社会心理学講義:〈閉ざされた社会〉と〈開かれた社会〉 (筑摩選書)

著者 :
  • 筑摩書房
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レビュー : 43
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480015761

感想・レビュー・書評

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  • スゴ本だった。
    構成としては、社会心理学として抑えておくべき理論的な発射台を前半部分で示し、これらを基礎とした各論題の追求と考察を後半に行うもの。

    人間心理と社会性について古今東西の研究考察を交えたのちにその集合である社会、また社会を構成する一員としての個人へと還元し直す論展開が鮮やか。何より著者の社会心理学に対する憤りと熱量が終始マグマのように底流していて、圧巻の読み応えでした。

  • p18 ソクラテス・パスカル・キリスト・シッダールタ〜・親鸞など、思想家の多くは素人です。

  • 内容は深いが読みにくい。
    社会心理学とは何かを学ぶことができる。

  • 期限のため読まずに返却

  • 悪とは何か?
    その根拠を永遠に辿っていくと、不変で普遍的な答えがないことに気付く。人間の行動に科学的な考察を施し普遍的な法則を求める社会心理学。その現状を示す。

    何故か最近哲学っぽい書籍を偶然にも続けて読んでいる。合理的だけでは人間社会は成り立たない。虚構性があるからこそ人間社会は成り立っている。法律でも道徳でも人間が作った規則には、突き詰めると根拠はない。ナルホド。


    近代社会では人間に本質的な差異はないとされる。しかし、同類の間には比較が必ず起き格差が現れる。したがって、下層に位置する人間は自らの劣等生を否認するために社会の不公平を糾弾する必要がある。現代社会には構造的に格差が組み込まれている。

    判断の力は、想像の中で他者と取り持つ同意に支えられる。それは理性的推論の場合のような、私自身との対話ではない。後ほど同意しなければならない他者とのコミュニケーションである。

    他者が行使する強制力は、外部からではなく、内面化された規範として現れる必要がある。社会制度は人間が決めた慣習に過ぎない。しかしその恣意性が人間自身に対して隠蔽されてはじめて、社会強制力は自然な形で効果的に機能する。

  •  「社会心理学講義」というタイトルではあるが、いわゆる教科書的な内容ではなく単純に読み物として面白いためおすすめ。
     まず本書を読むと社会から切り離された個人というものは存在し得ないということに気づく。いかなる個人(生物?)も、それを取り巻く制約や文脈、環境との総体として想定されなければ、個人というものを分析していくことは難しいのだろうということを感じる。
     また、本書では個人の"自由意志"というものが存在しないことを示した実験を紹介している。そして"自由意志"というものが否定されるとなると、いままで私たちが信じてきたもの社会の在り方の根幹が覆されることを説明している。
     本書とは多少話が逸れるが、本書読んでいて私が読み返したくなった本が、長谷敏司氏の「BEATLESS」である。「BEATLESS」はSF作品であるが、人間及び社会に対する洞察が非常に興味深い本で、「社会心理学講義」で語られている内容を頭に読むとより面白く得られるもののある作品となるだろうと私は感じた。例えば、「BEATLESS」では人間を道具との総体とする考えが出てき、やはりそこでも、”individual”の単語に象徴されるような個人というものの考えに疑問が提示されており、自らの社会に対する考えが揺らぐのを感じられるだろう。

  • 社会
    心理

  • 社会心理学の現状を「心理学の軒先を借りているに過ぎない」と嘆き、社会と個人のあいだのダイナミズムをこそ研究しなければと説く。著者は、日本の大学は中退してフランスに渡り、ほぼ「独習者」として社会心理学を修めた方。
    →哲学にまで遡って(主体概念なんかに正面から取り組む)、タコツボ化せずにビッグ・ピクチャーを描こうとする心意気やよし。しかし、そうするとどうしても議論は大味になる。バランスというか、なんだか難しいね。

    社会システムの同一性と変化という矛盾する(?)力に着目していく。

    フェスティンガーの認知不協和理論は知っていたが、社会秩序を維持する方向に働くホメオスタシスの理論として捉えたことはなかった。ほんとうは周囲からの影響を受けているのに、自ら自分を説得して態度変化させるので、その変化は強く長く続くと考えられる(実験での実証は難しいが)。個人主義の限界を浮き彫りにする理論だと。

    一方で社会システムの変化を扱う、モスコヴィッシによる少数派影響の理論は初耳だった。多数派の影響は表面的なものにとどまるが、少数派の影響は根っこから態度を変えるらしい。難しくてよく分からないところが多かったが、残像色を利用した実験はエレガント。

  • 人間とは何か、まではわからなかったが、社会における人間の行動については読む前より少しだけ賢くなった気がする。常識を覆される快感。

  • 読んでおいて損はない

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