自分の小さな「箱」から脱出する方法

  • 大和書房
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本棚登録 : 7860
レビュー : 1002
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479791775

感想・レビュー・書評

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  • 「きみには問題がある」――上司に突然こう言われたら……?会社や家庭で起こるトラブルの原因は自分の「行動」にあるかもしれない。良い家庭、良い会社、良い社会になるためにどんな振舞いをするべきか。

    上司バドと主人公“わたし”の会議室でのやりとりを通して、日常の問題点を紐解いていきます。攻撃的な態度や口調になる、相手の一度のミスを逆手にレッテル貼りをする……気持ちに余裕がない時ほどついやってしまう行動がいくつか頭に浮かび、バドの柔らかくも的確な指摘がぐさぐさと胸に刺さります。
    ストーリー仕立てになっていて、読み手も“わたし”と一緒に疑問点をひとつひとつクリアにしていく展開です。状況を好転させたいときに取るべきアクションとは、まず自分が「箱」の外に出ること。そして「相手を変える行動」ではなく「自分を変える行動」を取ること。自分自身を客観的に捉えるという点で良いきっかけを与えてくれる本だと思います。

    ただ個人的に、世の中には「距離を取った方がいい人」も一定数存在すると思っています。そうゆうタイプの人と接して悩んでいる人には、本書が提示する「自分の行動を直す」「自分が変われば相手も変わる」という考え方に囚われず、さっさと逃げてほしいと思わずにはいられませんでした。
    周囲と良好な関係で、心穏やかに日常を送りたいですね(しみじみ)。

  • いかに今まで自分が自分勝手で、この本のいう「箱に入った」状態だったか、反省しきり。

    自分が思ってる以上に、自分の思ってることは口に出してなくても相手に伝わっている。

    つまり人間は、相手が自分のことをどう感じているかを察知する能力があるらしい。
    言葉でいくらおじょうずを言ってても、ほんと気持ちは伝わっている。

    自分の感情、純粋な思い、相手に対しての思いやりを裏切ることによって、いかに今まで自分を正当化するのに必死で無駄なエネルギーを使っていたか、を思い知った。

    自己正当化のイメージ、そして自分が勝手に作ってしまっている思考の枠、この本では箱の中にいるから、まわりに対して批判的だったのかがわかった。

    なにより箱の外に出るには、自分が箱の中に入っているということを認識して、単純にこの箱の外に出たいと願うこと。
    それには目の前にいる人をありのまま受け入れ、尊重すること。

    人間関係をよくするには、やり方ではなくて、やはり日頃の自分のあり方の問題だと思えた。

  • この本をよんで私は人間関係がぐっとシンプルに考えられるようになった気がします‼
    この本では前置きでこう述べています。


    我々が『人間関係の問題』と呼んでいる一見バラバラな症状、あらゆる問題を引き起こしているのは、たった一つの原因なんだ。それさえ知っていれば、人間関係の問題を効率的に解決でき、問題を一撃で解決できる

    ほんまかいな、と思いながら読み進めると、どんどん引き込まれました。

    箱の外にでる、ということは相手を悩みや希望を持った、一人の人間としてみること。それこそが、箱の外にでるということなのだそうです。こう書くと当たり前じゃん、と思われるかもしれませんが、私たちは普段周りの人のことを「もの」としてみてしまっているのではないでしょうか?

    そして、自分自身が他の人に対してすべきだと思ったことに対して、背く行為を自分自身への裏切りと呼ぶ。いったん自分を裏切れば、自己正当化と言って、周りの世界を自分の裏切りを正当化する視点から見るようになる、と述べています。

    例えば、「私」息子が幼かったある晩、息子の泣き声で目を覚ます。妻が隣で寝ており、妻が休めるように何かをしてあげたいと思った。ところが、「私」は自分がすべきだと思ったことを裏切り、ベッドに入ったまま動かない。妻のためになにかすべきだと思った自分自身を裏切り、逆らって行動したのだ。感情に背いて行動した結果、「私」は自分のことを正当化し始める。眠ったまま起きない妻は泣いている子供を放ったまま狸寝入りを続けるひどい妻、怠け者と評価し始める。自分のことは子供の変化に敏感で、勤勉ないい夫だと評価し始める。翌朝しなくてはならない仕事が、さも重要に思えてきたり。

    起きない自分を正当化する理由になる。そうなると、自分がほんとうに求めているものが見えなくなり、そして、自分が正しい、正当化されることが一番になる。自分が正しいことを証明するために、
    相手を責めるようになる。

    では、箱の中から抜け出すには?
    行動を変えても、コミュニケーションをとっても、自分が箱をもっていることは相手に伝わる。
    肝心なのは、一人の人間として、人と接することと、自分が相手のためにこうしたい、と思うことを実行すること、というシンプルなもの。


    以上がこの本の要旨ですが、この本全体を読んでストン、と腑に落ちた感じがします。

    わかりやすくて一気に読んでしまえるような本なので、職場や家庭での人間関係に一役買うと思います!

