Die革命 医療完成時代の生き方

  • 大和書房 (2019年2月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784479784425

作品紹介・あらすじ

死ぬことを考えずに生きる、そういう時代がもう目の前に来ています。――「はじめに」より

診断、手術、創薬、医療機器、救命救急、予防……あらゆる分野で医療は、革命前夜にある。

テクノロジーの進化によって、死の脅威をもたらす病気のほとんどすべてが、姿を消してしまう。「不死時代」の到来――人間と死の関係は、大きく変わろうとしている……!

人類にとって最大の脅威となっている「がん」、生活習慣病を引き起こす感染症、医療の完成を阻む病気のラスボスたち……医療は病気をどこまで克服し始めているのか!?

日本発のiPS細胞技術、いま世界が注目する免疫チェックポイント阻害剤、ゲノム編集……
急激な進歩を見せる医療技術がもたらす「来るべき未来」の姿とは?

これから始まるAI診断、オンライン診療、手術支援ロボット、低侵襲医療、臓器代替、予防ビジネス……
ほとんどの医師がいらなくなる医療イノベーションと、これからの民間医療保険の存在意義。

……最先端の予防、診断、治療、その全部を、わかりやすく解説!

健康と幸せの再定義をもたらす「不死時代」では、どんな生き方が必要なのか。
「不死時代」の恩恵を享受するためのゴールデンチケットがここにある!

みんなの感想まとめ

近い将来、医療技術の進化によって「不死の時代」が到来する可能性を探る一冊です。著者は、iPS細胞やAI、ロボティクスなどの革新がもたらす医療の進展をわかりやすく解説し、病気の克服に向けた挑戦を描いてい...

感想・レビュー・書評

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  • 【はじめに】
    あなたは死を意識しなくなる - 「あと数年です。おそらくあと数年で、医療は完成期へと入っていきます」という刺激的な言葉からこの本は入る。『2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ』で言われていたように、複数の技術が加速度的な進化が同時に起きることでこの10年程度のスパンで多くの社会進化が多くの領域で起きると想定されている。医療が正にその領域の代表的なものであることは確実だろう。「診断、手術、創薬、医療機器、救命救急、予防・・・これらあらゆる分野で医療は次のステージへ登ろうとしています」 - その内容を伝えるのが本書だ。

    『ホモ・デウス』で人類は「不老・不死」を求める、と予告したが、あながちそれが夢想ではないこと - 「不死の時代」の到来 - が具体的にどういうものになる可能性があるのかを説明する。著者は、「医療の完成はすでに9合目」だという。すべての病気を克服してしまうのが「医療の完成」だとするならば、現在は9合目まできているということだ。まだ、10合目に到達するためには厳しいルートを踏破する必要があるが、高さで言うと概ね「9合目」という高さまで登ってきたというのだ。

    著者は、東大医学部付属病院で放射線科の臨床医としてキャリアをスタートさせた後、海外でのMBAの取得、大学の研究室、海外の医学研究所、製薬会社、医療コンサルタント、医療機器会社とほぼ医療業界を網羅的に渡り歩いてきたという珍しいキャリアを持っている。「人生100年時代」にはマルチステージの人生設計が必要であるとされているが、著者は「人生多毛作」と呼び、実際に著者の人生がその通りの人生であったというのである。

    そういった経歴を持つ著者が、「人生100年時代」に向けた技術と認識の革命についてまとめた本。著者自身、リンダ・グラットンの『LIFE SHIFT』の医療的な実践本であり、またアンチテーゼでありたいと思ってこの本を書いたという。『DIE革命』というタイトルで、「不死時代」の到来という死について革命と、「大革命」を掛けているが、その意気込みに敬意を表してきちんと読んで理解する価値がある本だと思う。

