新型「うつ」原因は首にあった!

著者 :
  • 大和書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479782001

感想・レビュー・書評

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  • 「首こり」理論の松井 孝嘉先生の書籍です。

    ■ 購入対象者

    ・「うつ」と診断されるものの、薬の効果が余りない方
    ・「うつ」と診断されるものの、どうにも納得のいかない方


    ■ 内容

    「うつ」と呼ばれる病気の多くは「首こり」が原因だった!

    という従来の「首こり」本のスピンオフ本です。

    「踊る大捜査線」シリーズにおける「容疑者 室井慎次」のような立ち位置です。

    内容は例によって他の「首こり」シリーズと同じものとなっており、

    1.首のコリが酷いと要注意
    2.首のコリが酷いと、筋肉がカチコチになり、血液パイプが圧迫される
    3.血液がしっかり循環しなくなり、栄養・酸素が届かない。老廃物が回収されない
    4.筋肉が更に疲労蓄積し、更に機能不全に陥る。
    5.更には自律神経系のトラブルへと発展してしまう。
    6.益々首のコリが酷くなり、「うつ」と見られるような症状も起こる。

    といった「首こり」の流れの解説となります。

    また、「うつ」と呼ばれるものには二種類あり

    1.「真性のうつ」
    2.「うつ状態」

    があるとしており、日本の多くの「うつ」診断は「後者」のものだという前提にたっています。

    本質的に最も大切だと感じるのは

    「血液循環」の重要性に尽きます。

    人間の身体は常に循環を前提としてバランスが取られているので、その循環が崩れる事によって全ての歯車が崩れ始めます。

    どのような対処法にしても、本質的には「循環」を正常化させる。
    そして、自然治癒力による回復を待つ。

    これに尽きるのではないかと思いました。

    (同)腰痛治療ナビ

  • 首が大事である、ということは知っていたが、器質的トラブルが元でこれだけの症状が起こりうることを図解・対処法を織り交ぜて説明されていて、なぜ首なのか、腑におちた一冊。

    ゲーム機器の小型化と入手しやすさから、子供たちが外で遊ばなくなった後、20代のうつ有病率が高くなっていることも、この頸性神経筋症候群に関わる症状としてうつを考えると納得のいく解である。

    いくら早起き・早寝の生活リズムを作っても、ウォーキングを頑張ってもなかなか自律神経系の症状が改善しない場合、「自分は何をやってもダメなんだ」と無力感を学習してしまう。
    根本の首・肩周りを見直して、そののち生活改善、と順番を組み替えた治療が必要であることを痛感。その意味で目から鱗の一冊。

  • 脳神経外科医が新発見。クスリでは治らない「うつ」の新治療法!首を治せば、人生は変わる。笑顔が出てきて、人生が楽しく感じられるようになり、前向きに生きられます。(amazon.co.jp)

    整体師からの視点になってしまうが、とても興味深い内容だった。現代社会において、珍しくなくなってきた「うつ病」。本著は過去10年において、自殺者が年間3万人を下らなくなった要因は「新型うつ病」の存在があると説明。新型うつ病の正式名称は、頚性神経筋症候群。首のコリなどによる器質的疾患が原因で、誘発するうつ病のこと。東京脳神経センター理事長・松井病院院長である著者が、長年の臨床経験から培った原因・発症メカニズム・完治症例などを紹介するといった内容だった。

    私の場合、どうしても治療ポイントに興味が沸くのだが、低周波治療器から始まり、遠赤外線、電気鍼、ビタミン点滴などをメインに行っていた。これらは筋肉弛緩を促す有効な物理療法。アプローチする筋肉は、僧帽筋・頭板状筋・頭半棘筋・胸鎖入突筋など細かい筋肉も含めて、頚椎を動かす重要な筋肉は全て治療ポイントになっていた。うつ病までいかなくても過度のストレスを抱えている場合、私の施術経験から見ても、頚椎~上部胸椎にかけての筋肉拘縮が必ずといっていいほどある。科学的な因果関係は解明されていないようだが、脳から自律神経への通り道である部位への不定愁訴は道理に適う。

    また、精神疾患である大うつ病や双極性うつ病との相違点は、精神的症状と身体的症状の出現時期によるとのこと。新型うつは身体症状が先に出て、回復時には精神症状が先に消える。PC・携帯・ゲームなどのデジタル化が進む中で、これからも新型うつは確実に増え続けるだろうとの見解だった。

    新型うつ病も含めて、自律神経系疾患といわれる症状は、検査などのデータ化が容易にできない。多くの医者が安易に精神安定剤などの対症療法に走りがちな部分は否めないと著者も警告している。当ボディケアサロンも筋肉・骨格のアプローチはやらせていただいているので、最大限ケアできる体制・サービス内容を整える必要性を改めて感じた。

  • この先生の主張に納得できることが多いのは、こうした説を発表されるはるか以前から、東洋医学の分野では、うつの治療に鍼灸治療を併用して、首のこり、首の骨の歪みを改善したり、といったことを灸や針で治療、それによってうつ状態が改善するという症例が多数報告されていたからです。西洋医学の分野からこのことが証明されたということになります。

  • H

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著者プロフィール

東京大学医学部医学科卒業後、同大学脳神経外科教室に入局。その後、アルバートアインシュタイン医科大学に渡り、脳腫瘍・脳血管障害を研究。ジョージタウン大学では、世界初の全身用CTの開発に携わり、日本への導入・普及に大きく尽力する。78年に「頚性神経筋症候群(肩こり病)を発見し、診断法と治療法を確立し、首こりに起因する不定愁訴の治療を初めて可能にした。06年に、恩師である東京大学名誉教授・佐野圭司氏を所長として迎え、東京・虎ノ門に「東京脳神経センター」を開設。著書・監修書多数

「2023年 『首こりを治せば体と心の不調の9割は消える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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