- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480016294
感想・レビュー・書評
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卒論で参考にしたい部分が丁度中盤くらいの章だったので、読み切るのを失念していた。ようやく読み終わりました。
フロイトの著書は私にとっては難解なので、
この本にかなり助けられた気がする。かなり噛み砕いて説明されていると思う(それでも難しいところは難しかったけれども)。
フロイトの思想は私の興味にだいぶ寄り添ってくれることを、この本を通して知ることができた。ほかのフロイト関連書籍も読みつつ、こちらも何度も読みなおしたい。 -
様々な学問分野に波及したフロイトの成果を知るに留まらず、幾多のモデル修正を重ねてきたフロイト思想のダイナミズムを感じることができ、とても面白かったです。
特に第一局所論までは、理論の形成に至るまでのフロイトの格闘が症例と共に詳しく丁寧に書かれていて、非常に読み応えがありました。しかし第二局所論辺りからは、充実感は感じるもののやや教科書的になっているように感じました。また第二局所論から新たに導入されたエスについての説明が、自我•超自我に比べ乏しいように感じました。
あと、欲を言えば巻末にでも読書案内が欲しかったです。 -
フロイトは何冊か読んだけれどあんまり体系立てて理解できていない気がしたので読んだ、いい整理になった
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/66715 -
人が分からなくなって読んだ。読みにくくはないながらも、内容が多いだけになかなか読み終わらず。面白かった。
フロイトの考えの変遷を、そう考えるに至ったフロイトの経験も交えて紹介している。フロイトは精神症の根底には性的欲望があることを想定しており、それを証明するための弁証をしている。
無意識を提唱したのはフロイトであったが、無意識には普段は抑圧しているものが含まれているという提唱がなされている。
夢分析の章はややしんどかったが、エディプスコンプレックスの章は面白かった。日常で出会う自罰的な人に対して、どこからこの罰意識はくるのだろうかと不思議であったが、フロイトによると、エディプスコンプレックスを克服した結果生じる超自我がこの罪悪感を生み出しているようだった。
どんなに自分で考えた突飛な論でも、皆を納得させられるくらいに組み立てをつくれば世の中に広く残るものになるのだと思うようになった。 -
精神分析の手法を応用して、思想から社会問題、宗教まで分析してみせたフロイト思想を紹介した本
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こうしてフロイトの探求を時系列でたどってみると、無意識の概念の発明といい、画期的だとは思うのだけれど、やはりなんでも「エディプス・コンプレックス」に押し込めてしまうところは納得しがたい。自分はヨーロッパ育ちでもユダヤ教徒でもないからわからないが、そういった文化的背景を経由した人なら、「原父」(=唯一神?)の存在がひどく腑に落ちるのかもしれない。
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大学院の授業で発表する為に読みました。
精神分析を軸にフロイトが展開した様々な主張とその背景を丁寧に解説しています。
教科書で習った内容と一部矛盾していたり、
取り扱われていない内容があったりと、
やや期待していたものと一致しないところもありましたが、
かなり勉強になりました。 -
フロイトの思想をていねいに解説している本です。
筑摩書房からは他に、妙木浩之の同じタイトルの本が刊行されていますが、そちらはフロイトの思想の現代的な意義を取り出すという内容になっていたのに対し、本書はフロイト自身の思索の過程をていねいに追いかけて解説しています。
精神分析という営みそのものに懐疑的な読者にとっても、フロイトの思想それ自体を知ることのできる、優れた入門書ではないかと思います。