社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!

著者 :
  • 大和書房
3.77
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本棚登録 : 2030
感想 : 326
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479793489

感想・レビュー・書評

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  • 旅行を通じて得た知見に基づいて
    日本の暮らしや価値観を相対的、普遍的にとらえる

  • 世界50カ国以上を旅した経験を持つちきりん流、旅行の魅力を語る本というところか。世界の常識と日本の常識の違いがどこから発生しているのかを考えるきっかけとなる面白い本。最後の旅行のノウハウとでもいうべき章も非常に役に立つと思った。トラブル解決は依頼先の気持ちになって、動きやすい解決策を提示することが秘訣で、これは会社で、他部署に仕事を依頼する場合にも通じるような気がする。

  • 海外旅行では『自分から話しかけた人しか信じない』『「偶然、再会する」のはあり得ない』

  • オーディオブックにて視聴。

    ちきりん女史の旅を通した考察記。
    自分の知らない世界を垣間見れて楽しかった。

    社会主義政権下のソ連とか軍事政権下のミャンマーとか、その当時でしか見られなかった社会を実際に自分の目で見てきたっつーのは、凄いなぁと。

  • まあ、普通。

  • 105:旅行記だと思い込んでいて手を出さずにいたけど、「多眼思考」を読んだのをきっかけに図書館で借りてみた。ちきりんさんの本らしく、単なる旅行記にあらず、どこでどんな出会いをして、何を思ったか。その国、その時の「リアル」が考察されています。
    うわぁ、と思ったのがキューバと米国の関係のくだり。発行当時から一転、今まさに両国が新たな関係を結ぼうとしているところだけに、ちょっと鳥肌。

  • 面白い!旅好き、とくにただ観光するだけでなくその国の社会・文化まで知りたいと思っている旅好きな方に強烈にお薦め。

  • 良書。本当に著者が自分のアタマで考えているのが伺える。旅に出たくなる本。

  • 海外旅行記とは一味違う。海外で起きる、日本で住んでいると常識になってしまうこと。1つの物事を捉える視点の深さがすごい。第1章お金からみる世界では、お金は買うものがないと価値がない。従業員を信頼できないとお金を触らせられない等、毎日私たちが何気なく使っているものが世界の人々にとっては全く違う捉え方がされることが描かれている。私にとってお金は、労働の対価であり、欲しいものを手に入れるための手段だ。しかし、そもそもお金という概念自体が文化によって違う。日本文化の中で生きている分にはいいのかもしれないが、外国に出て行った時に、感覚のズレはあるだろう。その時に、違いがわかった上で、自分にとってお金がどのような価値を持つかが気になる。ところで、脳科学の観点からは、一定の数以上はたくさん、と人間の脳は捉えるらしい。そして、また別の研究だが、1000万以上の収入は幸福度に影響がないという。多くのお金を持ったときに、お金への価値観がどう揺らぐのかも気になる。いままでもっと稼ぎたいと思っていた人は、稼ぐ意欲が減退するのだろうか。たくさん貯金をしていた人は、もう貯金は十分と思うのだろうか。価値観の揺らぎというのは、面白い。

    第2章異国で働く人々では、日本にも増えてきた移民についての話だ。アメリカのチャイナタウンのように、異国で母国の集団で形成する街のこと、移民がどんな働き方をしているか、が描かれていた。まさに今の職場で、自分の隣にベトナム人がデスクに座っており、一緒に働いている。オフショアへのブリッジをするSEだ。めちゃくちゃ優秀な上に、よく働いてくれる上に、日本人よりだいぶ給与水準がめちゃ低い。価格に対する価値という点では、日本人は手も足も出ない。世界が繋がってくる中で、自分がどのような価値を出せるかをよく考えないといけない。開発も指導的な立場に立てるとか、隅々まで熟知してるとか、色んな観点を知っているとか、企画を考えるとか、ユーザビリティを考えるとか、発揮できる価値は違ってくる。レッドオーシャンで闘うのは得策ではない。逆ばりをして、まだ人が手をつけていない分野に先んじて精通するようにならないといけない。自分の近くのことだけでなく、グローバルな視点で、何をしていくかを考えていかないといけない。

    第3章は、人生が変わる場所についてだ。人間の力が及ばない自然の巨大な力が感じられる場所として、ウイグル、イースター島、サファリをあげる。ウイグルは乾燥地帯で、人がそのまま乾燥したミイラを見たときのエピソードが語られる。イースター島は、モアイ像についてで、大量の像があるがその制作が一瞬にして止まったことから、私たちが生きる文明もある日突然消えてしまう可能性があるのでは?と想像を膨らませる。そして、サファリでは、ライオンが子供のキリンを食べる光景に出くわした時の話。どれも壮絶な話だ。地球が形作った自然の中で生きているという感覚は、日本の都市生活では実感しづらい。しかし、生きるとは何かを考えさせられるような話だった。

