- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784479791812
感想・レビュー・書評
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個性を捨てて『型』にはまれば、何事も上手くいくという主張の本です。
著者は『型』という言葉で統一していますが、規律や慣習のことだったりします。
著者の『型』についての主張は、9割がた賛成です。
報告書などがよい例ですね。無駄な時間を使って個性的なものを提出するより、会社の書式に当てはめて短時間で書いた方が評価されます。
ただ『型』は思考を停止させる側面もあります。事によっては『型』を疑い、『型』の本質を考えることも必要なのではないかと思います。『型』を通して、自分なりの軸ができていけばよいのではないかと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本書は「ドラゴン桜」等の著作のある漫画家・三田紀房氏によるビジネス書で、いわゆる「守破離」における「守」の重要性を説いた本です。
今でこそ「守破離」の概念はビジネス書等で多く紹介されていますが、本書の刊行が2006年ですから早いほうではないでしょうか。
本書の基本的な考え方は、
・ミスはほとんどが「普通のことができなかった」結果
・まずは「普通のこと」ができるようになること
・個性とか才能とかは「普通のこと」ができるようになってから考えればよい
・そのため「型」を身につける
ということ。
また、概念だけではなく、実行するときのため、
・アイデアは「組み合わせ」
・まずパクる
・ベタな王道を歩む
・過去の失敗をリサイクルする
等の具体例もあり、参考になった。
2018/09/07 読了 -
感想】
「ステレオタイプ」と侮るなかれ。
本タイトルにもある「型」とはすなわち「基礎」。成功するためには如何に「型」が大切なのかとてつもなく納得。
今までの人生振り返ってみて、自分がこれまで「個性」という半幻想的なモノを追ってしまった事を反省した。
「型」や「基礎」をおろそかにした挙げ句、結果的に回り道を余儀なくしてしまった経験も多かったからなー。
ご存知の通り、今の世の中の大きなイノベーションのほとんどは、既存の型同士の組合せである事が得てして多い。
アップルしかり、ワンピースしかり、仮想通貨しかり…
一般的である「型」と「型」のバリエーションを吟味し、それらに少し色付けしつつ組合せた事で生まれたアイデアばかり。
つまり、「型」=「基礎」を軽視しちゃいけない。
僕が尊敬してやまないあの坂本龍馬でさえも、当時の武士の「型」の一つであった剣術にまずは専念していたからこそ、たくさんの機会に恵まれることが出来たのだから…
(僕が坂本龍馬を語ると凄まじく長くなるので割愛。)
やはり大なり小なりの事を成す上で、「型にハマる」という事はmustなんだろう。
とりあえず、人生の目標達成へのステップを型通りに行ない、最短距離のスキームをこなしていく事が大事なんですね。
基礎がしっかりしているからこそ、応用がきく。
だから自分も「個性」や「才能」というものを追うロマンチストから早急に卒業し、今一度基礎をしっかりと見直し、固め直す努力を惜しまずにやろう!!
※p188引用※
個性なんか捨てて、とりあえず「型」にはまってみろ。
この世の中、そうすればうまくいくようにできている。
個性なんかにこだわっているから、そこから一歩も動けなくなるのだ。
※引用終わり※
所詮「オンリーワンなんて世間から認められていない」「ニーズがない」という結論になる。
自分らしさやスペシャル感が重視されているという虚像に踊らされて、違った方向性で自分を磨くことなど愚の骨頂なのだろう。
まずは用意された型にハマること。
ハマった上で、いろんなことに挑戦して自分をカスタマイズしていくことが大切なのかなと納得。
では、「型」って一体何なのだろう?
そこからよく分からなくなってしまうなぁ。。。
上下関係を活かして、自分の型とは何か?普段からどういうことを行なうか?
こういったところを教えてもらう。「上からの指示待ち」っていうのも1つの型なのかもしれないね。
【この本から何を実践する?】
・「オリジナル」に酔いしれず、「型」と「模倣」に重きを置くこと。
【内容まとめ】
1.個性も才能もいらない、ただ用意された型にはまればいい。
あらかじめ誰かが整備してくれた道路を猛スピードで走り抜ける。それに勝る近道はない!
2.「型」があってこそ「型破り」になれる
基礎がしっかりしているからこそ、応用もできる。
3.アイデアとは「型の組み合わせ」である。アイデアが枯渇してしまう心配などいらない。
所詮、アイデアとは既存の型の組み合わせなのである。
4.ビートルズのような元祖の存在になるか、ビートルズを模倣する事を受け入れるか。
「真のオリジナル」になれる可能性など、ほとんどゼロ!
