相手に届き、自分を変える 心を動かす「声」になる

著者 :
  • 大和書房
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感想 : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479784432

感想・レビュー・書評

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  • ●読もうと思った理由
    自分の声を知り、より良い声にしたいと思ったから。か細くて低いから聞き返されることがよくあり段々話すことが億劫になっている状態で、特に挨拶などの短い言葉を出すのが苦手だった。挨拶は人として、これから社会人として生きていく上で絶対にできた方がいいことだし、自分の声でしっかりと自信をもって言うことができたらなお良いと思って、自分の声を見直す機会を作りたいと思った。

    ●感想
    声についてかなりしっかりと学ぶことができた。自分の中で声が大切なことは薄々気づいてはいたけれど、『脳の奥深くに作用し神経伝達物質を産生させ情動を起こし、その結果として行動や考え方すらも変えさせてしまう力がある』ほどの影響力を持ってることを知ってびっくりしたし、声に真剣に向き合う人は少ないだろうからこそオーセンティックボイスを見つけ、使いこなせたら人生が大きく変わりそうだと想像することができた。読んだだけで満足せずに、オーセンティックボイスをしっかり身につけていきたい。

    ●実践してみたいこと
    ◎自分の声を見つける
    1.録音を聴くことでまず確認する
    ⚪︎場面:普段の仕事や日常会話、友人と話してるときなど
    →なるべく自然に話してる場面で。10〜20分くらいで。何度も聴いてまずは気導音としての自分の声に慣れ、自分を客観的に知る。
    2.声の要素を言語化する
    →声の音をよく聴いて気がついたところを言語化する。そしてその場面を思い出し、自分がどんな状態で話していたかを確認する
    ⚪︎録音した声を聴く際の注意ポイント
    ・音としてどんな感じか(例:やわらかい、金属的など)
    ・声からどんな感情が読み取れるか(例:いらいらしてる、ワクワクしてる、焦ってるなど)
    ・その声を出した時の自分の状態や思いは何だったか(例:早く切り上げようとしてた、ずっと話していたいと思った、お腹が空いたと思っていたなど)
    →この作業によって自分の性格や隠していた本心までもが声に出てしまっていることに気付ける。
    ※声の「音」を聴く。理屈で考えず本能的に「好き、快い」と思う声を見つける。
    ※良いと思う声が見つけられなかったら、録音するときに普段より少しゆっくりめに、そして少し低めに話すことを意識してみる。
    3.定着させる
    ⚪︎「好き、いいな、心地よい」と思う声が見つかったら、その声を出した時のシチュエーションや、自分の状態を思い出し、何度も聴いてその声を耳に定着させ、その声を思い出しながら改めて録音してみる。
    →見つかったら一人で何を話して録音してもOK。自己紹介でもプレゼンや面接の練習でも。1〜2分で。
    ※ストレスのかからない発声のコツ
    ・わずかに顎を引いて首の後ろをすっと伸ばす
    ・ゆっくり安定した呼吸。息を吸ったらお腹と横腹がゆるやかに膨らむのが正解。

    ⚪︎声にはどんな表情で話しているのかも出てしまいます。笑ったり眉を上げたり下げたり、顔をしかめたりこわばらせると、表情筋の動きで共鳴が変化するのです。
    ➡️表情に対応した声の出方を研究してみる。こういう表情で声を出したときはどういう声になるのかということを鏡を見て録音してみたい。

    ⚪︎姿勢が悪かったり、声の通り道である声道を圧迫したり、あるいは精神的に過剰な緊張やストレスがかかったりすると、その声は「健康で安全な状態であろうとする」あなた自身の心身を痛めつけるものになります。
    ➡️姿勢も見直していきたい。背筋のどこを特に鍛えたら姿勢が良くなり猫背が直るのかということも調べておきたい。

    ⚪︎話しているとき、フレーズの途中でまばたきをしてはいけない。まばたきは音色を暗くする。ピッチもわずかに下がる。話しながらパチパチまばたきすると、声が不安定になり、それを聴いてる相手には不安感や信用できない印象を与えてしまう。
    ➡️自分はドライアイでどうしてもまばたきが多くなってしまうから、これについては心の片隅に置いておく程度で少し意識しておく。