    第4章は、共産主義国への旅についてだ。筆者が旅を始めた1980年代半ばには誰の目にも明らかに失敗だった共産主義体制を自分の目で見てみたいと思ったそうだ。訪れた国は、ソ連、ベトナムだ。前者では、共産主義の成れの果ての貧しさと、労働者は神様の価値観の違いに衝撃を受ける。一方で、ベトナム戦争後のベトナムは予想に反して、とても豊かで希望に溢れた国だった。自分の想像や常識を超える体験をするのが羨ましい。全く違う論理で動いている世界を見てみたい。

    第5章は、ビーチリゾートの旅についてだ。その国の文化を感じさせない、ホテル内が街のようになっているモルディブの高級リゾート地。世界のリゾート地を訪れる人を見ると、いま景気のいい国がわかる、などここでも見てる視点が面白い。長いスパンを経て、違うタイミングで同じリゾート地を訪れたので、年代によりリゾート地の客層が明らかに違ったそうだ。私はビーチリゾートに行ったことがない。街や遺跡を訪れるのが旅行だという思い込みがあった。リラックスできる空間で骨を休めたり、その中でも現地の文化を感じるようなリゾートの旅があるのが驚きだった。

    第6章は、世界の美術館について。まず、各地の美術館について、分類を始める。貴族が所蔵したものをそのまま美術館にした、ウィーン美術館。パリに集まった芸術家の作品を展示する、ルーブル美術館。植民地から収奪した美術品を展示する、大英博物館。一方で、そこに美術品がある必然性のない、アメリカのメトロポリタンミュージアムもある。資本の力で世界中から集めた作品を、その土地で見ているかのように感じさせられる方法で展示している。美術館は建物も豪奢だ。しかし、それを建てたのは強大な権力のもと労働した奴隷達だ。それは日本でも同じである。私は海外の美術館は、バルセロナのピカソ美術館に行ったのが唯一だったように思う。どうせ東京にいつか似たようなものの展覧会が催されるはずだと、アホなことを思っていた。しかし、その美術館独自の展覧方法や、海外には絶対に持ち出さない美術品があることを始めて知った。これからの旅は行く先々で、必ず美術館を訪れようと思った。

    古代遺跡への旅、恵まれすぎの南欧諸国、変貌するアジア、豊かであるという実感など、旅は続く。さて、これらの著者の独自の視点はなぜ生まれてきたのだろうか。一方で、この本に書かれている同じことを見たとしても、何も感じない人もいるだろう。ちきりんは考えるということを生業にしている。異物に出会った時に、思考を巡らせている。最近、私は台湾に行った。しかし、変貌するアジアの勢い、という感想はなかった。食べ物美味しいなぁ、建物古いなぁ、くらいのものだ。台湾の渋谷と言われる街に行って、たとえばゲームセンターとかも行ってみたが、日本に比べると…という感想で終わってしまう。1つ切り口を見つけるのが、思考を進めるポイントなように思う。違和感を感じた時に、これがいったいどこからきているのかを突き止める。

    観光客向けに整えられている場所に行くのはあまり面白くなかった。食べ物の味も濃くて美味しい、日本語も通じる。日本人に対してフレンドリーだ。一方で、横道に入り、地元の人がテレビを見ながら麺を啜っているようなお店は刺激的だった。食べ物の味は薄いが毎日食べるならこっちという味。日本語は通じない。日本人に対しては、なに?という感じであたりが強い。現地の人しか来ないような場所だと、観光客に愛想を振りむく必要もない。親日と言われるが、本当か?と思った。
    現地の文化を肌で感じられる場所が良い。

  • ちきりんの書籍を読みたいと思い、ブックオフで購入。海外旅行をし、これを見てどう捉えるか、ということの一例を読むという本、だと思う。

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著者プロフィール

ちきりん

関西出身。バブル最盛期に証券会社で働いた後、米国の大学院留学を経て外資系
企業に転職。2005年に書き始めた社会派ブログ「Chikirinの日記」は日本有数の人
気ブログとなり、ツイッターのフォロワーは30万人を数える。2011年からは独立
し、文筆活動に専念。デビュー作となった本書のほか、『自分のアタマで考えよ
う』(ダイヤモンド社)、『社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう』(大和書房)、
『未来の働き方を考えよう』(文藝春秋)などの著作がある。

ブログ    https://chikirin.hatenablog.com/
ツイッター  https://twitter.com/InsideCHIKIRIN

「2013年 『ゆるく考えよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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