「魂」の思想史: 近代の異端者とともに (筑摩選書 68)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • / ISBN・EAN: 9784480015747

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  • 魂、その捉えがたさ、その恐ろしき魅力
    もやもやとした何か
    輪廻転生と彼岸
    ソクラテスの告白
    無知の知
    魅惑する魂

    ゴッホ:
    一度の大きな苦悶
    働く神
    カルヴァンの霊魂論
    ゴッホの愛
    神をよりよく知るために
    絵画、兄弟、神と愛の二重性
    廃墟の教会と墓地に咲く花
    魂を実体化するカルヴァン
    メランコリー
    自然界の自律的な勁き
    果てしなき麦畑
    自己批判、自己愛、そして大いなる静けさ

    ニーチェ:
    天体の音楽と魂の浄化
    魂の際限を、君は歩いて行って発見することはできないだろう
    神と自然の二元論
    終わりのない虚無
    ニヒリズムの正体
    「悦ばしき知」
    我々の肉体は多数の霊魂の共同体にすぎない/
    いなる厳粛さと精霊たちの笑い
    悪霊を呪うか、肯定するか
    悪循珠の神から瞬間の思想へ
    神々の到来
    踊る神の哀愁
    近代の引き裂かれる魂

    ボードレール:
    二つの鐘、二人の詩人
    「たくましい喉」と「たくましい精神」
    進歩のための芸術か、芸術のための芸術か
    無用性の美学
    知られざる面
    違いを呈示する
    かつての彼らを想起させる
    「取り返しのつかないもの」
    踊る魂
    群衆と孤独
    1930年代の受容

    初期ドイツ・ロマン主義と両次大戦間の前衛たち:
    フロイトを先取りするヘーゲル
    ヘーゲルとロマン主義
    近代の夜明けと夕暮れ
    二人の前衛的なヘーゲル解釈者
    「夜」のヘーゲル
    初期のドイツ・ロマン主義
    世界露魂のゆくえ
    諸力の自由な戯れ
    夜を讃える
    ロマン主義の限界
    ニーチェと自然の内奥
    ピカソの精霊体験
    民族誌学のインパクト
    バタイユのゴッホ論
    「われわれのねらっているのは、癌のように痛みのない革命だ」

    日本人留学生の軌跡:
    近代の底力
    異文化のなかへ
    抽象画という解決策
    対極主義とその背景
    岡本太郎のトロカデロ体験
    近代人の冷たい厚み
    陰蒻礼讃
    夜を継承する
    二人の挫折
    無形の文化
    大理石のエロス
    軽やかな旅人の魂
    和辻哲郎の「風土」
    洪水の二つの感党

    大和魂の根源へ:
    二つの魂
    大和魂のルーツ
    外国人の感受した日本の宗教性
    神道の魂
    イザナミの稼れとイザナギの逃避
    耳なし芳一と平家の怨霊
    恐山にて
    久高島の大ウタキ
    イヌクシュク
    最後の三島由紀夫
    大対立
    言霊

  • 近代合理主義からこぼれおちる「闇」=「魂」の存在。
    自明に思える現実や歴史を解体する視点。

    ピカソのアヴィニヨンの女性は単なるキュビズム表現ではなかった。
    ヘーゲルの弁証法に絡み取られない、生のあり方に固執したキルケゴール。
    『古事記』すら新しい記述と喝破したハーンの感性。
    ブランショ「誰かが、絶望に限定されて文章を書き始める。しかし、絶望は何ものも限定できないのだ」。

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著者プロフィール

法政大学教授

「2020年 『ロマネスクとは何か 石とぶどうの精神史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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