    ⚪︎必ず相手の目をきちんと見る。視覚と聴覚という感覚は脳の中で互いに影響し補完しあっている。視線を合わせずに出された声は、相手に届くことなく逸れていく。伏し目で出した声は相手に届く前にすとんと落ちてしまう。
    ➡️やってみる。

    ⚪︎意識的に明るい声を出してみることが有効に働く。だいたいそういうときは眉をひそめて伏し目がちになっているから、眉を上げて目をぱっちり開いて「大丈夫!オッケー!」と声を出してみる。2〜3分はその声の出し方で、1日に何度もやると効果が大きくなる。

    ⚪︎普段から1日に数回でいいから、1分間に4〜5回くらいの深い呼吸の練習をしておく。
    まず息を吐いて、次に2秒くらいで吸って8〜10秒くらいかけて長く吐く。吸う時にお腹が膨らむように、肩が上がらないように。これは心身を落ち着いた状態にするためにもっとも手っ取り早い方法です。長く吐くことで副交感神経が優位になり心拍数もゆっくりになり、脳の興奮も抑えられる。
    大切なのは吐くこと。それもゆっくり。そして吸うときは肩を上げずにお腹が膨らむように。あとは顎を軽く引いて背筋を伸ばす。これだけで美しく見える。
    ➡️起きたときと、寝る前にはとりあえずやることを習慣化していきたい。あとは、暇なときとかにやってみるって感じで。

    《実践することまとめ》
    ・ボイスメモに取り溜めてある声の確認を、まずは毎日30分時間をとって行う。
    30分の内訳としてはアラームを設定し、その時間内でひたすらボイスメモの声を音として聴いて、
    音としてどんな感じか/声から読み取れる感情/その声を出したときの自分の状態や思い を意識しながら言語化する。その中で「好き、いいな、心地よい」と思う声はメモしておく。
    ・嬉しい・悲しいといったエピソードをカメラでとってみて、表情・声の関連性を研究
    ・姿勢を良くするために背筋の鍛えるといい部位を学び、トレーニングに取り入れる
    ・人と話すときは相手の目をきちんと見て話す
    ・起床、就寝にて、深呼吸(まず息を吐いて、次に2秒くらいで吸って8〜10秒くらいかけて長く吐く。吸う時にお腹が膨らむように、肩が上がらないように)を5回行うことの習慣化

  • オーセンティックヴォイスを身につけるために、自分の声を録音して聴いてみようと思いました

  • 「声は特別」って今まで思っていたけれど、その理由がよくわかった。

    〜以下備忘録〜

    言葉、つまり言語野は大脳新皮質(理性や知性の部分)にある。一方、声という音は、より深い旧皮質(快/不快、情動)まで届き、無意識の領域まで踏み込む。

    声には
    「話し手の個性を相手の心に心地よく残す」
    「話していることで自分の心身が良くなっていく」という力がある。
    それは、作り声ではない、本物の声=オーセンティック・ヴォイス。声は自分そのものである。その声を「作り声」のカバーで覆ってしまうということは、自分を隠し、自己を否定することとなり、心身への大きなストレスになる。

    自分自身の声は気導+骨導で聞いている。

    オーセンティック・ヴォイスを見つける方法は、自分が話した声を録音して、自分が好きだなって思う声の音を見つけること。理屈ではなく、本能的に直感的に、好き、快いと感じる声。そして見つけた時には「脳が納得した」という感じを持つことができる。いいなと思う声を見つけたらそれを意識しながら話してまたを録音をして聞き、修正をしてまた録音する。これを繰り返すことで、脳が補正と定着をしてゆく。

    話すという行為によって相手に伝わるものは言葉だけではない。
    子供は親の感情や言葉の裏にあるものを、ダイレクトに受け取っている。脳の奥深くでわかってしまう。子供の敏感な聴覚は、感情的に叱る声を、大人が感じる何倍も嫌だと受け取っている。

    電話の時に明るい響きを持たせるには、声を高くしないで、話す瞬間に少し目を見開くようにして眉を上げる。

  • 自分の声って録音されたものを聞くとなんだか違和感とか嫌悪感がありますよね。

    でも、その声を他人は聞いているわけです。

    「声」ってすごく大事なんだなと思わされる内容で、この本で書かれているオーセンティック・ヴォイスというのはとても素晴らしいですね。

    身体には人一倍興味を持っていますが、案外「声」は盲点でした。

    非常に参考になりました。おすすめです。

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