安売りしない会社はどこで努力をしているか?

著者 :
  • 大和書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479793007

感想・レビュー・書評

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  • 日本の企業が苦手とする価格転嫁について言及されています。やはり、ブランディングと働く人の質が中小企業では重要であると感じさせられました。

  • •ちょっと高いけど喜んで支払ってもらえる会社やお店を目指す、と決めたらそこには絶え間ない工夫と努力、現状に決して満足しない向上心が必要になってきます。商人としての能力を伸ばす機会が格段に増えてくる。
    •どんなに便利な世の中になったように見えても人には商品やサービスに対しての不平や不満、不便や不安がまだまだエンドレスにある
    •競合が気づいていないようなお客様の困りごとを会社として解消し続けることができれば価格競争に巻き込まれることはない。
    •接するスタッフが気持ち良かったから、これがある調査で分かった人がモノやサービスをリピートする理由。
    •安売りしない会社は例外なくスタッフ力の強化に多大なエネルギーと時間を費やしている
    •お客様にお店を好きになってもらうためには先にお客様のことを好きになるのが1番の方法です。好きになるという言葉が大げさであるなら、お客様に強い興味を持つでかまいません。
    •お店の価値を上げる簡単な方法は、お客様にありえないくらい強い関心を持つ。
    •大切なのはその経営者がスタッフにどのように自分たちの仕事を定義づけ、しっかり組織全体に浸透させるか
    •もっと自分たちの仕事へのプライドも自分たちのプライスに反映してもいいものではないか
    •接客時や印刷物、サイト、デザイン、ネーミングキャッチコピー等を通してお客様が抱える購買意欲決定前の不安を全て解消させてあげるということが大切。
    •妥協なきこだわりは当たり前のこと。しかしそれは商品やサービスに対してだけではなく。その魅力を伝えるためのプレゼンテーションの仕方に対しても、であるべき。
    •とことん心理を考える。購入までのプロセスを研究する。本当の購買意思決定者を見つけてリーチする。
    •好きだからを理由に会社の色使いやロゴを決めないこと口思われたいからこうするとあくまで相手軸で決めていく。
    •情報と思いが同時に伝わり、売りっぱなしではないと感じてもらえれば最高。
    •安売りをしない会社は10人に1人しか気づかないようなこともいつも一生懸命。
    •オフィス、バックオフィスも徹底して世界感を作った方が、スタッフがよりスタイルの良い表現者として機能してくれる。
    •OK とNG を、A 3以上の大きい無地の紙を用意して、大雑把でいいので分類して作る。
    •ただ商売をしているのではなくらしさがあるからファンが増える。
    •読後感が毎回異なるのではなく、受け手にとっていつでもそれが一定であれば最高です。そのためにはその読後感を意識した一つのキーワードを設定することです。
    •短期的には報われない事も多いこの絞り込むという発想は中期的な成功考えるなら必要。
    •どうして私達の会社は存在しているのか。そんな思いを250文字以下のショートストーリーにしてチラシや封筒名刺など会社の印刷物等に必ず印字していく。
    •どのくらい本気でそう考えているのか、どのくらい実際にアクションしているのかの度合いと会社の広がりには相関性があり。それは明らかに比例する。
    •ブランドプロミスの行間に、自分たちが他者といかに違うのかを垣間見えるようなら上出来です。
    •もし仮に何でも得意です、任せてください、という自分の会社の印象であれば、どうにかして事業をひとつずつ切り離し、それぞれのフィールドの頼れる専門家に世間から見てもらえるような工夫はできないか。
    •会社やお店のファンは売った後にできるもの
    •今後もライフスタイルや価値感別でさらにセグメントの細分化が進むことが予想される日本の社会。それに伴い、みんなのブランドではなく、ある特定のグループにとってのブランドが増える事は必須です。より細かくは避けて通れない道です。
    •見学者が常に絶えないような仕事場を目指す。これこそが私のプロジェクトの成功のために現場で掲げる一つのサブゴール。
    •小さな会社はそこで働くすべてのスタッフの気持ちよさの平均値を高い位置で維持する必要がある。
    •大切なのは今よりも幅広く。自分たちのチームをとらえること。時間とエネルギーをかけて志をともにするためのコミュニケーションを繰り返していくこと。
    •スタッフが自発的に喜びの声を集めるアクションを取り始めたら、チーム力が上がってきたと判断しても良い。
    •小さくても支持を得ている会社やお店の経営者やスタッフは、いくつになっても勉強をし続けています。何に対しても飽くなき好奇心を持ち続け、自分が知らないことであればがにそれと目を輝かせている。
    •うちはこういう方針で値付けを考えていますという文言や説明用のチラシを用意している。
    •最もクレームになりやすい、人が嫌がること、それは馬鹿にされること。老若男女。自分が馬鹿にされたら誰もが怒り出します。
    •安売しない会社は結局のところ、お客様の価値を上げている。
    •経営者にとって一番大事な数字は利益です。利益を上げるということは、ありがとうの数を数えて、ありがとうの数を増やすということ。利益は、ありがとうと言ってもらった数から、ありがとうを言った数を引いた数のこと。

