社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!

著者 :
  • 大和書房
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本棚登録 : 1805
レビュー : 310
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479793489

感想・レビュー・書評

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  • 105:旅行記だと思い込んでいて手を出さずにいたけど、「多眼思考」を読んだのをきっかけに図書館で借りてみた。ちきりんさんの本らしく、単なる旅行記にあらず、どこでどんな出会いをして、何を思ったか。その国、その時の「リアル」が考察されています。
    うわぁ、と思ったのがキューバと米国の関係のくだり。発行当時から一転、今まさに両国が新たな関係を結ぼうとしているところだけに、ちょっと鳥肌。

  • 面白い!旅好き、とくにただ観光するだけでなくその国の社会・文化まで知りたいと思っている旅好きな方に強烈にお薦め。

  • 良書。本当に著者が自分のアタマで考えているのが伺える。旅に出たくなる本。

  • 海外旅行記とは一味違う。海外で起きる、日本で住んでいると常識になってしまうこと。1つの物事を捉える視点の深さがすごい。第1章お金からみる世界では、お金は買うものがないと価値がない。従業員を信頼できないとお金を触らせられない等、毎日私たちが何気なく使っているものが世界の人々にとっては全く違う捉え方がされることが描かれている。私にとってお金は、労働の対価であり、欲しいものを手に入れるための手段だ。しかし、そもそもお金という概念自体が文化によって違う。日本文化の中で生きている分にはいいのかもしれないが、外国に出て行った時に、感覚のズレはあるだろう。その時に、違いがわかった上で、自分にとってお金がどのような価値を持つかが気になる。ところで、脳科学の観点からは、一定の数以上はたくさん、と人間の脳は捉えるらしい。そして、また別の研究だが、1000万以上の収入は幸福度に影響がないという。多くのお金を持ったときに、お金への価値観がどう揺らぐのかも気になる。いままでもっと稼ぎたいと思っていた人は、稼ぐ意欲が減退するのだろうか。たくさん貯金をしていた人は、もう貯金は十分と思うのだろうか。価値観の揺らぎというのは、面白い。

    第2章異国で働く人々では、日本にも増えてきた移民についての話だ。アメリカのチャイナタウンのように、異国で母国の集団で形成する街のこと、移民がどんな働き方をしているか、が描かれていた。まさに今の職場で、自分の隣にベトナム人がデスクに座っており、一緒に働いている。オフショアへのブリッジをするSEだ。めちゃくちゃ優秀な上に、よく働いてくれる上に、日本人よりだいぶ給与水準がめちゃ低い。価格に対する価値という点では、日本人は手も足も出ない。世界が繋がってくる中で、自分がどのような価値を出せるかをよく考えないといけない。開発も指導的な立場に立てるとか、隅々まで熟知してるとか、色んな観点を知っているとか、企画を考えるとか、ユーザビリティを考えるとか、発揮できる価値は違ってくる。レッドオーシャンで闘うのは得策ではない。逆ばりをして、まだ人が手をつけていない分野に先んじて精通するようにならないといけない。自分の近くのことだけでなく、グローバルな視点で、何をしていくかを考えていかないといけない。

    第3章は、人生が変わる場所についてだ。人間の力が及ばない自然の巨大な力が感じられる場所として、ウイグル、イースター島、サファリをあげる。ウイグルは乾燥地帯で、人がそのまま乾燥したミイラを見たときのエピソードが語られる。イースター島は、モアイ像についてで、大量の像があるがその制作が一瞬にして止まったことから、私たちが生きる文明もある日突然消えてしまう可能性があるのでは?と想像を膨らませる。そして、サファリでは、ライオンが子供のキリンを食べる光景に出くわした時の話。どれも壮絶な話だ。地球が形作った自然の中で生きているという感覚は、日本の都市生活では実感しづらい。しかし、生きるとは何かを考えさせられるような話だった。

    第4章は、共産主義国への旅についてだ。筆者が旅を始めた1980年代半ばには誰の目にも明らかに失敗だった共産主義体制を自分の目で見てみたいと思ったそうだ。訪れた国は、ソ連、ベトナムだ。前者では、共産主義の成れの果ての貧しさと、労働者は神様の価値観の違いに衝撃を受ける。一方で、ベトナム戦争後のベトナムは予想に反して、とても豊かで希望に溢れた国だった。自分の想像や常識を超える体験をするのが羨ましい。全く違う論理で動いている世界を見てみたい。

    第5章は、ビーチリゾートの旅についてだ。その国の文化を感じさせない、ホテル内が街のようになっているモルディブの高級リゾート地。世界のリゾート地を訪れる人を見ると、いま景気のいい国がわかる、などここでも見てる視点が面白い。長いスパンを経て、違うタイミングで同じリゾート地を訪れたので、年代によりリゾート地の客層が明らかに違ったそうだ。私はビーチリゾートに行ったことがない。街や遺跡を訪れるのが旅行だという思い込みがあった。リラックスできる空間で骨を休めたり、その中でも現地の文化を感じるようなリゾートの旅があるのが驚きだった。

