ぼくはこうして大人になる

  • 大和書房 (2000年10月19日発売)
3.42
  • (39)
  • (42)
  • (157)
  • (7)
  • (4)
本棚登録 : 476
感想 : 49
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (152ページ) / ISBN・EAN: 9784479650072

みんなの感想まとめ

心の葛藤や思春期の悩みを繊細に描いた作品で、主人公のイッくんは、クラスの中心的存在でありながらも、他人には言えない秘密を抱えています。彼の成長過程を通じて、家族や友情、恋愛の複雑さが浮き彫りになり、特...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 再読。心理描写についていけなくなりつつあるのは、私も大人に(?)なったから?(大間違い)ラストに向けてパズルのように誤解が解けていくけど、前半は胸が痛んで読むのが苦しくなる。こういう作風だって、わかっていたのにな。何でかなー。

  • 家族や友情、恋、思春期の少年らしい悩みに、さらに長野さんお得意のBL要素をプラスした作品。
    主人公・イッくんは、クラス委員を務め、成績優秀でクラスメイトの面倒見もいい中学三年生。でも実は、他人には言えない秘密を抱えている。周りからの信望も厚いと自分でも思っていたけれど、ある事件をきっかけに崩れてしまい、自分の何に価値を認めていいのか分からなくなる。
    不確かな出自と人とは違う性癖、家族にも友達にも甘えられず、心も体も消耗していく様子が痛々しい。そして最後に明かされる過去の出来事の真相。身勝手だと思っていた家族の優しさに心が温かくなる。
    長野さんらしい美しく透明感のある文章が、海辺の田舎町に漂う排他的な雰囲気や、あの年頃の残酷さ、繊細さを際立たせている。

  • この本も例にもれず。タイトルからしてね。
    同性愛ものは普段読まないけど、長野まゆみさんの本はすき。いやらしさを超越して、なんだかアートのような、尊い綺麗なものに感じるから不思議。
    直接的な表現もあるけれど、全体として抒情的で透明感がある。(それをクサいと思う人はいそうだけど)

    人とは違う性癖というのは苦しいだろうなあ…,。
    同性間の恋愛というモチーフを最大限活かしながら、心情描写をはじめ、少年と青年のあいだの繊細で軟いその一瞬を描き出すのがとても上手。悩みもがいていて、感情が瑞々しい。
    シリアスな事実が多々出てきたり、読んでいて痛々しい場面もあったから、最後、後味のいい終わり方でよかった。

  • 甘えたくても甘えられない。自分に素直になれない、不器用で、未熟な少年達が成長していくお話。

    日常の中にも微かな色っぽさや儚さが潜んでいて、終始彼等には魅了されっぱなしでした。

  • 苦労性の主人公。優等生で面倒見が良いので、教師たちもついつい頼ってしまい、面倒を背負ってしまう。ああ、たしかにこういうタイプの人いるわ~。
    友人とのつながり、家族の愛情を改めて確認する。中学生って、そんな年頃よね。

  • 中学1年の頃に何度も読み返していた本。
    自分が読書好きになった原点の本ともいえる。

    あれから10年たって再び読み返してみた。
    やはり素晴らしい本だ。

  • なんていうか、安定の長野さんらしい感じストーリー構成と登場人物だったなあと思った。
    そして、名前が相変わらずすごい。百(もも)、十(みつる)、一(はじめ)。ふむ。

    以下、個人的な印象のお話ですが、長野さんの物語の登場人物たちは、
    ①主人公が憧れているというか綺麗どころというか片思いしてるノンケ。
    長野さんの物語の登場人物たちの傾向は、たぶん、
    ②主人公と付き合ってる(というか関係を持ってる)相手。
    ③主人公にうっすら片思いしている気配のある(少なくとも好意的な感情のある)友人。しかも大抵物分りが良い。
    ④主人公の世界に新に加わる人物。はじめは主人公と折り合い悪かったりするけど、最終的には良い感じに分かり合う。でもくっつかず、離れ離れになることが多い。
    みたいな傾向にあるというか、こういう感じで相関図が成り立ってるような印象。

  • 主人公は、途中、これでもか! と言われんばかりにエライ目にあっている。その場面を読んでいる最中は、痛々しくてしょうがなかった。
    作者は、甘えたくても甘えられない、不器用な少年を書くのに長けていると思った。