  • 中小企業は、価格以外で喜んでもらう商品やサービスを企画し、価格以外で喜んでもらう会社となることを目指す。当たり前のことですが、ついつい価格に逃げがちなのも確か。たまに読み返して、気持ちを新たにしたくなる本。

  • 1

  • 面白く読みました。著者がどんな人か気になりました。

  • ”「価格」を下げずに「価値」を上げる、「商品」ではなく「会社」のファンをつくる、という2つのフレーズが強く印象に残った。「小さな企業は…」と書かれているが、社員数1000人を超えていても参考になることが満載。

    <読書メモ>
    ・日本国内の市場は、どこを見ても縮小傾向。「減収増益モデル」の構築は、小さな会社にとって急務です。(カバー見返し)
    ・私のポイントは、「自分の困りごとを解消してくれるなら、多少高くてもかまわない」というユーザーの心理です。
     どんなに便利な世の中になったように思えても、人には商品やサービスに対しての不安や不満、不便や不安が、まだまだエンドレスにあります。(p17-18)
    ・大企業にできないことを徹底する(p25)
     クレド(信条、働くスタッフが共有する行動指針)を用いて仕事観の共有を行うのはもちろんのこと、研修を充実させたり、社会貢献活動を通じて人間力を育んだり、スタッフ力の強化には多種多様な方法があります。そして、終わりがありません。
     #当社でも、これくらいの意識改革が必要。資本金が3億を超えていても、従業員が300人を超えていても、「大企業」だなんて思わずに努力しないと!
    ・「好きだから……」を理由に、会社の色づかいやロゴを決めない。「こう思われたいから、こうする」と、あくまでも相手軸で決めていく。(p78)
    ・テーマに合ったイメージがあったら、人でも、服でも、モノでも、風景やインテリアでも、その紙の上にコラージュ風に貼っていきます。
     そしてメンバー間で「こんな感じの椅子……」「こんな感じのユニフォーム……」と、イメージの共有をしていきます。(p96)
    ★OKとNGのライン → ラスト10%のツメ。ディティールが大切(p97-99)
     A3以上の大きなサイズの模造紙をバックオフィスに貼り、その真中に紙を二分する感じで横線をペンで引きます。そして、上の半分に「OK」、下の半分に「NG」と書きます。(中略)
     たとえば、スタッフのファッションに関する「OKなこと」「NGなこと」を、前出のスクラップブックをつくるような感じで写真を切り貼りし、あらかじめラインを決めておく。
    ・「らしさ10ヵ条」(p104)
     この「らしさ」のリストは、チェックリストのように使います。私がプロジェクトを離れても、その後、その会社のスタッフが滞りなく会社のスタイルを維持できるように、と用意しているものです。
     「らしさ」のリストは、別名「らしさ10ヵ条」と呼ばれ、それぞれの側面別で、10個の「これが欠けていたら、うちらしくない」という項目をリスト化しています。
     #topaco についても、これをつくろう!
    ・岩手県にある、「ふるさとタクシー」という会社も、「安心・快適4ヵ条」という名前で約束事を掲げ、乗客の座るところに貼られています。「これらを乗務員が怠ったら、すぐに会社にお電話ください。代金は、すべてお返しします」という徹底ぶりです。この本気度が、「ふるさとタクシー」のファンを全国に生む要因になっています。(p123)
    ★ファンは「売った後」のフォローで生まれる(p132-135)
     お手本にしたいのは、全国にたくさんのファンがいる靴屋さん、「ロイドフットウェア」です。(中略)
     靴を購入して、しばらくすると、私の元に手紙が届きます。それは、簡単にいえばアンケートなのですが、(中略)こんな風に書かれていました。
     「今、あの靴は、家のどこにありますか?あなたのために毎日活躍していてくれれば嬉しいですが、どこかにしまわれたままだったら、それほど残念なことはありません。どうか、あの靴が、どうしているか教えてください……」
     (中略)
     ふと封筒の中を見ると、新品のクツ紐が入っていました。私が買ったものに色も長さもマッチする、替えのヒモです。
     正直、「他のブランドも試そうかな」と思っていたのですが、そんな自分が恥ずかしくなるくらい、顧客として大切にされていることを感じました。
     #「顧客として大切に」する、ことがファンになっていただく最大の秘訣!
    ・喜びの声を職場でシェアし、チアフルな職場をつくる(p156-157)
     私は、何かの最後の方の時間や、別れ際の時間を「ポジティブに終わること」を普段から心掛けているので、この喜びの声をシェアするミーティングを、ある決まった日時に設定するとしたら、一週間の仕事終わりの日時がいいかなと思っています。
     持ち寄る「喜びの声」の形は、どんなものでも結構です。(中略)口頭ベースでもオッケーです。大切なのは、各スタッフに平等の数値目標を定めることです。(中略)
     たとえば、一週間に各スタッフが「30の喜びの声を集める」と数値設定したとします。(後略)
    ★価格で競うのは、今後も厳しいはずです。
     だったら、お店の価値を上げるしかありません。そして、その価値上げのヒントは、街に出たら、どこからでも得ることができます。
     机上ではなく、街から感じて学ぶ「大人の社会科見学」は、実に楽しいことです。(p.161)
     #社内木鶏、ダイアログ・イン・ザ・ダークとか
    ・ザ・リッツ・カールトンのサービス料13% (p163)
     日本におけるホテルのサービル料は、通常10%程度です。「ザ・リッツ・カールトン」は、「この3%は社員教育に使わせていただきます」と、ちゃんと明言しています。
    ・「こういうお客さまは、お断りさせていただきたく場合があります」(p166)
     #プライシングポリシー、ブランドのバリア
    ★どういうときに、人はみんな喜ぶのか(p177-178)
     私の頭には「自分の価値が上がったと感じたとき」と浮かんできました。
     (中略)
     「ちょっとだけ高い価格設定」だけど、選ばれる会社。その成功要因には、お客さまの「ちょっとだけ自慢できること」があるのかもしれません。
     #そのシステムを自慢できるか(使い勝手、効果、センス)、取材誘致できるか etc.
    ・口癖の天才=大阪のトレジャーアイランド社長の長瀬二郎さん
     「お前のコダワリそこまでか!?」
     「SOONやなくて、NOWや!」
    ★「ありがとうの数」を数える(p.188-189)
     「利益」は、「ありがとうを言ってもらった数」から、「ありがとうを言った数」を引いた数のことです。
     (中略)
    誰かに何かをしてもらって「ありがとう」を言った数より、自分が社会に貢献して「ありがとう」を言われた数が多いほうが幸せだと思います。