    【概略】
    医療によって、ほとんどの病気が治療可能になるということが、この本の最初の主張ポイントになる。この本を読み進むためには、まずはこの点に同意する必要がある。この主張の根拠としては多くの事実がすでに存在している。ここ数年においてもがん罹患者の生存率が伸びていることや、次の有望な治療法である免疫チェックポイント阻害剤が実現されていくであろうこと。また、救急医療体制が整うとともに、不慮の死も減ってきた。急死は周りに人がいない環境において訪れやすいが、これはウェアラブルなどのIT技術の進展や、予防医学の進化でさらに減っていくだろう。また、喫煙率の低下や高血圧などの慢性疾患の管理も広がってきたことも全体の寿命延伸に貢献するのは確実だ。

    <先進医療>
    われわれが暮らす日本は、先進医療に対してもっとも積極的な国だという。その一例として、MRIとCTの一人当たりの台数は世界一、MRIは台数でも世界一だという。おそらくは今後、手術ロボットやAI診断も導入が進むことだろう。手術ロボットや人間の補助ではなく、人間ができなかった手術を可能にするものだ。

    <遺伝子医療>
    先進医療という観点では、おそらくは遺伝子解析が肝になるだろう。遺伝子に応じた薬を提供する「プレシジョンメディシン」も大きく進化している。ゲノムの配列の解析は、人間一人ひとりの体質に合ったオーダーメイドの治療に役に立つ。同様に創薬にも良い影響がある。
    AI技術が加わることで、より多くの遺伝子データと病歴情報という「データ」が重要になってくることは間違いない。
    こうした状況で多くの民間企業がこの領域に出資している。例えば、あのクレイグ・ヴェンダーがヒューマン・ロンジェヴィティ社を設立して、遺伝情報や環境データから不老不死をビジネスにしようとしている。GAFAクラスの企業も積極的だ。Google社は長寿に集中するCalico社を2013年に立ち上げ、糖尿病治療のVerilyに出資している。AmazonはUnity Biotechnology社という長寿に関する会社に2016年に投資しており、最近UBX0101という老化細胞除去薬は臨床試験が始まっている。その他のベンチャー企業の参入も盛んで、例えばBioAge社という老化防止薬に着目する会社も有力らしい。日本でもヤフー社が遺伝子検査のベンチャーのジーンクエスト社と組んで「ヘルスデータラボ」を立ち上げたり、DeNAが「マイコード」という遺伝子解析のサービスを展開している。

    <AI診断>
    AIによる診断も広がってくるだろう。著者によると、医者の診断は大したことができているわけではない。個人個人にはそれほど多様性はなく、必要なアドバイスはおおむねある程度の範囲で決まったものになるという。だからこそ小さな違和を感じ取ることが重要なのだが、優秀な診断医と凡庸な診断医のあいだには、歴然とした力量差があるという。さらに診断は定期的に受けておくにこしたことはない。これらのことから、生身の医者の診断の代替というよりも、補助強化する目的でAI診断が導入されるのではないだろうか。特に画像診断は精度と速度の点でまったく相手にならなくなる。答え合わせのデータも大量にある。医療が特別な機会に受けるものではなく、生身の人間に代わってAIが診断してくれるようになる。

    <再生医療>
    臓器の交換は、その部位によって交換可能性が大きく異なるが、技術の進化によって徐々に取り替えても大丈夫な範囲が増えてきていると言ってよい。角膜は問題なくなっているし、白内障によるレンズ交換(自分もやっている)はその事例だ。いまに、義肢や人工心臓はメガネと同じように身障者とはみなされないようになるかもしれないと著者はいう。一方で、肝臓や膵臓はどういう機能を持っているのかがわかっていないところがあるため、まだすべてを代替するのは難しいらしい。
    印象的なのは、再生医療については日本がiPSという技術にこだわりすぎているのではという指摘している点。Not Invented Hereの考え方に捉われるのは確かに問題であり、無用に非効率・不利になってしまう。一方で、iPSは再生医療における有望な発見のひとつであり、冷静な判断が必要だろう。なお、細胞老化の問題におけるテロメア仮説は、それを避ける方法も含めてまだよくわかっていないらしい。