  • ウオオオオオオオオ…カラッとライトに美少年たちの戯れが…
    設定からして好みだなあ…こういうごてごてしたの好きだから…伊達眼鏡、クラス役員、でも憂鬱、甘やかされないなどなど。あ、あとトラウマとかね。
    もっと大きなお話かと思ったらそうでもなかった。極普通のありふれた中学生。……ありふれた? うん。転校生七月との複雑な距離感とか。健の適当さも中学生っぽくていいな。
    一がぼろぼろに疲れちゃう場面はガッツポーズしてしまった。好きだわ。でも解決までが割とあっさりで拍子抜けしちゃったかもしれない。あと、トラウマのくだりは個人的にはものすごく楽しいんだけど、種明かししてほったらかし感があったかなあ。掘り下げるならもっと…!
    予想以上に爽やかに終わった。でも長野さんって割と後味のいい終わり方のお話が多い気がする。ものによるか。でもこれはめちゃくちゃ爽やかだな。中学生だもんな…
    ハブにする過程とかはなんだか妙にリアルでちょっと怖かった。中学生って一番怖い時期だと思う。
    一と亜細亜の絡みとかもっと読みたいなあ。長野さんの描く、ちょっと離れた身内の保護者ポジション大好き。従弟とか叔父とか。

  • 苦い

  • 長野さんの作品の中で一番好きな本です。
    中学の頃から数年間何度も読み返して、読み返すたびに色んな発見があり飽きることなく楽しく読めました。また自分の成長によって自然と分かるようになる部分もあったりと、思い出深い作品です。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    ぼくは生意気でユウウツな中学三年生だ。
    この夏、十五歳になる―。
    繊細にして傲慢、冷静にして感情的な少年たちの
    輝かしい季節を描く、とっておきの成長物語。


    ************

  • 何ともやるせない気持ちで、どう表現していいかも分からない気持ちが、常に心の中でヴェールのように付き纏っていた。そんな時に出会った本。
    単純にタイトルに惹かれて手に取り、自分と同年代の子の話らしいということもあり、読んでみた。
    内容は、男の子を好きな男の子の話。この子の気持ちが分かったとか、共感できたというわけではなかったけれど、何故か私は救われた。感激したからかもしれない。心に感じて、心に刺激が突き刺さった気がした。
    著者の長野まゆみさんは、私が初めて好きだと感じた小説家です。

  • 優等生で、クラスの皆から頼られている一
    けれど、一はそうして頼られることでしか自分の価値を感じられないところがあった・・・
    この心境に共感できたとき、虚しいさを覚えずにはいられませんでした。
    まるで、今の自分を見ているようで・・・

    大人になる(精神的に成長する)のは一だけではなく、クラスメイトの人達も同じで
    手助けを必要とされなくなったときの一の脱力感もまた、虚しく感じるものでした。

    それにしても、やはり長野まゆみさんの少年愛はいいですね、ときめきました。
    そのことをすんなりと受け入れられない一の心理も、一部共感できるところがありますし
    最初は自制を保っていたのに、いつの間にかそれが保てなくなった場面が良かったです。

  • そんな経緯があったのね…

  • 強か者を装っても今ひとつ成り切れず、何かの拍子でポキン、と折れてしまうあたりがたまらなく「少年」なんだよなぁ…
    七月よりも亜細亜との関係の方に激しく興味が湧いてしまった。

  • イッくんの成長物語。
    自分の役割を淡々とこなしていたつもりが、
    実は結構がんばりすぎちゃってて…。
    http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-54.html

  • 再読。長野まゆみの硬質でキラキラした少年世界は好きだけれど、現実世界を描いたものには、微妙な生々しさが加味されて、彼女が目指した着地点に私もきちんと降りられたのか、わからなくなります。これもそうでした。

    深くつきつめればとことんシリアスな話にもなりますが、中学生の不安定な心理描写を最優先させて、裏に潜む重いテーマからは抜け出しています。ただそのことで、読後感の収まりの悪さは多少生じます。
    でもそれがティーンエイジャーの抱えるもやもやした感じにちょうどよく合っていました。

    彼女の作品の登場人物は、複雑な相関関係を持つことが多く、この作品もそうですが、キャラが立った人物描写や主人公のモノローグによって、ややこしい人物相関がうまく理解できるように工夫されています。

    ファンタジックな「少年アリス」も、こんな風に大人になっていって、少しずつ現実社会との距離が縮まっていくのかなあと思いながら読みました。

  • ほろ苦い。全部投げ出したくなるほど、空は青い。

  • 十五歳、同い年ですね←
    二人の関係が、すごく、好きです。

全40件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

長野まゆみの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×