさん、こんばんは。カバーを自分でかけるのはたしかに寂しいかも。広い本屋さんはちょっとワクワクしますよね。ワクワクが昂じてふだん覗かないコーナーを覗いたりしてると、あれ?もともと私なにを探してたんだっけ?・・・なんてことも(・・;)2024/09/11
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コルベットさん、おはようございます♪
本屋さんに行くと、あっという間に時間がたって、それもまた楽しいんですけどね(*^^*)
やっぱりあれも...コルベットさん、おはようございます♪
本屋さんに行くと、あっという間に時間がたって、それもまた楽しいんですけどね(*^^*)
やっぱりあれもこれもとなってしまうので、図書館に足を向けるのがほとんどです(^^;2024/09/12
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ただただ、おすすめできる本の知識の広さに脱帽!
どうしても自分の好みに偏ってしまうけれど、書店員さんは流石です!
いくつも読んでみたい本もあって、とてもよい出会いとなりました。
お客様とのエピソードも、心温まるものばかりで、森田さんが純粋に人の良い方なんでしょうな…
日々勉強ですね。