- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784479880332
作品紹介・あらすじ
つくられた"女らしさ"の幻想を砕き、女性の生き方の原点を求めた世界的なベストセラー、不朽の名著リバイバル。
感想・レビュー・書評
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20代の頃、この先の自分がどうなるのか、なんだか訳の分からない不安に取り囲まれた頃に読んだ本がある。「新しい女性の創造」ベティ・フリーダン
退職してゆっくりとこの本をもう一度手に取ってみた。
1965年1月15日 第一版発行 全世界で200万部を売ったベストセラーだ。
私が大学生の頃に読んだのはこの初版だが、その後1977年に増補、86年に新装版となって発行されている。
女子大学を卒業後15年が過ぎた著者が同期生200人に当てたアンケートの回答から、女性の現実の生活と女性が順応しようと努力していたイメージがどれほど食い違っているのか、そしてそれはなぜかについて様々な実例や事実を元に基に具体的に記載した本だ。この時代に大学生だった私は、あの頃のあこがれの米国での暖かな”マイホーム”にいる主婦が決して幸せではないと言う事実は衝撃的だった。
女性らしさの賛美フロイトによる母性神話消費者としての女性
こうした様々な「わな」に取り込まれて、主婦となった女性の様々な悩みや苦しみが克明に描かれている。人間の本質的な欲求である「成長したい」という望みを避ける方法が女らしく生きる方法の基盤になっており、「女らしさ」を礼賛する人々がそうしてこそあなたは本当の「女」になれるのだと言い、実際に多くの女性がそうしている。・何事にも熱中しないこと・他人を通して生きることそうして、多くのアメリカの女性たちがこの「わな」の中でもがき苦しんでいる。
とりわけ次の一節は深い衝撃を与えられた「主婦であることが、どんなにひどい虚無感を女性に与えているかを、人々は知らねばならない。有能な現代の女性にとっては、主婦であるということ自体が危機をはらんでいる。ある意味では、主婦として順応したり、また「主婦になりたいだけ」と希望して成長したりした女性は、ナチ収容所で、死だけを待って生きた数百万人の人々と同じ運命にあると言えよう。」
今読んでも充分衝撃的な文章だが、社会人になる直前の私にとっては「わな」を深く自覚するに十分な本だった。
結果として、「わな」から逃れて、自分の成長を生きる糧としてここまできたと実感している。この本なしに現在の自分はいなかったかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ウーマンパワーが社会を変革する力を持ち合わせていると強く感じさせた一冊。