    また、著者の主張で面白いのが、臓器には耐用年数があり、大事に使う必要がある、という点だ。激しい運動などによる酷使は、臓器の寿命を逆に縮めることにつながるという。適度な利用が必要だということだ。著者は、仮設として、脳神経にも寿命があり、酷使や無駄な利用(脳トレなど)は避けた方がいいと考えていることだ。これは著者が、東大理IIから進振りで医学部に編入し、その後もMBAを取得するなど普通のレベルから言えば脳神経を酷使し続けていたのではと想像すると、言葉通りに受け取ってよいものか疑問はあるところ。

    なお、細胞老化研究の観点では、少し小太りの方が長生き遺伝子と言われるサーチュイン遺伝子の働きにいいというのが、『LIFE SPAN』の著者の共同研究者であり、何度か『LIFE SPAN』の中でも名前が出てきた日本人の今井さんの研究でも明らかになっているとのこと。

    <予防医療>
    著者は、完治させなくても、死に至らないようにするとか、痛みや苦痛を和らげるといったことこそが医療の役割だという。著者はこれを「多病息災」と呼んでいる。今後は何よりも深刻化させないことも含めた予防医療がますます重要になる。
    予防医療に関しては企業も注目しており、FiNCテクノロジーズ、ドコモヘルスケア、イーウェル社、SONPOヘルスケアサポート、DeSCヘルスケア、LINEヘルスケア(エムスリー社と提携)、などライフログを用いた予防プラットフォームを提供している。
    ウェアラブルによって心拍数、心電図などをモニタすることで早めに病院にかかることを促すことができるかもしれないし、一人で自宅で倒れたときに見守り機能で命が助かることも想定される。著者は身につけるデバイスだけではなく、住環境やその他の環境のセンサーで多くのデータが取得可能になるという。いずれにせよ予防という観点において、ライフログがとても重要になってくると指摘されている。誰にどこまでデータの利用を許可するのかという大きな課題が残ってはいるが、こういった技術が不死の時代にとりこまれていくのだろう。

    <認知疾患>
    健康寿命の延伸において重要なのがアルツハイマー病に代表される認知疾患である。特にアルツハイマー病は、発病の20年以上前からアミロイドβが脳内に蓄積し始めているのだという。こちらも治療薬含めて多くの取り組みがなされており、中でも特に『アルツハイマー征服』でも取り上げられたエーザイとバイオジェンの取り組みが非常に注目されるところである。

    【所感】
    どうも「人生100年時代」は歓迎している人が少ないように見えると著者は言う。なぜなら、それが希望のなく寝たきりや痴呆になった老後が長くなり、今でさえ問題になっている高齢化社会の問題がより深刻化すると捉えられているからだ。そうではなく、重要なのは「老化」の治療であり、健康寿命の長期化であり、そうであるがゆえの人生のマルチステージ化なのだという著者に全面的に賛成する。

    本書の監修をした著者の高校時代の友人の小霜さんが、著者の紹介としてあてた中の言葉がまさに認識を変えなくてはならないということを示している。
    「人生100年時代は老後が長くなる時代、というイメージは、「いま」が最終形と思いがちなところから来る間違いです。これまでにまだ人類が体験していない、100年活躍し続ける(し続けなければいけない)時代なのです。それを支えるのは健康というものの新しい認識です」
    小霜さん自身が大病を患い、それを克服して活躍されていることが説得力を増している。

    この本で書かれた事実と著者の分析を知り、不死の時代へのチケットをもしかしたらその一部にでも手が届くのかもしれないと考えたとき、「健康寿命」という概念こそが重要になるということに心底腹落ちする。それは一個人への影響に止まらず、社会的な影響を持つものとして捉える必要がある認識革命だ。
    「健康寿命」を数値的に示すために、いま質調整生存年=QALY(Quality Adjusted Life Years)という概念が注目されているという。このQALYの概念に触れたところで、著者は次のように語る。
    「人間はこれから、生と死という対立する概念のどちらかにあるのではなく、生と死が滑らかに連続するグラデーションのなかにいて人生の長い時間を過ごすことになります」

