親の毒 親の呪縛

著者 :
  • 大和書房
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479791720

感想・レビュー・書評

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  • 親との関係に苦しんでいる人に役に立つとは思う。ただし、読み進めるのは結構辛い内容。孤児にはリストカットや摂食障害になる人はいないというのは新しい知見だった。

  • 図書館。対談。岸田秀を数十年振りに読んだ。昔ほど共感しなくなった。原田純さんは知らなかったので小説も読んでみたい。

  • 抑圧的で暴力に訴える親と偽善的で子供を印象操作する親、二つの正反対な親を持った2人がその植えつけられた影響やその抜け出し方について実体験を交えながら説く対談本。どんな親でも許し受け入れ愛す事が美徳であり、他は不誠実であるという風潮を感じつつ違和感を持っていた時に読んだのでとても興味深かった。子供は育てられる内知らず知らずに親の歪みを内包してしまうが、それを否定するだけでは歪みからは解放されないのだというのが印象的。親を愛さなくてもいいと言える環境が必要。親子関係で悩む全ての人に読んでほしい本です、お勧め。

  • 毒親や親の呪縛に関して、客観的に書かれた本は多いが、それぞれ自分の親と自分の関係を例にして対談している本は少ないのではなかろうか。2人の意見の的が食い違ったり、質問を反芻したりと気になる箇所はあったが。

    呪縛に気づいてしまったならば、それを自分で受け止めて乗り越える必要があること。

    子供に対しての愛情とは、子供が親に愛されているということを信じさせることだということ。

  • 2人の対談形式。

    読んでいて、自分はまだまだましと思えた。
    私の場合、それだけでも読んで良かった。

    親子関係の中で、苦しんで生きにくい人はたくさんいる。
    自分の家族だけがおかしくはないんだと。

    理解しながら読み進めるのは、私には傷を開ける作業だったので、
    苦痛だったため星3つ。

    本書では、親の「自己欺瞞」(※)のワードが多く出てくる。
    親が持つ自己欺瞞は、子供へ行き、
    それを受け入れるしかない子供は、
    自己欺瞞の中で、押さえつけられた気持ちと葛藤し、苦しむ。

    子供を愛する親がすべてではない。
    それが正しい現実と言い切っている。

    一般的な親子関係は、良好で、親孝行等をしたり、
    幸せなイメージ。
    それは稀であることを言っていた。

    助けられる。

    親がたくさん愛情をかけたではなく、
    子育ては、子供が愛情を感じているかに焦点をあてるべき。

    同感。

    (※自己欺瞞)
    自分で自分の心をあざむくこと。
    自分の良心や本心に反しているのを知りながら、
    それを自分に対して無理に正当化すること

  • 図書館にて。思うところが合って予約した。
    タイプの違う親を持った二人の対談集。
    この二人ほどではないにしろ、何かしら親との問題を抱えている人がほとんどだと思う。
    親との過去を繰り返し思い出して辛い思いをひきずるのは本当に辛いことだと思う。
    親との話し合いなどでそれを解決できないのなら、自分がどうにかして着地点を見つけるしかないのだろうな。
    親の子供、としてじゃなく個人として存在できる自分。
    自分で乗り越えていくしかないんだなとこの本を読んで改めて思った。

    原田さんがお父さんの会社を引き継いで苦労している話には驚いたが、これが彼女の着地点をいうことか。
    やはり、親子とは不思議なものだと思った。

  • 2人の登場人物(著者)が、それぞれの家庭について、対話形式で自分がどう向き合ってきたかを語っている。
    あとがきで、やっとスタート地点にたったと、いっている。親との関係を、自分自身の問題にするという地点だという。それでこそ苦しみから抜けれるのだ、と。

  • Yasuyuki Matsushitaさんの書評http://bit.ly/mX7JAE を読んで購入していたのをようやく読了。帰省前に読み終わってよ​かった。こんなタイトルの本、親の前では読めませぬ(笑) Ya​suyuki さんもメモしてらっしゃるように、“大事なことは、自分が「子供​を愛している」と確信することではなく、子供に「自分は親に愛さ​れている」と確信させることなんです。自分の心を探って悩むので​はなく、子供の心を探って、「この子は親に愛されていると疑いな​く感じているか」を問題にしたほうがいい。”
    この箇所を読めただけでも価値あったな。
    でも、対談者2人の親との関係は共感できず、すらすら読むことが​できなかった。
    ふと、自分が子ども達に対して、支配したがる母親の傾向が強いの​ではないかと思い当たることもあり、少々恐ろしい気がした・・・

  • 全体をじっくり読むには重過ぎる。ところどころにある、納得できるワードを拾う感じで読むとラク。

  • 毒ほどではないにしても、親の呪縛はある程度誰しも持っていてなかなか逃れきれない問題だと思う。そしてその呪いみたいなものに対して拮抗してゆくのが子供の定めなのかなあと思いました。
    家族のいる家の中で読めない本。

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著者プロフィール

精神分析者、エッセイスト。1933年生まれ。早稲田大学文学部心理学専修卒。和光大学名誉教授。『ものぐさ精神分析 正・続』のなかで、人間は本能の壊れた動物であり、「幻想」や「物語」に従って行動しているにすぎない、とする唯幻論を展開、注目を浴びる。著書に、『ものぐさ精神分析』(青土社)、「岸田秀コレクション」で全19冊(青土社)、『幻想の未来』(講談社学術文庫)、『二十世紀を精神分析する』(文藝春秋)など多数。

「2016年 『日本史を精神分析する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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