宮沢賢治の世界 (筑摩選書)

著者 :
  • 筑摩書房
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レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480015488

作品紹介・あらすじ

著者が青年期から強い影響を受けてきた宮沢賢治について、機会あるごとに生の声で語り続けてきた三十数年に及ぶ講演のすべてを収録した。賢治にとっての「ほんとう」とは何か。生涯を決定した法華経信仰、独特の自然観や倫理の問題までが、ふかく掘り下げられている。その時々の関心の深化と拡大によって、次々と切実なテーマが取り上げられ、重層化していった過程を鮮明に映し出す、貴重な一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 法華経の世界観と異世界へのつながり。
    民話伝承の影響。
    独特の視点。
    理想と挫折。
    唐突な声なのにそれが彼の世界。
    ほんとうの考えに対する自己。

  • 宮沢賢治にまつわる事実や法華経など関連事項の説明はとても興味深い。が、肝心の宮沢賢治という人をどう見るかという視点では、吉本隆明の想像の域にしかなく、根拠に乏しい。「恐らく」「だと思います」「でしょう」ばかりで心もとない読後感に…。

  • 吉本隆明氏の宮沢賢治論という、非常に贅沢な
    内容です。
    とはいえ、吉本さんはずっと宮沢賢治を取り上げて
    いろいろ批評や解説などを出しているのですが、その
    総集編という感じの内容です。
    こんな本に出逢えるというのがラッキーというか
    これぞ本を買って読む醍醐味というところかと
    思います。少し大げさかも知れませんが。
    内容的には、宮沢賢治の詩の世界、童話の世界において
    宗教的・科学的な双方の側面での葛藤や融合などが
    うまくひきだされて解説されていると思います。
    『銀河鉄道の夜』はじっくり読んでみたいと思います。

    ”ほんとうの考え、うその考え”、春の修羅の序の部分
    ”わたくしという現象は/仮定された有機交流電灯の/
    ひとつのあおい証明です/・・・・”
    あたりは非常に感銘をうける内容です。

    ただ9章の「いじめと宮沢賢治」という章に論述には
    すこし違和感があったのですが、まあ年代と
    起こっている事象が違うのではないかと思える部分も
    あります。

  •  吉本隆明さんの、賢治についての色々な講演をまとめたもの。人に話して聞かせているので、言葉は分かりやすく、ストンと頭に入ってくるのですが、それぞれバラバラの講演なので、同じネタが多く、何度も同じ内容を読んで、お腹いっぱいにもなりました(^_^;)

  • 本書みたいな宮沢賢治批評はほかにあるだろうか。
    自分などは『春と修羅』や『銀河鉄道の夜』などを読んで、もう、めくるめく万華鏡を覗いているような心地にうっとりとなって、宮沢賢治世界を分析しようなどという気すら起きない。

    でも吉本隆明はまるで同時代の詩人であるかのように、この作品は素晴らしいけどこの短編はあんまり巧くない、けれども宮沢賢治世界の本質がよく表れている作品だ、などと彼の作品を論じわけていく。それがまた的確で驚かされる。

    一方、宮沢賢治はあまり祭り上げるべきではない、というような別の作家が書いた文章をいくつか読んだが、その理由にはあまり説得力はなく(宮沢作品をよく読んでいないことが丸わかりで)、けっきょく、それは宮沢賢治を手放しに祭り上げる行為のネガにすぎない。

    その点、吉本隆明はほんとうに偉い。いや、その言葉が不適切ならば、ほんとうに誠実だ。宮沢賢治がすでに故人だから好き放題言ってやろう、ではなくて、彼を想像力によって蘇生させ、その上で彼自身と対話しているかのよう。場合によっては、賢治自身、吉本さんに説得させられる部分もいくつかあるのではないか。

  • イメージの色。

  • この本の「春と修羅」ついて
    書かれている220ページに
    こんな一文がありました・・・
    春と修羅とい詩集の世界は、
    一種の、イメージの色彩をもっていて、
    その色彩がたぶん宮沢賢治の
    こころの色だと思います。

  • ちくま学芸文庫の「宮沢賢治」とは当然別ですよね。

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    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480015488/

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著者プロフィール

1924年、東京・月島生まれ。詩人、文芸批評家、思想家。東京工業大学工学部電気化学科卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動をつづける。日本の戦後思想に大きな影響を与え「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。2012年3月16日逝去。

「2018年 『吉本隆明全集 第16巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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