    手間とお金を掛ければ際限なく寿命を延ばすことが可能になったとき、人々は自らの死をどのようにして、どういったタイミングで受け入れるのかを決める必要があるのかもしれない。

    「不死時代では、ともかく人間のゴール年齢は高くなります」 - 生と死が滑らかなグラデーションでつながるのであれば、明確な引退の日というものも当然なくなるのだろう。

    著者は、健康寿命が伸びたときに生じる、「本来ならいきいきと活躍できるはずの人が、人生で自己実現を果たせなくなった状態で延々と生き続けること」を「リビングデッド」と名付ける。『ホモ・デウス』でユヴァル・ノア・ハラリが今後人類は「至福」と「不死」を求めるようになるだろうと宣言した。そのときはそんなことまで考えることはなかったが、「不死」を実現したとき、「至福」を得るのはますます難しいことであるのかもしれない。

    健康寿命がどのようにして伸びるのかという未来予測の本として読むことがもちろんできる。それ以上に、それを理解した上で「人生100年時代」をどう生きるのかを考えさせる本だと思う。何より、読者の年代によって受け入れられ方が大きく違う本なのだろうなと思うのであった。お奨めできる本。


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    『未来の医療年表 10年後の病気と健康のこと』(奥真也)のレビュー
    https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4065211379
    『LIFESPAN: 老いなき世界』(デビッド・A・シンクレア)のレビュー
    https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4492046747
    『LIFE SHIFT』(リンダ・グラットン)のレビュー
    https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4492533877
    『アルツハイマー征服』(下山進)のレビュー
    https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4041091616
    『ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来』(ユヴァル・ノア・ハラリ)のレビュー
    https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4309227368

  • 近い将来実現するであろう「不死の時代」を見据え、それをもたらすべく進化し続ける様々な医療関連技術の内容と、その恩恵を受けるはずの我々が直面するであろう課題がまとめられた一冊。

    著者は、iPS細胞の実用化やAI、ビッグデータ分析、ロボティクスといった技術の活用などにより、予防・診断・治療の全てにおいて劇的に進化している今日の医療は、その「完成」に向けて「山の9合目」まで来ており、難病や急死といった「病気のラスボス」を突破すれば、人類は実質的に不死、即ち病気によって志半ばで不慮の死を遂げることが無くなり、一部の学説で寿命の理論上の限界とされる120歳まで生きることも可能になる一方、我々自身の意識改革がなければ、単に長期化した人生を「リビング・デッド」として送ることになると警告する。

    所謂「人生100年時代」を幸せに生きるためには、無病息災ではなく「多病息災」を前提に病気と上手く付き合うことや、表面的な健康ブームに踊らされることなく定期的な受診や生活習慣の改善といった予防の取り組みを継続することに加え、“いつ死ぬかわからない”という強迫観念からある程度は利己的に生きるしかなかったこれまでの我々の人生を根本から見直し、利他の精神によって生きがいや充足感を形成し、アイデンティティを再構築することが必要と説く。著者ご自身のこれまでのプロフェッショナルとしてのキャリアとプライベートでの様々な経験に裏打ちされた、実用的でありながらも自己啓発的側面も備えた良書。

  • 医療の完成度はすでに9合目まで来ており、ただし最後の1合を登りきるのは困難な問題が山積みで時間はかかると言っています。

    しかしそれでもなお病気は治るものではないとも言い切っており、その発言には作家の五木寛之氏が言っている「病気は治るのではなく治める」といった言葉が思い出されます。

    医療が進むことで「死ねない」時代の到来すると言っていますが、これは今でもすでに起きている気がします。
    一般的な寿命と健康寿命の格差がそれを物語っています。

    そんな時代をむかえつつあるからこそ自ら死を選ぶという選択に関しての法整備についてはもっと議論が早く進める必要があると思います。

    これから数十年、きっと医療的な面だけでなく人生の生き方の選び方も大きく変わってきそうです。

  •  本書は、医療の進化により、病気は死ぬ原因ではなくなりつつあり、将来は、どのようにして有意義に生きるか?という点が重要になるだろうという、将来の展望を示している。