  • 人間というのは、常に他の人々に対して、箱の中にいるか外にいるかのどちらかである。箱の中に入っていようと外にいようと、外から見た行動は変わらないが、他の人々に及ぼす影響は大いに違ってくる。組織における成功は、その人が箱の中にいるか外にいるかによって決まり、リーダーとしての影響力も、やはり箱の中にいるか外にいるかによって決まってくる。
    自分がこうすべきだ、ということに逆らって行動する、このような行為を自分への裏切りと呼ぶ。自分への裏切りが、自分自身を箱の中に追い込む。一旦自分の感情に背くと、周りの世界を自分を正当化する視点から見るようになり、現実を見る目がゆがめられる。ときが経つと、いくつかの箱を自分の性格とみなすようになり、それを持ち歩くようになる。自分が箱の中にいることによって、他の人たちも箱の中に入れてしまう。箱の中にいると、互いに相手を攻撃し、互いに自分を正当化する。共謀して、互いに箱の中にいる口実を与え合う。
    箱の中にいると、①相手を変える、②相手と全力で張り合う、③その状況から離れる、④コミュニケーションを取る、⑤新しいテクニックを使う、⑥自分の行動を変える、ように行動することは、しても無駄である。
    箱から出るためには、①相手に逆らうのをやめ、②自分が間違っているかもしれないと考え、③相手のために行動する、必要がある。

  •  もうずっと前に読んだ本なんだけど、思いついたことがあるので書く。
     人が箱に入りたがること、箱に入るとろくなことにならないこと、これはすごい納得なんだけれど、箱ってなんなのか、なぜ人は箱に入りたがるのか、それがどうしても分からなかった。続編を読んでもそうだった。だけど、それが分かったの。
     箱って言うのは「敵から身を守るための構え」なんだよ。箱に入るっていうのは、敵がいるっていうこと。そして、その敵から身を守る、または、自分の利益を横取りされないように、傷つけられないようにするための気持ちのありようが箱なんだ。で、ここで「敵」っていうのは、攻撃してくる相手だけじゃない。利益が競合する人、自分の利益を損なう人も敵なんだ。
     ところが、それは本当は敵じゃないんだよ。その人はあなたの同僚や家族や、あるいは特別な必要を持っている人なだけで、決してあなたの利益を横取りしようとしている訳じゃない。あなたはそれらの人々と、進んで利益を分かち合うことができる。それどころか、そういう心持ちで(=箱から出て)人と相対することで、箱に入っていた時よりももっと大きな利益を手に入れることができる。
     つまり、敵と見なして競合するか、味方と見なして協力するか、前者が箱に入った状態、後者が箱の外にいる状態。相手が本当に敵ならば自分を守る必要はあるけれど、そうじゃない時にも敵と見なしがちで、だから、すぐに箱に入っちゃうんだ。でも、実際はそうじゃなくて(家族や秘書の人は、主人公の敵ではなかったよね)味方なんだから、協力したほうが良いよ、そのほうが物事うまく行くし会社も儲かるよ、っていうことなんだよ。
     で、これはキリスト教の愛の話だよね。自分自身や身内に向ける愛を、すべての人に向けなさいよっていうのが聖書に書いてあると思うんだけれど、これは逆に見ると、人はほっとくと自分や身内は愛するけど他人は愛さないってこと。愛さないっていうのは、利益を分かち合わないっていうことだよね。で、人はすぐに箱に入って自分の利益を守ろうとしがちなんだけれど、そうじゃなくて、誰だって敵ではなくて隣人なんだから協力しなさいよ、それが幸せにつながるんだよってなことなんじゃないか。つまり、善きサマリア人は箱の外に出てるけど、祭司やレビ人は箱の中にいる、ということ。
     とりあえず、なんかそんな感じ。

  • 本書はなかなか面白い例え方をしている。自分の殻のことを、箱と表現しているのだ。そして、箱から出て世界を見ることを勧めている。以下は私のお気に入りの考え方である。本書より抜粋している。

    「相手を責めている場合は、必ずこちらが箱の中に入っている。自分が他の人にすべきだと感じたことに背く行為を、自分への裏切りと呼ぶ。そして、一旦自分の感情に背くと、周りの世界を、自分への裏切りを正当化する視点から見るようになる。 」

    これらを知ってから、自分が他の人にすべきだと感じたことは、率先して行うよう実践している。初めのうちは簡単ではないが、時期に慣れるであろう。自分への裏切りについては、自分自信で薄々気付いていたのだが、このように文章で指摘されると、明確に意識出来る。自身は分かっているつもりであったが、ここまではっきりとは理解していなかったと反省した。

  • 温もりを持った本。
    「君は運悪く、しょっちゅう箱の中に入っている人間と働いていた。辛かったと思う。そうなると、自分も箱にいとも簡単に入ってしまう。でも、相手が箱に入っていることを責めず、箱の存在に気づけたら、その方がずっといいと思わないか。状況を良い方向に持っていくことができるようになる」
    こう言われて救われた気持ちになる人がどれだけいるだろう。周囲の人にこの言葉を言えるように、箱の外にいられる自分でいたい。

  • 人とのコミュニケーションのあり方の根本を説いた本。
    いくら最新の技術や方法を身につけても、
    もっと本質的な部分で自分自身の心の在り方がよくなければ
    その効果はうまく顕在化しないということ。
    それを「箱」という概念を用いて平易に解説されています。
    いろんな場面で役立ちそうな概念です。
    自分自身を振り返っても反省すべき点は多く。
    「箱」からの脱出目指してチャレンジあるのみですね。

  • なぜ自分は「箱」に入ってしまうのか、どうすれば「箱」から脱出できるのかを
    小説形式でわかりやすく教えてくれる本。

    この本の良いところは、無暗に他人を原因としないところにある。
    自分の心を裏切ることを原因としているから、改善するときも比較的スムーズに移行できる。

    そして、この本から真に学ぶべきは主人公の「行動力」。
    方法は実践を伴って初めて意味のあるものとなる。

  • 何かを変えるってことは自分自身を変えるということと
    ほとんど同じなんだよ
    「僕ら」が変わるってことは「世界」を変えるということと
    ほとんど同じなんだよ

    SEKAI NO OWARI「天使と悪魔」を思い出した。

    人を変えるにはまず自分から。
    「表面の行動を変えるのでは人は変わらないぞ!」って耳が痛い話だな。
    箱から出て、相手を生身の人間として見て、自己正当化をやめる。

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