紅白歌合戦と日本人 (筑摩選書 78)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480015860

感想・レビュー・書評

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  • 紅白の誕生から2011年くらいまでをざっくり追っている。紅白論というよりは歌謡界論という感じも。紅白を謳うならもっと紅白に特化してトリビアをいろいろ紹介してもらいたかった。
    とはいえ、紅白がけっこう短い周期でどんどん変わってきたことがわかったのは面白かった。高視聴率が至上命題ではあるけれど、一方でもうここ30年弱くらいはそんなの望み薄なわけで、迷走ぶりが痛々しい。著者はそうした試みをけっこう肯定的にとらえていて、「日本というコミュニティが再生する上でも必要な、受け継がれるべき記憶は、こうした場から立ち現れてくるのではないだろうか。だが、それを一つの形へと無理にまとめ上げる必要なない。むしろ、複数あっていい。しかもそれは常に変化していく。大切なのは、そうした複数の記憶が内閉することなく、交響し合うことである。」(p.347)なんていってるんだけど、多様性を受け入れるのはいいことだけど、そんなそれぞれがそれぞれの好きな方向を向いたものがまとまるのだろうか。すなわち、もう老若男女みんなが口ずさめるような歌が生まれなくなっている現代日本社会において「コミュニティの再生」とか無理なんじゃないと思っちゃう。
    自分のなかでは黄金的な紅白って、その年のヒット曲が披露されるってものなんだけど、もはやそんな紅白望めないこともよくわかった。見なくなって10年はたつと思うけど、これからもきっと見ないことでしょう。

  •  ライターや評論家の仕事ならこれでもいいだろうが、社会学者の仕事としてこれはない。「紅白」に現れたさまざまな事象を著者が設定した枠組みに恣意的に当てはめて主観的な評価を与えるばかり。SMAPに「バーチャルな〈日本〉というコミュニティが崩壊した後の、新たなコミュニティへの希望」を見出して締めくくっているが、本書刊行後2年足らずして周知の空中分解劇となったわけで、この1点を見ても生命力のない趣味的著作でしかないのがわかる。

  • 紅白歌合戦を語ることは、取りも直さず日本の戦後歌謡史を語ることだということが浮彫になる秀逸な著作。時代によって形は変われど「安住の地」を紅白が日本人に提供してきた、という仮説は非常に興味深いが、多少強引な印象も否めず。ただ、各時代の流行歌が何を以て流行歌足りえたのか、という分析は切れ味鋭い。音楽業界に身を置く人間には特に必読でしょう!

  • たかが紅白歌合戦でこれだけ書けるもんだ,熱意には敬服するが,どうでもいいことかもしれない。

  • 音楽史を書いてる 紅白に関係ない話も多い

  • 紅白と日本人の関係は本当のところ分かったような納得できないような感じでしたが、長い紅白の歴史を振り返って良く纏まっているし、知らないことも知っていることも含めて懐かしい気分になりました。これが著者のいう「安住の地」効果なのかも、、紅白には限りませんが、とにかく音楽の力は偉大です。

  • 紅白歌合戦を通して、戦後の日本社会をも振り返ることのできる1冊です。

  • 目についた書評につられて読んでみたが、期待していたのとはちょっと違っていた。紅白を通じて、日本人の心性に斬り込んだものかと思っていたのだが、もっと具体的に回顧する内容だった。論考としても、懐かしネタとしてもやや中途半端な感じ。

  • 感想未記入。引用省略

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著者プロフィール

1960年生まれ。社会学者・文筆家。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビと戦後日本、お笑い、アイドル、メディアと社会・文化の関係をテーマに執筆活動を展開。著書に『社会は笑う』『ニッポン男性アイドル史』(以上、青弓社)、『アイドル進化論』『紅白歌合戦と日本人』(以上、筑摩書房)、『SMAPと平成ニッポン』(光文社新書)、『芸人最強社会ニッポン』(朝日新書)、『攻めてるテレ東、愛されるテレ東』(東京大学出版会)ほか多数。

「2021年 『すべてはタモリ、たけし、さんまから始まった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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