    <出会い>
    本屋で立ち読みして目次買い。
    エピローグに、浜口隆則さん、和田裕美さんの名前を発見”

  • 価格競争をなるべくせずにいるには、どう付加価値を提供していくか。
    その立場に置かれたときに、もう一度読んでみるかもしれません。

  • 小さい会社は、安売りをしてはいけない。広く誰にでも、売るのではなく、ターゲットを具体的にして、そのお客様に喜んでいただく、そのお客様も価値を上げることをする。
    ヒット商品が生まれる・・・
    日本の経営者:とにかく供給量を増やして、お客様を待たせない。→在庫を増やし過ぎて過剰在庫を抱える
    アメリカの経営者:商品の価格を上げる。
    ヨーロッパの経営者:お客様を待たせる。特に供給量を増やさない。
    なるほどねーー。

  • 2014年7月21日 言いたいことは分かるのだけれども・・・。
    「価格を下げずに価値を上げる」分かっているのだけれど、一番難しい部分。この本は、どちらかというと美容業界・飲食関係などエンドユーザーと直に接する企業の一例が書いてありましたが、私は卸売業の企業に努めているので、イマイチピンときませんでした。私の読解力不足ですが・・・。

  • 装丁やページの背景色、レイアウト、写真の入れ方まで、気を遣った作りの本。商品の売り方、会社の価値の上げ方の提言。

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著者プロフィール

株式会社スターブランド共同経営者・フロントマン。ブランド戦略コンサルタント。元山形県朝日町ブランド化推進プロデューサー。
日本の中小企業にブランド戦略ブームを起こした、ブランディングの第一人者。
代表作でロングセラーの『安売りしない会社はどこで努力しているか』(大和書房刊)や『小さな会社のブランド戦略』(PHP研究所刊)は、経営者の間でバイブル的な存在である。小学校以外の学業をすべて海外で終えた広い視点で日本の働き方などを指摘できるのが強み。社会人デビューを本田技研の社員として果たし、独立した後は世界中の中小企業と触れ合い、働き方やキャリアにも精通している。日経BP総研の客員研究員として日々その分野でも情報発信している。また、自治体でIターン・Uターン等のアドバイザーも務める。

「2020年 『今日からできる! 小さな会社のSDGs』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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