不可能に近い事は早々に諦め、素直に影響を受けてバレない程度にパクり、いいところだけをピックアップして上手につなぎ合わせればいい。
5.発明よりも、「模倣と応用」を。パクリから出発することに対する劣等感なんて今すぐ捨てされ!
末端消費者からすれば、どちらが良いかというニーズがすべて!
プライドなんて無駄!なんでも飲み込んでしまう素直さ、寛容さ、そして柔軟性を重視すること!
6.「型」の重要性、有効性について語ってきたが、もちろん型は万能というわけではない、欠点だってある。
その最大のものが、「成長が止まってしまう」という危険性。
【引用】
「個性なんかいらない」
「型にはまってこそ成功できる」
世の中には「これが個性的」という一種の「型」が存在しているだけ。
では、人生における成功の型というものがあるのではないか?
世の中には成功するための型がある!
個性も才能もいらない、ただ用意された型にはまればいい。
むしろ中途半端な個性など逆に邪魔になるだけなので、捨ててしまった方がいい!
p18
あなたは自分の成功について、どれくらい真剣に考え、実行に移しているのだろう?
修行、準備など悠長なことを言っている暇があるなら、さっさと取り掛かってしまえばいい!
ああなりたい、こうなりたい、もっとやりがいのある仕事がしたいと口では大きな事を言いながら、実際は何も行動しない。
→なんて馬鹿げた話なのか?「いつかそのうち」の夢や計画なんて、絶対に実現しないまま終わってしまう!
p20
・成功への近道とは?
どうすれば手っ取り早く、合理的に、そして確実に成功を手にできるのか。
→とにかく、キレイに舗装された高速道路を走ること!
うろうろと探し回るものではないし、自分で果敢に切り開いていくものでもない。
あらかじめ誰かが整備してくれた道路を猛スピードで走り抜ける。それに勝る近道はない!
p27
本当の個性とは、他人と同じ事をやって行く中でこそ、明らかになってくるもの。
同じ事をやって行く中で、違いを見つけ、そこを伸ばし、自分のものにする事こそが個性である。
p32
・パイオニアよりも2番手を狙え!
成功を夢見る人たちは、概してロマンチストであることが多い。
織田信長や坂本龍馬のような異端児ばかりを尊敬し、自分も彼らのように異端児であろうとして他と違った事をやろうとする。
p39
・「型」があってこそ「型破り」になれる
基礎がしっかりしているからこそ、応用もできる。
基礎のない応用なんてありえない!
p46
・アイデアとは「型の組み合わせ」である
アイデアが枯渇してしまう心配などいらない。
所詮、アイデアとは既存の型の組み合わせなのである。
より多くの「普通の」素材を探し、それ同士の組み合わせのバリエーションを変えていけば、アイデアなんて無尽蔵に出てくるはずなのだ!
p50
・オリジナル幻想を捨てろ
ビートルズのような元祖の存在になるか、ビートルズを模倣する事を受け入れるか。
真のオリジナルになれる可能性など、ほとんどゼロ!
不可能に近い事は早々に諦め、素直に影響を受けてバレない程度にパクり、いいところだけをピックアップして上手につなぎ合わせればいい。
コピーを繰り返す事で、結果的にオリジナルに辿り着くというアプローチを受け入れること!
p57
漫画の王道は、「対立」→「葛藤」→「和解」
p59
・発明よりも、「模倣と応用」を。
パクリから出発することに対する劣等感なんて今すぐ捨てされ!
末端消費者からすれば、どちらが良いかというニーズがすべて!
何かを発明することに躍起にならず、既存のアイデアを堂々とパクろう!
そしてそれをどう応用していくかについて真剣に取り組もう!
プライドなんて無駄!
なんでも飲み込んでしまう素直さ、寛容さ、そして柔軟性を重視すること!
もっと積極的に型にはまってみよう!
その型があってこそ、外からの多様な価値観を受け入れ、自分のレベルアップにつながるのだ!
p87
・こだわりを捨てれば身軽になれる!
素直に人の言うことを聞け。
自分にしか分からない妙な思い入れは、所詮「自分にしか分からないレベル」。
サクサクと修正してしまっていれば、どこを修正したか忘れるレベル。
要は、そういうプレッシャー自体を楽しむことができるかどうか。
そして自分だけの妙な「こだわり」を捨てて、周囲の意見を柔軟に取り入れる事ができるかどうかが大切。
しのごの言わず、仕事をスムーズに進めることを第一優先しよう。
素直な部下に対して、上司は何度でもチャンスをくれるものだ。
p93
・大口を叩かず、今の自分の力量を知れ!
