いまから、君が社長をしなさい。 ~経営思考を身につけるインバスケット・トレーニング~

著者 :
  • 大和書房
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感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479793434

感想・レビュー・書評

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  • 本書は、読者が「社長」になりかわって登場人物とともに「経営の20の難問」の答えを考えていくという形式になっている画期的な内容になっております。『社長』という仕事の大変さとやりがいを思って読みました。

    献本御礼。

    本書はストーリー仕立てで綴られる『インバスケット・トレーニング』という筆者の紹介するメソッドのテキストであります。ここには社長と従業員の『立場』の違いに始まり、社長という仕事の『やりがい』としんどさということが、前書きから記されてあって、引き込まれるように読んでいきました。

    これは登場人物と一緒に20の案件から自分の判断を仮定して読んでいくのが理想でありますが、正直な話、半分ほどしか、出来ませんでした。自分自身も、『社長』といわれる人間を間近で見ることが出来て、ここに書かれてあることを読んでいくと、『あぁ、こういうことを考えていたのか』という一端は判ったような気がします。

    ここでは架空の話ではありますが、社長候補の求人、から『株式会社りんご飴』という会社の経営を立て直すために主人公の西沢雄二をはじめとする4人の人間が集まり、しかし、面接担当者の社長は姿を見せず、代わりにコンサルタントの野村から、実際に社長のところに挙がっている20の案件をケーススタディとして実際に解決案を4人で出して、徹底的に討論するというものでその展開は凄く新鮮でありました。その内容はというと、

    ◎売上レポートの数字のウラをどう読むか?
    ◎業務提携の提案についてどう考えるか?
    ◎突如辞表をもってきた有力社員にどう対応するか?
    ◎新商品をどう考えて決済するか?
    ◎目前に迫った資金ショートをどう切り抜けるか?
    ◎会議をどう活性化させるか?

    といったもので、実際に会社を経営されている方には『こういうことは日常茶飯事だな』とうなづけるものでありました。登場人物のうち、銀行マンの桑原と公務員の蜂須賀の人物像にはあまり深く関心は持てませんでしたが、ガテン系の会社を経営していたという大友という男の言動を読んでいると『あぁ、確かにこういう人はいるなぁ』ということを読みながら考えておりました。

    しかし、現在の会社経営をする上で、こんなにもカタカナ用語が多いことには少なからず驚きを隠せませんでした…。それは些事ですが、『会社の企業文化は社長が作る』や『悪い報告こそ社長に上がってくるようにする』『会社の存在意義とは?』という、まさに従業員の立場から業務を日々こなしているとまず考えないようなことが次から次へと上がってきて、これが実際の業務では最後は社長が『一人で』決断を下し、それが場合によっては自分はおろか、従業員すらも路頭に迷わせるのだ、という厳然たる事実を改めて思い知らされた気がいたしました。

    面接の最後のほうで、カタストロフィーがあるのですが、具体的なことはここでは差し控えるとして、『会社を愛する情熱』や『作っている製品、もしくはサービスへの自信』そういったものを再確認するという展開には会社はただの『金儲けの道具』ではなく『社会のためにいったい何が出来るか?』という理念がないと人はついてこないし、存続も出来ないのだな、ということをこの本から教わったような気がいたしました。これは特に将来社長になりたいと思うビジネスマンには、ぜひ読んでいただきたいなと思うような本のひとつであると思います。

  • 経営思考を身に付けるインバスケット・トレーニング。
    自分が社長の視点になれるように書かれている本で、非常に分かりやすく面白かった。

    経営者の視点を身につけたい人は、読んでみると面白いのではないかと思った。
    社長って大変なんだなぁ、自分とは違う視点で物事を捉えてるんだなぁと感じた。

  • 社長模擬体験インバスケット研修を全社教育出来た実施するに向けて、読みました。
    色々な考え方方があるから、実際の研修ではどんな回答が上がるか楽しみです。

  • インバスケット思考をストーリーを通じて学べる良本。あっと言う間に読めますし、経営思考を学ぶ入門書としてはいいと思います。分かりやすいです。

  • (諸事情で)社長募集の求人に応募した主人公と他3人が、試験を兼ねて社長の実務20問に挑戦していく、というストーリー。
    各問題は企業情報の資料を元にしながら、手元に届いたメモやメールをどのように対応するか、という形式。
    4人の登場人物の回答例もあるので4択として読み進めることも出来ます。が、それらを見ずに自力で解くことで、自分の考えと彼らの考えを照らし合わせることができます。

    突っ込んだ専門知識ではなく、どの企業でも起きうるケース問題が多いです。見えにくい社長の仕事の一部を垣間見るのにオススメ。

  • 社長になったつもりで次々に持ち込まれる20の案件を判断処理していく。

    ケーススタディほど重くなく、特別な専門知識もいらず、とはいいながらツボもちゃんと押さえてます(特に案件9や11の考え方はハッとさせられます。)

    ストーリーが昭和のテレビドラマチックなのと表現がくどいのを除けば、さらっと読めて結構楽しめます。

  • ストーリーつきインバスケット入門書。はじめの一冊にはこのくらい簡単めなものの方がよかろうという印象。決断力に自信のない方にも参考になりそう。
    たぶん関連書籍を探すともっとサラリーマンのテストに則したものもあるんだろうけども、あくまで最初の一個としてよいだろうという程度。これをきっかけに学びを深められればよいであろう。

  • 舞台は社長選考試験。
    会社から課された20の案件を60分で解決するという内容。

    インバスケットの本は初。
    しかし内容が簡単すぎてイマイチ。
    本の解説と答えが違ったのは1/20だけ。
    自分では間違えたとは思っていないけど・・・

    ストーリー仕立てで読みやすかったのは良かった。

  • ・全ての決断において「目的」と「目標」を意識する。
    ・会議も「目的」「趣旨」を明確化。伝達ならメールで対応可能。

  • (昇進試験対策)
    タイトルの通り、経営者アセスメント向けの内容。少し定量分析要素も強いのでインバスの練習にはなります。

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著者プロフィール

1972年生まれ。大学卒業後、大手スーパーのダイエーに入社し、販売部門や企画部門を経験し、10店舗を統括する店舗指導員(スーパーバイザー)として店長の指導や問題解決業務に従事する。管理職昇進試験時にインバスケットに出会い、研究・トレーニングを開始。その経験を活かしてインバスケット研究所を設立。企業のリーダー研修などのためのインバスケット教材開発と導入をサポートする、日本で唯一のインバスケット・コンサルタントとして活動中。大企業の管理職研修など、2万人以上のリーダー育成を支援してきた。著書は『究極の判断力を身につけるインバスケット思考』(WAVE出版)、『マンガでやさしくわかるインバスケット思考』(日本能率協会マネジメントセンター)など54タイトル、累計85万部に達する。

「2023年 『上司との悩みを成長に変える賢い方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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