     確かに、多くの疾病は、治療法が確立してきており、治らないかもしれないが、QOLを低下させずに生きながらえられるようになってきている。一方で、生活の質や高額な医療費などの観点が問題になってきている。
     
     したがって、病気をただ直すことだけではなくて、生活の質をどのように維持していくか、また、不必要な医療費の支出をどのように抑えるか、または、死ぬ権利といったところまで踏み込んで問題提起をしている。

  • 近いうちに病気による死はなくなるのではないか、という話。不調になったら調べるのではなく、常にウェアラブル機器などで体調を監視し、取り返しがつかない状態になる前に発見できるから、ということらしい。医療技術もロボットやAIによって進歩する・・など。
    しかし、仮に死ななくなっても、逆に無駄に長く生きて死ねないことについて、心がついていけるのかという新たな問題がでてくるとのこと。なんでもそうだけど、良かれと思って技術を進歩させているのに、それのせいで別の問題が生まれるね。

  • 「医療技術✕ロボティクス(Ai、サイボーグ工学、ニューロロボット工学など)」を広く横断的に、しかもそれらを利用する側(消費者・患者など)の視点でわかりやすく、一気に理解する方法を探してた。
    これまではそれぞれのキーワードでアンテナ張っていた(ニュースを拾って未知の用語をその都度理解していく)が、この本がその目的を満たしてくれた。

    著者はこの領域の池上彰さんのような存在だと思う。

    先端分野に職を得ると、立場上、何かと公言しづらくなってしまうので、筆者にはぜひとも今の特異なポジションで情報発信を続けていただきたいと願う(Facebookグループで読者らと対話もしている!)。この本を池上さんの「知らないと恥をかく~~」シリーズのように数年ペースで出したら毎回読みたい。

    「(病気による突然)死」がほとんどない長すぎる人生を孤立せず充実した時間にするためには、周囲の人たちから必要とされるよう「利他」を意識し続けること。それが「アクティライフ」という利己的な充実感になっていく、と結んでいるのにも共感する。

  • 医師でもあり,ビジネスや大学やその他複数の経歴を通して医療に造詣が深い著者が,「死ななくなる」将来を語った本.各所に著者の深い洞察が表れており,興味をかき立てられる.

  • 「あらゆる人はすべからくいつか必ず死ぬ」という絶対的な命題のもと、医療のできることは何か、医療の可能性は何か、そして医療の限界は何かを論じた一冊。
    色々な医療者に話を聞くと、まだ人間の身体のメカニズムには解明されていないことだらけだという人が多い。
    この本では「医療の完成は山の9合目」と言う。「9割」ではなくあくまでも「9合目」なのである。9合目から頂上までの道程はきつく厳しい。しかし頂上は見えかけている。
    また「9割の病気は治らない」とも言う。つまり「病気との共存」こそが医療の本質だと言う。
    ビッグデータやAIを用いた医療の未来、臓器代替、ナノ医療、遠隔医療など最新のトピックスにも触れ、独自の論を展開させていく。
    そもそも臓器の寿命は50年程度で、あとはそれを騙し騙し長持ちさせていくようなもの。そう考えると病気との向き合いも変わってくるという展開は非常に納得できる。
    ちょっと独自の考え方が新鮮で刺激的な一冊だった。

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著者プロフィール

1962年大阪府生まれ。医療未来学者、医師、医学博士。東京大学医学部医学科卒。英レスター大学経営大学院修了。専門は医療未来学、放射線医学、核医学、医療情報学。東京大学医学部22 世紀医療センター准教授、会津大学教授を経てビジネスの世界へ。著書に『Die革命――医療完成時代の生き方』(大和書房)、『未来の医療年表――10 年後の病気と健康のこと』(講談社現代新書)、『未来の医療で働くあなたへ』(河出書房新社)など。

「2022年 『人は死ねない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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