メルカトル

著者 :
  • 大和書房
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本棚登録 : 666
レビュー : 107
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479650096

感想・レビュー・書評

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  • こういうお話好き。地図の埃っぽい匂いとか、屋根裏部屋の寂しいような夕暮れとか想像する。

  • 表紙は著者が描いたもの。船員が風の方向を記すために書いた図。
    表紙を開いた所が艶のあるツルツルした群青色。マットな質感が多い印象だから、珍しい。
    読むのに疲れた。精神的にも。
    好きな人は好きなんだろう。

    地図収集館の新米受付リュスのメルカトル家族との関わりなんだけど何かすっきりしない。

    登場人物は家族か関係者。
    リュスの実母エルヴィラ・モンドの変装か、娘のダナエでルゥルゥの変装か、マネージャーか、
    警察位は赤の他人。
    本当にリュスが可哀想で不憫で泣いてしまいそう。
    どんな状況で捨てられたのかは不明なままだけど、船首の女神像に入れられてたのを拾われたって聞いて、棺桶イメージとか、
    夢や希望どころか何かあったら疑われる立場に居て今もその頃のまま。
    学費を稼ぐ為に働いてるのに、アパートの女主人と仲のいいクリーニング屋に服を出さなきゃならないし、そのお金もないからと断ろうとしたら立て替えとくって、どんだけ搾り取るわけ?
    本当は血縁者なのが分かって、良いように運ぶんだろうけど、無かったら搾り取られるまま?
    リュスにも、その母親にも、苛立つばかり。
    少年が年上の女に振り回される話多いけど、駄目だった。今までは大丈夫だったけど、読み返したら駄目になってたりするのかも。

    冒頭のメルカトルはロシア人の実父か、祖父のメルカトルか。

  • リュスが振り回され過ぎ。凄く淡々と生きているリュスには好感が持てるのですがそのせいで上手に騙されていて、不思議な物語になってます。

  • リュスの涙がとても綺麗だった。

  • 答え合わせをするように進んでいく構成、そして血縁モノと、長野さんらしい作品。
    ハッとさせられるような言葉がさらっと書かれてるところとかも。

  • 地図収集館で働くリュスの周囲で、次々と起こる不可思議なできごと。何ともお洒落なおとぎ話。
    傍若無人な人がやって来ては無理難題を押し付ける。リュスは断ることもせず、流されるがごとく巻き込まれていく。しかしその無理難題には裏があり…
    そんなバカなという展開を、さもありなんと見せるのが長野まゆみの世界なのでしょう。道具立てから登場人物なにもかもが作られた世界ならではの艶やかさに包まれています。きらびやかなんだけれどシックなビジュアルが浮かび上がってきました。この世界にどっぷりとひたれるかどうかが、この作品を楽しめる鍵となるのでしょう。舞台劇のような感覚をたっぷりと楽しみました。

  • 孤児院で育った子が母親&親族と巡り合い、家&ガールフレンドまでゲットする・・・メルヘンだわ。
    女優の母親と知らずにベッドインなんてことにならなくて、良かったよね。

  • 変な路線に行ってしまっていた作者でしたが、これは久々に読み応えありました。昔のものとも違うよさがあり、わたしは好きですね。小川洋子さんの「猫を抱いて象と泳ぐ」を思い出しました。

  • 「私が行きたいのは、羽を生やしたお客が行列する店よ。」

    もしパートナーができて、
    公園でごはん、ということになったら、
    この言葉を是非使ってみたい。

    「口許のきれいな男の子は信用できるから。」
    これもまた、ほんのりと共感。


    長野さんワールド全開な物語ですね。
    言葉が紡ぐ主人公リュスの
    控え目で、冷静な視点から
    様々な登場人物の色とりどりな
    騒がしさが放たれています。

  • 何処かの世界の何処かの国を舞台とした不思議ストーリー。
    孤児であるリュスは17歳になり、大学に進むための学費を稼ぐため遠くの町へ引っ越し、地図収集館で働いている。

    慎ましく暮らしていた彼に次々振りかかる奇妙な出来事。
    物語は最後綺麗に収束するのだが、ポンポンわけのわからない人が出てきて混乱した。何が正しいのか主人公と同じように迷ってしまう。

    相変わらず主人公は理不尽な目に遭い、自分勝手な人々に振り回されるのだが、他の作品に比べ不幸度というか災難レベルは低め。
    女の子と可愛らしい交流をしているし。

    大人向けのファンタジーである。

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの まゆみ)
1959年東京生まれの小説家。女子美術大学卒業。1988年『少年アリス』で文藝賞を受賞。2015年、『冥途あり』で泉鏡花文学賞、野間文芸賞を受賞する。『新世界』『となりの姉妹』『箪笥のなか』『よろづ春夏冬中』『メルカトル』『カルトローレ』『45°』『ささみみささめ』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『左近の桜』シリーズなど著書多数。

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