天才脳を伸ばす2歳教育

著者 :
  • 大和書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (80ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479920311

感想・レビュー・書評

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  • 誕生後8か月から3歳まではシナプス過剰生成期。さらに2歳から3歳にかけて、感覚刺激に対する反応がよくなる「臨界期」に入る。
    この臨界期の間に適正な感覚刺激を与えないと、この後どんなに刺激を与えても藩王が鈍く、刺激をうまく受け入れられなくなるという。
    よって、この臨界期に、豊かな感受性を身につけるために、ホンモノや良質なモノを与えるようにしよう、という主張は有益だった。

    子供の各遊びをする上で、どんなことに注意し、どんな声掛けをするのがよいかというアドバイスが細かく紹介されている。
    概ね納得だが、以下2点については大きな疑問符がついた。

    1.「父親=ボス」を覚えることで社会性を身につける
     イヤイヤ期本番に対して、力の強い父親が本気で叱ることによって、「怖い=やってはいけない」を身につけさせる。ボスがいる方が物事はスムーズに運び、子供に緊張感と安心感が出る。「お父さんが一番」を見せることで男の子には責任感を、女の子は安定した家庭への憧れや家庭における母親の配慮などを学ばせる。

     →これはあまりにも時代錯誤で旧時代的であると言わざるを得ない。恐怖政治はラクだが、そこから本当の尊敬は生まれないと思う。
      また父親=ボスと設定すると、必然的に母親はその下に据え置かれてしまうし、仮に父親が間違ったことをしても強引に正当化されてしまう。
      いろんな面でよろしくない。儒教とその系譜である朱子学や、思想を取り込んだ武士道などにおいて、父や祖先を敬う「考」は重要な徳仁の1つとされてきたことは理解しているが、無条件に家父長や祖先、目上の者を序列の上位に据え置くことは認められない。

    2.男の子は男の子の遊びをしなければいけない
     これは「男の子なのに、おままごとや人形あそびばかりするのですが…」という質問に対する回答で登場した。
     家庭の環境などによって子供の嗜好が左右されないように注意すること、2歳くらいになると男の子の遊びを理解して、男の子の遊びをさせることが必要になる、という。

     →その解答の根拠が示されていないのが一番の欠点。遊びが偏るとバランスのいい脳の成長を妨げてしまいかねないという点は理解できるが、性別に応じた遊び方をわざわざ明示的に指定し矯正することは本人の自主的な嗜好や意欲を阻害し、仮にジェンダー的な差異や傾向が備わっていた際に余分なストレスを与えることになる。

    2010年発刊とはいえ、いかんせん思想が古い。

  • お父さんが一番であることを、家庭で教えていかなければなりません
    男の子は男の子のあそびをしなければいけません
    など、時代錯誤な主張が気になりますが、イヤイヤ期は、「子どもがイヤッと言える環境を、親が作ってしまったせい」といった厳格な主張や2歳教育のメソッドに触れられます。

  • 具体的に遊び方も書いてあるので、参考にしながら毎日子供と遊んでます(*^^*)

  • 娘が2歳で天才で。親が信じなきゃ誰が信じるよ?ということで恐る恐る取った一冊。

    なんて事はない、脳の発達に関する客観的なデータ(脳の重さの増量率は5歳がマックスなど)を与えながら、指で遊びなさい、仲間と遊びなさい、そして父親はリーダーシップを見せなさい。

    育児に自身のある人なんて、いねーんじゃないですか。みんな葛藤の中で、戸惑いながら自分の愛し方に気づく。そんな素朴な事実をそっと支えてくれる良書。

  • 「○○しなくてはいけない」という書き方がされていてあまり好きではない。
    でも、書いてあることは、当たり前のこともあるが、子どもとの遊び方は参考になる。

  • 薄くて、項目わけが明快で読みやすい。
    内容に関してはなんとなく納得できない部分もあったので、子どもと遊ぶときのネタくらいの扱い…かな。

  • 脳科学者である著者により考案された幼児教育における久保田メソッドのうち,2歳の幼児に対する望ましい接し方を記している。
    2歳児は歩く,手を使うなどの基本的な運動機能が整い,自分の気持ちを言葉で表現したり,他人の気持ちを予測したりしながら他者との関係を築くための社会性を身に付け始める時期だ。
    このため,2歳児は,ただ歩いたり,手を動かす訓練ではなく,社会に適応し,集団生活を行うための『人間の能力』を身に付ける教育が必要という。
    社会性というのは,集団で遊ぶ事により身に付けれる。誰とでも会話ができ,他人の気持ちを察して,ルールを守ることが出来なければならない。それらの基礎を築くのが2歳教育の目的だ。
    また,この時期は感覚刺激に対して最も敏感になる時期と言う。この時期を過ぎるとさまざまな刺激に対する反応が鈍くなる。このため,この時期には豊かな感情を身に付けさせるため,本物や良質のものを与えるようにすべきだ。いい音,いい音楽,鮮やかな絵,動く動物,花の匂いや旬の味など強弱・濃淡様々な刺激を与えよう。それと,とても大切なのはスキンシップ。抱いたり,なでたりして気持ちいいと思う感情を育ててあげよう。
    本書の前半は,2歳時の特徴(主に脳内環境について)解り易く説明し,後半は,具体的にどんなことをしてあげたら良いかを記している。
    妻が読みたいと言って買ったものを,読んでみたのだ。

  • 人間は3歳まで脳のシナプスが形成されるので、2歳の時期の教育は重要であることが書かれている。教育と言っても難しいことではなく普通の育児書に書かれている内容が記載されているのだが、わかり易い言葉で書かれていたことと、父親としての育児では何が大切か(=子どもの社会性を伸ばす)が書かれており参考になった。

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著者プロフィール

1932年、大阪生まれ。京都大学名誉教授、医学博士。1957年に東京大学医学部卒業後、同大学院に進学。当時、脳研究の第一人者であった時実利彦教授に師事し、脳神経生理学を学ぶ。大学院3年目に米国・オレゴン州立医科大学に留学。J・M・ブルックハルト教授のもとで、脳科学における世界最先端の研究に従事。帰国後、東京大学大学院を経て、1967年に京都大学霊長類研究所神経生理研究部門助教授に就任。1973年、同教授に就任し、同研究所所長を歴任する。1996年、定年により退官、同大学名誉教授に就任。その後、日本福祉大学情報社会科学部教授、同大学院教授を経て、2007年より国際医学技術専門学校副校長に就任、現在に至る。特定医療法人大道会・森之宮病院顧問。日立製作所中央研究所(旧基礎研究所)顧問。ブレインサイエンス振興財団理事。2011年、瑞宝中授章受章。
朝4時半起きで仕事をする「朝活」を50年以上実践。ジョギングは30年以上、毎日続けている。
著書に「天才脳を鍛える3・4・5歳教育」(大和書房)、「あなたの脳が9割変わる! 超「朝活」法」(ダイヤモンド社)など多数。

「2016年 『くぼた式0ヵ月~12ヵ月の 脳を鍛える育児ダイアリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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