    第6章は、世界の美術館について。まず、各地の美術館について、分類を始める。貴族が所蔵したものをそのまま美術館にした、ウィーン美術館。パリに集まった芸術家の作品を展示する、ルーブル美術館。植民地から収奪した美術品を展示する、大英博物館。一方で、そこに美術品がある必然性のない、アメリカのメトロポリタンミュージアムもある。資本の力で世界中から集めた作品を、その土地で見ているかのように感じさせられる方法で展示している。美術館は建物も豪奢だ。しかし、それを建てたのは強大な権力のもと労働した奴隷達だ。それは日本でも同じである。私は海外の美術館は、バルセロナのピカソ美術館に行ったのが唯一だったように思う。どうせ東京にいつか似たようなものの展覧会が催されるはずだと、アホなことを思っていた。しかし、その美術館独自の展覧方法や、海外には絶対に持ち出さない美術品があることを始めて知った。これからの旅は行く先々で、必ず美術館を訪れようと思った。

    古代遺跡への旅、恵まれすぎの南欧諸国、変貌するアジア、豊かであるという実感など、旅は続く。さて、これらの著者の独自の視点はなぜ生まれてきたのだろうか。一方で、この本に書かれている同じことを見たとしても、何も感じない人もいるだろう。ちきりんは考えるということを生業にしている。異物に出会った時に、思考を巡らせている。最近、私は台湾に行った。しかし、変貌するアジアの勢い、という感想はなかった。食べ物美味しいなぁ、建物古いなぁ、くらいのものだ。台湾の渋谷と言われる街に行って、たとえばゲームセンターとかも行ってみたが、日本に比べると…という感想で終わってしまう。1つ切り口を見つけるのが、思考を進めるポイントなように思う。違和感を感じた時に、これがいったいどこからきているのかを突き止める。

    観光客向けに整えられている場所に行くのはあまり面白くなかった。食べ物の味も濃くて美味しい、日本語も通じる。日本人に対してフレンドリーだ。一方で、横道に入り、地元の人がテレビを見ながら麺を啜っているようなお店は刺激的だった。食べ物の味は薄いが毎日食べるならこっちという味。日本語は通じない。日本人に対しては、なに?という感じであたりが強い。現地の人しか来ないような場所だと、観光客に愛想を振りむく必要もない。親日と言われるが、本当か?と思った。
    現地の文化を肌で感じられる場所が良い。

  • ちきりんの書籍を読みたいと思い、ブックオフで購入。海外旅行をし、これを見てどう捉えるか、ということの一例を読むという本、だと思う。

  • 比較的ビギナートラベラー向けの本だけど、何回か旅に出た自分も学べることいっぱいあった。経済格差の話とか面白い。さすがという感じ

  • 【No.36】「お金とは、価値あるモノが存在しない環境ではなんら意味を持たない」「楽しいとか楽しくないとか、有意義な人生だとか生きる意義が感じられないとか、社会に貢献できているとかいないとか、そういうことはどうでもいいのです。その前に私たちは、まず”食べ”、そして”生きる”のです」「動機付けのシステムが変われば、人の行動は短期間に大きく変わる」

  • 独自の視点から、わかりやすい論理で納得できる点が多い。富の再分配、日本が豊かと考える理由、クレームより笑顔のリクエストと提案の有効性。

  • ちきりんがこれまで歩いてきた50か国の旅行経験で、独自の視点で考えてきたこと。 なんとなく気づいていたこと、まったく私が気が付かなかったこと、私がわざと考えずにいたことなどがいろいろ出てきた。なんとなく気づいていたこと=ティーバックのお茶がティーバックのまま出てくることとか。韓国が、日本とそっくりなこと。全く気付いていなかったこと=お札の肖像画が、政治家であること、それが植民地政策に影響を与える人物であったかどうかなどを考えると面白いなど。豊かさの定義。光と水の豊富な日本。電気があるとは、私たちにとっては、便利な生活ということだが、後進国にとっては、光がないということにつながる。そのほか、自国の通貨が信用のおけるものであること、車も家もなくても、自由にある程度旅行ができるということ。将来の夢を語るときに、制限がないことなどは、日本が豊かなことなのだ、ということ。

  • 海外への興味を普段ほとんど持っていない自分が読んでも、海外への思いを抱くほど読み応えがあった。
    ちきりん氏の社会派目線がどれだけ深い洞察を与えているかが伺える。
    自分も、どうせ海外に行くなら、同じような目線を持ちたい。

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著者プロフィール

【ちきりん】社会派ブログ「Chikirinの日記」運営者

「2013年 『強く生きるノート 考え方しだいで世界は変わる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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