- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480015181
作品紹介・あらすじ
もし宇宙がビッグバンから始まったとしたら、その時の残光はいまも地球に降り注いでいるはずだ-。一三七億年前の宇宙の姿を「観測」しようという不可能への挑戦が始まった。苦闘と挫折を重ね、ついに捉えられたその瞬間の画像には、驚くべき宇宙の真実が秘められていた!二〇世紀最大の発見、宇宙背景放射の観測を成し遂げた科学者たちのドラマから宇宙のしくみと存在の謎に迫る、感動の科学ノンフィクション。
感想・レビュー・書評
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難しい理論はさておき、マイクロ波背景放射観測にまつわるドラマチックな話を文章化した感じ。「へまをしなかった」と断言できるとは、何とも驚異的だ。
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ふむ
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約30年前物理の授業で「エネルギーの基準は∞(無限大)に置いてそこを0とし、質点(位置0)のエネルギーは-∞とする、これを物理用語でポテンシャルという」と説明されて大いに面喰らった。物理学徒はこの"0"と"∞"と格闘してきた。標準理論の困難はそんな話ではない。辻褄の合わない現象をヒッグス粒子(場)に押し込めてきたにすぎない。そして全宇宙の密度を計算すると解明されている物質だけでは足りなくて、96%はダークマター(エネルギー)として片付けられている。それだって人類の立派な到達点。その辺の苦労が伝わる良書。
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宇宙がビッグバンから始まったという前提をたてると、ビッグバンの残光が今も地球に降り注いでいるはずだという仮定にたどりつく。
その仮定の正しさを確認するために、宇宙背景放射の観測―20世紀最大の発見―を試みたドキュメンタリー。
観測のノイズを減らすための工夫だったり、観測をより正確にしようとしていく過程が丁寧に書かれていて惹きこまれる作品だった。