「変人よりも凡人になれ」
p124
まず、部下を育てようと思ったら、叱るべき時にはしっかりと叱り、褒める時には惜しみない拍手を送らなければならない。
どちらか一方が欠けてもダメだし、どちらかに偏るのもダメ。
バランス良く叱り、褒めることが大切。
そして実際に誰かを注意するとき、当事者だけを叱り飛ばすとは避けること。
あくまでもその人を注意しつつ、しかし意識としては「その場にいる全員」に言い聞かせるような、そんな叱り方を意識。
そうすることで、注意を受けている人にも「どうして俺が」とか「みんなの前で恥をかかされた」といった気持ちが芽生えなくなる。
・褒める方が難しい。
「前はできなかったこと」が「できるようになった瞬間」を見逃さない。
p171
・武士道精神を捨てて「商人道精神」を!
武士道精神
自らを厳しく律し、主君には忠義を、親には孝行を、下位の者には仁慈を、そして公正を尊び、富よりも名誉をもって貴しとする。
商人道精神
現実的かつ享楽的。その中に逞しさや図太さなどを
p181
・つねに次の「型」を求めよ!
「型」の重要性、有効性について語ってきたけど、もちろん型は万能というわけではない、欠点だってある。
その最大のものが、「成長が止まってしまう」という危険性。
「型にはまる」ということが悪いわけではない。
マーケットは、「型を開拓する人」と「型を成熟させる人たち」によって作られるものであり、先駆者とそのフォロワーがいるのは当然のこと。
ただ、あぐらをかいてしまうと、そのマーケットの縮小と共に消えていってしまう。
コピーするのは構わないが、あくまでもコピーは「何度も」しなければならない。
常にアンテナを張り巡らせて、これから育っていきそうなマーケットに目をつけ、新しい「型」を見つけ続けること。
そうやって「脱皮」を繰り返すことで、成長を持続できるのだ。
p185
意味もなく目立ったり、変わり者になったりするのが個性ではない。
他の人と違うことをするのが個性でもない。
誰かの役に立ち、誰かに求められ、誰かから感謝されることが、その人に存在価値があり、また個性があるという証拠なのだ。
p188
個性なんか捨てて、とりあえず「型」にはまってみろ。
この世の中、そうすればうまくいくようにできている。
個性なんかにこだわっているから、そこから一歩も動けなくなるのだ。 -
とても納得した。
若い人に読んでほしいと思うが、
今の年齢だからこそ響くのかも。 -
納得する
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いたずらに個性を追わず、まず、型を学ぶこと、その後の試行錯誤で個性が出て来る、と理解。
全くの同意。
基本が出来ていないと上に行けない。
若い人に読ませたい本。
そして、親も含めた指導者に読ませたい本。 -
ドラゴン桜、エンゼルバンクの著者。
若い頃に読んでもピンとこなかったかも…
今なら、そうそうと思える。
型っていうのは基礎にも置き換えられると思う。基礎がなくちゃ、砂上の楼閣にすぎない。 -
三田さんは煽る文章を書くのが上手。
印象に残ったところ:
正しい箸の持ち方について
決してオリジナルの「もっといい持ち方」「自分ならではの持ち方」を模索してはいけない。
そんな試行錯誤はもうとっくの昔に先人たちが終わらせていて、「箸の持ち方はこう!」と決まっている
今「正しい持ち方」とされているものは、先人たちが試行錯誤した結晶としての『型』
仕事でミスをするとき、それは9割以上が「普通のことができなかった」結果
パクリとは、「抽出して、解体し、再構築する」作業
本田宗一郎 「不常識を非真面目にやれ」
新幹線で、グリーン車を基準に考える
グリーン車が「普通より安い席」なのではなく、自由席が「普通より安い席」なのだと考える。
生活にそれなりの余裕が出てきたら、ちょっと上の習慣をスタートさせた方がいい。習慣とは『型』なのだ。
仕事とは「他人の需要に応えるもの」
自分を表現するとか、自己実現とか、そんなふわふわしたことを言っているようではいつまでたっても仕事にならない。
(さわ) -
型の大切さについて切々と語られている本です。
結局のところ、まずは型をしっかり身につけて、そのあと自由にするならしろ、ということですね。
守破離も結局のところ守=型ですから、同じですね。